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2章 ヴィズ村のオーク襲撃事件
14話 VSグリッパー
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ガキィィィンッ
「かはっ!」
グリッパーの金砕棒を魔剣カラドボルグで受け止める。しかし、一撃の重みが尋常ではない。俺は勢いよく弾き飛ばされて壁に激突した。
骨ばかりの体のどこにこれだけの力があるというのか。しかも、動きもかなり速い。
「クカカカカカ! どうした!? その程度では楽しめんではないか!!」
グリッパーは金砕棒を頭上で振り回しながら叫ぶ。
(くそ! まずは……)
「紅雷!」
俺は魔剣カラドボルグの力を解放して振りかざす。放たれた紅い雷が雑兵オークを次々に屠る。
まずは周りの雑魚を片付けて、やつと一対一の状況に持ち込まなければならない。
「隙ありぃぃ!」
グリッパーが金砕棒を振り下ろす。凄まじい衝撃波を横っ跳びにかわし、聖剣エクスカリバーの魔力を解放する。
「水刃!」
圧縮された水の刃がグリッパーを捉えた!……と思ったが、そうはいかなかったらしい。水刃は金砕棒で受け止められてしまった。
「クカカカカカ! いいぞ、いいぞ! もっと楽しませてくれぃ!!」
狂喜じみた台詞を洞窟のフロアに響かせながらグリッパーは俊敏な動きで俺との間合いを詰めてくる。
ガキィィィンッ……キィンッ……キンッ……ガキィンッ……
(速さと膂力を併せ持っているとなると、どうにも厄介だな)
グリッパーが繰り出す連続攻撃を受け流しながら反撃の隙をうかがう。だが、重量級の武器である金砕棒をまるで木剣のように扱う相手に反撃の糸口を見出だすのは容易ではない。
(さて、どうしたものか。魔眼で動きを止めるのも手だが、はたしてアンデッドに効く保証もない……)
「クカカカカカ! そぉら!」
グリッパーの金砕棒が俺の腹を突く。激しい衝撃を受けて骨が軋み、内臓が潰されるかのような痛みに襲われる。
「がはぁっ!」
弾き飛ばされた俺は両足で踏ん張り、聖剣と魔剣を地面に突き立てるも後方へと滑っていく。
俺は、戦闘に於いて自分の魔力を身体能力の強化と防御膜魔術にあてている。だからこそ、大振りの剣であるエクスカリバーとカラドボルグを同時に扱うことができる。しかし、グリッパーの力は、強化された俺の腕力よりも明らかに上だ。
「水刃・二連!!」
接近するのは危険だと判断し、エクスカリバーから水の刃を連発で放つ。
「なんのぉ!」
グリッパーは金砕棒を素早く振るい、水の刃を砕く。
「今度はこちらの番だなぁ!」
横に薙がれた金砕棒から発せられた衝撃波が俺の体を軽々と浮かせ、吹き飛ばす。
「ぐっ……」
またしても壁に背中をぶつける。
「おらおら、どうしたよ!?」
グリッパーは金砕棒を器用に回転させながら突進してくる。
ブォンッ
金砕棒による攻撃をしゃがんでかわす。
俺はグリッパーの右脇をすり抜け様にカラドボルグを横に一閃し、腰椎に一撃を叩き込む。
「ぬぉっ」
グリッパーが前によろめく。足を止めることなく、さらに間合いを開けながらエクスカリバーの魔力を解放する。
「水刃・三連!!」
振り返って放った水の刃はグリッパーの背中に連続ヒットした。
「これで……どうだ!」
さらにカラドボルグの魔力を雷に変換して紅雷を撃つ。
「ぬぉぉぉぉっ!」
グリッパーの低いうなり声がフロアの空気を振動させる。
「クカカカカカ! そうだ! この、命を懸けた戦いこそが我が望み!」
赤い双眸を爛々と輝かせ、間合いを詰めてきたグリッパーは鋭い突きを放つ。
俺は横へと移動しながら身体を回転させ、カラドボルグをグリッパーの頚椎へと滑らせる。
ガキィッ
魔剣から確かな手応えが伝わる。だが……
「でやぁぁぁぁぁ!」
グリッパーは咆哮し、金砕棒を薙いだ。
「ぐぁぁっ」
金砕棒は俺の脇腹を捉えた。弾かれて地面で何度もバウンドする。
(くっ!……あばらが何本かやられたか!?)
俺は防御膜魔術を解除し、代わって治癒初級魔術を発動させる。
「クカカカカカ! 防御よりも回復を優先させるか。だが、回復するまで待ってはやらんぞ!?」
グリッパーは一気に詰め寄ると金砕棒を頭上に掲げる。
脇腹は激痛に疼いているが、この攻撃をくらうわけにはいかない。地面を蹴って横に飛び退く。瞬間、金砕棒が地面を砕き、破片が飛散する。
攻撃をかわされたグリッパーは次の攻撃のモーションに入る。
「ぬっ!?」
グリッパーの動きが静止した。カラドボルグから伸びた細い鎖が骨の体に巻き付いている。
「なんだ、これは?」
「魔剣の縛鎖。魔神リュカリオンがカラドボルグに新たに付与した物だ」
グリッパーの疑問に答える。
「笑止! こんな細い鎖など引き千切ってくれようぞ!!」
グリッパーは全身に力を込める。しかし、魔剣の縛鎖により拘束された体は微動だにしない。
「これは魔神リュカリオンが付与した物だと言ったはずだ。容易に切れないさ。俺もまだ扱いきれていない。そのため、使うことを躊躇ったが、どうにかなったようだ」
「なるほど。しかし、動きを封じるだけでは倒すことはできんぞ?」
グリッパーは不敵に笑う。
「たしかにな。だが、魔剣の縛鎖はこう使うんだよ!」
言って、カラドボルグの魔力を解き放つ。
「紅雷!!」
カラドボルグの紅い雷は、魔剣の縛鎖を通じてグリッパーに流れ込む。
「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
グリッパーの叫び声がフロア中の空気を激しく振動させ、天井から細かな破片がパラパラと落ちてくる。
俺は中段に構えたエクスカリバーの切先をグリッパーに向けて肘を引く。
「これで、とどめだ!!」
渾身の力を込めて放った突きはグリッパーの顔面に捉え、その頭蓋骨を破壊した。
「かはっ!」
グリッパーの金砕棒を魔剣カラドボルグで受け止める。しかし、一撃の重みが尋常ではない。俺は勢いよく弾き飛ばされて壁に激突した。
骨ばかりの体のどこにこれだけの力があるというのか。しかも、動きもかなり速い。
「クカカカカカ! どうした!? その程度では楽しめんではないか!!」
グリッパーは金砕棒を頭上で振り回しながら叫ぶ。
(くそ! まずは……)
「紅雷!」
俺は魔剣カラドボルグの力を解放して振りかざす。放たれた紅い雷が雑兵オークを次々に屠る。
まずは周りの雑魚を片付けて、やつと一対一の状況に持ち込まなければならない。
「隙ありぃぃ!」
グリッパーが金砕棒を振り下ろす。凄まじい衝撃波を横っ跳びにかわし、聖剣エクスカリバーの魔力を解放する。
「水刃!」
圧縮された水の刃がグリッパーを捉えた!……と思ったが、そうはいかなかったらしい。水刃は金砕棒で受け止められてしまった。
「クカカカカカ! いいぞ、いいぞ! もっと楽しませてくれぃ!!」
狂喜じみた台詞を洞窟のフロアに響かせながらグリッパーは俊敏な動きで俺との間合いを詰めてくる。
ガキィィィンッ……キィンッ……キンッ……ガキィンッ……
(速さと膂力を併せ持っているとなると、どうにも厄介だな)
グリッパーが繰り出す連続攻撃を受け流しながら反撃の隙をうかがう。だが、重量級の武器である金砕棒をまるで木剣のように扱う相手に反撃の糸口を見出だすのは容易ではない。
(さて、どうしたものか。魔眼で動きを止めるのも手だが、はたしてアンデッドに効く保証もない……)
「クカカカカカ! そぉら!」
グリッパーの金砕棒が俺の腹を突く。激しい衝撃を受けて骨が軋み、内臓が潰されるかのような痛みに襲われる。
「がはぁっ!」
弾き飛ばされた俺は両足で踏ん張り、聖剣と魔剣を地面に突き立てるも後方へと滑っていく。
俺は、戦闘に於いて自分の魔力を身体能力の強化と防御膜魔術にあてている。だからこそ、大振りの剣であるエクスカリバーとカラドボルグを同時に扱うことができる。しかし、グリッパーの力は、強化された俺の腕力よりも明らかに上だ。
「水刃・二連!!」
接近するのは危険だと判断し、エクスカリバーから水の刃を連発で放つ。
「なんのぉ!」
グリッパーは金砕棒を素早く振るい、水の刃を砕く。
「今度はこちらの番だなぁ!」
横に薙がれた金砕棒から発せられた衝撃波が俺の体を軽々と浮かせ、吹き飛ばす。
「ぐっ……」
またしても壁に背中をぶつける。
「おらおら、どうしたよ!?」
グリッパーは金砕棒を器用に回転させながら突進してくる。
ブォンッ
金砕棒による攻撃をしゃがんでかわす。
俺はグリッパーの右脇をすり抜け様にカラドボルグを横に一閃し、腰椎に一撃を叩き込む。
「ぬぉっ」
グリッパーが前によろめく。足を止めることなく、さらに間合いを開けながらエクスカリバーの魔力を解放する。
「水刃・三連!!」
振り返って放った水の刃はグリッパーの背中に連続ヒットした。
「これで……どうだ!」
さらにカラドボルグの魔力を雷に変換して紅雷を撃つ。
「ぬぉぉぉぉっ!」
グリッパーの低いうなり声がフロアの空気を振動させる。
「クカカカカカ! そうだ! この、命を懸けた戦いこそが我が望み!」
赤い双眸を爛々と輝かせ、間合いを詰めてきたグリッパーは鋭い突きを放つ。
俺は横へと移動しながら身体を回転させ、カラドボルグをグリッパーの頚椎へと滑らせる。
ガキィッ
魔剣から確かな手応えが伝わる。だが……
「でやぁぁぁぁぁ!」
グリッパーは咆哮し、金砕棒を薙いだ。
「ぐぁぁっ」
金砕棒は俺の脇腹を捉えた。弾かれて地面で何度もバウンドする。
(くっ!……あばらが何本かやられたか!?)
俺は防御膜魔術を解除し、代わって治癒初級魔術を発動させる。
「クカカカカカ! 防御よりも回復を優先させるか。だが、回復するまで待ってはやらんぞ!?」
グリッパーは一気に詰め寄ると金砕棒を頭上に掲げる。
脇腹は激痛に疼いているが、この攻撃をくらうわけにはいかない。地面を蹴って横に飛び退く。瞬間、金砕棒が地面を砕き、破片が飛散する。
攻撃をかわされたグリッパーは次の攻撃のモーションに入る。
「ぬっ!?」
グリッパーの動きが静止した。カラドボルグから伸びた細い鎖が骨の体に巻き付いている。
「なんだ、これは?」
「魔剣の縛鎖。魔神リュカリオンがカラドボルグに新たに付与した物だ」
グリッパーの疑問に答える。
「笑止! こんな細い鎖など引き千切ってくれようぞ!!」
グリッパーは全身に力を込める。しかし、魔剣の縛鎖により拘束された体は微動だにしない。
「これは魔神リュカリオンが付与した物だと言ったはずだ。容易に切れないさ。俺もまだ扱いきれていない。そのため、使うことを躊躇ったが、どうにかなったようだ」
「なるほど。しかし、動きを封じるだけでは倒すことはできんぞ?」
グリッパーは不敵に笑う。
「たしかにな。だが、魔剣の縛鎖はこう使うんだよ!」
言って、カラドボルグの魔力を解き放つ。
「紅雷!!」
カラドボルグの紅い雷は、魔剣の縛鎖を通じてグリッパーに流れ込む。
「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
グリッパーの叫び声がフロア中の空気を激しく振動させ、天井から細かな破片がパラパラと落ちてくる。
俺は中段に構えたエクスカリバーの切先をグリッパーに向けて肘を引く。
「これで、とどめだ!!」
渾身の力を込めて放った突きはグリッパーの顔面に捉え、その頭蓋骨を破壊した。
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