5 / 35
新生活-2
恵との同居生活が始まって一週間が経過した。
道路を挟んで向こう側にある藤江の部屋は、夜になると必ずカーテンを閉められるので、中の様子までは分らない。周りを警戒しているのか、藤江は密会している相手と共にマンションから出てくることもないため、調査は難航していた。
家族ともただ同じ自宅にいるだけだった多都希にとって、誰かと暮らすという経験は初めてのことだったが、意外にも恵とは良い関係を築けている。
恵の母親には社寮の一室を借りたと伝えているらしい。年齢的にもそろそろ一人暮らしを始めたいと以前から伝えていたそうで、引き留められることはなかった。
多都希は家具屋に恵を連れて来た。
リネンの深緑色のセットアップの多都希と、グレーのパーカーにデニムの恵の組み合わせはちぐはぐで、店中の視線を集めていた。
値段表記のないベッドや机に怯える恵だが、恵が現在使用している部屋は、同居解消後に客室として使用するため、遅かれ早かれベッドなど最低限のものが必要だと言い包めた。
客人用に良いものを選んでくれとオーダーすると、恵は渋々といった表情ながら、真剣に一つずつ家具を選んでいた。
最小限の荷物だけを持参しただけの恵は、今日の晩にでも大きなリュック一つで、ふらっと出て行ってしまいそうなのだ。
客人用にするというのは恵を引き止めるための口実で、いつまでも煎餅のような布団で寝ている恵の体調を心配してのことだった。
多都希の強い要望の甲斐あって、ベッドだけは当日の夕方には恵の部屋に搬入された。
寝酒を飲もうと誘われた多都希は、恵と並んでソファーに座る。
受け取ったグラスの中身を口に含むと、ふっと笑みが零れた。
「なんだこりゃ、寝酒にしては爽やかすぎねえ?」
「家にあったのテキトーに混ぜたんで、味の保証はできませーん。あっ、でも意外と美味しいかも!」
「んはっ、出す前に味見しとけよ」
「美味しくないの?」
「そうは言ってないだろ」
「素直に美味しいって言えばいいのに」
ロゼワインにオレンジジュース、オレンジキュラソーとクラッシュアイスが混ざったそれは、ワイン・クーラーという立派な名がついたカクテルとほとんど同じ味がした。
恵の手料理はどれも上手い。善人と悪人を見分ける才能はないが、味覚に関してはセンスがずば抜けているようだ。
「……今日の夕飯に作ってくれた肉で米を巻いたやつも旨かったよ」
「ホントにっ?」
「ああ、大葉が中に入ってるのが一番好みだった。仕事が始まったら弁当にも入れてほしい」
「そんなに気に入ってくれたんだ! やったー嬉しい! いよいよ来週から新しい職場だもんね。緊張するなぁ~ドキドキするよねぇ。塩谷さんが頑張れるように、気合を入れて大葉とチーズのも用意します!」
「ははっ、お前が緊張してどうすんだよ。だが、弁当は正直期待している」
多都希の素直な感想が恵はとても嬉しかったようで、小さな頭を左右に振って喜びを露にした。
本来は騒がしいタイプは苦手な多都希だが、朝から晩まで共にいてもストレスがないどころか、明日は恵と何をしようか、何を食べようかと考えている。こんなこと、一人の時はあり得なかったことだ。
同居初日は、なぜこんな自分らしくない馬鹿げた提案をしてしまったのだと頭を抱えたが、翌朝、恵が眠い目を擦りながら「おはよ、ございます……」と起きて来た姿を見て、誰かと朝の挨拶を交わすのも悪くないなと思ってしまったのだ。
それに恵のはにかみ顔はかなり良い。目を細めてにいっと笑うと胸がきゅうっと締め付けられる。これは庇護欲のようなものなのだろうか。
自分の言葉一つでこんなにも笑顔が増えるならば、ちっぽけな羞恥心など捨てて、もっとストレートに褒めて、労ってやりたいとも思う。
深夜番組を見ながら他愛もない会話を続けること一時間。
寝酒が効いてきたのか、恵はふわぁっと大きな口を開けて欠伸をした。
「ガキんちょはもう寝る時間だな」
「そんなガキんちょにお酒飲ませていいんですか~? 悪いお兄さんだな~」
恵は足をバタバタさせて抗議する。
あまり年下との交流がない多都希にとって、お兄さんという響きは新鮮だった。酒のせいで舌足らずな恵の声はより幼く、本当に悪いことをしている気分にもなった。
「そういうところがガキだって言ってんだ」
「むぅ……ねえ、塩谷さん。買ってもらった新しいベッドで寝るの楽しみだけど、俺が選んだやつを今後も客室用に使うって、本当に良かったんですか?」
「ああ、問題ない。結構いい値段がしたからな、今夜からはぐっすりだろ」
「えっ、うそぉ……」
目を見開いた恵は肩を揺らし、グラスの中の酒がちゃぷんっと危なげな音を立てた。
「うおわッ! 何してんだ、零れんだろ」
「オレ、塩谷さんが高いと思うくらいの値段のベッドを選んじゃったの⁉ 申し訳なさ過ぎて逆に眠れないよ!」
「なんだァ? ハラハラして寝られないなら、俺が添い寝でもしてやろうか?」
くつくつと喉を上下させて笑う多都希は、テーブルにグラスを置いて恵の肩を抱く。
弟のような恵をからかうのが、日課になりつつある今日この頃。本気で添い寝しようとは微塵も思っていないし、恵はいつものようにキャンキャンと嚙みついて来ると思っていた。
ところが、恵の反応は多都希が思い描いていたものではなかった。
「ひ、一人で平気だもん……」
恵は多都希の手を押しのけると、ぴゅうっとキッチンに逃げ込んでしまった。
「め、めぐ、む……」
呼び掛けを無視した恵は、火照った頬のままグラスを水で流し、シンクに置いた。
その姿をじっと見ていると、ついに顔だけ反らされた。恵は寝る時のパジャマもパーカーだが、耳までは隠せない。その証拠に金髪の向こう側の耳たぶは、真っ赤だった。
「冗談だ、悪かった。そんなに怒るなよ」
少し掠れた声があまりにも情けなくて、多都希は自身の変化に驚いた。
「怒ってません。冗談ってことくらい、わかってるし……。だけどさ、塩谷さんはイケメンで、大人で、こういうの慣れっこなんだろうけどさ……? オレは、あんまり慣れてないんだもん、勘弁して……ください……」
「分かった。恵、本当にすまなかった」
「うん……」
恵は静かにリビングを出て行く。
酒を飲んだので、洗面所に歯を磨きに行ったのだろう。こんな時でも、毎日やること、やらなければならないことをきちんとやるのが恵だ。そういう自制心のある立派な大人ではあるが、些か反応が初心すぎる。
自ら仕掛けておきながら、多都希はへなへなとソファーに倒れ込んだ。
先ほどまで恵が座っていた場所から、風呂上りのしゃぼんの香りがふわっと薫った。同じ柔軟剤を使っているというのに、恵はいつもいい香りがする。
アルファの多都希は、現代社会を生きる上で毎日抑制剤を服用している。
アルファとオメガが出会っても、互いに抑制剤を服用していればほとんどフェロモンを感じ取ることはできない。抑制剤を服用していても唯一フェロモンを感じられる瞬間は、相手か自分が強い感情に揺さぶられた時だけだ。
恵の清涼感と甘さが混ざった匂いは柔軟剤ではなく、オメガフェロモンなのだろうか。フェロモンは指紋と同じように誰一人として同じ値にはならない。香りも嗅ぐ者によって変わる。
仮にしゃぼんの香りが恵のオメガフェロモンだった場合、相手に想いを寄せたのは恵か、はたまた自分か――。
第二性を明かすまでもなく、多都希は誰がどう見てもアルファだが、恵どうなのだろう。
オメガの男性は存在自体が希少なため、第二性の中でも非常にデリケートな話題だ。人によっては、未だにオメガに対する偏見があり、オメガ男性と間違われた際に激高する者だっている。
もし恵がオメガならば、ヒートの話題は避けて通れないし、この同居も長くてあと三ヶ月ということになる。
藤江の素行調査が目的のため、問題が解決すればその前に出て行くことになるかもしれないが、同居が長引けば互いの第二性について話し合わなければならない時は必ず来る。アルファやベータであれば、触れる必要のない話題だが、恵と同居を始めてから彼は一度も第二性について触れたことがないことが少々気がかりだった。
自分は一体、恵とどういう関係を築いていきたいのだろうか。
少なくとも、藤江の問題が片付いて同居を解消しても縁を切るようなことはしたくない。それくらい気が合う貴重な友人になったと思う。
「あー……なんだこの感じ」
まだ出会って一ヶ月も経っていない恵に対する気持ちを上手く言語化できない。
友情や家族愛ともちょっと違う。恋愛感情なのかと問われると自信がない。多都希にとって、恋とは一歩引いて見守るものだった。そういう恋しか知らない。
「俺も歯磨いて寝るか……」
今は恵のように、やることはやろう。
天井を見上げた多都希は腹筋を使って勢いよく起き上がると、中々戻って来ない恵の様子を見に行くために洗面所へと向かった。
道路を挟んで向こう側にある藤江の部屋は、夜になると必ずカーテンを閉められるので、中の様子までは分らない。周りを警戒しているのか、藤江は密会している相手と共にマンションから出てくることもないため、調査は難航していた。
家族ともただ同じ自宅にいるだけだった多都希にとって、誰かと暮らすという経験は初めてのことだったが、意外にも恵とは良い関係を築けている。
恵の母親には社寮の一室を借りたと伝えているらしい。年齢的にもそろそろ一人暮らしを始めたいと以前から伝えていたそうで、引き留められることはなかった。
多都希は家具屋に恵を連れて来た。
リネンの深緑色のセットアップの多都希と、グレーのパーカーにデニムの恵の組み合わせはちぐはぐで、店中の視線を集めていた。
値段表記のないベッドや机に怯える恵だが、恵が現在使用している部屋は、同居解消後に客室として使用するため、遅かれ早かれベッドなど最低限のものが必要だと言い包めた。
客人用に良いものを選んでくれとオーダーすると、恵は渋々といった表情ながら、真剣に一つずつ家具を選んでいた。
最小限の荷物だけを持参しただけの恵は、今日の晩にでも大きなリュック一つで、ふらっと出て行ってしまいそうなのだ。
客人用にするというのは恵を引き止めるための口実で、いつまでも煎餅のような布団で寝ている恵の体調を心配してのことだった。
多都希の強い要望の甲斐あって、ベッドだけは当日の夕方には恵の部屋に搬入された。
寝酒を飲もうと誘われた多都希は、恵と並んでソファーに座る。
受け取ったグラスの中身を口に含むと、ふっと笑みが零れた。
「なんだこりゃ、寝酒にしては爽やかすぎねえ?」
「家にあったのテキトーに混ぜたんで、味の保証はできませーん。あっ、でも意外と美味しいかも!」
「んはっ、出す前に味見しとけよ」
「美味しくないの?」
「そうは言ってないだろ」
「素直に美味しいって言えばいいのに」
ロゼワインにオレンジジュース、オレンジキュラソーとクラッシュアイスが混ざったそれは、ワイン・クーラーという立派な名がついたカクテルとほとんど同じ味がした。
恵の手料理はどれも上手い。善人と悪人を見分ける才能はないが、味覚に関してはセンスがずば抜けているようだ。
「……今日の夕飯に作ってくれた肉で米を巻いたやつも旨かったよ」
「ホントにっ?」
「ああ、大葉が中に入ってるのが一番好みだった。仕事が始まったら弁当にも入れてほしい」
「そんなに気に入ってくれたんだ! やったー嬉しい! いよいよ来週から新しい職場だもんね。緊張するなぁ~ドキドキするよねぇ。塩谷さんが頑張れるように、気合を入れて大葉とチーズのも用意します!」
「ははっ、お前が緊張してどうすんだよ。だが、弁当は正直期待している」
多都希の素直な感想が恵はとても嬉しかったようで、小さな頭を左右に振って喜びを露にした。
本来は騒がしいタイプは苦手な多都希だが、朝から晩まで共にいてもストレスがないどころか、明日は恵と何をしようか、何を食べようかと考えている。こんなこと、一人の時はあり得なかったことだ。
同居初日は、なぜこんな自分らしくない馬鹿げた提案をしてしまったのだと頭を抱えたが、翌朝、恵が眠い目を擦りながら「おはよ、ございます……」と起きて来た姿を見て、誰かと朝の挨拶を交わすのも悪くないなと思ってしまったのだ。
それに恵のはにかみ顔はかなり良い。目を細めてにいっと笑うと胸がきゅうっと締め付けられる。これは庇護欲のようなものなのだろうか。
自分の言葉一つでこんなにも笑顔が増えるならば、ちっぽけな羞恥心など捨てて、もっとストレートに褒めて、労ってやりたいとも思う。
深夜番組を見ながら他愛もない会話を続けること一時間。
寝酒が効いてきたのか、恵はふわぁっと大きな口を開けて欠伸をした。
「ガキんちょはもう寝る時間だな」
「そんなガキんちょにお酒飲ませていいんですか~? 悪いお兄さんだな~」
恵は足をバタバタさせて抗議する。
あまり年下との交流がない多都希にとって、お兄さんという響きは新鮮だった。酒のせいで舌足らずな恵の声はより幼く、本当に悪いことをしている気分にもなった。
「そういうところがガキだって言ってんだ」
「むぅ……ねえ、塩谷さん。買ってもらった新しいベッドで寝るの楽しみだけど、俺が選んだやつを今後も客室用に使うって、本当に良かったんですか?」
「ああ、問題ない。結構いい値段がしたからな、今夜からはぐっすりだろ」
「えっ、うそぉ……」
目を見開いた恵は肩を揺らし、グラスの中の酒がちゃぷんっと危なげな音を立てた。
「うおわッ! 何してんだ、零れんだろ」
「オレ、塩谷さんが高いと思うくらいの値段のベッドを選んじゃったの⁉ 申し訳なさ過ぎて逆に眠れないよ!」
「なんだァ? ハラハラして寝られないなら、俺が添い寝でもしてやろうか?」
くつくつと喉を上下させて笑う多都希は、テーブルにグラスを置いて恵の肩を抱く。
弟のような恵をからかうのが、日課になりつつある今日この頃。本気で添い寝しようとは微塵も思っていないし、恵はいつものようにキャンキャンと嚙みついて来ると思っていた。
ところが、恵の反応は多都希が思い描いていたものではなかった。
「ひ、一人で平気だもん……」
恵は多都希の手を押しのけると、ぴゅうっとキッチンに逃げ込んでしまった。
「め、めぐ、む……」
呼び掛けを無視した恵は、火照った頬のままグラスを水で流し、シンクに置いた。
その姿をじっと見ていると、ついに顔だけ反らされた。恵は寝る時のパジャマもパーカーだが、耳までは隠せない。その証拠に金髪の向こう側の耳たぶは、真っ赤だった。
「冗談だ、悪かった。そんなに怒るなよ」
少し掠れた声があまりにも情けなくて、多都希は自身の変化に驚いた。
「怒ってません。冗談ってことくらい、わかってるし……。だけどさ、塩谷さんはイケメンで、大人で、こういうの慣れっこなんだろうけどさ……? オレは、あんまり慣れてないんだもん、勘弁して……ください……」
「分かった。恵、本当にすまなかった」
「うん……」
恵は静かにリビングを出て行く。
酒を飲んだので、洗面所に歯を磨きに行ったのだろう。こんな時でも、毎日やること、やらなければならないことをきちんとやるのが恵だ。そういう自制心のある立派な大人ではあるが、些か反応が初心すぎる。
自ら仕掛けておきながら、多都希はへなへなとソファーに倒れ込んだ。
先ほどまで恵が座っていた場所から、風呂上りのしゃぼんの香りがふわっと薫った。同じ柔軟剤を使っているというのに、恵はいつもいい香りがする。
アルファの多都希は、現代社会を生きる上で毎日抑制剤を服用している。
アルファとオメガが出会っても、互いに抑制剤を服用していればほとんどフェロモンを感じ取ることはできない。抑制剤を服用していても唯一フェロモンを感じられる瞬間は、相手か自分が強い感情に揺さぶられた時だけだ。
恵の清涼感と甘さが混ざった匂いは柔軟剤ではなく、オメガフェロモンなのだろうか。フェロモンは指紋と同じように誰一人として同じ値にはならない。香りも嗅ぐ者によって変わる。
仮にしゃぼんの香りが恵のオメガフェロモンだった場合、相手に想いを寄せたのは恵か、はたまた自分か――。
第二性を明かすまでもなく、多都希は誰がどう見てもアルファだが、恵どうなのだろう。
オメガの男性は存在自体が希少なため、第二性の中でも非常にデリケートな話題だ。人によっては、未だにオメガに対する偏見があり、オメガ男性と間違われた際に激高する者だっている。
もし恵がオメガならば、ヒートの話題は避けて通れないし、この同居も長くてあと三ヶ月ということになる。
藤江の素行調査が目的のため、問題が解決すればその前に出て行くことになるかもしれないが、同居が長引けば互いの第二性について話し合わなければならない時は必ず来る。アルファやベータであれば、触れる必要のない話題だが、恵と同居を始めてから彼は一度も第二性について触れたことがないことが少々気がかりだった。
自分は一体、恵とどういう関係を築いていきたいのだろうか。
少なくとも、藤江の問題が片付いて同居を解消しても縁を切るようなことはしたくない。それくらい気が合う貴重な友人になったと思う。
「あー……なんだこの感じ」
まだ出会って一ヶ月も経っていない恵に対する気持ちを上手く言語化できない。
友情や家族愛ともちょっと違う。恋愛感情なのかと問われると自信がない。多都希にとって、恋とは一歩引いて見守るものだった。そういう恋しか知らない。
「俺も歯磨いて寝るか……」
今は恵のように、やることはやろう。
天井を見上げた多都希は腹筋を使って勢いよく起き上がると、中々戻って来ない恵の様子を見に行くために洗面所へと向かった。
あなたにおすすめの小説
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
白熊皇帝と伝説の妃
沖田弥子
BL
調理師の結羽は失職してしまい、途方に暮れて家へ帰宅する途中、車に轢かれそうになった子犬を救う。意識が戻るとそこは見知らぬ豪奢な寝台。現れた美貌の皇帝、レオニートにここはアスカロノヴァ皇国で、結羽は伝説の妃だと告げられる。けれど、伝説の妃が携えているはずの氷の花を結羽は持っていなかった。怪我の治療のためアスカロノヴァ皇国に滞在することになった結羽は、神獣の血を受け継ぐ白熊一族であるレオニートと心を通わせていくが……。◆第19回角川ルビー小説大賞・最終選考作品。本文は投稿時のまま掲載しています。
【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末
竜也りく
BL
物腰柔らか、王子様のように麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体、しかし誰にも靡かないアルファの中のアルファ。
巷のお嬢さん方を骨抜きにしているヴァッサレア公爵家の次男アルロード様にオレもまたメロメロだった。
時に男友達に、時にお嬢さん方に混ざって、アルロード様の素晴らしさを存分に語っていたら、なんとある日ご本人に聞かれてしまった。
しかも「私はそういう人の心の機微が分からなくて困っているんだ。これからも君の話を聞かせて欲しい」と頼まれる始末。
どうやら自分の事を言われているとはこれっぽっちも思っていないらしい。
そんなこんなで推し本人に熱い推し語りをする羽目になって半年、しかしオレも末端とはいえど貴族の一員。そろそろ結婚、という話もでるわけで見合いをするんだと話のついでに言ったところ……
★『小説家になろう』さんでも掲載しています。