聖剣と魔剣の二刀流剣士物語2【七星大将軍編】

美山 鳥

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7章 最後の戦い

87話 VS女神フィアーゼ③

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 「やったか!?」

 ウィナーがクレイモアを構えつつも期待を込めた視線を向ける先では、黒い業火に焼かれて床に倒れたフィアーゼの姿があった。

 「まだだ! 油断するでないぞ!!!」

 リュカリオンの叫び声と同時にフィアーゼの空中へと跳ね上がる。

 「ちぃ!」

 女神の魔力が爆発的に高まっていくのを感じ、聖剣と魔剣に魔力を流し込む。

 「八蛇滅光乱舞はちじゃめっこうらんぶ!!!!」

 フィアーゼの叫び声に応えるかのように八岐大蛇やまたのおろちが光線を吐き出したまま8つの首を乱舞させる。アルスフェルト城の謁見の間がみるみるうちに崩壊していく。いや、それどころではない。城全体が崩れ落ちはじめている。

 「飛雷ひらい・九連! 水刃すいじん・九連!」

 紅い雷と水の刃を連続で飛ばす。だが、フィアーゼは大鎌を振りかざし飛雷ひらい水刃すいじんを薙ぎ払ってしまう。

 「火属性最上級魔術フレイム・キャノンボール!」

 続いてセラが火炎の砲弾を撃つ。しかし、フィアーゼは空中を素早く移動して回避する。

 「剣旋けんせん!!」

 さらにウィナーが追撃を加える。フィアーゼは高度を上げて崩れ落ちた天井部を抜けて、そのまま空へと飛翔する。

 「これで終わりにしてあげるわ! 八蛇連光はちじゃれんこう!!!」

 フィアーゼの八岐大蛇やまたのおろちから強力な光線が降り注ぐ。俺たちをアルスフェルト城もろとも葬り去るつもりか!

 「アルフォス! 余を守るのだ!」

 いきなり、リュカリオンがらしくない言葉を口にする。が、何か理由わけがあるのだろう。俺は迷わずリュカリオンの指示に従う。

 「護光壁ごこうへき!」

 リュカリオンを守るように聖剣の力による光の壁を張る。その間、リュカリオンは両目を閉じて意識を集中して魔力を高めている。

 周りに視線を走らせると、セラたちも防御膜魔術プロテクションを全開にして堪えている。だが、一撃一撃が絶大な破壊力を有している。俺の護光壁ごこうへきですら防ぎきることができず、俺自身とリュカリオンの体は傷だらけとなっている。このままだと全滅も時間の問題だぞ!?

 「待たせたな。皆、余の近くに集まるのだ!!」

 リュカリオンの声に反応して、全員が集まる。

 「ゆくぞ!! 瞬間移動魔術テレポート!!!」

 リュカリオンが魔術を発動した瞬間、まばゆい閃光がはしった。それと同時にアルスフェルト城は崩れ落ちてしまうのだった。
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