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7章 最後の戦い
77話 六光破邪衆ゼトラ
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「治癒中級魔術」
負傷した兵・騎士・民間人があふれた、アルスフェルト城の医務室。負傷者に回復魔術をかけ終えたメルティナが「ふぅ……」と息を漏らす。
「お姉ちゃん……」
ピファは持ってきた魔力回復水を手渡しながら心配そうに見る。
「大丈夫よ。みんな、自分にできることを一生懸命にがんばってる。わたしだって負けてられないわ」
魔力回復水を一気に飲み干したメルティナは微笑する。だが、やはりその表情からは疲労を感じ取れた。
「……それより、備蓄品のほうはどう?」
ひっきりなしに運び込まれる負傷者の治療をするため、生命力回復水や傷薬、包帯などアルスフェルト城の備蓄品を大量に消費していた。
「……どれも数が少なくなってきてる。このままだとそんなに長くはもたないよ……」
答えたピファが目を伏せる。近衛兵が駆け込んできたのはその時だった。
「大変です! 謁見の間に敵襲です!!」
もたらされた凶報にメルティナとピファは互いに顔を見合わす。謁見の間には二人の父であるジルバーナがいるはずだ。
「行こう、お姉ちゃん!」
「待って、ピファ!」
慌てて駆け出すピファをメルティナが呼び止める。振り向いたピファの瞳は強い抗議の色を宿していた。
「どうして止めるの!? 早く行かなきゃお父様が!!」
会話する時間も惜しいという様子のピファを諭すメルティナが言う。
「落ち着きなさい。お父様の周りには大勢の騎士や兵士のみんながいる。それに、アシャちゃんだっているじゃない! それに、敵がいるとわかっている所にあなたを行かせるわけにはいかない。わたしが行くからピファはここに残って怪我人の治療を続けてちょうだい」
メルティナからの指示にピファは首を横に振って拒否する。
「いやだよ! だって、あたしだってお父様やアシャちゃんたちが心配だもん!!」
「その気持ちはわかるつもりよ。だけど、よく考えて! あなたが行ったところで事態は変わらない。そりゃ、わたしだって大したことはできないけど、回復魔術で援護するくらいならできるはず!」
ピファは言い返せない悔しさに唇を噛む。メルティナは自分の身を案じて言っているのだと理解できる。しかし、気持ちを抑えることがどうしてもできそうにない。
「お姉ちゃんの言うとおりかもしれないけど……それでも!!」
「待ちなさい、ピファ!!」
ピファはメルティナの制止を振り切って駆け出した。
◎★☆◎
黒く禍々しい槍を手にした暗黒騎士はアルスフェルト城の謁見の間へと立ち入った。
「貴様は!?」
その姿を確認したジルバーナが驚嘆の声を発した。
「これはこれはジルバーナ殿ではありませんか。お久しぶりです」
暗黒騎士は冷笑を浮かべる。
「……なぜ、生きておるのじゃ、ゼトラ!!」
ジルバーナは亡霊でも見ているかのような面持ちで質問を投げかける。
「なぁに、神はこの僕を必要としていたというだけです。悪しき者アルフォスをこの世から抹殺するためにね! そして、メルティナを今度こそ我が妻とする!!」
「勝手なことを言うでない! 貴様に大事な娘を渡すつもりなど毛頭ないわ!! それに、メルティナにはアルフォス殿がおる」
毅然とした態度で言い放つ。が、ゼトラは「ククククク……」と笑う。
「あなたの意見などどうだっていいんですよ。これは僕が決めたことです。何人たりともこれを覆すこもはできない。もちろん、メルティナ本人にもね……そうだ! どうせだったら、ピファも僕の物にしよう!」
下卑た笑みを浮かべる暗黒騎士ゼトラにジルバーナは剣を構え、憤怒の形相で斬りかかっていく。
「貴様ぁぁぁぁ!!」
怒声をあげて剣を振りかざす。だが、ゼトラは鼻で笑って難なく回避してみせる。
「その程度じゃ僕にかすり傷ひとつ負わせることもできません……よ!」
「がはっ!」
ゼトラの蹴りを腹部に受けたジルバーナが吹っ飛び床に数度バウンドする。
「おの、れぇ!!」
それでも、剣を杖代わりにして立ち上がったジルバーナだったが、目の前に迫る暗黒騎士に表情を固くする。
「ハハハハハハハハハッ!」
高笑いをあげながら、連続で槍の穂先を突き出すゼトラ。回避できないジルバーナはみるみる全身に傷を負っていく。
「どうしたんです!? 話になりませんねぇ!」
嬉々として薙ぎ払った槍がジルバーナの老体を容赦なく弾き飛ばす。
ドガッ!
ジルバーナは謁見の間の円柱にぶつかってしまう。だが、床に倒れたジルバーナに対して攻撃の手を全く緩めない
「雷属性中級魔術!!」
ゼトラはジルバーナへと執拗に雷の矢を何度も放つ。
「ぬぁぁぁぁぁぁっ!!」
ジルバーナの絶叫が響く。
「ジルバーナ様!?……くそぉ!!」
謁見の間の警備にあたっていた近衛騎士のひとりがジルバーナを気遣い、庇うようにゼトラとジルバーナの間に立って盾を構える。
「バカめ! そんなに死にたいのなら殺してあげようじゃないか」
床を強く蹴ったゼトラは瞬時に近衛騎士に接近する。
ドスッ……
近衛騎士は身動きする暇もないまま腹部を槍で貫かれてしまう。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
激痛に悲鳴をあげて膝を折った近衛騎士。
「いいザマだな」
ドガッ
ゼトラは愉快そうに笑むと近衛騎士を蹴り飛ばす。
「もらった!」
気配を消しつつ素早く接近したアシャが飛びかかり、短剣をゼトラの首へと閃かせる。だが、ゼトラは身を屈めてアシャの不意打ちを躱した。
「雷属性中級魔術!!」
空中にとどまっていたアシャは回避することもできず、至近距離からの雷の矢を直撃してしまう。
「あぅぅ!!……」
苦悶の表情を浮かべたアシャは着地の際にバランスを崩す。そこにゼトラの回し蹴りが撃たれた。顔面にヒットする直前に両腕でガードするが勢いよく弾かれ、その小さな体は玉座に激突した。
「消えろ!」
殺意が込められた、鋭く突き刺すような視線をアシャに向けたゼトラが槍の穂先を突き出す。刹那、飛び出した黒い黒焔がアシャの華奢な体を焼く。
「あぁぁぁぁっ!!!!」
絶叫し、のたうち回るアシャ。
「ククククク……どうかな、魔槍ギルガーズの黒焔を受けた気分は?」
苦しむアシャを睥睨したゼトラが口角をあげる。
「この!……火属性中級魔術!!!」
体を包んでいた黒焔が消え、全身に火傷を負いながらもヨロヨロと立ち上がったアシャが攻撃魔術で反撃する。が、ゼトラは魔槍を一閃して火炎の矢をかき消す。
「フフン! やはり、僕の敵になるようなやつはいないみたいだね。今、楽にしてあげるよ」
ゼトラは勝利を確信しているかのように微笑み、魔槍の穂先を再びアシャに向ける。
「だめぇぇぇぇ!!!」
魔槍から黒焔が放たれた直後、アシャを守るようにピファが立ちはだかる。だが、そのピファを押し退けるようにジルバーナが飛び出した。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
黒焔に焼かれたジルバーナの悲鳴が響く。
「お父様!?」
ピファは自分の身代わりとなって黒焔に焼かれ、床に倒れ込んだジルバーナを抱き起こす。
「……だ……いじょう……ぶ……か?……」
苦しみに表情を歪ませながらも愛娘を気にかけるジルバーナ。
「お父様! ごめんなさい、ごめんなさい!!……あたし……お姉ちゃんの言うことを聞いてれば、こんなことには……」
ピファは一時の感情で身勝手な行動をとってしまった己の浅はかさを心底から悔やみ、悔恨の涙が溢れ出すのを止めることができない。
「よい……のだよ……おま、えが……無事、ならば、な……」
「……ジルバーナ様……」
責任を感じたアシャがジルバーナの傍らで膝を折る。
「アシャ、よ……そなた、も……無事でなによ……りじゃ……」
ジルバーナはぎこちない笑顔でピファとアシャを優しく見つめる。
「まったく、おとなしくしていれば死なずにすんだものを……愚かだな」
魔槍ギルガーズを右肩に担いだゼトラが冷笑を浮かべる。
「ゆるさない! 絶対にゆるさないんだから!!」
ピファはゼトラを睨み、護身用にと所持していた短剣を鞘から抜く。その隣ではアシャもまた短剣を構えている。
「おやおや、まだ僕と戦うつもりかい? 勝てないのがわからないなんて、父親が愚か者なら娘や臣下も愚か者、か」
ゼトラは小バカにしたように笑む。
「光属性中級魔術!」
突然、魔力によって作り出された光の矢がゼトラに迫る。しかし、ゼトラは魔槍を振りかざして光の矢を打ち払う。
「やぁ、メルティナ。久しぶりだね」
親しげな笑顔を見せるゼトラとは対照的に、メルティナはその瞳に憎悪と軽蔑を溶かしていた。
負傷した兵・騎士・民間人があふれた、アルスフェルト城の医務室。負傷者に回復魔術をかけ終えたメルティナが「ふぅ……」と息を漏らす。
「お姉ちゃん……」
ピファは持ってきた魔力回復水を手渡しながら心配そうに見る。
「大丈夫よ。みんな、自分にできることを一生懸命にがんばってる。わたしだって負けてられないわ」
魔力回復水を一気に飲み干したメルティナは微笑する。だが、やはりその表情からは疲労を感じ取れた。
「……それより、備蓄品のほうはどう?」
ひっきりなしに運び込まれる負傷者の治療をするため、生命力回復水や傷薬、包帯などアルスフェルト城の備蓄品を大量に消費していた。
「……どれも数が少なくなってきてる。このままだとそんなに長くはもたないよ……」
答えたピファが目を伏せる。近衛兵が駆け込んできたのはその時だった。
「大変です! 謁見の間に敵襲です!!」
もたらされた凶報にメルティナとピファは互いに顔を見合わす。謁見の間には二人の父であるジルバーナがいるはずだ。
「行こう、お姉ちゃん!」
「待って、ピファ!」
慌てて駆け出すピファをメルティナが呼び止める。振り向いたピファの瞳は強い抗議の色を宿していた。
「どうして止めるの!? 早く行かなきゃお父様が!!」
会話する時間も惜しいという様子のピファを諭すメルティナが言う。
「落ち着きなさい。お父様の周りには大勢の騎士や兵士のみんながいる。それに、アシャちゃんだっているじゃない! それに、敵がいるとわかっている所にあなたを行かせるわけにはいかない。わたしが行くからピファはここに残って怪我人の治療を続けてちょうだい」
メルティナからの指示にピファは首を横に振って拒否する。
「いやだよ! だって、あたしだってお父様やアシャちゃんたちが心配だもん!!」
「その気持ちはわかるつもりよ。だけど、よく考えて! あなたが行ったところで事態は変わらない。そりゃ、わたしだって大したことはできないけど、回復魔術で援護するくらいならできるはず!」
ピファは言い返せない悔しさに唇を噛む。メルティナは自分の身を案じて言っているのだと理解できる。しかし、気持ちを抑えることがどうしてもできそうにない。
「お姉ちゃんの言うとおりかもしれないけど……それでも!!」
「待ちなさい、ピファ!!」
ピファはメルティナの制止を振り切って駆け出した。
◎★☆◎
黒く禍々しい槍を手にした暗黒騎士はアルスフェルト城の謁見の間へと立ち入った。
「貴様は!?」
その姿を確認したジルバーナが驚嘆の声を発した。
「これはこれはジルバーナ殿ではありませんか。お久しぶりです」
暗黒騎士は冷笑を浮かべる。
「……なぜ、生きておるのじゃ、ゼトラ!!」
ジルバーナは亡霊でも見ているかのような面持ちで質問を投げかける。
「なぁに、神はこの僕を必要としていたというだけです。悪しき者アルフォスをこの世から抹殺するためにね! そして、メルティナを今度こそ我が妻とする!!」
「勝手なことを言うでない! 貴様に大事な娘を渡すつもりなど毛頭ないわ!! それに、メルティナにはアルフォス殿がおる」
毅然とした態度で言い放つ。が、ゼトラは「ククククク……」と笑う。
「あなたの意見などどうだっていいんですよ。これは僕が決めたことです。何人たりともこれを覆すこもはできない。もちろん、メルティナ本人にもね……そうだ! どうせだったら、ピファも僕の物にしよう!」
下卑た笑みを浮かべる暗黒騎士ゼトラにジルバーナは剣を構え、憤怒の形相で斬りかかっていく。
「貴様ぁぁぁぁ!!」
怒声をあげて剣を振りかざす。だが、ゼトラは鼻で笑って難なく回避してみせる。
「その程度じゃ僕にかすり傷ひとつ負わせることもできません……よ!」
「がはっ!」
ゼトラの蹴りを腹部に受けたジルバーナが吹っ飛び床に数度バウンドする。
「おの、れぇ!!」
それでも、剣を杖代わりにして立ち上がったジルバーナだったが、目の前に迫る暗黒騎士に表情を固くする。
「ハハハハハハハハハッ!」
高笑いをあげながら、連続で槍の穂先を突き出すゼトラ。回避できないジルバーナはみるみる全身に傷を負っていく。
「どうしたんです!? 話になりませんねぇ!」
嬉々として薙ぎ払った槍がジルバーナの老体を容赦なく弾き飛ばす。
ドガッ!
ジルバーナは謁見の間の円柱にぶつかってしまう。だが、床に倒れたジルバーナに対して攻撃の手を全く緩めない
「雷属性中級魔術!!」
ゼトラはジルバーナへと執拗に雷の矢を何度も放つ。
「ぬぁぁぁぁぁぁっ!!」
ジルバーナの絶叫が響く。
「ジルバーナ様!?……くそぉ!!」
謁見の間の警備にあたっていた近衛騎士のひとりがジルバーナを気遣い、庇うようにゼトラとジルバーナの間に立って盾を構える。
「バカめ! そんなに死にたいのなら殺してあげようじゃないか」
床を強く蹴ったゼトラは瞬時に近衛騎士に接近する。
ドスッ……
近衛騎士は身動きする暇もないまま腹部を槍で貫かれてしまう。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
激痛に悲鳴をあげて膝を折った近衛騎士。
「いいザマだな」
ドガッ
ゼトラは愉快そうに笑むと近衛騎士を蹴り飛ばす。
「もらった!」
気配を消しつつ素早く接近したアシャが飛びかかり、短剣をゼトラの首へと閃かせる。だが、ゼトラは身を屈めてアシャの不意打ちを躱した。
「雷属性中級魔術!!」
空中にとどまっていたアシャは回避することもできず、至近距離からの雷の矢を直撃してしまう。
「あぅぅ!!……」
苦悶の表情を浮かべたアシャは着地の際にバランスを崩す。そこにゼトラの回し蹴りが撃たれた。顔面にヒットする直前に両腕でガードするが勢いよく弾かれ、その小さな体は玉座に激突した。
「消えろ!」
殺意が込められた、鋭く突き刺すような視線をアシャに向けたゼトラが槍の穂先を突き出す。刹那、飛び出した黒い黒焔がアシャの華奢な体を焼く。
「あぁぁぁぁっ!!!!」
絶叫し、のたうち回るアシャ。
「ククククク……どうかな、魔槍ギルガーズの黒焔を受けた気分は?」
苦しむアシャを睥睨したゼトラが口角をあげる。
「この!……火属性中級魔術!!!」
体を包んでいた黒焔が消え、全身に火傷を負いながらもヨロヨロと立ち上がったアシャが攻撃魔術で反撃する。が、ゼトラは魔槍を一閃して火炎の矢をかき消す。
「フフン! やはり、僕の敵になるようなやつはいないみたいだね。今、楽にしてあげるよ」
ゼトラは勝利を確信しているかのように微笑み、魔槍の穂先を再びアシャに向ける。
「だめぇぇぇぇ!!!」
魔槍から黒焔が放たれた直後、アシャを守るようにピファが立ちはだかる。だが、そのピファを押し退けるようにジルバーナが飛び出した。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
黒焔に焼かれたジルバーナの悲鳴が響く。
「お父様!?」
ピファは自分の身代わりとなって黒焔に焼かれ、床に倒れ込んだジルバーナを抱き起こす。
「……だ……いじょう……ぶ……か?……」
苦しみに表情を歪ませながらも愛娘を気にかけるジルバーナ。
「お父様! ごめんなさい、ごめんなさい!!……あたし……お姉ちゃんの言うことを聞いてれば、こんなことには……」
ピファは一時の感情で身勝手な行動をとってしまった己の浅はかさを心底から悔やみ、悔恨の涙が溢れ出すのを止めることができない。
「よい……のだよ……おま、えが……無事、ならば、な……」
「……ジルバーナ様……」
責任を感じたアシャがジルバーナの傍らで膝を折る。
「アシャ、よ……そなた、も……無事でなによ……りじゃ……」
ジルバーナはぎこちない笑顔でピファとアシャを優しく見つめる。
「まったく、おとなしくしていれば死なずにすんだものを……愚かだな」
魔槍ギルガーズを右肩に担いだゼトラが冷笑を浮かべる。
「ゆるさない! 絶対にゆるさないんだから!!」
ピファはゼトラを睨み、護身用にと所持していた短剣を鞘から抜く。その隣ではアシャもまた短剣を構えている。
「おやおや、まだ僕と戦うつもりかい? 勝てないのがわからないなんて、父親が愚か者なら娘や臣下も愚か者、か」
ゼトラは小バカにしたように笑む。
「光属性中級魔術!」
突然、魔力によって作り出された光の矢がゼトラに迫る。しかし、ゼトラは魔槍を振りかざして光の矢を打ち払う。
「やぁ、メルティナ。久しぶりだね」
親しげな笑顔を見せるゼトラとは対照的に、メルティナはその瞳に憎悪と軽蔑を溶かしていた。
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