冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

美山 鳥

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11章 タレク島の決戦!!

STORY190 奇跡の超魔術

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 ウラボスがジョアファルアと一騎討ちを繰り広げているころ、異空間から脱出したリャッカはリア・ファルの杖の魔力を使ってリアーナに治癒魔術ヒールをかけ続けていた。

 リア・ファルの杖から放出される魔力を制御し、延命措置を続けるのは想像以上に困難であった。これほど扱いの難しい武器を苦もなく使いこなすウラボスの技量には驚かされるばかりであった。

 「……リャッ……カ……ちゃ……ん……」

 リアーナのか細い声がリャッカに届く。

 「リアーナ!?」

 リャッカはリアーナの意識戻ったことに表情を緩ませる。だが、リアーナからは相変わらずまるで生気が感じられない。

 「もう……いい……の……。わたし……わ……かる……ん……だ……。も……う……助……から……な……い……ん……だっ……て……。……だ……か……ら……無理……し……ない……で……」

 「なに言ってるニャ!! ウラボスはリアーナを助けるって言ってたニャ! だから、リアーナも頑張るニャ!」

 「……い……くら……ウラ……ボス……で……も……無理……だ……よ……」

 リアーナは哀しげに言う。リャッカは治癒魔術ヒールをかけ続けながら言葉を詰まらせる。

 「……あたしはさ、真なる支配者……いや、ウラボスのことはよくわからない。だけど、できないことをできるなんて言ういい加減なやつなのかい? あたしが思ってるような人物なら、何か考えがあるはずだ。あんた、ウラボスに惚れてるんだろ? だったら、もう少し、あいつを信じてやったらどうなんだい?」

 アリムルの言葉にリアーナは無言のまままぶたを閉じる。

 「リアーナ!?」

 リャッカが悲痛な声を発する。

 「……わ……かっ……た……。ウ……ラボ……ス……を……信……じ……る……ね……」

 リアーナは力なく答えた。



 「リアーナさん!!」

 「リアーナ!!」

 グランザとゼルアルが異空間から脱出してきたウラボスを連れてきた。

 「ウラボス!!」

 「遅いよ!!」

 リャッカとアリムルが声をあげる。

 「すまない!……」

 ウラボスは両脇をグランザとゼルアルに支えられながらリアーナの側まで行く。

 「リアーナ!」

 ウラボスの声にリアーナが僅かにまぶたを開ける。

 「ウ……ラ……ボ……ス?……」

 「もう、大丈夫だ!」

 ウラボスはリアーナの手をしっかりと握ると、リャッカからリア・ファルの杖を受け取る。

 「魂捕食蘇生超魔術ソウルプリデーション・リヴァイヴァル!!」

 ウラボスは再び超魔術を詠唱発動した。リアーナの身体が目映い輝きを放つ。

 「何が起きたニャ!?」

 全員が何も見えない中、リャッカが声をあげる。



 輝きが消え、静寂がおとずれた。蒼白だったリアーナの肌に赤みがさしている。穏やかな呼吸もしている。

 「よかっ……た……」

 リアーナの容態が安定したのを確認したウラボスは、そのまま意識を失った。

~11章 タレク島の決戦!! 完~
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