禁忌を侵した俺が送る異世界奴隷王ハーレムライフ

やーま

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一輪の蕾

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 「食事をしながらでよい。聞け。お主は前世の記憶もなく、名前すらも覚えていないだろうから、こちらから名乗ろう」

 ん?前世の記憶めちゃくちゃあるが?
 俺の名前はダイドウリョウガ 28歳童貞だ。

 「ワシはブァルム王国二十八世クロム・ブァルムじゃ」

 王様に続き横に立って居る白金色の騎士が喋る。

 「ブァルム王国護衛隊大隊長ガッツア・ウルムだ」

 「此奴はお主と同じ神の仔じゃ」
 王様は髭を触りながら話し続ける。

 「修道女から少しは聞いているかも知れぬが、一応説明しよう。何故貴殿を呼んだのか。何故神の仔は存在するのかを」

 俺は転生してから何も食べていなかったため、めちゃくちゃお腹が空いていた。
 目の前に並んでいる料理を全種類頬張りながら王様の話しに耳を傾けた。

 魔族との第一次世界対戦の際、後に神と崇められる存在『ロイヤル・ア・イライザ』は魔族と対抗するために命魔法を発動、神の仔は出現する様になった。
 その姿は前世の姿では無く、ある程度成長した姿で転生。
 前世の記憶などはなく、イライザの生まれ変わりとも言伝えられている。
 しかし神の仔の出現は年々少なくなっており、イライザの命魔法の効果が薄れつつあるらしい。
 未だに魔族との争いは続いていて、更に最近では魔族群の動きが激化しているみたいで、近々また戦争が起きるかもしれないと。

 「この国を守る為には神の仔の力が必要なんじゃ。悪い様にはせぬぞ? 最高地位と衣食住を保証し、臨む物すべてを献上しよう』

 神の仔が生まれる理由と意味は分かった。

 この国を守るという点を除いて…

 「この国? 他の国はいいのか?」

 「アルツァホルン王国とロザリオ王国か? 
奴らは良いのじゃ。守る価値もない、寄生虫じゃからのう」

 王は何やらウルムに視線を向け、何かの指示を出す。

「スリープ」

 ウルムがリザに向けて唱えた途端、リザはフォークを持ったまま、机に伏せ『スー…』と鼻息を立て始める。

 「寝かしたのか!?」

 「あまり気持ちの良い話では無いかもしれぬからの」


 「ロザリオ王国、奴らは神の仔を自分達の国にもタダで寄越せと抜かしおるのじゃ。対して力もない癖に… それにアルツァホルン王国は多種族国家、悪魔の亜人が沢山住んでいるのじゃ、またいつ暴走するかも分からぬ」

 また?やはり亜人は何か他の種族と違うのか…
 「何故亜人は悪魔と呼ばれているのだ?」

 王の眉間と目が卑しめている。
 「悪魔の末裔、奴らは、人族と魔族の間に産まれた種族なんじゃ」

 
 王が云うには、伝承でかつての第一次世界大戦前が起こる前に誕生したと。
 当時、敵対する関係である魔族と邪恋に溺れる愚か者がいた。
 イライザは許す訳なく、その者に愛する魔族を殺せと厳命を下した。
 男は自らの手で愛する魔族を殺し、その後男自身も自害した。
 しかし赤ん坊は既に地に降りていて、赤ん坊は人族に紛れ、人族と子を身籠り子孫を増やし続けた。
 その子孫が現在の亜人族にあたり、血は薄れいるが魔族の血が流れており、理性を失うと、悪魔の血は体内の魔素を暴走させ、肉体を乗っ取り支配する力を秘めていると。

「神の仔を殺めることは禁忌と定められておる。 昔、自我を失った亜人が神の仔を喰い殺ろしたのじゃ」

 神の仔を対峙できる者など神の仔同士以外存在せず、亜人は神の仔を殺めてしまう程の悪魔の力を秘めているらしい。

 「それで悪魔の仔か…」
 こんな可愛らしい幼い女の子がな…
 「でも何故人族に差別されている亜人がブァルム王国に居るんだ? アルツァホルン王国で暮せば良いだろうに」

 王様はニタァと嫌らしく笑う。

 「ビジネスじゃ。コイツらは奴隷じゃ。赤ん坊の頃にアルツァホルン王国から買い取っているんじゃ」

 「え…」
王が何を言っているのか、全然分からなかった。
 
 「ワシらも何文食料には困っておっての、騎士や国民に働かせるとなると其れなりに金が嵩む。じゃが、頭の良いワシは安い奴隷亜人を飼い慣らし、タダで働かせれば良いと思いついたのじゃ。奴隷紋を刻んでおるから、暴走も無く安心だろう?』

 言葉も出なかった。
 それ以上聞くまでもなく、王国の情勢を理解した。

 「その亜人、中々顔が良いな。性奴隷としたら高値が付くぞ」

 プツンッ
 頭の中で何かが切れた。

 心の中はいつも何も無い草原だった。
行く場所も無い地平線まで続く草原。
 音と同時にそんな何も無い草原に一輪の蕾が咲いた気がする。

 --命ノツボミ--
 --コトワリヲ読ミトケ--
 --サスれバ--
 --ヤガテ花トナル--
 --ソノ力ゾンブンニ使ウガヨイ--


 天の声がまた聞こえる。
2.3度しか聴いた事ない音なのに赤ん坊の頃、幾千も聴いた母の声の様に怒りや哀情さえも高揚へ変えていく不思議な感覚が走る。


 先程まで分からなかったスキルは、身体が思い出したみたいに分かるようになっていた。

 「ハッ…最悪のスキルだなホントに…」
 --奴隷の解除不能--
 --主が死亡した場合、全ての奴隷も死亡--


 --奴隷の灯火使用--
 --一時的オールステータス倍加--

 「まぁ断る理由も無かろう。まずお前にはガッツア・ウルムの下でまず功績を残せ。期待しているぞ」

 「一つ聞きたい…とその前に…」

 リョウガは近くに居る騎士の手を掴み、注文紙を渡す。
 「そこのお前、この料理美味しかったからこれに書いて有る品のおかわりを頼む」
 紙を渡すと騎士は部屋から出て行く。

 「何じゃ聞きたいこととは?」

 「この国と自分の命どっちが大切だ?」

 「何を言っておるのじゃ? 国と国民に決まっておるじゃろう。一国の王だぞワシは」

 バタンッ!!

 後の扉が勢い良く開き、先程の紙切れを渡した騎士が息を切らして戻ってきた。

 「王様っ! 魔族群の大群がブァルム王国へと侵略を始めていると外の騎士から通達が有りました!!」

 王は勢い良く立ち上がり、動揺している。  「なっ…何じゃと!?」

 「奴らは魔法障壁を突破する術を見つけたというのか!?」

 「ウルム!! ワシを守れ! 残りの者は絶対に魔族を領地に入れさせぬよう通達し、阻止するのじゃ!!』

 「国民の避難が先じゃないのか?」

 「避難もそうだが、領地の侵入を阻止が先じゃろう!」

 「いいやお前は先に自分を守れとウルムとやらに頼んだ」

 王様は先程口走った事を思い出し、ハッとした。

 「もういい、まぁ安心しろ魔族は侵略していない。俺のスキルでコイツを操り、嘘の情報を喋って貰った」

 「何じゃと!?試したのか!?」

 「俺はお前らを手伝うつもりは無い。断らせてもらう。リザ達を連れてアルツァホルン王国へ行く」

 「アルツァホルン王国にじゃと!?何が不満なのじゃ? 折角、最高位の地位を与えてやるのだぞ?」


 リョウガは立ち上がり眠っているリザを抱える。
 「全部だよ…… お前らは俺の世界の奴らよりも反吐が出るほど気分が悪くなる。今すぐにも殺してやりたくなるほど…だがそれだけじゃヌルい…お前達は俺の禁忌に触れた」

 「ウルム奴のスキルは何じゃ!? 見ろ!」

 「それが先程からスキルを使用していますが、プロテクトが掛かっていて見えません。もしもの時の為に騎士は配備して居ります。殺しますか?」

 「んぐぐ… プロテクト持ちか…まぁ良い…好きにするがいい。フハハッハッハッー!」

 王は不気味な甲高い笑い声を上げる。

 「しかし、最果ての地にはもう誰もいないぞ?」

--奴隷 ロイル・エリザ 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷フレイム・リ・クロネ 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷ファルコ・ザム 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷ライン・バックラ 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷アリス・リーファル 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷マーリー・アイル 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

--奴隷ウィリアム・カザル 死亡リンク解除--
--奴隷の灯火獲得--

 「間に合わなかったか…」

天の声がした時に全て分かっていた。
 自分のスキル 禁忌『奴隷王』は己より下位のステータスの者を触れる事で奴隷にしてしまう。
 奴隷者のステータスとスキルは俺にリンクされ、俺のステータスにそのまま上乗せ。
 そして奴隷になった者は俺の命令には逆らえない。
 しかし俺が死亡すると全ての奴隷も死亡する。俺の命がリンクしている。
 奴隷者が死亡するとリンクは解除され『奴隷の灯火』を獲得する。
 奴隷の灯火は亡き者となった奴隷のステータスを再び主にリンク。更にステータスは倍加され付与することが出来る。
 しかしそれは一時的。灯火が消えるとリンクは解除され、亡き者の魂はこの世から姿を消す。

 天の声が聴こえた時、既に『奴隷の灯火』が有った。
 ヴォル・リークが亡き者となっていた。
 数時間前まで氷鬼をして遊んだリークがもう亡き者となっている。直ぐに王国の差金だと気づいた。
 今思えば、迎えに来た騎士は5人いた筈なのに王都に向かう時に居たのは4人だった。

 ただ氷鬼を一度しただけ。
 ただそれだけ。
 ただそれだけであの子達は喜んでくれた。
 あの子達は、このクソ王国で奴隷にされる事なんて、知るわけも無い。
 ただ今を生きる為に生きていた。

 あの子達も奴隷される為に産まれたのではない。
 俺も課長にパワハラされる為に産まれてきたのではない。
 積み上げた結果は意味でもなんでもない。
 積み上げた物は崩れる時には一瞬にして崩れる。
 生の過程で積み上げた事に過ぎない。
 命がある限り何度でも積める。

 国王は欲望に溺れ、意味もなく命そのものを奪った。

 無念で耐えきれない程の情が、血を煮えたぎらせ、熱さと怒りが全身を駆け巡る。

 「お前らの命で償えると思うなよ…」
 血管が浮き出た肌、赤暗く光る充血した目
その表情は狂気満ちていた。

 「死ね」

 リョウガがそう言葉を放つと、紙を渡し誤報を流した騎士が剣を抜き、己の首に刃先を添える。

 『ブシャァ…』

 首から繋がっている筈の頭が床に転がる。

--奴隷クーン・キルマ 死亡奴隷解除--
--奴隷の灯火獲得--
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