【完結】技術部アルファの想い人

笹川流宇

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告白予約-2


 明日はいよいよ恵に告白する日だ。
 形式的な告白だが、いきなりホテルは体目的に思われないだろうか。互いに性的な触れ合いを求めているのは、日頃のボディータッチの多さでなんとなく察してはいるが、恵はどう思っているのだろう。
 日が近づくにつれて心配が膨れ上がってきたが、今日も仕事から帰ってくるなり明日のお泊り用に荷造りしなければと張り切っていたので、恵も前向きだと思いたい。

 夕食を終えて散歩がてらコンビニに向かった多都希は、恵に持たされたエコバッグを肩から下げている。
「……ぐっ、なんだこれは⁉」
 自宅マンション目前というところで、閑静な高級住宅街に似つかわしくない甘ったるい香りが風に乗って漂い始めた。
 多都希は目を細めて前方を歩く二人組を凝視する。
 偶然止まっていた宅配トラックの影に隠れて様子を伺うと、スーツの男が細身の若い男に抱き着いてキスをしているのが見えた。
「人の家の前で何してんだよ――……って、あいつは!」
 驚くべきことに、スーツの男は藤江だった。
 ここ数ヶ月、恵と一緒に観察していたので間違えようがない。
 一方、相手の男性は首にカラーをしていた。襟足の長い金色の髪に派手な身なり、目尻はアイラインを引いているのかきゅっと上に跳ねている。ほんの一瞬だけ恵の姿が重なったが、多都希はすぐに首を振った。
 街頭の下にいるため、藤江と相手のオメガの顔はよく見える。
「あのオメガ、どこかで……――そうだ、バーの連れだ……いや、待てよ? スーパーで会ったやつもあいつじゃねぇか!」
 多都希は思わず口元を押さえる。
 近くで見たのは二回だけ。
 バーで見かけた時は茶髪だったが、明るい金髪に変わっている。
 スーパーで恵と間違えた時は、パーカーを着て化粧もしていなかったが、あの猫なで声を聞いて思い出した。
「もっとチューしてぇ? 藤江社長のリクエスト通り、ちゃーんと髪のメンテナンスもしてきたんだから」
「うん、やっぱり金色だと僕のお嫁さんにそっくりでかわいい。でもどうして今日はパーカーじゃないんだい? 僕のお嫁さんは、僕以外に肌を見せたりしないんだよ」
「ごめんってばぁ、今日は着替える時間がなかったの。でも一秒でも早く藤江さんに会いたくて……」
「ひひっ、えっちな子だ。早く家の中でペロペロしてあげないとね」
「……待って。もう少し、ここでチューしよ?」
「最近妻に怪しまれているから、外は危ないよ」
「奥さんもお嫁さんもいるのに、俺とこんなコトしてぇ、いけない社長さん、ふふふっ」
「所詮、僕はベータ妻の会社のお飾り社長さ。お嫁さんは君と同じオメガの子だよ。とても恥ずかしがり屋でね、僕のことが好きすぎるあまり家出しちゃって、捜索中なんだ。君も早く番にしてあげたいんだけど、あの子と先に約束したから、順番を守らないと。ここでチューしてあげたら、もう少し我慢できるかい?」
「うんうん、するする。早くお嫁さんが見つかるといいねぇ」
 藤江は既婚者でアルファだった。衝撃の事実に足が止まる。それにベータ妻に、家出中のオメガ嫁とはなんだ。
 藤江に抱き着かれているオメガの男をもう一度見る。
 恵を知っている側からすれば全く似ていないと断言できるが、男性オメガという点と外見だけならば似ていると答える者もいるだろう。多都希も恵と出会った当初は後ろ姿を見て間違えたほどだ。
 服装や髪色も、藤江の指示で変えている――。
 嫌な想像が頭に浮かんでは消える。

 幸いこちらの存在には気付かれていないが、二人の前を通らなければ自宅に戻れない。
 あと数十歩なのだから早くマンションに入れと苛つきながら待つこと五分。垂れ流されるオメガフェロモンで気分が悪くなってきた。
 藤江は盛りついた犬のように金髪の彼の唇にしゃぶりついている。
「キスしたら家入るんじゃなかったのかよ、いつまでしてんだ」
 数ヶ月間、何も証拠を得られなかったのに藤江はこのオメガにしてやられたというのか。
 多都希がそう確信したのは、進行方向がキラッと光り、その奥で黒い影が動いたからだ。
 光ったのはおそらくカメラレンズの反射。もしかしたらベータ妻が仕向けた刺客で、藤江の浮気の証拠でも集めているのかもしれない。
「それにしても盛り上がりすぎだろうが、クソ!」
 多都希が吐き捨てるように悪態をついた瞬間、暗い夜道にコール音が鳴り響いた。
 誰かに見られては不味いと思ったのだろう。我に返った藤江は鞄を漁って着信音を止めると、唇を乱暴に拭う金髪の彼の手を引いてバタバタとマンションの中へと駆けこんでいった。
「ようやく終わったか……」
 多都希が車の影から出ると、カメラの光も消えていた。


 多都希は帰宅すると脱衣所に直行した。着ていた服を脱いで、乾燥機にかけていたスエットをかぶる。
 ソファーに寝転がっていた恵の元に向かうと、こちらに気づいた恵はおかえりなさいと両手を差し出してきた。
「ただいま……」
 恵の体に沈み込むように抱き着くと、清楚なしゃぼんの匂いに包まれてさきほどの不快な香りが上書きされた。
「コンビニ混んでたの? 遅かったね――って塩谷さん? なんか顔色悪くない?」
「めぐ……抱きしめてもいいか」
「もう抱きしめてるけど、うん……。いいよ。もっとこっちおいでよ」
 恵の胸元で思いっきり深呼吸すると、恵は多都希の頭を撫でて身を委ねてくれた。
 ドクン、ドクン、と少し早いリズムの心音が聞こえる。
 やはりあのオメガ男性とは似ても似つかない。
 久しぶりに他のオメガフェロモンに中り、多都希の求める人は恵だけだと再認識させられた。
「何か嫌なことでもあった? 話せそう……?」
「コンビニの帰りに藤江がオメガ男性とキスをしている場面に遭遇した」
「は、はああ⁉」
 勢いよく上半身を起こした恵の腹で顎を強打したが、予測していなかった自分が悪い。
「ごっ、ごめん!」
「いや、大丈夫だ。オメガの方が抑制剤を飲んでいなかったらしく、藤江はラット気味だったから証拠も撮れたぞ。ほら」
 スマートフォンの画質でも十分なほどの写真を恵に見せる。
「なんで……。相手の人、本当にカラーしてる。じゃあ藤江はベータじゃなくてアルファだったの? でもどうしてスーパーの雇われ店長に? 向かいのマンションは浮気相手の家じゃなくて、持ち家だったの?」
 ガシガシと髪をかき混ぜる恵はかなり混乱している。
「藤江は、ベータの奥方の会社の社長らしい。スーパーを経営しているのが、奥方の祖父母か両親なんじゃないか? 大企業のトップの子供がベータの場合、跡継ぎ要因としてアルファを迎えることは多いからな。雇われ店長は名ばかりなんだろう」
 恵を膝に乗せながら、藤江の勤め先のスーパーの大本となっている企業の公式サイトを確認すると、役員の名に藤江一族が名を連ねていた。
「ほら見ろ、創始者が藤江姓ということは、婿養子社長ってことだな」
「婿養子……本当に既婚者なんだ……。オレの母さんも藤江にとっては浮気相手だったってことだよね? 最低だ、絶対に許せない‼」
「そのことだが、恵……」
「待って……? 藤江の家のカーテン、閉まってなくない……?」
 恵と多都希はリビングの灯りを消して、向かい側のマンションを覗く。
 するとそこには事に及ぶ藤江とオメガ男性の姿。オメガ男性は後ろから激しく突かれて窓に体を押し付けられている。
 多都希からすれば、こんな写真を撮られるようなベストポジションに誘導したオメガの男性は、やはり先ほどのカメラマンとグルなのではと思うほどだ。そうであれば、性風俗嬢が抑制剤を飲んでいない不可解な点にも納得できる。

 恵は隣でわなわなと震えていた。
「吐きそう……」
「無理に見る必要はない」
「う、うん……。奥さんもいるのに、こんな、こんな……ひどいよ……」
「アルファ性が強くて薬じゃ発散しきれないタイプは、オメガとベータが所属する性風俗を利用する場合もあるが、奥方の同意がなければ問題になるだろうな」
「そうなんだ……。もしかして塩谷さんもこういうのに行ってるの……?」
「バーカ、俺は抑制剤でしっかり管理している。それに俺はどっかの誰かさんに一途なんだが?」
 屈んで恵の顔を覗き込むと、恵はぼっと顔を染めてえへへと笑った。頬に口づけを落すと、首に腕が絡む。精一杯背伸びしているのが暗い窓に映っていて、なんとも健気で愛おしい。
「明日は、この先もしてくれるよね……」
「ん? 何のことだ?」
 足をげしげしと踏まれるが全く痛くない。
 明日と言わずもうキスしてしまいたい欲求を必死に抑え込んでいるのだから、煽らないでほしい。
「聞きたいことがある」
「オレで答えられること?」
「恵じゃないとだめだ。ただ、今からお前の気分を害することを言うと思う」
「塩谷さんがオレのために色々考えてくれてるって知ってるもん。何を聞かれたって怒んないよ」
 多都希はカーテンを閉めると、恵の両手を握った。
 恵も緊張しているのか、ほんのり手が冷たい。
「お前は、母親似か?」
「んん? そうだけど?」
「藤江は先ほどベータの妻とは別にオメガの嫁もいて、そのオメガは家出中だと言っていた。だが番がいれば、アルファも天然の抑制剤を常時服用しているような状態になる。別のオメガフェロモンを吸っても、あそこまで簡単にラットには入らない。つまり嫁と呼ぶ相手とは、まだ番になっていないということだと思う」
「な、何が言いたいの!」
 恵も頭では理解している。だから声を荒げて今にも泣きそうな顔をしている。
 残酷でも、はっきりとさせなければならないことがある。
「藤江の目的は恵の母さんではなく、恵本人だったんじゃないか? 執拗に自宅を訪ねて来ていたんだろ」
「そ、そうだけど、母さんは藤江を婚約者だって……」
「現代社会では婚姻と番契約はイコールとして扱われているが、恋愛と身体の関係は別と考える人間も中にはいる。藤江には既に逆らえないベータの妻がいる。じゃあ、オメガの嫁と呼ぶ相手は……? 恵の母さんはベータだろう。それに藤江の身近にいた特定の男性オメガは、恵以外にいるのか? ここ数ヶ月、調査していたんだ。あいつの相手はいつも男だったが、同じ相手としているわけではなさそうだった。だが、好みは一貫して細身のオーバーサイズの服を着た金髪の男だった」
 ラウンジバーでも、自宅に入っていったのも、すべて小柄な男性だった。それに金髪でツンとした顔立ちの人間が多かったように思う。
 それはおそらく藤江の理想のオメガ、もしくは好きになったオメガが藤江の理想になったのかもしれない。
「オレがオメガだったせいで、母さんは巻き込まれたの……?」
「これは俺が立てた仮説だ。もし想像が当たっていたとしても、悪いのは最低のやり方で恵に近づいた、愚かなあいつだ」
 ボロボロと大粒の涙を流す恵を抱きしめる。
「塩谷さん、明日の午前中に実家に寄ってもいいかなぁ? こんな気持ちのままじゃ、塩谷さんと心から向き合えないよ。これだけ証拠がそろっていれば、母さんも別れを決心してくれると思うから……」
「ああ、俺も一緒に行こう。前々から恵のご家族に挨拶をしたいと思っていたんだ。本来なら同居を持ちかけた時点で頭を下げに行くべきだったのに、会社の寮に住んでいるとお前に嘘までつかせてしまった。その謝罪もしなければならない」
「ありがと……。母さんに嘘をついたのは、オレが塩谷さんといたかったからだよ。だからそんな顔しないで」
「ああ……」
 頬に右手が添えられて、目尻をすりすりと撫でられる。子どもをあやすような手つきがこそばゆいが、悪い気はしなかった。
「オレもいつか塩谷さんの家族にご挨拶したいな」
 互いに片親であるからこそ、家族愛について話せば分かるなどと説いてくることもない。生まれも育ちもバラバラだけど、恵は自分とよく似ていた。
「恵を連れて行ったらきっと祖父も喜ぶ。俺もお前の家族も大事にするよ」
「嬉しい……。オレたちが番になってからお爺さんに挨拶に行ったら怒られないかな? ワシの孫はどこの馬の骨とも知れぬやつにはやらーん! なんてさ」
 番になる前提で告白を受けるつもりだったと明かしてくれた恵の気持ちに応えるべく、多都希は優しく囁く。
「忙しい人だから、事後報告で十分だ。俺ももう三十だからな、番ができたところで怒りはしないだろう。それどころかよく運命の人を見つけたと、きっと褒めてくれるはずだ」
「運命……運命か、えへへっ」
 痛いほど抱きしめ合った二人は、頬を寄せ合う。
 この温もりを生涯守り抜く。そう心に誓った多都希は、初めて恵の首元に口づけた。


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