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7章 最後の戦い
69話 アルフォスVSゼギ
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「ふぅ……」
やれやれ、危なかった。俺は安堵のため息を漏らす。
「旦那、すまねぇが、これはオレとこいつとの勝負だ。引っ込んでてくれねぇか?」
「断る。そもそも単独での出撃を許可した覚えはない。それに、こうしてモンスターの群れがクラッツェルンを襲撃している以上は、単純におまえたち個人の勝負ということではないだろ」
ウィナーからの要求を即却下する。
「やはり、貴殿が最後の七世大将軍アルフォスか!」
巨大な戦斧を手にした巨漢がなぜだか嬉々としている。紅い眼をしているのだから魔族に間違いはないだろう。
「だれだ?」
簡潔に質問する。
「拙者の名はゼギ。六光破邪衆のひとりだ!」
ゼギと名乗る魔族に俺は眉をひそめる。
「六光破邪衆? それに、俺が最後の七世大将軍だと?」
連続して飛び出した疑問を口にする。やつはそれに対しても律儀に答える。
「いかにも。六光破邪衆とは女神フィアーゼ様に仕える聖なる戦士のことだ。そして、我らの活躍により貴殿以外の七世大将軍の首は討ちとった!」
……にわかには信じ難い。リュカリオンが選抜した七世大将軍はいずれも最強クラスの魔族のはずだ。それがこうも容易く殺られるとは考えにくいのだが……
(ウィナーが手傷を負わせることもできずにここまでやられるとなると、これをデマだと断言することもできないか)
脳裏に不吉な考えが浮かぶ。が、ひとまずはそれを振り払う。今は目の前の強敵に集中すべき時だ。
「ゼトラやヴェーガには悪いが、これも巡り合わせというものだ。……参る!!!」
(ゼトラだと!? やつは生きているのか!?)
ゼギの口から出た名に胸騒ぎを覚える。が、とりあえずその疑問は放棄した。ゼギが放つ斬撃を魔剣カラドボルグで払いつつ聖剣エクスカリバーで反撃する。
キンッ
(弾かれた!?……なるほど。ウィナーもこれに手を焼いていたわけか)
たしかにこの重鎧は厄介だ。しかし、今の一撃は全く効果がなかったわけではなさそうだ。わずかだが、体制を崩していた。ゼギが次の攻撃を放つよりも早くおもいきり蹴り飛ばす。
まずはウィナーの治療が先決だ。
「癒水」
エクスカリバーが宿す水の力を使い、治癒の効果を秘めた水滴を振りかける。ウィナーがゼギとの闘いで受けた傷がみるみる治療されていく。さすがに完治とはいかないが、しかたないだろう。
「ウィナー、ここは俺が引き受ける。おまえはアルスフェルトに戻るんだ」
「おい、そりゃねぇだろ! こいつとの勝負を投げ出したままできるかよ!?」
食い下がってくるウィナーを睨む。
「勝負なら着いている。一対一の闘いということでいえば間違いなくおまえの敗けだ。俺が駆けつけなければ今ごろは骸になっていたはず。違うか?」
「むぐ……」
俺に指摘されて反論できずに歯噛みしているウィナーを見やりながら先を続ける。
「どうにも胸騒ぎがする。六光破邪衆というくらいだ。強敵となる者がこいつだけとは思わないほうがいい。そのうえで城への撤退を命じている」
無言の、刹那の駆け引きが始まって終わった。
「しゃあねぇ! ご主人様に命令されたんじゃ退くほかねぇな。ただし、一つだけ約束しろ! 絶対に死ぬなよ!!!」
おおよそ、主君に言わないだろう言葉遣いではあるが、言いたいことは理解できる。俺は答える代わりに口角をあげて見せた。そこに含まれる意味を汲み取ったウィナーが微笑を返して立ち上がる。
「勝手に話を進めてもらっては困るぞ。者ども、かかれ!!」
金色の重鎧を纏った魔族が周りのモンスターに号令をかけた。それを引き金として一斉に襲いかかってくる雑兵モンスター。
「やれやれだな。魔雷旋刃!!」
魔力を解き放ちながら振りかざした魔剣から紅い稲妻の旋風を巻き起こし、周辺のモンスターを瞬殺する。
正義の鉄槌との戦闘以降、俺は暇を見つけてはリュカリオンの元を訪れて修行に明け暮れていた。お陰で、以前に比べてエクスカリバーとカラドボルグの宿している力をさらに引き出せるようになった。本当に死にかけたことが何度かあったが……
「ぬはははは! まさか、雑兵ばかりとはいえ、あれだけの数を一撃で瞬殺とは恐れ入った! だが、それでこそ拙者が戦う意味があるというもの!」
ゼギが掲げた戦斧を振り下ろす。瞬間、無数の風刃が俺に向かって飛び出した。
(……やつの斧は風属性を宿しているのか)
風刃を横っ跳びに避ける。
「悪いが、あまり時間をかけるつもりはない!」
巨斧を揮った直後の隙をつき、一気に間合いを詰めて魔剣と聖剣による斬撃を何度かくり出す。一見すれば効果がないように見えるが、やつが纏っている金色の重鎧から微小な破片は飛び散っている。ウィナーとの戦闘により劣化していたというのもあるだろう。
「おの、れぇ!!……」
それに気付いているゼギは表情に明らかな焦りを滲ませている。
「ぬぅ……さすがは七世大将軍だな。ならば、これでどうだぁ!!」
空中へと飛び上がったゼギが戦斧を縦横無尽に振りかざす。それによって発生した風刃の乱気流が俺をのみこむ。
腰を落としてしっかりの踏ん張り、身体強化に充てていた魔力を防御膜魔術に回すことで防御力を向上させる。それでも、全身に浅い傷を負う。
俺へのダメージが予想よりも少なかったのか、ゼギの双眸は見開かれている。
「今度はこちらの番だな」
再び身体強化し、エクスカリバーとカラドボルグを構える。ゼギは俺からの攻撃を警戒したままゆっくりと後退し、間合いをとる。
「水刃・六連!」
魔力を解き放った聖剣を素早く連続で揮う。
「ぬっ!……」
重鎧を纏っているせいか、ゼギの動きは素早いとは言い難い。俺が放った水の刃はガードを固めた魔族に一つ残らず命中する。
「むっ!?」
水刃を凌ぎきったゼギだったが、俺の姿を見失い、小さく声を漏らす。
「紅雷斬!」
ゼギがガードを固めて水刃を受けている隙に、その背後へと回り込んだ俺は紅い雷を纏った魔剣を振りかざす。振り返ったゼギをカラドボルグで斬りつける。
バキンッ
金色の重鎧からこれまでとは異なる音がする。カラドボルグの一撃は重鎧に大きな亀裂を刻み込んでいた。
「バカな!?」
ご自慢の重鎧が破損したことに衝撃を受けたようだ。ゼギは亀裂がはいった胸部に視線を落とし、ヨロヨロと後退る。
「飛雷・五連!」
地面を蹴って後方へと飛び退くと同時に魔剣から紅い稲妻を連続で撃ち出す。
「ぬうぉぉぉぉぉ!!」
大きく破損したためだと思われるが、金色の重鎧は本来の防御力を大幅に失ったようだ。ゼギは悲鳴をあげて片膝をつく。
ここで一気に勝負を決める。ゼギとの間合いを詰めてエクスカリバーとカラドボルグを同時に揮う。水の魔力を宿した聖剣と雷の魔力を宿した魔剣の剣閃が交差し、遂に金色の重鎧を破壊する。
「ぐぉぉぉぉぉっ!」
重鎧の内側から血を噴き出したゼギが絶叫する。しかし、攻撃の手を緩めない。左腕を引いてエクスカリバーの切先をゼギに向ける。
「ぐぬぅ!……」
危機を察知したゼギが回避行動にでるが遅い。突き出した聖剣が金色の重鎧を貫く。
「ぐっ……がはぁっ!」
吐血したゼギからエクスカリバーを引き抜くと、重鎧の内側からさらに大量の血が漏れ出す。
「……終わりだ……」
ゼギの手から巨斧が滑り落ちる。出血が致死量に達しているのだろう。早く楽にしてやるべきか。頭上に掲げたカラドボルグをためらいなく振り下ろす。たしかな手応えが伝わってきた。
「……拙者……の……敗け、か……」
最後の瞬間、ゼギは微笑していた。闘いの中で果てることができたのが満足だったのか?……こればかりは確かめようがないのだが……
「さて、アルスフェルト城の様子が気になるな。急ぐか」
魔剣と聖剣を鞘に収め、ゼギの遺体を残して駆け出した。
やれやれ、危なかった。俺は安堵のため息を漏らす。
「旦那、すまねぇが、これはオレとこいつとの勝負だ。引っ込んでてくれねぇか?」
「断る。そもそも単独での出撃を許可した覚えはない。それに、こうしてモンスターの群れがクラッツェルンを襲撃している以上は、単純におまえたち個人の勝負ということではないだろ」
ウィナーからの要求を即却下する。
「やはり、貴殿が最後の七世大将軍アルフォスか!」
巨大な戦斧を手にした巨漢がなぜだか嬉々としている。紅い眼をしているのだから魔族に間違いはないだろう。
「だれだ?」
簡潔に質問する。
「拙者の名はゼギ。六光破邪衆のひとりだ!」
ゼギと名乗る魔族に俺は眉をひそめる。
「六光破邪衆? それに、俺が最後の七世大将軍だと?」
連続して飛び出した疑問を口にする。やつはそれに対しても律儀に答える。
「いかにも。六光破邪衆とは女神フィアーゼ様に仕える聖なる戦士のことだ。そして、我らの活躍により貴殿以外の七世大将軍の首は討ちとった!」
……にわかには信じ難い。リュカリオンが選抜した七世大将軍はいずれも最強クラスの魔族のはずだ。それがこうも容易く殺られるとは考えにくいのだが……
(ウィナーが手傷を負わせることもできずにここまでやられるとなると、これをデマだと断言することもできないか)
脳裏に不吉な考えが浮かぶ。が、ひとまずはそれを振り払う。今は目の前の強敵に集中すべき時だ。
「ゼトラやヴェーガには悪いが、これも巡り合わせというものだ。……参る!!!」
(ゼトラだと!? やつは生きているのか!?)
ゼギの口から出た名に胸騒ぎを覚える。が、とりあえずその疑問は放棄した。ゼギが放つ斬撃を魔剣カラドボルグで払いつつ聖剣エクスカリバーで反撃する。
キンッ
(弾かれた!?……なるほど。ウィナーもこれに手を焼いていたわけか)
たしかにこの重鎧は厄介だ。しかし、今の一撃は全く効果がなかったわけではなさそうだ。わずかだが、体制を崩していた。ゼギが次の攻撃を放つよりも早くおもいきり蹴り飛ばす。
まずはウィナーの治療が先決だ。
「癒水」
エクスカリバーが宿す水の力を使い、治癒の効果を秘めた水滴を振りかける。ウィナーがゼギとの闘いで受けた傷がみるみる治療されていく。さすがに完治とはいかないが、しかたないだろう。
「ウィナー、ここは俺が引き受ける。おまえはアルスフェルトに戻るんだ」
「おい、そりゃねぇだろ! こいつとの勝負を投げ出したままできるかよ!?」
食い下がってくるウィナーを睨む。
「勝負なら着いている。一対一の闘いということでいえば間違いなくおまえの敗けだ。俺が駆けつけなければ今ごろは骸になっていたはず。違うか?」
「むぐ……」
俺に指摘されて反論できずに歯噛みしているウィナーを見やりながら先を続ける。
「どうにも胸騒ぎがする。六光破邪衆というくらいだ。強敵となる者がこいつだけとは思わないほうがいい。そのうえで城への撤退を命じている」
無言の、刹那の駆け引きが始まって終わった。
「しゃあねぇ! ご主人様に命令されたんじゃ退くほかねぇな。ただし、一つだけ約束しろ! 絶対に死ぬなよ!!!」
おおよそ、主君に言わないだろう言葉遣いではあるが、言いたいことは理解できる。俺は答える代わりに口角をあげて見せた。そこに含まれる意味を汲み取ったウィナーが微笑を返して立ち上がる。
「勝手に話を進めてもらっては困るぞ。者ども、かかれ!!」
金色の重鎧を纏った魔族が周りのモンスターに号令をかけた。それを引き金として一斉に襲いかかってくる雑兵モンスター。
「やれやれだな。魔雷旋刃!!」
魔力を解き放ちながら振りかざした魔剣から紅い稲妻の旋風を巻き起こし、周辺のモンスターを瞬殺する。
正義の鉄槌との戦闘以降、俺は暇を見つけてはリュカリオンの元を訪れて修行に明け暮れていた。お陰で、以前に比べてエクスカリバーとカラドボルグの宿している力をさらに引き出せるようになった。本当に死にかけたことが何度かあったが……
「ぬはははは! まさか、雑兵ばかりとはいえ、あれだけの数を一撃で瞬殺とは恐れ入った! だが、それでこそ拙者が戦う意味があるというもの!」
ゼギが掲げた戦斧を振り下ろす。瞬間、無数の風刃が俺に向かって飛び出した。
(……やつの斧は風属性を宿しているのか)
風刃を横っ跳びに避ける。
「悪いが、あまり時間をかけるつもりはない!」
巨斧を揮った直後の隙をつき、一気に間合いを詰めて魔剣と聖剣による斬撃を何度かくり出す。一見すれば効果がないように見えるが、やつが纏っている金色の重鎧から微小な破片は飛び散っている。ウィナーとの戦闘により劣化していたというのもあるだろう。
「おの、れぇ!!……」
それに気付いているゼギは表情に明らかな焦りを滲ませている。
「ぬぅ……さすがは七世大将軍だな。ならば、これでどうだぁ!!」
空中へと飛び上がったゼギが戦斧を縦横無尽に振りかざす。それによって発生した風刃の乱気流が俺をのみこむ。
腰を落としてしっかりの踏ん張り、身体強化に充てていた魔力を防御膜魔術に回すことで防御力を向上させる。それでも、全身に浅い傷を負う。
俺へのダメージが予想よりも少なかったのか、ゼギの双眸は見開かれている。
「今度はこちらの番だな」
再び身体強化し、エクスカリバーとカラドボルグを構える。ゼギは俺からの攻撃を警戒したままゆっくりと後退し、間合いをとる。
「水刃・六連!」
魔力を解き放った聖剣を素早く連続で揮う。
「ぬっ!……」
重鎧を纏っているせいか、ゼギの動きは素早いとは言い難い。俺が放った水の刃はガードを固めた魔族に一つ残らず命中する。
「むっ!?」
水刃を凌ぎきったゼギだったが、俺の姿を見失い、小さく声を漏らす。
「紅雷斬!」
ゼギがガードを固めて水刃を受けている隙に、その背後へと回り込んだ俺は紅い雷を纏った魔剣を振りかざす。振り返ったゼギをカラドボルグで斬りつける。
バキンッ
金色の重鎧からこれまでとは異なる音がする。カラドボルグの一撃は重鎧に大きな亀裂を刻み込んでいた。
「バカな!?」
ご自慢の重鎧が破損したことに衝撃を受けたようだ。ゼギは亀裂がはいった胸部に視線を落とし、ヨロヨロと後退る。
「飛雷・五連!」
地面を蹴って後方へと飛び退くと同時に魔剣から紅い稲妻を連続で撃ち出す。
「ぬうぉぉぉぉぉ!!」
大きく破損したためだと思われるが、金色の重鎧は本来の防御力を大幅に失ったようだ。ゼギは悲鳴をあげて片膝をつく。
ここで一気に勝負を決める。ゼギとの間合いを詰めてエクスカリバーとカラドボルグを同時に揮う。水の魔力を宿した聖剣と雷の魔力を宿した魔剣の剣閃が交差し、遂に金色の重鎧を破壊する。
「ぐぉぉぉぉぉっ!」
重鎧の内側から血を噴き出したゼギが絶叫する。しかし、攻撃の手を緩めない。左腕を引いてエクスカリバーの切先をゼギに向ける。
「ぐぬぅ!……」
危機を察知したゼギが回避行動にでるが遅い。突き出した聖剣が金色の重鎧を貫く。
「ぐっ……がはぁっ!」
吐血したゼギからエクスカリバーを引き抜くと、重鎧の内側からさらに大量の血が漏れ出す。
「……終わりだ……」
ゼギの手から巨斧が滑り落ちる。出血が致死量に達しているのだろう。早く楽にしてやるべきか。頭上に掲げたカラドボルグをためらいなく振り下ろす。たしかな手応えが伝わってきた。
「……拙者……の……敗け、か……」
最後の瞬間、ゼギは微笑していた。闘いの中で果てることができたのが満足だったのか?……こればかりは確かめようがないのだが……
「さて、アルスフェルト城の様子が気になるな。急ぐか」
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