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4章 少女を救え!
31話 地下迷宮③
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「……うそ……」
メルティナが、完全に修復された人型ゴーレムを前に呟く。
俺はそんなメルティナを抱き寄せるとエクスカリバーを頭上に掲げる。
「癒水」
聖剣の魔力を解放する。癒しの水が俺とメルティナに降り注ぎ、ダメージを回復させる。
「あの程度なら自己修復できるというんだったら、それが不可能なくらい破壊するまでだ!」
絶望しかけているメルティナを励ます。
「う、うん!」
メルティナは、どうにか闘志を奮い起たせてヒヒイロカネスタッフを構える。
「水刃・2連!」
まずは水の刃で牽制しながら近付く。衝撃を受けて多少は後ろによろめくが、痛覚を持たないゴーレムはかまわず右拳を引く。
「風属性初級魔術!」
メルティナの攻撃魔術による援護で人型ゴーレムの攻撃のタイミングが僅かに遅れる。
「うぉぉぉぉぉっ!!」
聖剣と魔剣を連続で斬りつけ、反撃がくる前に素早く後退する。
「オォォォォォォォッ」
「雷属性中級魔術!」
メルティナが、俺を追おうと動く人型ゴーレムに攻撃する。
(いける!)
よろめいた人型ゴーレムに斬撃を加えながら勝機を見出だす。
「ゴォォォォォ!」
俺の体を掴もうと手を伸ばす人型ゴーレムを魔剣の縛鎖で拘束する。
「紅雷!」
身動きができなくなったところへ電撃を流し込む。続けて脳天にエクスカリバーを突き立てた。
「氷属性中級魔術!」
さらにメルティナの攻撃魔術が炸裂する。人型ゴーレムから細かな破片がパラパラと落ちる。
エクスカリバーを引き抜くと同時に人型ゴーレムの拘束を解く。いかに魔剣の縛鎖でも拘束し続けることはできない。
「コォォォォォ!」
自由を取り戻した人型ゴーレムが左手の掌を俺に向ける。
(飛礫か!)
敵の攻撃を予想した俺は聖剣の魔力を解き放つ。
「水刃・4連!」
水の刃がゴーレムの左手に次々に命中する。
「光属性初級魔術!」
メルティナが撃った光球を頭部に受けて人型ゴーレムがよろめく。
「はぁぁぁぁっ!」
一気に間合いを詰めて聖剣を水平に薙ぐ。さらに魔剣を下段から上段へと斬り上げた。
「オォォォォ……」
破片が飛び散るなか、後方へと飛び退き、エクスカリバーとカラドボルグを構える。
「せやぁぁっ!!」
魔剣を腹に、聖剣を顔面に突き刺す。
「まだだ!」
魔剣と聖剣を握る手に力を込めて横に薙ぎ払う。
「メルティナ! 一気に勝負を決めるぞ!!」
「わかった!!」
俺の呼び掛けにメルティナが答える。それを確認して、左目の魔眼の力を解き放った。その刹那、人型ゴーレムの動きは完全に停止する。
「光属性中級魔術!!」
メルティナは残された魔力を使いきらんとばかりに光の矢を連発で撃ち込んでいく。
(やるじゃないか。俺も負けてられないな!)
聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグが無数の軌道を描き、人型ゴーレムを斬りまくる。凄まじい勢いで人型ゴーレムの体が削り取られていく。
「アルフォス、離れて!」
メルティナの叫ぶ声が聞こえる。俺は後方に飛び退く。
「光属性中級広域魔術!!!」
ヒヒイロカネスタッフを高々と掲げたメルティナが発生させた光の渦がゴーレムをのみ込む。
「ゴォォォォォ……」
渦の中からゴーレムの声がする。おそらく岩石で作られた体が削られているのだろう。
「もう……だめ……」
魔力を使い果たしたメルティナがその場に座り込む。それと時を同じくして光の渦が消えた。そこには、メルティナよりも小さくなった人型ゴーレムが残されていた。
「終わりにしてやる!!」
聖剣の魔力を解放する。
「水刃・5連!!」
連続でくり出した水の刃が人型ゴーレムの手足と胴体を砕く。
「紅雷斬!」
魔剣カラドボルグに紅い稲妻をまとませ、最後に残った頭部を斬り捨てる。
「グ……ゴゴ……ゴ……ゴ……」
木端微塵にされたゴーレムは役割を終え、ただの残骸となった。
「助かったよ」
床に座り込んだままになっていたメルティナに手を差し伸べる。
「ううん。アルフォスこそお疲れさま」
俺の手を取って立ち上がるメルティナが微笑む。
「メルティナはよく頑張ってくれた。俺ひとりだと勝てなかったかもしれない」
「エヘヘ……」
笑顔を見せるメルティナを横目に、魔剣ダインスレフを再び手に取る。
「さて、アルスフェルトに帰ろうか」
「うん! リーシャちゃんを連れていかれる前に戻らなきゃね!」
魔剣ダインスレフを手に入れた俺たちは宝物庫をあとにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バルスヴェイルを目指して地下迷宮を急ぐ。
「ねぇ、アルフォス?」
隣からメルティナが声をかけてきた。どうしたのかと顔を向ける。少し顔を赤らめているようだ。
「この件が解決したら少し休むんだよね?」
「ああ。そうだな」
「だったらね、わたしもアルフォスと一緒に寝てもいいかな?」
「あ、ああ。かまわない……」
メルティナの言葉に顔をそらして答える。その後、俺たちは沈黙したまま急ぎ足でアルスフェルトを目指した。
メルティナが、完全に修復された人型ゴーレムを前に呟く。
俺はそんなメルティナを抱き寄せるとエクスカリバーを頭上に掲げる。
「癒水」
聖剣の魔力を解放する。癒しの水が俺とメルティナに降り注ぎ、ダメージを回復させる。
「あの程度なら自己修復できるというんだったら、それが不可能なくらい破壊するまでだ!」
絶望しかけているメルティナを励ます。
「う、うん!」
メルティナは、どうにか闘志を奮い起たせてヒヒイロカネスタッフを構える。
「水刃・2連!」
まずは水の刃で牽制しながら近付く。衝撃を受けて多少は後ろによろめくが、痛覚を持たないゴーレムはかまわず右拳を引く。
「風属性初級魔術!」
メルティナの攻撃魔術による援護で人型ゴーレムの攻撃のタイミングが僅かに遅れる。
「うぉぉぉぉぉっ!!」
聖剣と魔剣を連続で斬りつけ、反撃がくる前に素早く後退する。
「オォォォォォォォッ」
「雷属性中級魔術!」
メルティナが、俺を追おうと動く人型ゴーレムに攻撃する。
(いける!)
よろめいた人型ゴーレムに斬撃を加えながら勝機を見出だす。
「ゴォォォォォ!」
俺の体を掴もうと手を伸ばす人型ゴーレムを魔剣の縛鎖で拘束する。
「紅雷!」
身動きができなくなったところへ電撃を流し込む。続けて脳天にエクスカリバーを突き立てた。
「氷属性中級魔術!」
さらにメルティナの攻撃魔術が炸裂する。人型ゴーレムから細かな破片がパラパラと落ちる。
エクスカリバーを引き抜くと同時に人型ゴーレムの拘束を解く。いかに魔剣の縛鎖でも拘束し続けることはできない。
「コォォォォォ!」
自由を取り戻した人型ゴーレムが左手の掌を俺に向ける。
(飛礫か!)
敵の攻撃を予想した俺は聖剣の魔力を解き放つ。
「水刃・4連!」
水の刃がゴーレムの左手に次々に命中する。
「光属性初級魔術!」
メルティナが撃った光球を頭部に受けて人型ゴーレムがよろめく。
「はぁぁぁぁっ!」
一気に間合いを詰めて聖剣を水平に薙ぐ。さらに魔剣を下段から上段へと斬り上げた。
「オォォォォ……」
破片が飛び散るなか、後方へと飛び退き、エクスカリバーとカラドボルグを構える。
「せやぁぁっ!!」
魔剣を腹に、聖剣を顔面に突き刺す。
「まだだ!」
魔剣と聖剣を握る手に力を込めて横に薙ぎ払う。
「メルティナ! 一気に勝負を決めるぞ!!」
「わかった!!」
俺の呼び掛けにメルティナが答える。それを確認して、左目の魔眼の力を解き放った。その刹那、人型ゴーレムの動きは完全に停止する。
「光属性中級魔術!!」
メルティナは残された魔力を使いきらんとばかりに光の矢を連発で撃ち込んでいく。
(やるじゃないか。俺も負けてられないな!)
聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグが無数の軌道を描き、人型ゴーレムを斬りまくる。凄まじい勢いで人型ゴーレムの体が削り取られていく。
「アルフォス、離れて!」
メルティナの叫ぶ声が聞こえる。俺は後方に飛び退く。
「光属性中級広域魔術!!!」
ヒヒイロカネスタッフを高々と掲げたメルティナが発生させた光の渦がゴーレムをのみ込む。
「ゴォォォォォ……」
渦の中からゴーレムの声がする。おそらく岩石で作られた体が削られているのだろう。
「もう……だめ……」
魔力を使い果たしたメルティナがその場に座り込む。それと時を同じくして光の渦が消えた。そこには、メルティナよりも小さくなった人型ゴーレムが残されていた。
「終わりにしてやる!!」
聖剣の魔力を解放する。
「水刃・5連!!」
連続でくり出した水の刃が人型ゴーレムの手足と胴体を砕く。
「紅雷斬!」
魔剣カラドボルグに紅い稲妻をまとませ、最後に残った頭部を斬り捨てる。
「グ……ゴゴ……ゴ……ゴ……」
木端微塵にされたゴーレムは役割を終え、ただの残骸となった。
「助かったよ」
床に座り込んだままになっていたメルティナに手を差し伸べる。
「ううん。アルフォスこそお疲れさま」
俺の手を取って立ち上がるメルティナが微笑む。
「メルティナはよく頑張ってくれた。俺ひとりだと勝てなかったかもしれない」
「エヘヘ……」
笑顔を見せるメルティナを横目に、魔剣ダインスレフを再び手に取る。
「さて、アルスフェルトに帰ろうか」
「うん! リーシャちゃんを連れていかれる前に戻らなきゃね!」
魔剣ダインスレフを手に入れた俺たちは宝物庫をあとにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バルスヴェイルを目指して地下迷宮を急ぐ。
「ねぇ、アルフォス?」
隣からメルティナが声をかけてきた。どうしたのかと顔を向ける。少し顔を赤らめているようだ。
「この件が解決したら少し休むんだよね?」
「ああ。そうだな」
「だったらね、わたしもアルフォスと一緒に寝てもいいかな?」
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