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2章 魔剣カラドボルグ
35話 新たな従者
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「今の話からすると、オレはこいつに仕えることになるのか?」
黙ってアルフォスとリュカリオンの会話を聞いていた守護王が口を開く。
「そうなるな」
リュカリオンが肯定する。
「無理強いするつもりはない。せっかくあの世界から脱け出せたんだ。自由にすればいいさ」
アルフォスの言葉を受け、守護王は考える。
「よし、決めたぜ。オレはあんたに仕える!」
守護王の出した答えのアルフォスは眉をひそめる。
「どういう風の吹き回しだ? せっかくの自由を手に入れるチャンスをふいにするのか?」
守護王はニヤリと笑む。
「あんたにはちっとばかし興味があってな」
「俺に興味だと?」
アルフォスはドン引きしている。
「おいおい、妙な風に考えんじゃねぇよ。その若さで、あの切羽詰まった状況でよくあれだけ冷静な行動がとれたもんだ」
「ふむ。アルフォスは子供のころより幾つもの戦場で様々な経験をしてきてるからな。そのへんの傭兵やら騎士・兵士などよりも経験豊富であろうよ」
(そのほとんどはリュカリオンに送り出された戦場での経験だがな…)
アルフォスは、どこか誇らしげに語るリュカリオンに苦笑する。
「それだけじゃねぇ。さっきセラ嬢ちゃんを休ませていただろ。自分の従者を仲間として接してたのは好感が持てるじゃねぇか。どこぞの魔神なんぞ異空間に閉じ込めて終わりにしやがったからな!」
言いながらリュカリオンを睨む守護王。リュカリオンは気にする様子も見せず、無視してグラスの酒を口に運ぶ。
「っつうわけだからよ。これからよろしく頼むぜ、アルフォスの旦那!」
(アルフォスの旦那……)
アルフォスは心の中で復唱する。
「ふむふむ。では、アルフォスよ。守護王に名を与えてやってはどうだ?」
「名を与える?」
アルフォスが聞き返す。
「そうだ。まさかいつまでも守護王と呼び続けるつもりか?」
「おっ、たまにはいいことも言うじゃねぇかよ、リュカリオン!」
守護王がニカッと笑う。
(そうだな。たしかに名前で呼んだほうが便利ではあるが…。正直、名を考えるのが面倒だ)
「それじゃ、自分で好きな名を付けてはどうだ? うん、それが一番いい」
(フッ、アルフォスめ。考えるのが面倒になって丸投げしたか……)
リュカリオンはアルフォスの思考を見抜き、口元に笑みを浮かべる。
「オレがオレの名前を決めていいのか?」
守護王は表情を明るくし、ブツブツと独り言を繰り返し始める。
その様子を尻目に、アルフォスは酒を一口含んで味わう。
「……ところで、異世界の崩壊に光の女神が一枚噛んでるとすれば、今後も何らかの干渉をしてくると考えるべきだよな?」
「そう見て間違いないであろうな」
リュカリオンはアルフォスの考えに肯定を示す。
「標的は俺か、それとも魔剣カラドボルグか……」
「どちらも、だな。余の創造した異世界を崩壊させたのは魔剣を狙っての行動だろう。しかし、アルフォスはその魔剣の使い手としての才覚を見せた。あの女がそれを知ったとすれば……」
(だとすれば、俺と共に行動すれば周りに被害がでるか……)
「先に言っておくが、これからは単独行動しようなどとは考えるなよ。あの女のことだ。おまえを殺したあと、セラたちにも危害を加えるであろう」
アルフォスの考えを見越したリュカリオンが諭す。
「……結局、俺自身が強くなるしかないってことか……」
「そういうことだな。頑張るのだぞ」
アルフォスは他人事のように言うリュカリオンに肩を落とす。
「よーーし! 決めた!!」
突然、守護王が大声をあげ、アルフォスとリュカリオンの視線を集める。
「オレの名はウィナーだぁ!!!」
守護王ウィナーは高らかに名乗りをあげた。
黙ってアルフォスとリュカリオンの会話を聞いていた守護王が口を開く。
「そうなるな」
リュカリオンが肯定する。
「無理強いするつもりはない。せっかくあの世界から脱け出せたんだ。自由にすればいいさ」
アルフォスの言葉を受け、守護王は考える。
「よし、決めたぜ。オレはあんたに仕える!」
守護王の出した答えのアルフォスは眉をひそめる。
「どういう風の吹き回しだ? せっかくの自由を手に入れるチャンスをふいにするのか?」
守護王はニヤリと笑む。
「あんたにはちっとばかし興味があってな」
「俺に興味だと?」
アルフォスはドン引きしている。
「おいおい、妙な風に考えんじゃねぇよ。その若さで、あの切羽詰まった状況でよくあれだけ冷静な行動がとれたもんだ」
「ふむ。アルフォスは子供のころより幾つもの戦場で様々な経験をしてきてるからな。そのへんの傭兵やら騎士・兵士などよりも経験豊富であろうよ」
(そのほとんどはリュカリオンに送り出された戦場での経験だがな…)
アルフォスは、どこか誇らしげに語るリュカリオンに苦笑する。
「それだけじゃねぇ。さっきセラ嬢ちゃんを休ませていただろ。自分の従者を仲間として接してたのは好感が持てるじゃねぇか。どこぞの魔神なんぞ異空間に閉じ込めて終わりにしやがったからな!」
言いながらリュカリオンを睨む守護王。リュカリオンは気にする様子も見せず、無視してグラスの酒を口に運ぶ。
「っつうわけだからよ。これからよろしく頼むぜ、アルフォスの旦那!」
(アルフォスの旦那……)
アルフォスは心の中で復唱する。
「ふむふむ。では、アルフォスよ。守護王に名を与えてやってはどうだ?」
「名を与える?」
アルフォスが聞き返す。
「そうだ。まさかいつまでも守護王と呼び続けるつもりか?」
「おっ、たまにはいいことも言うじゃねぇかよ、リュカリオン!」
守護王がニカッと笑う。
(そうだな。たしかに名前で呼んだほうが便利ではあるが…。正直、名を考えるのが面倒だ)
「それじゃ、自分で好きな名を付けてはどうだ? うん、それが一番いい」
(フッ、アルフォスめ。考えるのが面倒になって丸投げしたか……)
リュカリオンはアルフォスの思考を見抜き、口元に笑みを浮かべる。
「オレがオレの名前を決めていいのか?」
守護王は表情を明るくし、ブツブツと独り言を繰り返し始める。
その様子を尻目に、アルフォスは酒を一口含んで味わう。
「……ところで、異世界の崩壊に光の女神が一枚噛んでるとすれば、今後も何らかの干渉をしてくると考えるべきだよな?」
「そう見て間違いないであろうな」
リュカリオンはアルフォスの考えに肯定を示す。
「標的は俺か、それとも魔剣カラドボルグか……」
「どちらも、だな。余の創造した異世界を崩壊させたのは魔剣を狙っての行動だろう。しかし、アルフォスはその魔剣の使い手としての才覚を見せた。あの女がそれを知ったとすれば……」
(だとすれば、俺と共に行動すれば周りに被害がでるか……)
「先に言っておくが、これからは単独行動しようなどとは考えるなよ。あの女のことだ。おまえを殺したあと、セラたちにも危害を加えるであろう」
アルフォスの考えを見越したリュカリオンが諭す。
「……結局、俺自身が強くなるしかないってことか……」
「そういうことだな。頑張るのだぞ」
アルフォスは他人事のように言うリュカリオンに肩を落とす。
「よーーし! 決めた!!」
突然、守護王が大声をあげ、アルフォスとリュカリオンの視線を集める。
「オレの名はウィナーだぁ!!!」
守護王ウィナーは高らかに名乗りをあげた。
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