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番-3
恵と番になった帰り道。
いつものスーパーに立ち寄り、数日分の食材を買い込む。
先を行く恵のパーカーのフードが揺れている。久しぶりにラフな格好をしているのは、体中に嚙み痕やキスマークがついているからで、パーカーもホテルに入っていたスワロフスキークリスタルやら謎の人形やらが売っているブティックで急遽購入したもの。
恵は、一晩寝ればどんなに疲れていても回復すると言っていただけあって足取りは軽い。普段体を動かす仕事をしているだけある。あんな細い身体のどこにパワーを秘めているのか全く理解できないが、なんとも頼もしい背中だ。
それでも三日三晩抱かれた恵の頬はほんのり赤らんだままで、全体的に雰囲気がぽわぽわしている。可愛らしい姿を隠すために、天辺に大きなポンポンがついた白いニット帽を目深に被せて、オーバーサイズのダウンコートでモコモコに仕立てた。これはこれで雪だるまのようで可愛い。
帽子をかぶっているのにパーカーは、かぶる物が二つもあって変だと本人は不満げだったが、なぜかブティックにマフラーが売っていなかったので我慢してもらうしかない。傷だらけのうなじを隠すことが最優先だ。
買い物かごを持つ多都希は、恵を見るなと通行人にガンを飛ばす。
「なあ、恵。冬期休暇はいつ取れる」
「うーん、同じ管轄の先輩との相談次第かな? でも正社員は絶対に五日間取らないといけないから、いつかは取る予定。先輩が休む時は、また別のオフィスビルやホテルに助っ人に行くことになると思う」
「そうか。もし冬期休暇に何か予定していることがなければ引越しに充てないか? 俺はお前の休みに合わせて休暇申請する」
「ええ⁉ やっと同居から同棲になったと思ったのに、今の家から引っ越さなきゃいけないの?」
恵の反応は、想定よりも否定気味だった。
「藤江を見張る必要もなくなったし、むしろ藤江がお前を探している疑惑が濃厚なんだから、向かいのマンションに居る方が危険だろ。わざわざ鉢合わせる距離にいる必要はない」
「で、でもオレは塩谷さんと離れたくないよ!」
涙目で訴える恵は、いやいやと首を振る。
「ばーか、俺も一緒に引っ越すに決まってんだろ。なんでお前一人で行かせんだよ」
「塩谷さんも一緒に引っ越すの?」
「当たり前だ。お前が逃げたら地獄の果てまで追いかけるって言ったろ」
真面目な顔をして答える多都希が面白かったのか、恵はポカンとしたあと肩を揺らし始めた。
「あははっ! なーんだ、そっかそっか……はあ~良かったぁ……。あ、だけど今の家は確か知り合いから借りて管理してるって言ってなかった?」
「任されたのは維持管理だからな。メンテナンスのために時折風を通しに来ればいい。同居人が増える時も二つ返事だったから、問題ないだろ」
「また色んな人に迷惑かけちゃうな……」
「迷惑じゃない。俺がそうしたいからするんだ。それに恵の飯が一番うまい、あれを食べられなくなるのは困る」
「食欲かよ」
「三大欲求全部だ。住むのも、食うのも、寝るのも……全部お前とじゃなきゃ意味がない」
指先を絡ませてすりすりと撫でると、恵はきゅっと目を閉じた。明け方まで夢中で貪り合っていたとは思えない初心な反応に心臓がぎゅうっと締め付けられる。
「番になったんだから、もうオレのこと口説かなくても……」
「今まで言いたくても言えなかったんだ。これくらい許せよ。で、どうする。希望のエリアはあるか? もう少し職場が近い場所でもいいぞ」
「引っ越すにしてもヒートサイクルに合わせないと。すぐに良い物件が見つかるとも限らないし、タイミングが難しいな……。面倒でごめん――って何笑ってんの?」
「いいや、迷惑をかけるとか面倒をかけたくないからとか言いながらでも、共にいる道を探してくれるんだと思ってな」
「それは……もう離れられないよ……。こんなに塩谷さんのこと、大好きなのに……」
「一生そうしてくれ」
恵はふにゃっとはにかむ。もう通常の抑制剤は服用しているが、番にしか分からない香りが濃くなった。甘いものは得意でも苦手でもなかったが、恵の香りは格別だ。
休日の昼間ということもあり、スーパーは空いていて周りに人はいない。いちゃつくカップルなど誰も見ていないと高を括っていたが、バインダーを持った深緑色のエプロンをつけた店員と目が合った。真冬の冷気など比較にならないほどの冷ややかな視線を前に、多都希は思わず恵を胸元に引き寄せる。
そこにいたのは、藤江だった。
恵は藤江に背を向けているし、いつも外に跳ねているブロンドの髪も帽子ですっぽり覆っている。ダウンコートで体型もよく分からないだろう。
恵や友梨の話を聞く限り、藤江はかなり遠慮のない男らしいので、恵だと認識した瞬間に話しかけられていたはず。まだ見つかっていない、大丈夫だ、と多都希はバクバクと鳴る心臓に言い聞かせる。
多都希が眉間に皺を寄せると、藤江はぺこりと頭を下げた。
それでも藤江の視線は多都希から外れない。
もしかしたら引越し初日にすれ違った近所に住む男だということを覚えていたのだろうか。多都希も人の顔を覚えるのは得意とは言えないため、仕事関係の知り合いか、ただの顔見知りなのか思い出そうとするような何とも言えない間が時折発生する。
――そんなことはどうでもいい。とにかく今は、恵の存在を隠し通さなければならない。
「さあ、権三郎! 家に帰るぞ!」
わざとらしく声を張り上げた多都希は恵に話しかける。恵が声を発する前に多都希も頭を下げると、そのまま恵の手を引いてレジへ急いだ。
息が白くなる外気の方がまだマシだったと思えるほど、背筋が凍るような思いだった。
逃げ帰るように車を走らせたあたりで、恵は口を開いた。
「権三郎って誰だよ……」
「昔飼っていた愛犬の名前だ。お前によく似ていた」
「へぇ~わんわん――って違う! もしかして塩谷さん、誰かから逃げてた?」
この状況でノリツッコミする余裕はあるらしい。
一刻も早く自宅に戻りたい多都希は、赤信号で止まることすら嫌だった。
「落ち着いて聞いてくれ。あのスーパーに藤江がいた」
「え……っ。お客さんでいたの? まさかオレがこっちに住んでることバレた⁉」
「いいや、スーツだったがバインダーを持っていて、スーパーの店員たちと同じエプロンをつけていた。友梨さんが藤江は店長からエリアマネージャーになったと聞いていたが、このスーパーも藤江家がやってる系列のスーパーだったのか……。もっとしっかり調べておくべきだった」
今まで監視していた側だったが、蓋を開けてみれば実のところ追われている側だったことが発覚した。逆転した立場に恵もずっと戸惑っている。
ピリリ――ッピリリ――ッ。
緊張感を裂く電子音が車内に響き渡る。
鳴りやまないコール音に痺れ気を切らした多都希は、ため息をついた。
「悪いが誰が電話かけてきているか確認してくれるか? 緊急かもしれない」
恵は多都希の鞄からスマートフォンを取り出す。音が鳴っているのは、社用携帯ではなく私用のものだった。
「ええっと、塩谷――那由多……。ご親戚かな?」
「……兄だ。番ができたことだけ一応メッセージで報告していたんだが、まさか電話をしてくるとは思わなかった」
「どうする? お兄さんずっとかけてきてるよ」
恵の手の中には振動し続けるスマートフォン。電源ごと切断して構わないと答える前に、信号で停車した弾みで恵がするっと端末を落した。
「ぎゃああ! ごめん!」
「構わない、それより頭ぶつけんなよ。無理して拾わなくていいから」
『――……多都希か?』
恵の足元から聞こえて来たのは、兄、那由多の声だった。
いつものスーパーに立ち寄り、数日分の食材を買い込む。
先を行く恵のパーカーのフードが揺れている。久しぶりにラフな格好をしているのは、体中に嚙み痕やキスマークがついているからで、パーカーもホテルに入っていたスワロフスキークリスタルやら謎の人形やらが売っているブティックで急遽購入したもの。
恵は、一晩寝ればどんなに疲れていても回復すると言っていただけあって足取りは軽い。普段体を動かす仕事をしているだけある。あんな細い身体のどこにパワーを秘めているのか全く理解できないが、なんとも頼もしい背中だ。
それでも三日三晩抱かれた恵の頬はほんのり赤らんだままで、全体的に雰囲気がぽわぽわしている。可愛らしい姿を隠すために、天辺に大きなポンポンがついた白いニット帽を目深に被せて、オーバーサイズのダウンコートでモコモコに仕立てた。これはこれで雪だるまのようで可愛い。
帽子をかぶっているのにパーカーは、かぶる物が二つもあって変だと本人は不満げだったが、なぜかブティックにマフラーが売っていなかったので我慢してもらうしかない。傷だらけのうなじを隠すことが最優先だ。
買い物かごを持つ多都希は、恵を見るなと通行人にガンを飛ばす。
「なあ、恵。冬期休暇はいつ取れる」
「うーん、同じ管轄の先輩との相談次第かな? でも正社員は絶対に五日間取らないといけないから、いつかは取る予定。先輩が休む時は、また別のオフィスビルやホテルに助っ人に行くことになると思う」
「そうか。もし冬期休暇に何か予定していることがなければ引越しに充てないか? 俺はお前の休みに合わせて休暇申請する」
「ええ⁉ やっと同居から同棲になったと思ったのに、今の家から引っ越さなきゃいけないの?」
恵の反応は、想定よりも否定気味だった。
「藤江を見張る必要もなくなったし、むしろ藤江がお前を探している疑惑が濃厚なんだから、向かいのマンションに居る方が危険だろ。わざわざ鉢合わせる距離にいる必要はない」
「で、でもオレは塩谷さんと離れたくないよ!」
涙目で訴える恵は、いやいやと首を振る。
「ばーか、俺も一緒に引っ越すに決まってんだろ。なんでお前一人で行かせんだよ」
「塩谷さんも一緒に引っ越すの?」
「当たり前だ。お前が逃げたら地獄の果てまで追いかけるって言ったろ」
真面目な顔をして答える多都希が面白かったのか、恵はポカンとしたあと肩を揺らし始めた。
「あははっ! なーんだ、そっかそっか……はあ~良かったぁ……。あ、だけど今の家は確か知り合いから借りて管理してるって言ってなかった?」
「任されたのは維持管理だからな。メンテナンスのために時折風を通しに来ればいい。同居人が増える時も二つ返事だったから、問題ないだろ」
「また色んな人に迷惑かけちゃうな……」
「迷惑じゃない。俺がそうしたいからするんだ。それに恵の飯が一番うまい、あれを食べられなくなるのは困る」
「食欲かよ」
「三大欲求全部だ。住むのも、食うのも、寝るのも……全部お前とじゃなきゃ意味がない」
指先を絡ませてすりすりと撫でると、恵はきゅっと目を閉じた。明け方まで夢中で貪り合っていたとは思えない初心な反応に心臓がぎゅうっと締め付けられる。
「番になったんだから、もうオレのこと口説かなくても……」
「今まで言いたくても言えなかったんだ。これくらい許せよ。で、どうする。希望のエリアはあるか? もう少し職場が近い場所でもいいぞ」
「引っ越すにしてもヒートサイクルに合わせないと。すぐに良い物件が見つかるとも限らないし、タイミングが難しいな……。面倒でごめん――って何笑ってんの?」
「いいや、迷惑をかけるとか面倒をかけたくないからとか言いながらでも、共にいる道を探してくれるんだと思ってな」
「それは……もう離れられないよ……。こんなに塩谷さんのこと、大好きなのに……」
「一生そうしてくれ」
恵はふにゃっとはにかむ。もう通常の抑制剤は服用しているが、番にしか分からない香りが濃くなった。甘いものは得意でも苦手でもなかったが、恵の香りは格別だ。
休日の昼間ということもあり、スーパーは空いていて周りに人はいない。いちゃつくカップルなど誰も見ていないと高を括っていたが、バインダーを持った深緑色のエプロンをつけた店員と目が合った。真冬の冷気など比較にならないほどの冷ややかな視線を前に、多都希は思わず恵を胸元に引き寄せる。
そこにいたのは、藤江だった。
恵は藤江に背を向けているし、いつも外に跳ねているブロンドの髪も帽子ですっぽり覆っている。ダウンコートで体型もよく分からないだろう。
恵や友梨の話を聞く限り、藤江はかなり遠慮のない男らしいので、恵だと認識した瞬間に話しかけられていたはず。まだ見つかっていない、大丈夫だ、と多都希はバクバクと鳴る心臓に言い聞かせる。
多都希が眉間に皺を寄せると、藤江はぺこりと頭を下げた。
それでも藤江の視線は多都希から外れない。
もしかしたら引越し初日にすれ違った近所に住む男だということを覚えていたのだろうか。多都希も人の顔を覚えるのは得意とは言えないため、仕事関係の知り合いか、ただの顔見知りなのか思い出そうとするような何とも言えない間が時折発生する。
――そんなことはどうでもいい。とにかく今は、恵の存在を隠し通さなければならない。
「さあ、権三郎! 家に帰るぞ!」
わざとらしく声を張り上げた多都希は恵に話しかける。恵が声を発する前に多都希も頭を下げると、そのまま恵の手を引いてレジへ急いだ。
息が白くなる外気の方がまだマシだったと思えるほど、背筋が凍るような思いだった。
逃げ帰るように車を走らせたあたりで、恵は口を開いた。
「権三郎って誰だよ……」
「昔飼っていた愛犬の名前だ。お前によく似ていた」
「へぇ~わんわん――って違う! もしかして塩谷さん、誰かから逃げてた?」
この状況でノリツッコミする余裕はあるらしい。
一刻も早く自宅に戻りたい多都希は、赤信号で止まることすら嫌だった。
「落ち着いて聞いてくれ。あのスーパーに藤江がいた」
「え……っ。お客さんでいたの? まさかオレがこっちに住んでることバレた⁉」
「いいや、スーツだったがバインダーを持っていて、スーパーの店員たちと同じエプロンをつけていた。友梨さんが藤江は店長からエリアマネージャーになったと聞いていたが、このスーパーも藤江家がやってる系列のスーパーだったのか……。もっとしっかり調べておくべきだった」
今まで監視していた側だったが、蓋を開けてみれば実のところ追われている側だったことが発覚した。逆転した立場に恵もずっと戸惑っている。
ピリリ――ッピリリ――ッ。
緊張感を裂く電子音が車内に響き渡る。
鳴りやまないコール音に痺れ気を切らした多都希は、ため息をついた。
「悪いが誰が電話かけてきているか確認してくれるか? 緊急かもしれない」
恵は多都希の鞄からスマートフォンを取り出す。音が鳴っているのは、社用携帯ではなく私用のものだった。
「ええっと、塩谷――那由多……。ご親戚かな?」
「……兄だ。番ができたことだけ一応メッセージで報告していたんだが、まさか電話をしてくるとは思わなかった」
「どうする? お兄さんずっとかけてきてるよ」
恵の手の中には振動し続けるスマートフォン。電源ごと切断して構わないと答える前に、信号で停車した弾みで恵がするっと端末を落した。
「ぎゃああ! ごめん!」
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恵の足元から聞こえて来たのは、兄、那由多の声だった。
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★『小説家になろう』さんでも掲載しています。