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7章 最後の戦い
80話 VSゼトラ③
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「くらえ!」
ゼトラが魔槍ギルガーズを揮ったことで黒焔の球がメルティナに向かって飛ぶ。
「魔力反射魔術!」
メルティナは大鏡を作り出して黒焔を受け止める。
「なに!?」
予想だにしない事態に固まるゼトラ。メルティナが作り出した大鏡は受けきった黒焔の球をそのままゼトラへと返す。
「ぐぁぁぁぁぁっ!」
対応が遅れたゼトラは自らが放った黒焔に焼かれてのたうち回る。その隙にアシャの元へと駆け寄ったメルティナは治癒上級魔術をかける。
「ありがとう。けど……」
アシャは悔しそうに周りを見回す。アルスフェルト城を守るため、その命を散らしていった者たち、今も痛みに堪えてなお立ち上がろうとしている者たち、起き上がる力すら残されておらず死を待つ者たち……。この惨劇をくい止めることができないことに無力感を感じ、アシャは小さな肩を震わせる。
「アシャの気持ちはわかるわ。でも、今はゼトラを倒すことだけを考えましょう」
メルティナは自分にも言い聞かせるように諭す。
「……うん。あいつは絶対にゆるさない!」
再び闘志を燃やしたアシャが黒焔に包まれているゼトラを睨む。
「やぁ!」
床を蹴ったアシャが猛スピードでゼトラに迫る。
「くそっ!」
アシャの接近に気付いたゼトラが魔槍ギルガーズを横に一閃する。それを飛び越えたアシャは短剣を閃かせた。一筋の軌跡を描いた短剣の刃先がゼトラの左目の目尻をかすめる。
「ぬぁぁっ!!」
痛みに悲鳴をあげた黒騎士はヨロヨロとよろめく。だが、すぐに足を踏ん張り、殺意をほとばしらせてアシャを睨めつけた。
「よくもぉ!!!……ぐぉっ」
いまだ空中にとどまっている少女に魔槍を揮おうとしたゼトラだったが、それよりも早くアシャの蹴りが顔面にヒットした。
「この、僕の顔をぉ!!!」
自慢の顔を蹴られたことでゼトラの殺意がアシャに集中する。しかし、それがさらなる隙を生じさせた。
「氷属性上級魔術!」
魔力を練り上げたメルティナが無数の氷の弾丸をゼトラに向けて撃つ。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
メルティナから完全に意識をはずしていたゼトラは全身に氷の弾丸を受けて叫び声をあげた。黒い鎧で守られていないところから赤い血が流れ出る。
膝をついたゼトラが憎悪の視線をメルティナに向けた。
「メル……ティナ!……君は、あくまでも僕を敵に回すというのか!? だったら、この場にいるやつら全員を皆殺しにしてやるまでだぁ!!!」
叫び、頭上で魔槍ギルガーズを勢いよく回転させたゼトラをドーム状の黒焔が覆い隠し、またたく間に広がっていく。
「あいつ、本当に全員を焼き殺すつもりなの!?」
アシャが悲痛な叫び声を発する。
「流動龍水撃!」
突如として現れた水の龍がゼトラを覆った黒焔ドームを穿つ。
「アルフォス!!」
メルティナは待ち望んだ青年の姿を見て歓喜の声をあげた。
ゼトラが魔槍ギルガーズを揮ったことで黒焔の球がメルティナに向かって飛ぶ。
「魔力反射魔術!」
メルティナは大鏡を作り出して黒焔を受け止める。
「なに!?」
予想だにしない事態に固まるゼトラ。メルティナが作り出した大鏡は受けきった黒焔の球をそのままゼトラへと返す。
「ぐぁぁぁぁぁっ!」
対応が遅れたゼトラは自らが放った黒焔に焼かれてのたうち回る。その隙にアシャの元へと駆け寄ったメルティナは治癒上級魔術をかける。
「ありがとう。けど……」
アシャは悔しそうに周りを見回す。アルスフェルト城を守るため、その命を散らしていった者たち、今も痛みに堪えてなお立ち上がろうとしている者たち、起き上がる力すら残されておらず死を待つ者たち……。この惨劇をくい止めることができないことに無力感を感じ、アシャは小さな肩を震わせる。
「アシャの気持ちはわかるわ。でも、今はゼトラを倒すことだけを考えましょう」
メルティナは自分にも言い聞かせるように諭す。
「……うん。あいつは絶対にゆるさない!」
再び闘志を燃やしたアシャが黒焔に包まれているゼトラを睨む。
「やぁ!」
床を蹴ったアシャが猛スピードでゼトラに迫る。
「くそっ!」
アシャの接近に気付いたゼトラが魔槍ギルガーズを横に一閃する。それを飛び越えたアシャは短剣を閃かせた。一筋の軌跡を描いた短剣の刃先がゼトラの左目の目尻をかすめる。
「ぬぁぁっ!!」
痛みに悲鳴をあげた黒騎士はヨロヨロとよろめく。だが、すぐに足を踏ん張り、殺意をほとばしらせてアシャを睨めつけた。
「よくもぉ!!!……ぐぉっ」
いまだ空中にとどまっている少女に魔槍を揮おうとしたゼトラだったが、それよりも早くアシャの蹴りが顔面にヒットした。
「この、僕の顔をぉ!!!」
自慢の顔を蹴られたことでゼトラの殺意がアシャに集中する。しかし、それがさらなる隙を生じさせた。
「氷属性上級魔術!」
魔力を練り上げたメルティナが無数の氷の弾丸をゼトラに向けて撃つ。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
メルティナから完全に意識をはずしていたゼトラは全身に氷の弾丸を受けて叫び声をあげた。黒い鎧で守られていないところから赤い血が流れ出る。
膝をついたゼトラが憎悪の視線をメルティナに向けた。
「メル……ティナ!……君は、あくまでも僕を敵に回すというのか!? だったら、この場にいるやつら全員を皆殺しにしてやるまでだぁ!!!」
叫び、頭上で魔槍ギルガーズを勢いよく回転させたゼトラをドーム状の黒焔が覆い隠し、またたく間に広がっていく。
「あいつ、本当に全員を焼き殺すつもりなの!?」
アシャが悲痛な叫び声を発する。
「流動龍水撃!」
突如として現れた水の龍がゼトラを覆った黒焔ドームを穿つ。
「アルフォス!!」
メルティナは待ち望んだ青年の姿を見て歓喜の声をあげた。
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