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第4章 狙われた親子
4-19 VSリュガン②
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「痛ぅ……」
破壊された土壁の欠片を退かしてエルフェリオンが立ち上がる。
「バーニング・ショット!」
リュガンが猛然と突進しながら火炎弾を撃つ。
「けっ! 魔術も使えたのかよ。ただの筋肉バカじゃなかったみてぇだな」
迫る火炎弾をサイドステップで躱し、邪龍剣を中段に構えてリュガンを迎え撃つエルフェリオン。
小高い山の麓に激しい剣戟の音が響く。エルフェリオンは、リュガンが軽々と振り回す金属製のハンマーを避け、隙をついて斬撃を入れる。
「ふん、ちょこまかと鬱陶しいやつめ! バーニング・ショット!!」
接近戦の不利をさとったリュガンが後方へ飛び退き、火炎弾を放つ。だが、エルフェリオンはそれを軽快な動きで躱し、間合いを詰めて邪龍剣を走らせる。
ブシュッ
邪龍剣の刃がリュガンの脇腹を捉える。
「ちっ!」
エルフェリオンは舌打ちをする。脇腹を斬られたリュガンが邪龍剣を握るエルフェリオンの左腕を掴んで離さない。
「これで動けまい!!」
ニヤリと口角をつり上げたリュガンがエルフェリオンの頬を殴りつけ、さらに膝蹴りを入れる。
「がはっ!」
鍛えられたリュガンの肉体から放たれる打撃はエルフェリオンに大きなダメージを与える。
「ふんぬ!!」
頭部を後方に大きく反らせたリュガンの頭突きがエルフェリオンの額に炸裂した。
「ぐっ……あぁっ!」
エルフェリオンから苦しげな声が漏れる。
「エルフェリオン!!!」
アルナの悲痛な叫び声にもエルフェリオンからの応答はない。
「どりゃぁぁぁぁ!!」
リュガンはエルフェリオンの左腕をしっかりと握ったまま、今度は力任せに地面に叩きつける。
「げはっ!!」
背中から地面に叩きつけられたエルフェリオンが吐血する。
「くくくくくく……今の一撃はエルフェリオン君の内臓にまでダメージを与えたようですねぇ」
エルフェリオンとリュガンの戦闘を見ていたガージンがニヤリと笑う。
「ぬぉりゃぁぁぁぁ!!!」
リュガンは再びエルフェリオンを振り回してボーリングの玉のように勢いよく転がす。激しく転がったエルフェリオンは背中を地面につけたまま滑って停止する。
「小僧が、手こずらせやがって。だが、これで終わりだ! 死ね!!!」
大きく跳躍したリュガンが金属製のハンマーを頭上に掲げる。
「……へっ、んな簡単にくたばれるかよ……」
地面に倒れたままのエルフェリオンがボソリと呟く。
「今すぐ楽にしてやる!!」
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ
リュガンの体重をのせたハンマーが振り下ろされた。が、そこにいるはずの青髪の青年の姿がない。
「くそ! まだ動けるのか!?」
エルフェリオンをあまく見ていたリュガンは周囲を見回す。
ガキィンッ
周囲にエルフェリオンの姿を見つけられなかったリュガンは、頭上からの攻撃に気付き、ハンマーの柄で邪龍剣を受け止めた。
「ちっ、受け止められちまったか。だが、まだだぜ。はぁぁ!!!」
エルフェリオンは身にまとう魔力をさらに増大させ、邪龍剣を押し込んでいく。
「バカな!? 過ぎた魔力をまとえば自滅を招くだけだ。それに、それだけの力を制御するなど不可能だ!!」
リュガンは驚愕する。
「るせぇ! もぅ、てめぇとの闘いは飽きた。消えろ!!」
エルフェリオンは一気に邪龍剣を振り下ろす。
ザンッ
遂に押し切られたリュガンは邪龍剣によって頭から斬りつけられる。吹き出した血飛沫がエルフェリオンを赤く染めた。が、すぐにレヴィジアルによって魂を喰われたことで、肉片も血痕すらも遺さず消え去った。
破壊された土壁の欠片を退かしてエルフェリオンが立ち上がる。
「バーニング・ショット!」
リュガンが猛然と突進しながら火炎弾を撃つ。
「けっ! 魔術も使えたのかよ。ただの筋肉バカじゃなかったみてぇだな」
迫る火炎弾をサイドステップで躱し、邪龍剣を中段に構えてリュガンを迎え撃つエルフェリオン。
小高い山の麓に激しい剣戟の音が響く。エルフェリオンは、リュガンが軽々と振り回す金属製のハンマーを避け、隙をついて斬撃を入れる。
「ふん、ちょこまかと鬱陶しいやつめ! バーニング・ショット!!」
接近戦の不利をさとったリュガンが後方へ飛び退き、火炎弾を放つ。だが、エルフェリオンはそれを軽快な動きで躱し、間合いを詰めて邪龍剣を走らせる。
ブシュッ
邪龍剣の刃がリュガンの脇腹を捉える。
「ちっ!」
エルフェリオンは舌打ちをする。脇腹を斬られたリュガンが邪龍剣を握るエルフェリオンの左腕を掴んで離さない。
「これで動けまい!!」
ニヤリと口角をつり上げたリュガンがエルフェリオンの頬を殴りつけ、さらに膝蹴りを入れる。
「がはっ!」
鍛えられたリュガンの肉体から放たれる打撃はエルフェリオンに大きなダメージを与える。
「ふんぬ!!」
頭部を後方に大きく反らせたリュガンの頭突きがエルフェリオンの額に炸裂した。
「ぐっ……あぁっ!」
エルフェリオンから苦しげな声が漏れる。
「エルフェリオン!!!」
アルナの悲痛な叫び声にもエルフェリオンからの応答はない。
「どりゃぁぁぁぁ!!」
リュガンはエルフェリオンの左腕をしっかりと握ったまま、今度は力任せに地面に叩きつける。
「げはっ!!」
背中から地面に叩きつけられたエルフェリオンが吐血する。
「くくくくくく……今の一撃はエルフェリオン君の内臓にまでダメージを与えたようですねぇ」
エルフェリオンとリュガンの戦闘を見ていたガージンがニヤリと笑う。
「ぬぉりゃぁぁぁぁ!!!」
リュガンは再びエルフェリオンを振り回してボーリングの玉のように勢いよく転がす。激しく転がったエルフェリオンは背中を地面につけたまま滑って停止する。
「小僧が、手こずらせやがって。だが、これで終わりだ! 死ね!!!」
大きく跳躍したリュガンが金属製のハンマーを頭上に掲げる。
「……へっ、んな簡単にくたばれるかよ……」
地面に倒れたままのエルフェリオンがボソリと呟く。
「今すぐ楽にしてやる!!」
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ
リュガンの体重をのせたハンマーが振り下ろされた。が、そこにいるはずの青髪の青年の姿がない。
「くそ! まだ動けるのか!?」
エルフェリオンをあまく見ていたリュガンは周囲を見回す。
ガキィンッ
周囲にエルフェリオンの姿を見つけられなかったリュガンは、頭上からの攻撃に気付き、ハンマーの柄で邪龍剣を受け止めた。
「ちっ、受け止められちまったか。だが、まだだぜ。はぁぁ!!!」
エルフェリオンは身にまとう魔力をさらに増大させ、邪龍剣を押し込んでいく。
「バカな!? 過ぎた魔力をまとえば自滅を招くだけだ。それに、それだけの力を制御するなど不可能だ!!」
リュガンは驚愕する。
「るせぇ! もぅ、てめぇとの闘いは飽きた。消えろ!!」
エルフェリオンは一気に邪龍剣を振り下ろす。
ザンッ
遂に押し切られたリュガンは邪龍剣によって頭から斬りつけられる。吹き出した血飛沫がエルフェリオンを赤く染めた。が、すぐにレヴィジアルによって魂を喰われたことで、肉片も血痕すらも遺さず消え去った。
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