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6章 決戦! 正義の鉄槌
51話 VS大猿
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「ギャアッ」
セラは鞭を振るい、群がる異形の生物を蹴散らしていく。
(こっちは雑魚ばかりですわね。……アルフォス様ならば心配する必要はないでしょうけど……)
そう自らに言い聞かせながらも心配を拭いきれない。もし、アルフォスの進んだ先にジュベックが待ち受けていたとしたら……、さらに罠が張り巡らされていたとしたら……。そんな不安がセラの脳裏を離れようとはしなかった。
正義の鉄槌の首領ジュベック。ウィナーやルットでさえも捕らえることができなかったほどの実力者だ。また、二人とも「ジュベックは本気を出していなかった」と言っていた。
(実力を隠しながら、あの二人を同時に相手していたとすれば相当な強者ということですわね……一刻も早くアルフォス様と合流しなければ!)
セラは一気に通路を駆け抜けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
通路の先は、明かりもないフロアになっていた。しかし、魔族であるセラは暗闇の中でも問題なく見える。
真ん中には巨大で深い穴があいていた。上から覗いてみても底が見えない。穴の壁沿いに螺旋状に階段がある。
バリ……ボリ……メキ……クチャ……
不気味な音が下から聞こえてくる。
「……あまり気乗りしないけど、行くしかなさそうですわね」
セラは大きくため息をつくと意を決して階段を降り始めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
コツ……コツ……コツ……コツ……
狭い階段を慎重に降りていく。降りるにつれて異臭がどんどん強くなってくる。
「大きいですわね……」
索敵魔術によって下にいる何者かは巨体の持ち主であることはわかる。
「グルルルルル……」
闇の底から唸るような声が聞こえる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「猿ですの?」
螺旋階段を降りていったセラが見たものは巨大な猿であった。金色の両目が鋭い視線を投げつけ、口元には牙をむき出しにし、今にもセラに飛び掛かってきそうだ。足元には恐らく生きたまま喰われたと思しき無惨な状態の遺体が散乱している。
「随分な悪食ですわね」
セラが不快感を表情に出す。
「ガァァァァッ!!」
大猿が足元の遺体を掴み、階段から見下ろしているセラに投げる。セラは跳躍して躱すと床に着地する。
「こんな所に長居は無用ですわ。さっさと終わらせますわ!」
セラが身構える。
「ウガァァァァァ!!!」
大猿は咆哮をあげながらセラに向かって突進してくる。
それを難なく回避したセラは鞭の一撃を入れる。しかし、全く効いていないようだ。大猿は何事もなかったかのように太い腕を振り回して反撃に転じる。
セラは後ろへ飛び退く。
「火属性中級魔術!」
練り上げた魔力を火炎の矢に変えて大猿へと放つ。だが、大猿は跳び跳ねることで火属性中級魔術を躱す。
「グガァァァッ!」
着地した大猿は、再び咆哮をあげる。激しく振動している空気を感じながらセラは次の一撃のための魔力を練る。
「ガァァァァッ!」
大猿はセラを叩き殺そうと掌を振り下ろしては何度も床を叩く。その度に騒音があがった。
「火属性中級広域魔術!!」
セラの魔力によって発生した火炎の渦が大猿を飲み込む。
「グォォォォォォッ!!」
火炎の渦の中から大猿が吼える。
(なんですって!?)
セラは目を見開く。大猿は火炎の渦から強引に脱出し握りしめた拳をセラへと放つ。
「くっ!」
反応が遅れながらも間一髪のところで回避するセラ。しかし、大猿は攻勢を強める。両手足に加え、太く長い尻尾を鞭の如く使ってセラを攻撃する。
(やはり、この猿は野生の物ではありませんわね。魔術に対する耐性が高すぎますわ)
軽やかな身のこなしで大猿の攻撃を躱しながらセラは考える。おそらくは鞭による攻撃はほとんど効果が期待できない。となれば魔術だろう。魔術に耐性があるとはいっても効果がないわけではない。
グチャッ!
セラが跳躍して躱したことで大猿の拳が床に捨てられていた遺体を叩き潰す。
「火属性最上級魔術!!」
両手をかざしたセラが限界まで高めた魔力を火炎の砲弾にして撃つ。
「グガァァァァァァァッ!」
セラの最大火力の魔術に身を焼かれ叫び、床を転げ回る大猿。
(さすがにこれなら大ダメージを与えられそうですわね)
セラはその効果に満足する。が、決して油断はしない。この一撃で倒せるような相手ではないことは明らかだ。かといって、セラの技量と魔力をもってしても連発できるほど手軽な魔術ではない。
「ヌガァァァッ」
怒りを露にした大猿が再び猛烈な勢いで攻撃を仕掛ける。だが、それらはセラを捉えることができない。
(わたくしの火属性最上級魔術を受けてこれだけ動けるんですの!? これは少々厄介ですわね……)
一方、セラも焦燥感を強めつつあった。一見すればセラが優勢に戦っているようにも見える。だが、一撃でもくらえば状況が一変する可能性を大猿の攻撃は秘めていた。防御膜魔術で防御を強化したとしても、場合によっては致命傷を負うこともある。
「火属性上級魔術!」
大猿の激しい攻撃を掻い潜りながら反撃するセラ。
「ギャァァァァッ」
大猿は火炎の弾丸を右目に受けて後退してうずくまる。
大技である火属性最上級魔術を使うことを避け、威力を抑えた技を急所に的確に命中させる。
「グルルルル!」
大猿は焼けた右目を押さえ、残った左目で睨め付けて殺気を迸らせる。それを平然と真正面から受け止めたセラは再び魔力を練る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「グガァァァァァ!」
セラの火属性上級魔術が命中した大猿は後方によろめく。
大猿の攻撃を躱しては火属性上級魔術で反撃するという流れをどれほど繰り返したか。大猿の体力もセラの魔力も相当に消耗していた。
(まさか、これほどまでにタフだとは思いませんでしたわ。ですが、あの猿も限界が近いようですわね)
大猿の息が上がっているのをみて、セラは決着のときが近いことを悟る。
「一気にいきますわよ!!」
宣言し、セラは魔力を爆発的に高める。
「火属性初級広域魔術!」
セラは火炎の雨を大猿の頭上に範囲を限定し、豪雨として降らせる。
「火属性中級広域魔術!」
さらに火炎の渦を発生させ大猿を巻き込む。
「グルガァァァァァァァッ!!!」
大猿は頭上で組んだ両手をセラ目掛けて振り下ろす。セラは退くどころか間合いを詰めて懐に飛び込む。
「これならどうですの!? 火属性上級魔術!!!」
セラは火炎の弾丸を至近距離から機関銃の如く撃ち込んだ。血飛沫が宙を舞い、大猿の腹を穿つ。
「ウガ……ウガガガ……」
大きく吹き飛ばされた大猿は背中から床の倒れ、喘鳴している。
「あなたも合成されて生み出されたくちかしら?……いずれにしても、あなたも正義の鉄槌の被害者ですわね。すぐに楽にして差し上げますわ」
セラは悲しみを宿した瞳で見て、左手の人差し指を大猿の眉間に向ける。
「火属性上級魔術!」
放たれた火炎の弾丸は大猿へのとどめの一撃となった。
「正義の鉄槌……許せないですわね。リーダーのジュベックには死をもって償わせますわ」
だれに言うともなく、セラは呟いた。それから螺旋階段を上り、もと来た道を引き返す。
セラは鞭を振るい、群がる異形の生物を蹴散らしていく。
(こっちは雑魚ばかりですわね。……アルフォス様ならば心配する必要はないでしょうけど……)
そう自らに言い聞かせながらも心配を拭いきれない。もし、アルフォスの進んだ先にジュベックが待ち受けていたとしたら……、さらに罠が張り巡らされていたとしたら……。そんな不安がセラの脳裏を離れようとはしなかった。
正義の鉄槌の首領ジュベック。ウィナーやルットでさえも捕らえることができなかったほどの実力者だ。また、二人とも「ジュベックは本気を出していなかった」と言っていた。
(実力を隠しながら、あの二人を同時に相手していたとすれば相当な強者ということですわね……一刻も早くアルフォス様と合流しなければ!)
セラは一気に通路を駆け抜けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
通路の先は、明かりもないフロアになっていた。しかし、魔族であるセラは暗闇の中でも問題なく見える。
真ん中には巨大で深い穴があいていた。上から覗いてみても底が見えない。穴の壁沿いに螺旋状に階段がある。
バリ……ボリ……メキ……クチャ……
不気味な音が下から聞こえてくる。
「……あまり気乗りしないけど、行くしかなさそうですわね」
セラは大きくため息をつくと意を決して階段を降り始めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
コツ……コツ……コツ……コツ……
狭い階段を慎重に降りていく。降りるにつれて異臭がどんどん強くなってくる。
「大きいですわね……」
索敵魔術によって下にいる何者かは巨体の持ち主であることはわかる。
「グルルルルル……」
闇の底から唸るような声が聞こえる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「猿ですの?」
螺旋階段を降りていったセラが見たものは巨大な猿であった。金色の両目が鋭い視線を投げつけ、口元には牙をむき出しにし、今にもセラに飛び掛かってきそうだ。足元には恐らく生きたまま喰われたと思しき無惨な状態の遺体が散乱している。
「随分な悪食ですわね」
セラが不快感を表情に出す。
「ガァァァァッ!!」
大猿が足元の遺体を掴み、階段から見下ろしているセラに投げる。セラは跳躍して躱すと床に着地する。
「こんな所に長居は無用ですわ。さっさと終わらせますわ!」
セラが身構える。
「ウガァァァァァ!!!」
大猿は咆哮をあげながらセラに向かって突進してくる。
それを難なく回避したセラは鞭の一撃を入れる。しかし、全く効いていないようだ。大猿は何事もなかったかのように太い腕を振り回して反撃に転じる。
セラは後ろへ飛び退く。
「火属性中級魔術!」
練り上げた魔力を火炎の矢に変えて大猿へと放つ。だが、大猿は跳び跳ねることで火属性中級魔術を躱す。
「グガァァァッ!」
着地した大猿は、再び咆哮をあげる。激しく振動している空気を感じながらセラは次の一撃のための魔力を練る。
「ガァァァァッ!」
大猿はセラを叩き殺そうと掌を振り下ろしては何度も床を叩く。その度に騒音があがった。
「火属性中級広域魔術!!」
セラの魔力によって発生した火炎の渦が大猿を飲み込む。
「グォォォォォォッ!!」
火炎の渦の中から大猿が吼える。
(なんですって!?)
セラは目を見開く。大猿は火炎の渦から強引に脱出し握りしめた拳をセラへと放つ。
「くっ!」
反応が遅れながらも間一髪のところで回避するセラ。しかし、大猿は攻勢を強める。両手足に加え、太く長い尻尾を鞭の如く使ってセラを攻撃する。
(やはり、この猿は野生の物ではありませんわね。魔術に対する耐性が高すぎますわ)
軽やかな身のこなしで大猿の攻撃を躱しながらセラは考える。おそらくは鞭による攻撃はほとんど効果が期待できない。となれば魔術だろう。魔術に耐性があるとはいっても効果がないわけではない。
グチャッ!
セラが跳躍して躱したことで大猿の拳が床に捨てられていた遺体を叩き潰す。
「火属性最上級魔術!!」
両手をかざしたセラが限界まで高めた魔力を火炎の砲弾にして撃つ。
「グガァァァァァァァッ!」
セラの最大火力の魔術に身を焼かれ叫び、床を転げ回る大猿。
(さすがにこれなら大ダメージを与えられそうですわね)
セラはその効果に満足する。が、決して油断はしない。この一撃で倒せるような相手ではないことは明らかだ。かといって、セラの技量と魔力をもってしても連発できるほど手軽な魔術ではない。
「ヌガァァァッ」
怒りを露にした大猿が再び猛烈な勢いで攻撃を仕掛ける。だが、それらはセラを捉えることができない。
(わたくしの火属性最上級魔術を受けてこれだけ動けるんですの!? これは少々厄介ですわね……)
一方、セラも焦燥感を強めつつあった。一見すればセラが優勢に戦っているようにも見える。だが、一撃でもくらえば状況が一変する可能性を大猿の攻撃は秘めていた。防御膜魔術で防御を強化したとしても、場合によっては致命傷を負うこともある。
「火属性上級魔術!」
大猿の激しい攻撃を掻い潜りながら反撃するセラ。
「ギャァァァァッ」
大猿は火炎の弾丸を右目に受けて後退してうずくまる。
大技である火属性最上級魔術を使うことを避け、威力を抑えた技を急所に的確に命中させる。
「グルルルル!」
大猿は焼けた右目を押さえ、残った左目で睨め付けて殺気を迸らせる。それを平然と真正面から受け止めたセラは再び魔力を練る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「グガァァァァァ!」
セラの火属性上級魔術が命中した大猿は後方によろめく。
大猿の攻撃を躱しては火属性上級魔術で反撃するという流れをどれほど繰り返したか。大猿の体力もセラの魔力も相当に消耗していた。
(まさか、これほどまでにタフだとは思いませんでしたわ。ですが、あの猿も限界が近いようですわね)
大猿の息が上がっているのをみて、セラは決着のときが近いことを悟る。
「一気にいきますわよ!!」
宣言し、セラは魔力を爆発的に高める。
「火属性初級広域魔術!」
セラは火炎の雨を大猿の頭上に範囲を限定し、豪雨として降らせる。
「火属性中級広域魔術!」
さらに火炎の渦を発生させ大猿を巻き込む。
「グルガァァァァァァァッ!!!」
大猿は頭上で組んだ両手をセラ目掛けて振り下ろす。セラは退くどころか間合いを詰めて懐に飛び込む。
「これならどうですの!? 火属性上級魔術!!!」
セラは火炎の弾丸を至近距離から機関銃の如く撃ち込んだ。血飛沫が宙を舞い、大猿の腹を穿つ。
「ウガ……ウガガガ……」
大きく吹き飛ばされた大猿は背中から床の倒れ、喘鳴している。
「あなたも合成されて生み出されたくちかしら?……いずれにしても、あなたも正義の鉄槌の被害者ですわね。すぐに楽にして差し上げますわ」
セラは悲しみを宿した瞳で見て、左手の人差し指を大猿の眉間に向ける。
「火属性上級魔術!」
放たれた火炎の弾丸は大猿へのとどめの一撃となった。
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