指揮者に恋した元吹奏楽部員の後味悪い話

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高校

心のよりどころ

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中学を卒業し、高校へ入学。当たり前のように吹奏楽部へ入部。クラリネット経験者ということで希望通りクラリネットパートになれた。

出身中学の吹奏楽部は、学区内では1位2位を争うほど活動が盛んだった。その環境で練習できたおかげで、高校では他の同期よりも上手かったと思う。
下手な先輩よりは上手かったと思うし、実際、先輩をさし置いて、ソロ(目立つ。通常そのパートで上手い人が吹く)も貰えたりしてウハウハだった。
居心地よすぎて、あーん困っちゃう!状態。

****

さて、そこで不安になるのは人間関係。

中学のとき強烈ないじめはないものの、部活内には陰口を聞いたり言ったりの習慣があった。私もそれに参加してた。

高校でも、陰口の一つも言われるだろうと思っていた。けれどそんな雰囲気は全くなく、とにかく心地よい。

調子にのって浮ついてる私についてもだし、練習休みがちな部員についても(中学の頃なら絶対に悪口対象だ)、みんな悪口言ったりしない。

むしろ私が言おうかなと思ったら、
他の子が「あの子最近休みがちだね。体調とか大丈夫なのかな」
と心底心配しているという口調で言うもんだから、悪口を言える雰囲気でもなく、「そうだね、心配だね」と答えた。

みんな良い人だなー。
そして中学の頃の悪口文化から高校同期たちのおかげで私は浄化された。

吹奏楽部ではクラリネットの技術的にもマウントがとれて、そして人間関係も心地よい。天国か!?

****

けれども上手くいかないのは勉学。
中学のときとは比べものにならない勉強量に、それまで暗記で対応していたやり方が通じず、高一の初めてのテストは散々。その後も巻き返せない。

中学のときは、クラスで目立たないけど、部活での副部長やらパートリーダーとしての居心地良さが私を救っていた。そして勉学もちゃんとやっていた。部活に励んでいてもなんとかなる難易度と量だった。

けれど高校になり追いつかなくなった。生活の中心は吹奏楽部で、授業に身も入らないし、復習なんてしない。テスト期間中はさすがに吹奏楽部も休みになるが、その期間だけ勉強したって追いつけるような量でもなかったし、その器量は私には無かった。

勉学が楽しくなかったことが、「じゃあもっと勉強頑張る」にはならずに余計に部活にのめり込ませた。
わたしには吹奏楽部がある。クラリネットがある。


もうちょっとこの高校1年のときに、依存ではなく、熱中しているという程度にしておくべきだった。


つづく~
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