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厭な空気
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え?
「はやくっ! 私のスキルはテレポートよ!一度視界として記憶している場所なら何処にでも転移できるわ!!」
俺のスキルを理解してて触れたのか!?どうして?
コイツは王都に暮らす人間だろう。つまり王側の人間。
先程の状況を知っているなら、俺に殺される可能性もあるのに。
コイツも同じく王国に不満を持っている仲間なのか?
「私は、王に、王都に、この国に復讐する為にここに居るの。でも、今は長話をしている時間はないわ。時が来れば、また出会えるでしょう」
コツコツと扉の外から忍び寄る音が響く。
すべてを理解した上で俺に触れたのか。
いろいろ聞きたいが、今はたしかに長話をしている場合じゃない。
足音からウルムがこの部屋に近づいて来ているのが分かる。
逃げる方法はこのテレポートしかない。
「今は生きて」
メイドはそう言い残し、俺達の口から手を離し、扉から離れ、衣装を手入れし始めた。
まるで何も気づいていない様子を装っている。
「ありがとうっ!助かった。この恩はいつか返す」
メイドは聞こえている筈だが、こちらを見ず、そのまま作業を続けている。
俺はリザに触れ、最果ての地を想像する。
「テレポート」
2人の身体は一瞬にして、その場から姿を消した。
『バンッ』
「おいっ。隠れても無駄だぞ!!」
「ウルム様、どうされました?」
「お前、この部屋に違和感は無かったか?」
「いえ」
「そうか。少し外に出ておけ」
メイドは大人しく外に出ると、ウルムは部屋の鍵を閉める。
「絶剣乱舞!!」
部屋に有った、服や机、置物、花瓶、服掛けなど色んな物が床に落ち、乱脈に騒がしい音を立てる。
ウルムは鍵を閉め、逃げ道を無くし、部屋全体に剣を振ったのである。
『ガチャ…』
「いないか… 奴は一体幾つのスキルを保有しているんだ。これは手間が掛かるな。誰か熱感知とかスキル持っている奴いなかったか?」
「「「うわぁぁぁぁ」」」
突然、騎士達の叫び声が宮殿内に突然鳴り響く。
庭に続く扉を塞いでいた騎士達が軽々宙に吹き飛び、花火の様に散らしながら1人の男が現れる。
「ドケドケドケェエ!!」
『ズザァァァァ…』
その男はウルムの前で止まった。
「軽いっ!軽いっ!軽すぎる!! もっと鍛えぬかお前たちは!!」
この男、特攻防隊大隊長『ゴウ・ジバル』は… 猪突猛進しかできんのか。
こんな奴でも同じ神の仔なんだからな…
「ゴウ殿!!出口を塞いでいた騎士を飛ばしたら!神の仔が逃げて仕舞うではないか!!」
「俺の成長した姿を試す為に準備した壁ではないのか!?」
「そんな訳ないだろ…」
「何!?では何故塞いでたんだ!?」
「最果ての地で誕生した、神の仔がこの国に協力しないと宣言した。我々の敵になるみたいでな」
「あぁ、誕生したのか。協力しないならほっとけばいいではないかっ!」
「そう言えば、ゴウ殿は熱感知スキルを持っていたな? 宮殿内を見てくれ。まだいる筈だ!」
「それ所じゃないんだが… 俺は偵察報告に戻ってきたんだよ」
「いいから!はやくしろ!!」
「まぁよい、見てやろう。貸し一つだぞ。 」
「熱感知」
ゴウは辺りを入念に見渡す。
「あの奥に隠れているのは、王様だろ?他は誰もいないぞ」
うまく逃げられたのか。運のいい奴め…
「クソッ!やはりキサマが騎士を吹き飛ばしたせいで逃げたんじゃないのか!!」
「おいおいっ、そりゃねぇーぜ!自分のミスを他人に押し付けるなんてよぉ~」
「ふんっ、油断しただけだ。ミスではない。所で、ゴウ殿はそんなに急いでどうしたんだ?」
「ホールダウンとの境界付近で、特攻防第二部偵察隊が魔族と交戦中、魔族の奴らが急に撤退したのだ。他の部隊にも確認した所、境界付近のすべての魔族がホールダウンに戻って行った事が分かった。指示をされたのか…急にだ」
「何!?」
「今まで一度も全く居なくなる事なんて無かったのにオカシイと思わないか?」
ホールダウンとの境界線には、我々国王特攻防偵察隊が偵察をし、侵入を防いでいる。
魔族群もまた自分達の領土に人間が立ち入らない様、偵察部隊がいる。
偵察部隊を撤退させると云う事は、自分達の領土にどうぞ侵入して下さい。と言っている様なものだ。
まず、あり得ない…何か裏があるはずだ。
「そこで、少し俺の部隊がホールダウンに侵入してみたが辺りには一切魔族は居なかった」
「ホールダウンの中心、アブァロンに集まっているのか?」
「わからない。更に侵入をしようと思ったが… 厭な者が迫ってくる嫌な空気を感じた。直感だがな。そもそも侵入する準備をしてた訳ではなかったから、人員も少ないし報告に戻ってきた」
まさかな…
あの神の仔が言った事が本当に起ころうとしているのか?
奴は知っていて、本当の事を騎士に伝えたと?
いや、そんな訳ない。奴は先程、最果ての地に転生してきたばかりだ。
「とりあえず念のため、警戒した方がいい。神の仔を王都に集合させよ」
しかし、もし本当に攻め込んで来たら…
「はやくっ! 私のスキルはテレポートよ!一度視界として記憶している場所なら何処にでも転移できるわ!!」
俺のスキルを理解してて触れたのか!?どうして?
コイツは王都に暮らす人間だろう。つまり王側の人間。
先程の状況を知っているなら、俺に殺される可能性もあるのに。
コイツも同じく王国に不満を持っている仲間なのか?
「私は、王に、王都に、この国に復讐する為にここに居るの。でも、今は長話をしている時間はないわ。時が来れば、また出会えるでしょう」
コツコツと扉の外から忍び寄る音が響く。
すべてを理解した上で俺に触れたのか。
いろいろ聞きたいが、今はたしかに長話をしている場合じゃない。
足音からウルムがこの部屋に近づいて来ているのが分かる。
逃げる方法はこのテレポートしかない。
「今は生きて」
メイドはそう言い残し、俺達の口から手を離し、扉から離れ、衣装を手入れし始めた。
まるで何も気づいていない様子を装っている。
「ありがとうっ!助かった。この恩はいつか返す」
メイドは聞こえている筈だが、こちらを見ず、そのまま作業を続けている。
俺はリザに触れ、最果ての地を想像する。
「テレポート」
2人の身体は一瞬にして、その場から姿を消した。
『バンッ』
「おいっ。隠れても無駄だぞ!!」
「ウルム様、どうされました?」
「お前、この部屋に違和感は無かったか?」
「いえ」
「そうか。少し外に出ておけ」
メイドは大人しく外に出ると、ウルムは部屋の鍵を閉める。
「絶剣乱舞!!」
部屋に有った、服や机、置物、花瓶、服掛けなど色んな物が床に落ち、乱脈に騒がしい音を立てる。
ウルムは鍵を閉め、逃げ道を無くし、部屋全体に剣を振ったのである。
『ガチャ…』
「いないか… 奴は一体幾つのスキルを保有しているんだ。これは手間が掛かるな。誰か熱感知とかスキル持っている奴いなかったか?」
「「「うわぁぁぁぁ」」」
突然、騎士達の叫び声が宮殿内に突然鳴り響く。
庭に続く扉を塞いでいた騎士達が軽々宙に吹き飛び、花火の様に散らしながら1人の男が現れる。
「ドケドケドケェエ!!」
『ズザァァァァ…』
その男はウルムの前で止まった。
「軽いっ!軽いっ!軽すぎる!! もっと鍛えぬかお前たちは!!」
この男、特攻防隊大隊長『ゴウ・ジバル』は… 猪突猛進しかできんのか。
こんな奴でも同じ神の仔なんだからな…
「ゴウ殿!!出口を塞いでいた騎士を飛ばしたら!神の仔が逃げて仕舞うではないか!!」
「俺の成長した姿を試す為に準備した壁ではないのか!?」
「そんな訳ないだろ…」
「何!?では何故塞いでたんだ!?」
「最果ての地で誕生した、神の仔がこの国に協力しないと宣言した。我々の敵になるみたいでな」
「あぁ、誕生したのか。協力しないならほっとけばいいではないかっ!」
「そう言えば、ゴウ殿は熱感知スキルを持っていたな? 宮殿内を見てくれ。まだいる筈だ!」
「それ所じゃないんだが… 俺は偵察報告に戻ってきたんだよ」
「いいから!はやくしろ!!」
「まぁよい、見てやろう。貸し一つだぞ。 」
「熱感知」
ゴウは辺りを入念に見渡す。
「あの奥に隠れているのは、王様だろ?他は誰もいないぞ」
うまく逃げられたのか。運のいい奴め…
「クソッ!やはりキサマが騎士を吹き飛ばしたせいで逃げたんじゃないのか!!」
「おいおいっ、そりゃねぇーぜ!自分のミスを他人に押し付けるなんてよぉ~」
「ふんっ、油断しただけだ。ミスではない。所で、ゴウ殿はそんなに急いでどうしたんだ?」
「ホールダウンとの境界付近で、特攻防第二部偵察隊が魔族と交戦中、魔族の奴らが急に撤退したのだ。他の部隊にも確認した所、境界付近のすべての魔族がホールダウンに戻って行った事が分かった。指示をされたのか…急にだ」
「何!?」
「今まで一度も全く居なくなる事なんて無かったのにオカシイと思わないか?」
ホールダウンとの境界線には、我々国王特攻防偵察隊が偵察をし、侵入を防いでいる。
魔族群もまた自分達の領土に人間が立ち入らない様、偵察部隊がいる。
偵察部隊を撤退させると云う事は、自分達の領土にどうぞ侵入して下さい。と言っている様なものだ。
まず、あり得ない…何か裏があるはずだ。
「そこで、少し俺の部隊がホールダウンに侵入してみたが辺りには一切魔族は居なかった」
「ホールダウンの中心、アブァロンに集まっているのか?」
「わからない。更に侵入をしようと思ったが… 厭な者が迫ってくる嫌な空気を感じた。直感だがな。そもそも侵入する準備をしてた訳ではなかったから、人員も少ないし報告に戻ってきた」
まさかな…
あの神の仔が言った事が本当に起ころうとしているのか?
奴は知っていて、本当の事を騎士に伝えたと?
いや、そんな訳ない。奴は先程、最果ての地に転生してきたばかりだ。
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