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11章 タレク島の決戦!!
STORY189 リアーナのために……決死の戦い!
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リアーナから完全に生気が失なわれる前にウラボスは行動を起こす。
「リャッカ! リア・ファルの杖を託す! リアーナに常に全力で治癒魔術をかけ続けてくれ! もう暫くは命を繋げられるはずだ!」
「なにを言ってるニャ!? 気持ちはわかるけど、これ以上はリアーナを苦しめるだけニャ!!!」
リャッカが反対する。
「できることはまだある!! 今は黙って言うとおりにしてくれ! 頼む!!!」
ウラボスは真剣な眼でリャッカを見る。
「……わかったニャ! ウラボスを信じるニャ!……その代わり、リアーナを絶対に助けるニャ!!」
「ああ! 当たり前だ!! みんなは異空間から出て、外で待っててくれ! 俺はジョアファルアを殺す!!!」
ウラボスは答えて、ジョアファルアを見据える。その眼は殺意と希望が込められている。
ウラボスはリアーナを諦めてはいない。ならば、今はウラボスを信じて指示に従うべきだ。一同はウラボスとジョアファルアを残して歪みから脱出した。
◎
「ふん、わらわを殺すなどバカバカしい! どうせ、もうすぐこの異空間とともにわらわも貴様もこの世から消え去るのだ! もはや戦いに意味などありませぬ!」
ジョアファルアは戦意も意味もないと主張する。だが、ウラボスはかまうことなく、ジョアファルアに攻撃を仕掛ける。
「愚かな! 他の者よりはマシであろうが、貴様もかなり消耗しておるはず! そんな状態でわらわに勝てるわけがなかろう!!」
ジョアファルアは火炎矢魔術を放つ。ウラボスは横っ跳びにかわすと右手に拳を握る。
(なに!?)
ウラボスの動きに警戒していたジョアファルアだったが、その姿を見失ってしまう。
(……後ろか!?)
ウラボスの気配に振り返る。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ウラボスの怒涛の攻撃が始まった。右フック、左フック、腹蹴り、アッパー、右回し蹴りと次々に繰り出していく。
(どこに……こんな体力が!?……)
ジョアファルアは信じられぬ思いであった。しかし、このままやられてばかりもいられない。手にした槍の穂先をウラボスに突き出す。
ウラボスはそれを受け流すと左拳をジョアファルアの鳩尾にめり込ませた。
「がはっ!!」
両膝を折って苦悶の表情となるジョアファルア。
(おのれ……この力はいったい……まさか!?)
ジョアファルアは後方に飛び退き、ウラボスを見据える。
「貴様、自分の生命力を燃焼させておるのか!? 愚か者め! そのようなことは自殺行為に等しきことじゃ!」
ジョアファルアの警告にもウラボスは一切躊躇わない。もはや、ジョアファルアと会話する時間などなかった。一瞬でも早くジョアファルアを殺し、リアーナの元に行かねばならないのだ。その強い思いだけがウラボスを突き動かしていた。
「ぬぐぅぅぅぅぅぅ!……」
ウラボスの左右の拳がマシンガンの如く繰り出される。
「なぜだ!? なぜ、そうまでしてわらわの命を狙う!? それほどまでにわらわが憎いのか!!?」
ウラボスと激しい攻防戦を繰り広げながらジョアファルアが問う。ウラボスはジョアファルアによって負わされた傷など気にする様子は全くない。
「おまえへの恨みなどどうでもいい! 今はただリアーナを救いたい!! それだけだ!!!」
攻撃の手を緩めることなくウラボスが答える。
「なにをバカな!! あの小娘はどのみち助からぬ! そのようなこともわからぬ貴様ではなかろう!?」
「……俺はリアーナを助ける!! 絶対にな!!!」
ウラボスの右ハイキックがジョアファルアの左頬をとらえた。ジョアファルアはよろめきながらもどうにか踏ん張る。
「貴様は解っておらぬのか!? わらわが死んだ瞬間、この異空間は消失するのだぞ!? 貴様が脱出する時間などないのだぞ!?」
「やれるさ! 俺は何も諦めない!!」
ウラボスは一切の迷いなくジョアファルアに接近戦を挑む。その鬼気迫る勢いにジョアファルアの動きが鈍る。
(……!?……わらわが、人間ごときに怯えているだと!?……いいや、そのようなことなどあり得ぬ!!! わらわは神ぞ! 神が人間ごときを恐れるなどあってはならぬ!!!!)
ジョアファルアは自らを鼓舞する。
「えぇい!! 離れぬか!!!」
ジョアファルアが槍を薙ぐ。ウラボスはそれを受け止めると腹に強烈な蹴りを撃ち込む。
「ぬぁ……あ……うぅ……」
ジョアファルアは苦し気にうめき声を漏らし、ヨロヨロと後退する。
一方、ウラボスはジョアファルアから槍を奪い取り構える。
「よせ! わらわを殺したところであの小娘が生き返るわけではないのだぞ!? それに、わらわも貴様もこの異空間とともに消滅するのだぞ! なぜ、そうまでしてわらわを殺すことにこだわる!?」
「……俺は何も諦めちゃいない。俺の命も、この戦いの勝利も、リアーナの命もな!!!」
ウラボスが突きだした槍の穂先がジョアファルアの頭部を貫通した。直後、限界を迎えたウラボスは吐血する。だが、それでもウラボスは動きを止めない。
絶命した直後のジョアファルアに両手を着けて、最後に残された全ての魔力を手のひらに集中する。
「魂捕食者蘇生超魔術!」
ウラボスは自らの超魔術を詠唱発動させた。
「リャッカ! リア・ファルの杖を託す! リアーナに常に全力で治癒魔術をかけ続けてくれ! もう暫くは命を繋げられるはずだ!」
「なにを言ってるニャ!? 気持ちはわかるけど、これ以上はリアーナを苦しめるだけニャ!!!」
リャッカが反対する。
「できることはまだある!! 今は黙って言うとおりにしてくれ! 頼む!!!」
ウラボスは真剣な眼でリャッカを見る。
「……わかったニャ! ウラボスを信じるニャ!……その代わり、リアーナを絶対に助けるニャ!!」
「ああ! 当たり前だ!! みんなは異空間から出て、外で待っててくれ! 俺はジョアファルアを殺す!!!」
ウラボスは答えて、ジョアファルアを見据える。その眼は殺意と希望が込められている。
ウラボスはリアーナを諦めてはいない。ならば、今はウラボスを信じて指示に従うべきだ。一同はウラボスとジョアファルアを残して歪みから脱出した。
◎
「ふん、わらわを殺すなどバカバカしい! どうせ、もうすぐこの異空間とともにわらわも貴様もこの世から消え去るのだ! もはや戦いに意味などありませぬ!」
ジョアファルアは戦意も意味もないと主張する。だが、ウラボスはかまうことなく、ジョアファルアに攻撃を仕掛ける。
「愚かな! 他の者よりはマシであろうが、貴様もかなり消耗しておるはず! そんな状態でわらわに勝てるわけがなかろう!!」
ジョアファルアは火炎矢魔術を放つ。ウラボスは横っ跳びにかわすと右手に拳を握る。
(なに!?)
ウラボスの動きに警戒していたジョアファルアだったが、その姿を見失ってしまう。
(……後ろか!?)
ウラボスの気配に振り返る。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ウラボスの怒涛の攻撃が始まった。右フック、左フック、腹蹴り、アッパー、右回し蹴りと次々に繰り出していく。
(どこに……こんな体力が!?……)
ジョアファルアは信じられぬ思いであった。しかし、このままやられてばかりもいられない。手にした槍の穂先をウラボスに突き出す。
ウラボスはそれを受け流すと左拳をジョアファルアの鳩尾にめり込ませた。
「がはっ!!」
両膝を折って苦悶の表情となるジョアファルア。
(おのれ……この力はいったい……まさか!?)
ジョアファルアは後方に飛び退き、ウラボスを見据える。
「貴様、自分の生命力を燃焼させておるのか!? 愚か者め! そのようなことは自殺行為に等しきことじゃ!」
ジョアファルアの警告にもウラボスは一切躊躇わない。もはや、ジョアファルアと会話する時間などなかった。一瞬でも早くジョアファルアを殺し、リアーナの元に行かねばならないのだ。その強い思いだけがウラボスを突き動かしていた。
「ぬぐぅぅぅぅぅぅ!……」
ウラボスの左右の拳がマシンガンの如く繰り出される。
「なぜだ!? なぜ、そうまでしてわらわの命を狙う!? それほどまでにわらわが憎いのか!!?」
ウラボスと激しい攻防戦を繰り広げながらジョアファルアが問う。ウラボスはジョアファルアによって負わされた傷など気にする様子は全くない。
「おまえへの恨みなどどうでもいい! 今はただリアーナを救いたい!! それだけだ!!!」
攻撃の手を緩めることなくウラボスが答える。
「なにをバカな!! あの小娘はどのみち助からぬ! そのようなこともわからぬ貴様ではなかろう!?」
「……俺はリアーナを助ける!! 絶対にな!!!」
ウラボスの右ハイキックがジョアファルアの左頬をとらえた。ジョアファルアはよろめきながらもどうにか踏ん張る。
「貴様は解っておらぬのか!? わらわが死んだ瞬間、この異空間は消失するのだぞ!? 貴様が脱出する時間などないのだぞ!?」
「やれるさ! 俺は何も諦めない!!」
ウラボスは一切の迷いなくジョアファルアに接近戦を挑む。その鬼気迫る勢いにジョアファルアの動きが鈍る。
(……!?……わらわが、人間ごときに怯えているだと!?……いいや、そのようなことなどあり得ぬ!!! わらわは神ぞ! 神が人間ごときを恐れるなどあってはならぬ!!!!)
ジョアファルアは自らを鼓舞する。
「えぇい!! 離れぬか!!!」
ジョアファルアが槍を薙ぐ。ウラボスはそれを受け止めると腹に強烈な蹴りを撃ち込む。
「ぬぁ……あ……うぅ……」
ジョアファルアは苦し気にうめき声を漏らし、ヨロヨロと後退する。
一方、ウラボスはジョアファルアから槍を奪い取り構える。
「よせ! わらわを殺したところであの小娘が生き返るわけではないのだぞ!? それに、わらわも貴様もこの異空間とともに消滅するのだぞ! なぜ、そうまでしてわらわを殺すことにこだわる!?」
「……俺は何も諦めちゃいない。俺の命も、この戦いの勝利も、リアーナの命もな!!!」
ウラボスが突きだした槍の穂先がジョアファルアの頭部を貫通した。直後、限界を迎えたウラボスは吐血する。だが、それでもウラボスは動きを止めない。
絶命した直後のジョアファルアに両手を着けて、最後に残された全ての魔力を手のひらに集中する。
「魂捕食者蘇生超魔術!」
ウラボスは自らの超魔術を詠唱発動させた。
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