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第3章 5年後のレバルフ
3―17 VSゲーブ②
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「どっちが上かだ? んなこと、やる前から決まってるだろうが、格下さんよ?」
エルフェリオンは嘲笑する。
「けっ! とことん気にくわねぇ野郎だな!!」
ゲーブは顔をしかめて魔力を高める。
「ルツェルン・ハンマーには氷属性の魔力が宿ってんだ! てめぇをその気色悪い剣もろともぶっ壊してやるぜ!!……アイシクル・ショット!!!」
ゲーブが魔武具ルツェルン・ハンマーから氷柱を撃ち出す。が、エルフェリオンは横っ跳びに回避し、床を蹴って一気に間合いを詰める。
「させっかよ! アイシクル・ショット!」
接近戦では不利とみているゲーブは後退しながら次の氷柱を撃つ。それを邪龍剣で切り払い、さらに加速するエルフェリオン。
「野郎!」
ゲーブはルツェルン・ハンマーを下段に構えて振り上げる。が、エルフェリオンは軽快に身を翻して躱す。
「痛っ!」
エルフェリオンが反撃にくり出した斬撃がゲーブの右肩をかすめる。短く声をあげたゲーブはエルフェリオンからの追撃を警戒して間合いをとる。
「逃がすかよ!」
エルフェリオンは大きく踏み込んで邪龍剣を横に一閃する。だが、ゲーブはさらに後方へと飛び退いて躱す。
「アイシクル・ショット!」
追撃の動きをみせたエルフェリオンにゲーブが魔術攻撃を放つ。
「痛ぇ……」
氷柱を左肩に受けたエルフェリオンが小さく声を漏らす。
(なんだ、あの服は!? オイラのアイシクル・ショットで貫けないのか!?)
ゲーブは、エルフェリオンがまとう龍衣の性能に驚嘆する。
『クハハハハハ! あの小僧め、龍衣の防御性能に驚いておるようじゃな。じゃが、あのようなお粗末な魔術で龍衣を貫くことなど不可能じゃ。もっともエルフェリオンが魔力を巧みに使えておればダメージすらなかったのじゃがな』
エルフェリオンは、レヴィジアルの嫌味などにかまわず床に転がっていた椅子を拾い上げて投げつける。
「ちっ、鬱陶しい!」
ゲーブはルツェルン・ハンマーを振りかざして椅子を弾き飛ばして粉砕する。だが、その際に生じた一瞬の隙に間合いを詰められてしまう。
「くっ!……ぐぅ!!」
焦ったゲーブは後方へと飛び退くが、散乱したテーブルが邪魔で動きが阻害される。
「俺のターンは終わっちゃいねぇぞ?」
ゲーブを邪龍剣の攻撃範囲内におさめたエルフェリオンが次々に斬撃をくり出す。
「あぐ!……ぐぁ!……くそがっ、調子にのってんじゃねぇ!!」
全身に傷を負い、焦燥感にかられたゲーブは、ルツェルン・ハンマーを振りかざすもエルフェリオンを捉えることはできない。
「そんな焦った攻撃なんかくらうか、よ!」
ゲーブの連続攻撃を掻い潜ったエルフェリオンの左拳が唸りを上げる。
ゴッ!
「アグベッ!」
盛大に騒音をたてながらカウンターに激突するゲーブ。置かれていたグラスや食器が衝撃で床へと落ちて割れる。
「ちきしょう! 魔武具を持ってるオイラがなぜ!?」
魔武具の力に絶対の自信を持っていたゲーブが取り乱した様子を見せる。
「おやまぁ、デカい口をたたいてたわりには大したことないねぇ……もうおしまいかぃ?」
酒場ルコアールの奥の部屋からひとりの女が現れ、ゲーブに冷たい視線を向けた。
エルフェリオンは嘲笑する。
「けっ! とことん気にくわねぇ野郎だな!!」
ゲーブは顔をしかめて魔力を高める。
「ルツェルン・ハンマーには氷属性の魔力が宿ってんだ! てめぇをその気色悪い剣もろともぶっ壊してやるぜ!!……アイシクル・ショット!!!」
ゲーブが魔武具ルツェルン・ハンマーから氷柱を撃ち出す。が、エルフェリオンは横っ跳びに回避し、床を蹴って一気に間合いを詰める。
「させっかよ! アイシクル・ショット!」
接近戦では不利とみているゲーブは後退しながら次の氷柱を撃つ。それを邪龍剣で切り払い、さらに加速するエルフェリオン。
「野郎!」
ゲーブはルツェルン・ハンマーを下段に構えて振り上げる。が、エルフェリオンは軽快に身を翻して躱す。
「痛っ!」
エルフェリオンが反撃にくり出した斬撃がゲーブの右肩をかすめる。短く声をあげたゲーブはエルフェリオンからの追撃を警戒して間合いをとる。
「逃がすかよ!」
エルフェリオンは大きく踏み込んで邪龍剣を横に一閃する。だが、ゲーブはさらに後方へと飛び退いて躱す。
「アイシクル・ショット!」
追撃の動きをみせたエルフェリオンにゲーブが魔術攻撃を放つ。
「痛ぇ……」
氷柱を左肩に受けたエルフェリオンが小さく声を漏らす。
(なんだ、あの服は!? オイラのアイシクル・ショットで貫けないのか!?)
ゲーブは、エルフェリオンがまとう龍衣の性能に驚嘆する。
『クハハハハハ! あの小僧め、龍衣の防御性能に驚いておるようじゃな。じゃが、あのようなお粗末な魔術で龍衣を貫くことなど不可能じゃ。もっともエルフェリオンが魔力を巧みに使えておればダメージすらなかったのじゃがな』
エルフェリオンは、レヴィジアルの嫌味などにかまわず床に転がっていた椅子を拾い上げて投げつける。
「ちっ、鬱陶しい!」
ゲーブはルツェルン・ハンマーを振りかざして椅子を弾き飛ばして粉砕する。だが、その際に生じた一瞬の隙に間合いを詰められてしまう。
「くっ!……ぐぅ!!」
焦ったゲーブは後方へと飛び退くが、散乱したテーブルが邪魔で動きが阻害される。
「俺のターンは終わっちゃいねぇぞ?」
ゲーブを邪龍剣の攻撃範囲内におさめたエルフェリオンが次々に斬撃をくり出す。
「あぐ!……ぐぁ!……くそがっ、調子にのってんじゃねぇ!!」
全身に傷を負い、焦燥感にかられたゲーブは、ルツェルン・ハンマーを振りかざすもエルフェリオンを捉えることはできない。
「そんな焦った攻撃なんかくらうか、よ!」
ゲーブの連続攻撃を掻い潜ったエルフェリオンの左拳が唸りを上げる。
ゴッ!
「アグベッ!」
盛大に騒音をたてながらカウンターに激突するゲーブ。置かれていたグラスや食器が衝撃で床へと落ちて割れる。
「ちきしょう! 魔武具を持ってるオイラがなぜ!?」
魔武具の力に絶対の自信を持っていたゲーブが取り乱した様子を見せる。
「おやまぁ、デカい口をたたいてたわりには大したことないねぇ……もうおしまいかぃ?」
酒場ルコアールの奥の部屋からひとりの女が現れ、ゲーブに冷たい視線を向けた。
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