25 / 35
嫉妬-2
一年前は知らなかった快感に身を委ね、くびれた腰を上手にくねらせる恵。己の手でオメガとしての性を開花させたという事実がメラメラと燻ぶっていた多都希の嫉妬心を溶かしていく。
布を纏わぬ肌は汗で滑るのか、恵の指先が何度も多都希の肩を引っ搔いた。
「たつきさ、んうっ……ぁん、あぁあっ、はんっあ、あ……っ」
抑制剤を服用したヒートではない時の恵は、いつもあっぁっと吐息交じりに喘ぐことが多いが、今日は一段と気持ち良さそうに甘い声をあげていた。
されるがまま受け身の姿勢だった恵が、自ら脚を大きく開いてぐいぐいと腰を押しつけて、多都希を奥へ奥へと誘ってくる。
何が恵を変えたのだろうと不思議に思ったが、多都希はそれだけでひどく興奮してしまって、手ひどく抱いてしまっている。
「めぐっ……痛くはないか?」
「ぁう、うん、きもち、いい……もっと、しよ……」
「無理は、させたくない」
「体力はっ、あるはずなのに、最近、えっちだけすぐ疲れちゃう」
「俺は満足してる」
「あはっ、いつも、物足りないって、顔してるよ。オレもほんとはぁ、んっ、もっとずっとしてたい……いつも気絶して、ごめんねぇ、ンっ、んんっあぁ……っ」
気持ちは同じだと懸命に訴える恵の健気な姿に心打たれる。
この積極的な姿勢は、どうやら多都希のためのものだったらしい。
自分ばかりが相手を好きで仕方ないものだと決めつけて、嫉妬するあまり肝心の恵の気持ちを汲み取ってやることもできなかった。情けないことだが、恵はこちらの不安が弾けそうになる前に、こうして態度と言葉を尽くして慰めてくれるのだ。これではどちらが年上か分からない。
多都希は恵には敵わないと改めて思う。
「俺は恵のその顔を見られるだけで満たされるんだ。何も謝ることはない」
「んっ、でも……」
さらに何か言いたそうな恵のために、抽挿を止める。繋がったまま抱き上げると、さらに深く恵の中を抉ることになり、恵は、うわあっ! と苦しそうに啼いた。
「悪い! 話を聞こうと思って……」
「んっふぇ……ごめ、なさい、またオレだけ、イっちゃった……お腹にかかっちゃてる……」
薄くなって水のようになった恵の精液が互いの腹にかかり糸を引いている。
「お互い裸なんだから、今さらどうってことない」
「うん……」
肌と肌をぴったりとくっつけて恵が落ち着くのを待つ。
汗で額に張り付いた前髪を耳にかけてやると、恵は気持ちよさそうに目を細めた。
一旦、中から抜くかと思ったが、恵の両足が腰にがっしりと回っているため抜けない。
引き抜こうとするたびにゆさゆさと腰が揺れて、また話し合いにならなくなりそうだったため、多都希は現状維持に努めることにした。
呼吸が整った恵は、上目遣いで多都希を見つめる。
「オレと番になってから多都希さんのアルファフェロモンの値が変化して、困ってるんだよね……?」
「アルファ性によって番に対する独占欲が増長していると医師は言っていたが、それによって困っているのは恵の方だろう。俺の感覚としては、元々あった感情が表面化しただけのように感じる」
「だからオレが困ってると思って、毎日早起きして走りに行ったり、セックス我慢したりしてるの?」
「我慢……とは少し違う気がする。当たり前のことをただやろうとしているだけだ。年齢や置かれる環境によって抑制剤を変えることだって、よくあることだからな」
やらねばならぬことをやる。大人として当然のことで、今までもそうしてきた。
最愛の番に迷惑をかけているのは忍びないが、第二性に関する悩みごとは今まで特になかったため苦戦している。
「でもずっと辛いなら、当たり前であろうとしなくていいんだよ」
「それでは恵が――」
「オレは平気。何のために番になったのさ、もっとオレを頼ってよ! ああ、もう……アルファ性ってフェロモンが増えると外に向かって攻撃的になることが多いらしいけど、多都希さんは自分を責めちゃうんだね。優しい多都希さんらしいけど、もう少し自分に優しくしてあげようよ」
悲痛な表情の恵は、自分のことのように悩み苦しんでいる。
「俺をこれ以上甘やかしてどうする……。現に恵はこうして毎週抱き潰されて、土曜の午前中は起き上がることもできないだろ」
「オレもしたいって言ってるじゃん。今日だってオレから誘ったのに……。いい? オレがへばっちゃうせいで多都希さんが自分を責めるなら、毎日でもいいから誘って。社会人だってことは一旦忘れて、フェロモンの発散を分散してみたら、案外上手くいくかもしれないよ?」
魅力的な提案と、現実問題平日に抱き潰すわけにはいかないだろうという葛藤が胸の中で渦巻く。思い悩んで返した言葉は「……うん」という、なんとも幼いものだった。
「ふふっ『うん』だって。多都希さん、可愛いね」
ちゅっちゅっと啄むように口づけられて、よしよしと頭を撫でられる。
自他ともに甘やかされることなく育った多都希にとっては初めてのことで、腹の底をくすぐられているような不思議な感覚だった。
恵も嬉しそうだし、身と心を委ねるだけで胸の内から幸福で満たされるのであれば、年上とかアルファの矜持とかもうどうでも良くなってくる。
「実はね、オレも朔さんとお茶するって言って出かけた日に相談に乗ってもらったり、第二性外来に付き添ってもらって番としてどうしたらいいかお医者さんに指導してもらったりしてたんだ」
「なるほど。それで毎週外出してたのか……」
「多都希さんのことだから責任を感じて余計に負担になっちゃうかと思って言ってなかったんだけど、かえって心配かけちゃったね、ごめん」
「俺のために恵も沢山悩んでくれていたんだろう? ありがとう、感謝している」
「ふふっ、えーとっ、つづき、する?」
「する」
先ほどよりも深い口づけを交わすと、とろっとした唾液を纏う舌で上顎をなぞられて背中に快感が走り、恵に埋め込んでいる自身の男根がずくりと質量を増す。
恵の両腕も首に回る。たんっ、たんっと腰を上下させて多都希のものを搾り取ろうと動く。今日の恵は、とことん多都希を甘やかすつもりらしい。
ぷはっと息を吐いて離れて行った舌先から銀の糸が垂れた。
「あ、はっ……ねぇ、もう一個、解決方法を聞いたんだけど、知りたい……?」
「っああ、なんだ?」
「……でも多都希さん引いちゃうかも」
「この状況でお前が念仏を唱えだしても萎えない自信があるぞ」
げっと舌を出して露骨に嫌な顔をする恵の頬を吸う。
「ははっ! お前が引くなよ」
「まあ、言うんだけどさ……。あのね、番に赤ちゃんできたら、フェロモンも落ち着くらしいよ……? でも多都希さんの体調のためっていうか、ほんとはオレがほしいんだよね……。だから、次のヒートで子作り、しませんか……」
耳打ちされた内容は、青天の霹靂だった。
多都希も番を孕ませることがフェロモンを落ち着かせる一番の解決法であることは知っていたが、そもそも選択肢にすら挙がっていなかったのだ。
恵が何よりも大事な多都希にとって、恵が望まない限り避妊を徹底するつもりであった。
番う前にも事前に伝えていたし、その時の恵は静かに頷くだけだった。
恵は、ようやくオメガフェロモンに振り回されることなくなったのに、妊娠、出産というオメガ男性にとってリスクの高い選択をこのタイミングで提示してくるとは思ってもいなかったのだ。
「あ、あの……多都希さん? やっぱり嫌だった……?」
「くっ……そうじゃな――……ッ!」
薄いゴム越しにどくどくと勢いよく精を吐き出すと、驚いた恵はひゃあっ! と声を上げた。
バクバクと鳴る破裂しそうな心臓の音や荒い呼吸でひどくうるさい。
多都希の脳内は、大きくなった腹を撫でる聖母のような恵に、誕生をした赤子を抱く恵――と、ありとあらゆる妄想が駆け巡りパンク寸前だった。
「想像したら嬉しくなってイちゃった……?」
「…………言うな」
「あっはっはっは! 多都希さんかぁわいい~‼」
性行為中とは思えない明るい声が寝室に響く。
背中からゆっくりとベッドに沈むが、腹に手をついてにこにこと笑う恵がとても幸せそうで、多都希はこれ以上何も言えなくなってしまった。
布を纏わぬ肌は汗で滑るのか、恵の指先が何度も多都希の肩を引っ搔いた。
「たつきさ、んうっ……ぁん、あぁあっ、はんっあ、あ……っ」
抑制剤を服用したヒートではない時の恵は、いつもあっぁっと吐息交じりに喘ぐことが多いが、今日は一段と気持ち良さそうに甘い声をあげていた。
されるがまま受け身の姿勢だった恵が、自ら脚を大きく開いてぐいぐいと腰を押しつけて、多都希を奥へ奥へと誘ってくる。
何が恵を変えたのだろうと不思議に思ったが、多都希はそれだけでひどく興奮してしまって、手ひどく抱いてしまっている。
「めぐっ……痛くはないか?」
「ぁう、うん、きもち、いい……もっと、しよ……」
「無理は、させたくない」
「体力はっ、あるはずなのに、最近、えっちだけすぐ疲れちゃう」
「俺は満足してる」
「あはっ、いつも、物足りないって、顔してるよ。オレもほんとはぁ、んっ、もっとずっとしてたい……いつも気絶して、ごめんねぇ、ンっ、んんっあぁ……っ」
気持ちは同じだと懸命に訴える恵の健気な姿に心打たれる。
この積極的な姿勢は、どうやら多都希のためのものだったらしい。
自分ばかりが相手を好きで仕方ないものだと決めつけて、嫉妬するあまり肝心の恵の気持ちを汲み取ってやることもできなかった。情けないことだが、恵はこちらの不安が弾けそうになる前に、こうして態度と言葉を尽くして慰めてくれるのだ。これではどちらが年上か分からない。
多都希は恵には敵わないと改めて思う。
「俺は恵のその顔を見られるだけで満たされるんだ。何も謝ることはない」
「んっ、でも……」
さらに何か言いたそうな恵のために、抽挿を止める。繋がったまま抱き上げると、さらに深く恵の中を抉ることになり、恵は、うわあっ! と苦しそうに啼いた。
「悪い! 話を聞こうと思って……」
「んっふぇ……ごめ、なさい、またオレだけ、イっちゃった……お腹にかかっちゃてる……」
薄くなって水のようになった恵の精液が互いの腹にかかり糸を引いている。
「お互い裸なんだから、今さらどうってことない」
「うん……」
肌と肌をぴったりとくっつけて恵が落ち着くのを待つ。
汗で額に張り付いた前髪を耳にかけてやると、恵は気持ちよさそうに目を細めた。
一旦、中から抜くかと思ったが、恵の両足が腰にがっしりと回っているため抜けない。
引き抜こうとするたびにゆさゆさと腰が揺れて、また話し合いにならなくなりそうだったため、多都希は現状維持に努めることにした。
呼吸が整った恵は、上目遣いで多都希を見つめる。
「オレと番になってから多都希さんのアルファフェロモンの値が変化して、困ってるんだよね……?」
「アルファ性によって番に対する独占欲が増長していると医師は言っていたが、それによって困っているのは恵の方だろう。俺の感覚としては、元々あった感情が表面化しただけのように感じる」
「だからオレが困ってると思って、毎日早起きして走りに行ったり、セックス我慢したりしてるの?」
「我慢……とは少し違う気がする。当たり前のことをただやろうとしているだけだ。年齢や置かれる環境によって抑制剤を変えることだって、よくあることだからな」
やらねばならぬことをやる。大人として当然のことで、今までもそうしてきた。
最愛の番に迷惑をかけているのは忍びないが、第二性に関する悩みごとは今まで特になかったため苦戦している。
「でもずっと辛いなら、当たり前であろうとしなくていいんだよ」
「それでは恵が――」
「オレは平気。何のために番になったのさ、もっとオレを頼ってよ! ああ、もう……アルファ性ってフェロモンが増えると外に向かって攻撃的になることが多いらしいけど、多都希さんは自分を責めちゃうんだね。優しい多都希さんらしいけど、もう少し自分に優しくしてあげようよ」
悲痛な表情の恵は、自分のことのように悩み苦しんでいる。
「俺をこれ以上甘やかしてどうする……。現に恵はこうして毎週抱き潰されて、土曜の午前中は起き上がることもできないだろ」
「オレもしたいって言ってるじゃん。今日だってオレから誘ったのに……。いい? オレがへばっちゃうせいで多都希さんが自分を責めるなら、毎日でもいいから誘って。社会人だってことは一旦忘れて、フェロモンの発散を分散してみたら、案外上手くいくかもしれないよ?」
魅力的な提案と、現実問題平日に抱き潰すわけにはいかないだろうという葛藤が胸の中で渦巻く。思い悩んで返した言葉は「……うん」という、なんとも幼いものだった。
「ふふっ『うん』だって。多都希さん、可愛いね」
ちゅっちゅっと啄むように口づけられて、よしよしと頭を撫でられる。
自他ともに甘やかされることなく育った多都希にとっては初めてのことで、腹の底をくすぐられているような不思議な感覚だった。
恵も嬉しそうだし、身と心を委ねるだけで胸の内から幸福で満たされるのであれば、年上とかアルファの矜持とかもうどうでも良くなってくる。
「実はね、オレも朔さんとお茶するって言って出かけた日に相談に乗ってもらったり、第二性外来に付き添ってもらって番としてどうしたらいいかお医者さんに指導してもらったりしてたんだ」
「なるほど。それで毎週外出してたのか……」
「多都希さんのことだから責任を感じて余計に負担になっちゃうかと思って言ってなかったんだけど、かえって心配かけちゃったね、ごめん」
「俺のために恵も沢山悩んでくれていたんだろう? ありがとう、感謝している」
「ふふっ、えーとっ、つづき、する?」
「する」
先ほどよりも深い口づけを交わすと、とろっとした唾液を纏う舌で上顎をなぞられて背中に快感が走り、恵に埋め込んでいる自身の男根がずくりと質量を増す。
恵の両腕も首に回る。たんっ、たんっと腰を上下させて多都希のものを搾り取ろうと動く。今日の恵は、とことん多都希を甘やかすつもりらしい。
ぷはっと息を吐いて離れて行った舌先から銀の糸が垂れた。
「あ、はっ……ねぇ、もう一個、解決方法を聞いたんだけど、知りたい……?」
「っああ、なんだ?」
「……でも多都希さん引いちゃうかも」
「この状況でお前が念仏を唱えだしても萎えない自信があるぞ」
げっと舌を出して露骨に嫌な顔をする恵の頬を吸う。
「ははっ! お前が引くなよ」
「まあ、言うんだけどさ……。あのね、番に赤ちゃんできたら、フェロモンも落ち着くらしいよ……? でも多都希さんの体調のためっていうか、ほんとはオレがほしいんだよね……。だから、次のヒートで子作り、しませんか……」
耳打ちされた内容は、青天の霹靂だった。
多都希も番を孕ませることがフェロモンを落ち着かせる一番の解決法であることは知っていたが、そもそも選択肢にすら挙がっていなかったのだ。
恵が何よりも大事な多都希にとって、恵が望まない限り避妊を徹底するつもりであった。
番う前にも事前に伝えていたし、その時の恵は静かに頷くだけだった。
恵は、ようやくオメガフェロモンに振り回されることなくなったのに、妊娠、出産というオメガ男性にとってリスクの高い選択をこのタイミングで提示してくるとは思ってもいなかったのだ。
「あ、あの……多都希さん? やっぱり嫌だった……?」
「くっ……そうじゃな――……ッ!」
薄いゴム越しにどくどくと勢いよく精を吐き出すと、驚いた恵はひゃあっ! と声を上げた。
バクバクと鳴る破裂しそうな心臓の音や荒い呼吸でひどくうるさい。
多都希の脳内は、大きくなった腹を撫でる聖母のような恵に、誕生をした赤子を抱く恵――と、ありとあらゆる妄想が駆け巡りパンク寸前だった。
「想像したら嬉しくなってイちゃった……?」
「…………言うな」
「あっはっはっは! 多都希さんかぁわいい~‼」
性行為中とは思えない明るい声が寝室に響く。
背中からゆっくりとベッドに沈むが、腹に手をついてにこにこと笑う恵がとても幸せそうで、多都希はこれ以上何も言えなくなってしまった。
あなたにおすすめの小説
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
白熊皇帝と伝説の妃
沖田弥子
BL
調理師の結羽は失職してしまい、途方に暮れて家へ帰宅する途中、車に轢かれそうになった子犬を救う。意識が戻るとそこは見知らぬ豪奢な寝台。現れた美貌の皇帝、レオニートにここはアスカロノヴァ皇国で、結羽は伝説の妃だと告げられる。けれど、伝説の妃が携えているはずの氷の花を結羽は持っていなかった。怪我の治療のためアスカロノヴァ皇国に滞在することになった結羽は、神獣の血を受け継ぐ白熊一族であるレオニートと心を通わせていくが……。◆第19回角川ルビー小説大賞・最終選考作品。本文は投稿時のまま掲載しています。
【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末
竜也りく
BL
物腰柔らか、王子様のように麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体、しかし誰にも靡かないアルファの中のアルファ。
巷のお嬢さん方を骨抜きにしているヴァッサレア公爵家の次男アルロード様にオレもまたメロメロだった。
時に男友達に、時にお嬢さん方に混ざって、アルロード様の素晴らしさを存分に語っていたら、なんとある日ご本人に聞かれてしまった。
しかも「私はそういう人の心の機微が分からなくて困っているんだ。これからも君の話を聞かせて欲しい」と頼まれる始末。
どうやら自分の事を言われているとはこれっぽっちも思っていないらしい。
そんなこんなで推し本人に熱い推し語りをする羽目になって半年、しかしオレも末端とはいえど貴族の一員。そろそろ結婚、という話もでるわけで見合いをするんだと話のついでに言ったところ……
★『小説家になろう』さんでも掲載しています。