器用な少年、異世界へ行く

沢煮椀

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プロローグ

天才少年、まさかの過労死

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ご閲覧頂き、有難うございます。
作者の沢煮椀と言います。名前の由来はお吸物です。
最初に、この小説の諸注意をしたいと思います。

まず、この小説を読む前に、一つ戻って「内容」の部分をご覧下さい。
読まないと、わからない部分があるかも御座いません。

次に、自分は小説を書くのは初めてです。
誤字脱字を初めに、文脈がおかしい所が必ずと言っていい程あると思いますので、良ければご報告下さい。

最後に、自分が書きたい時に書きたいだけ書くので、大体が短い投稿をすることになると思います。ご了承ください。

それでは、よろしくお願いします。


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拝啓、母上様、父上様。

貴方様方がこの手紙を読んでいる時には、私はもうその屋敷にはいないでしょう。
この所、仕事が多くなり、体的にも、精神的にも、疲れてきております。
まぁ、働かずに子供の金で飯食ってる貴方達には分からないとは思いますが。
私がその屋敷から居なくなり、貴方様方が四苦八苦する姿を思い浮かべるだけで、心が晴れやかになります。
この手紙の裏に、私からの心からの一言を書いておきますので、何回でも見直して下さいね。
今まで本当に有難う御座いました。

杜紀ときより



















ざまぁw

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よし、こんな所かな。
決断するまでが長かったけど、決めてからはあっという間だったなぁ。

ん?何を決めたのかって?


家出だよ!


突然だが、自分の生活サイクルはこうだ。
朝3時に起床。30分で支度をして朝食を取り、早々に仕事に取り掛かる。
12時に一旦終わり、昼食を取って、12時30分から仕事開始。
6時に仕事の時間が終わり、その後は学習時間に入り、自分にはレベルが高いと思われる勉強を強制的にやらされる。
その後8時程に終了し、夕食を食べてやっと解放される。時々残業もある。

こんな生活が毎日、毎日、毎日、毎日、毎日!

やってられるかこんちくしょう!

まぁ、仕事は好きですよ?
何かの複製品を作ったり。
ネットで外の綺麗な景色を調べて、(自分は家からあまり出られない。ここも家出ポイント)それを絵を描いてみるだけで金持ちが喜んで買っていってくれるし。
適当に材料を入れて適当に調理するだけで何故か美味しく出来るし。
レシピ通り作ればもっと美味しくなるし。
それを金持ちの子供達が食べてくれるのを見るだけで楽しいし。
仕事は楽しいんですよ?
だけどね…

仕事の量が量なんだよ!

なんだよ朝3時起床って。まぁ仕事が溜まっているのは分かるけどさぁ。
それにしても早いだろう。
しかもこの頃は毎日残業だし。
しかもそうやって自分が汗水垂らして稼いだお金は全てお父さん達に取られるし。
そのお金は、どう見ても落書きにしか見えない絵を買ったり、無駄なガラクタを買ったりして無駄遣いされるし。
自分達だけで勝手に旅行に行くし。
どんどん太っていってるし。
もう散々だよ…

あ、いつの間にか両親の愚痴になっていたな。

まぁ、そんな感じで家出を決意した訳だ。

ちなみに、行く宛はない。
しかも金は取られている。
さて、自分はどうするでしょう?





答えは…

金を盗むでした!
もちろん、親からだけどね。

ん?どうやって盗むのかって?
実は、うちの親は金を見てニマニマする為に、現金で、ガラクタの中にあった金庫の中に入れている。
しかもその金庫はセキュリティーが激甘で、鍵一つあれば開けられる。
そして自分はかなり器用である。
もうこの時点でわかる人もいるだろう。
そう、

ピッキングします。
ツールは、ネットで調べて簡単そうだったヘアピンを加工する方法で作ってみた。

そしてさっき作戦を決行し、


盗んだ金がここにあります。


自分の器用さフル活用して盗んできてやったぜ…。
なんか、盗むってのは言い方が悪いな。
「自分が稼いだお金を、自分の手で取り返して来た」と言ったほうが精神衛生上いいだろう。

これで自分は億万長者になったから、どこに行っても生きて行けるだろう。
……多分。

そして最後に家出報告書?(冒頭の手紙)みたいなのを書いてみた。
裏にでかでかと大きな文字でざまぁwと書いてやった。悔しがる姿が目に浮かぶぜ。

さて、準備も出来たし、しゅっぱ………ん?なんか、目眩が……

やばい、フラフラする…平衡感覚が掴めねぇ…

あれ…地面に置いていた筈のトランクが、なぜ目の前にあるんだ…?



しかも世界が横に…これは自分が倒れているのか…?




全く…体が…動かな…



ここで少年の意識は途切れている…

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神童しんどう 杜紀とき 享年16歳 死因は過労。
ただ単純に働きすぎである。無理に無理を重ねていた上に、それをギリギリまで続けていた事により、最後の最後で死亡してしまった。
少年が書いた手紙は、本人が意図せずに遺書になっていて、しかも、何故か金庫の金が無くなっており、その手紙に書いた通りに少年の両親が大変な苦労することになるのだが、それはまた別のお話…




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