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2章 魔剣カラドボルグ
36話 セラ、激怒
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「どういうことですの!?」
翌朝のこと。起床したアルフォスは食事を摂るためにいつもの席に座る。テーブルの上にはセラが用意した朝食が並べられている。そして、眼前には膨れっ面のセラの顔があった。
「えぇっと……。彼は新しい従者で守護王のウィナーだ」
アルフォスは、テーブルに並べられた朝食にがっついている巨漢をセラに紹介する。
「そういうことをお訊きしていませんわ! どうして従者にしたのかと訊いているのですわ!!」
「……成り行き?……」
「ふ・ざ・け・な・い・で・く・だ・さ・い!」
いつになくアルフォスに対して厳しい態度をとるセラ。
「いいじゃねぇかよ、セラ嬢ちゃん。アルフォスの旦那はセラ嬢ちゃんのご主人様なんだろ? だったら、ご主人様の決定にケチをつけちゃいけねぇや」
空気を読まないウィナーにセラの眼光が鋭さを増す。
「わたくしは、アルフォス様と二人きりで朝食を食べる至福の一時に、あなたのような方が一緒にいるのが我慢できませんの!! ……朝、起きて、あなたが同じ部屋で寝てるのを見つけた時のショックといったら……」
セラは脱力して自分の席の座る。
「同じ部屋で寝たくらいいいじゃねぇか。同じベッドで寝たわけでも、寝込みを襲ったわけでもあるめぇし」
「本気で焼き殺しますわよ……」
冗談めかして言ったウィナーにセラは視線の冷たさを増大させ、殺気が迸る。
「す…すまねぇ……」
さしものウィナーも恐怖心はあるようだ。セラの放つ凄まじい殺気に怯んでいる。
「ま…まあ……今後、光の女神が何らかの動きを見せてきてもウィナーは俺たちの大きな戦力になるさ」
「光の女神? なんのことですの?」
セラは説明を求めるようにアルフォスを見る。
「昨夜のことを説明する。だが、その前にまずは食事をしないか?」
アルフォスの提案を受け入れ、セラはようやく朝食に手をつけた。
◎
「つまり、光の女神がアルフォス様やリュカリオン様のお命を狙っているのですわね?」
「どうもそういうことらしい」
アルフォスは食後の茶を啜りながら肯定する。
「フッ、上等ですわ! わたくしのアルフォス様のお命を狙うとは不届き千万ですわ!! そのような女は衣服を剥ぎ取って魔族の男どもの中に放り込んでやりますわ!!」
予想通りにセラは怒りを爆発させている。
(わたくしのアルフォス様って、俺はいつセラのものになったのやら……)
そんなことが脳裏をよぎるが言葉にはできない。
「セラ嬢ちゃん、エグいこと言うじゃねぇかよ」
「何か仰いまして?」
ギロリと睨まれたウィナーはビシッと背筋を伸ばす。
「いや、なんでもねぇ!」
普段は恐れ知らずのウィナーでさえ、激怒したセラには勝てないようだ。
「まぁ、落ち着け。要するに光の女神が何か仕掛けてきたとしても返り討ちにするだけの戦力があれば問題ないわけだ。だったら、ウィナーの戦闘力は頼もしいんじゃないか?」
「……たしかに戦闘力だけは信用できますわね」
「だったら、ウィナーが従者になることに反対はないな?」
「……しょうがないですわね……」
アルフォスに言われては渋々ながらも認めるしかない。
「いよぉし、これで決まりだな! 改めてよろしく頼むぜ! アルフォスの旦那、セラ嬢ちゃん!」
ウィナーは嬉々として目の前に置かれたグラスの茶を一気に飲み干した。
翌朝のこと。起床したアルフォスは食事を摂るためにいつもの席に座る。テーブルの上にはセラが用意した朝食が並べられている。そして、眼前には膨れっ面のセラの顔があった。
「えぇっと……。彼は新しい従者で守護王のウィナーだ」
アルフォスは、テーブルに並べられた朝食にがっついている巨漢をセラに紹介する。
「そういうことをお訊きしていませんわ! どうして従者にしたのかと訊いているのですわ!!」
「……成り行き?……」
「ふ・ざ・け・な・い・で・く・だ・さ・い!」
いつになくアルフォスに対して厳しい態度をとるセラ。
「いいじゃねぇかよ、セラ嬢ちゃん。アルフォスの旦那はセラ嬢ちゃんのご主人様なんだろ? だったら、ご主人様の決定にケチをつけちゃいけねぇや」
空気を読まないウィナーにセラの眼光が鋭さを増す。
「わたくしは、アルフォス様と二人きりで朝食を食べる至福の一時に、あなたのような方が一緒にいるのが我慢できませんの!! ……朝、起きて、あなたが同じ部屋で寝てるのを見つけた時のショックといったら……」
セラは脱力して自分の席の座る。
「同じ部屋で寝たくらいいいじゃねぇか。同じベッドで寝たわけでも、寝込みを襲ったわけでもあるめぇし」
「本気で焼き殺しますわよ……」
冗談めかして言ったウィナーにセラは視線の冷たさを増大させ、殺気が迸る。
「す…すまねぇ……」
さしものウィナーも恐怖心はあるようだ。セラの放つ凄まじい殺気に怯んでいる。
「ま…まあ……今後、光の女神が何らかの動きを見せてきてもウィナーは俺たちの大きな戦力になるさ」
「光の女神? なんのことですの?」
セラは説明を求めるようにアルフォスを見る。
「昨夜のことを説明する。だが、その前にまずは食事をしないか?」
アルフォスの提案を受け入れ、セラはようやく朝食に手をつけた。
◎
「つまり、光の女神がアルフォス様やリュカリオン様のお命を狙っているのですわね?」
「どうもそういうことらしい」
アルフォスは食後の茶を啜りながら肯定する。
「フッ、上等ですわ! わたくしのアルフォス様のお命を狙うとは不届き千万ですわ!! そのような女は衣服を剥ぎ取って魔族の男どもの中に放り込んでやりますわ!!」
予想通りにセラは怒りを爆発させている。
(わたくしのアルフォス様って、俺はいつセラのものになったのやら……)
そんなことが脳裏をよぎるが言葉にはできない。
「セラ嬢ちゃん、エグいこと言うじゃねぇかよ」
「何か仰いまして?」
ギロリと睨まれたウィナーはビシッと背筋を伸ばす。
「いや、なんでもねぇ!」
普段は恐れ知らずのウィナーでさえ、激怒したセラには勝てないようだ。
「まぁ、落ち着け。要するに光の女神が何か仕掛けてきたとしても返り討ちにするだけの戦力があれば問題ないわけだ。だったら、ウィナーの戦闘力は頼もしいんじゃないか?」
「……たしかに戦闘力だけは信用できますわね」
「だったら、ウィナーが従者になることに反対はないな?」
「……しょうがないですわね……」
アルフォスに言われては渋々ながらも認めるしかない。
「いよぉし、これで決まりだな! 改めてよろしく頼むぜ! アルフォスの旦那、セラ嬢ちゃん!」
ウィナーは嬉々として目の前に置かれたグラスの茶を一気に飲み干した。
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