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第11章 レッドレオとブルータイガー
11―19 VSオグリス②
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「ルーニアン!」
オグリスは憎悪に満ちた瞳でルーニアンを睨めつける。しかし、ルーニアンも青い瞳で睨み返していた。
「黙らんか! 貴様に父と呼ばれる覚えなどないわ!! おとなしくラナリとテシアを差し出せばよいのじゃ! もっとも、そうしたからといって許すわけではない。貴様を処刑したのち、慈悲をもって、ブルータイガーはレッドレオに吸収されるという形で引き取ってやるわい。むろんじゃが、ワシのやり方には従ってもらうことになるんじゃがな。ヌヒャヒャヒャヒャッ」
高笑いをするオグリス。ルーニアンは、冷ややかで哀しげな視線を投げかける。
「お義父さん、ラナリを育ててくれたこと、それに、幼かったボクをレッドレオに入れて育ててくれたことに深く感謝します。昔のあなたは野心はあっても家族や仲間をただ利用するだけの人じゃなかった! なのに、どうしてなんですか!?」
「ライトニング・ガトリング!」
語りかけるルーニアンに返ってきたのは無数の雷撃球だった。
「くっ!」
地下街の通路を駆けて雷撃球を躱し、間合いを詰めたルーニアンが細剣の切先を突き出す。
ヒュッ
細剣による突きをサイドステップで回避するオグリス。
「浮浪児だった貴様を拾ってやった恩も忘れおった愚か者には、死の鉄鎚を与えてくれるわ!!」
オグリスの双眸がカッと見開かれ、指揮棒型魔杖をルーニアンに向けてかざす。
「ライトニング・ショット!」
ラクターの時と同じく、至近距離から撃たれた雷撃球だったが、緑の魔力を纏ったルーニアンは紙一重で躱す。
(この距離で!?)
予想外の展開にオグリスは飛び退く。だが、そんなオグリスを逃がすまいとルーニアンはさらに細剣を揮う。
「おの、れぇ!」
細剣の切先が肩先をかすめたことに腹を立てたオグリスがサッと再び指揮棒型魔杖をかざす。それに対して、ルーニアンは後方へと退る。
「ライトニング・ウィップ!」
オグリスが作り出した雷の鞭がルーニアンの目の前を横切る。
「エア・ショット!」
今度はルーニアンがかざした左手から空気弾を撃つ。
「ぬぉ!」
空気弾を右肩に受けたオグリスは体勢を崩す。
「はぁぁ!!」
ルーニアンはさらに連続突きを繰り出して追撃にでる。
「ぬごぉぉぉ!!」
オグリスが苦悶の表情を浮かべて片膝を折る。
ヒュンッ
「ぬぐっ!!」
オグリスが反撃のために立ち上がろうとした矢先、ルーニアンの細剣の切先が喉元に突きつけられ、表情と動きが固まった。
オグリスは憎悪に満ちた瞳でルーニアンを睨めつける。しかし、ルーニアンも青い瞳で睨み返していた。
「黙らんか! 貴様に父と呼ばれる覚えなどないわ!! おとなしくラナリとテシアを差し出せばよいのじゃ! もっとも、そうしたからといって許すわけではない。貴様を処刑したのち、慈悲をもって、ブルータイガーはレッドレオに吸収されるという形で引き取ってやるわい。むろんじゃが、ワシのやり方には従ってもらうことになるんじゃがな。ヌヒャヒャヒャヒャッ」
高笑いをするオグリス。ルーニアンは、冷ややかで哀しげな視線を投げかける。
「お義父さん、ラナリを育ててくれたこと、それに、幼かったボクをレッドレオに入れて育ててくれたことに深く感謝します。昔のあなたは野心はあっても家族や仲間をただ利用するだけの人じゃなかった! なのに、どうしてなんですか!?」
「ライトニング・ガトリング!」
語りかけるルーニアンに返ってきたのは無数の雷撃球だった。
「くっ!」
地下街の通路を駆けて雷撃球を躱し、間合いを詰めたルーニアンが細剣の切先を突き出す。
ヒュッ
細剣による突きをサイドステップで回避するオグリス。
「浮浪児だった貴様を拾ってやった恩も忘れおった愚か者には、死の鉄鎚を与えてくれるわ!!」
オグリスの双眸がカッと見開かれ、指揮棒型魔杖をルーニアンに向けてかざす。
「ライトニング・ショット!」
ラクターの時と同じく、至近距離から撃たれた雷撃球だったが、緑の魔力を纏ったルーニアンは紙一重で躱す。
(この距離で!?)
予想外の展開にオグリスは飛び退く。だが、そんなオグリスを逃がすまいとルーニアンはさらに細剣を揮う。
「おの、れぇ!」
細剣の切先が肩先をかすめたことに腹を立てたオグリスがサッと再び指揮棒型魔杖をかざす。それに対して、ルーニアンは後方へと退る。
「ライトニング・ウィップ!」
オグリスが作り出した雷の鞭がルーニアンの目の前を横切る。
「エア・ショット!」
今度はルーニアンがかざした左手から空気弾を撃つ。
「ぬぉ!」
空気弾を右肩に受けたオグリスは体勢を崩す。
「はぁぁ!!」
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「ぬごぉぉぉ!!」
オグリスが苦悶の表情を浮かべて片膝を折る。
ヒュンッ
「ぬぐっ!!」
オグリスが反撃のために立ち上がろうとした矢先、ルーニアンの細剣の切先が喉元に突きつけられ、表情と動きが固まった。
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