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誰と生きる
107.原点回帰
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ルノをフィンリスに任せた真紘と重盛は、古い実験塔の中を探索していた。
最後に捜索する場所が大本命だと判明したため、妙な緊張感がある。
円柱のような形をしている塔。入ってみると中は意外と広い。壁に沿って螺旋状に階段が付いており、時折割れた窓からビュウっと風が吹き込んで来る。
「うげぇ~、一階部分なんてほとんど外と同じじゃん。草生えてるし、なんでこんな土まみれなわけ? 虫が出る~……」
「ここは校舎や寮に比べて土地が低いから、雨水が扉の隙間から流れ込むんじゃないかな? 滑ると危ないから、浮かせるね」
重盛を後ろから抱える真紘は、浮きながら最上階を目指す。
すべてのフロアを見て回ったが、どの階も人が立ち寄った痕跡はなく、古そうな椅子や机の上には、どっさりと埃をかぶっていた。
階段をすべて登りきると、屋上へ続く鉄扉を発見した。
重盛がドアをまたしても破壊する。錆がパラパラと舞って床に落ちた。ギギギッと嫌な音を立てて開いたドアは、学園の中でも一番厳重に施錠されていたように思う。
三度目ともなれば手慣れたもので、真紘は落ち着いてドアをこっそり直しておいた。
屋上に出ると、最初に目に飛び込んで来たのは、ホリツェットが定期的に掃除していると言っていた大きな鐘だ。屋根はあるが窓がないため、鐘に風が当たり不気味な重低音がこだましている。
「これがキンコンカンコーンの鐘か」
「実際は、カラン、カランってちょっと味気ない音だったね」
「たはっ、それ俺も思った。俺が学園長だったら絶対もっと面白い音にするのになー。てか、絶対、地下に続く秘密の階段とか扉があると思ったのに、なんもないのかよ」
「そうだね。階段と鐘以外は埃をかぶっていたし、古くて危険だから立ち入らないでほしいっていうのは、本当だったみたいだ。この建物は、鐘楼としての役割しかないのかもしれない」
「だけど鐘を鳴らすだけなら、何もこんなボロい塔じゃなくて、新しい鐘楼立てた方が良くね? 学園長は、真紘ちゃんみたいに飛べるわけでもないし、ご長寿の元気なじーさんとはいえ、毎回階段上るのもキツいだろ。鐘楼だけ低い建物に移し替えちゃえば、それこそマイ・サンの活動で鐘の掃除とかもお願いできそうじゃん」
「うーん、言われてみればそうだね。やっぱり学園長先生は、この実験塔に何か別の目的があって来ている……? この鐘の魔力残滓は学園長先生のものでいっぱい……いや、待てよ? 多すぎるくらいだ」
真紘は、鐘や床にペタペタと触って確かめる。
重盛は真紘の邪魔をしないように微動だにしない。
「これは掃除しただけじゃない。つい最近まで、この建物全体に何か魔法をかけていたのかも。それが今は消えている」
「危ないから誰も入れないように結界を張ってたんじゃね? この学園自体もアテナばあちゃんの城みたいに外壁に沿って薄っすら結界張ってあったし」
重盛に言う通り、結界を張っていたとみて間違いないが、魔力残滓の散らばり方を踏まえると、自らの意志で解除したというよりは、内部から破裂して解除されたような感じがする。
あと一歩というところで、感覚で魔法を使っている真紘は確信を持って断言できない。他人の魔法に触れたところで、なんとなくこうではないか、と思うだけ。与えられた才能に全振りしているといっても過言ではないのだ。師であるノエルのようにもっと魔法に対する知識があれば、こんなに遠回りせず、今頃事件の真相にたどり着くことができていたのではないだろうか――。
王城でリアースについて学んでいる時、ノエルから、魔法が衰退しつつあるこの世界の魔法の常識を真紘に教えることは、真紘の想像力の幅を狭めることになる可能性があるためお勧めしない、と助言された。真紘も納得したので、あえて基礎を飛ばして応用編のみ学んできたのだ。その助言に間違いはなかったが、魔法に対する感覚が普通の人と大きくずれていることが最近の悩みの種でもある。
「えっ、これって……」
懐かしい感覚が指先から伝わる。
魔力の粒が真紘の形の良い爪の上を滑って、くるくると回って手首へと到達する。それはまるで、早くこちらに来いと腕を引かれているような気がした。
「なんか見つけた?」
「見当違いかもしれないよ……?」
「ははっ、大歓迎、いいよ! この世界で自分が魔法使った痕跡を追いかけたり他人の魔力残滓を調べたりできるのは真紘ちゃんしかいないんだから、見当しようとするだけで、超すげーことなんだよ。そんな真紘ちゃんが色々考えて調べても、ジャンの居場所がわかんねーなら、もう力技で行こうぜ。俺が風寮のエントランスホールにドデカい穴掘ってやる!」
少しばかり眉間に皺を寄せただけなのに、重盛にはお見通しのようで、ちょっぴりだけ年上の顔を覗かせる。それは真紘にとって、悔しくもあり、嬉しくもあった。
誰よりも味方になってくれるパートナーがいる安心感は、どんな魔法よりも心強い。
「ふふっ、最終的にパワープレイか、それも僕たちっぽいかもしれないね」
「恥ずかしくて逃走した時も王城の天辺まで逃げたこともあるし、花火打ち上げて死にそうな顔して告白して来たこともあるもんな」
「うっ……。そんなこともあったね……。これから行くところも初心に帰るには最適な場所だと思うので、己の行動を見つめ直そうと思います」
「初心に帰る場所?」
「そう。さあ、重盛。離れないように僕を抱きしめて」
鐘の下で秘密を共有するように身を寄せ合う二人。
真紘が鐘に魔力を流し込むと、足元に見覚えのある魔方陣が展開され、二人は約一年ぶりとなる神木がある空間へと放り出された。
魔方陣で神木の元へと飛ばされる瞬間、女性の甲高い声のような音が鳴り響いた。
これが噂になっていた不自然な金切り声の正体でもあったが、今はそれどころではない。
目の前の光景に真紘の瞳はキラキラと揺らめいた。
「いつ見ても、圧巻だ……」
王城の迷路のような地下道の先から転移魔法で神木の元へと魔力補填をしに出向いたのは、今から一年以上前のこと。神木は、一度味わった魔力を吸収することはないため、もう二度と訪れることはないと思っていた。それがこんな形で戻って来ることになるとは――。
幾億もの光の粒が空を舞う幻想的な世界の中心に鎮座する大きな神木は、何度見ても圧倒される。
「初心って神木かよ! まーじか、王城の地下以外にも入口があったんだな……」
「王様しか知らない複雑な道の先にあったけど、王城によく似たこの学園にも出入り口があったんだね。おそらく知っているのは、ホリツェット学園長のみだと思う。古い実験塔は、取り壊せなかったんじゃなくて、神木へのゲートになっている鐘の本来の機能を隠すための口実だったんだ」
真紘は重盛を抱き上げたまま神木の上空を飛び、森が広がる先を目指す。
浮遊するだけで精一杯だったあの頃とは全然違う。今の真紘にとっては、それくらい魔法が身近なものになっていた。
「王城の転移魔法と同じ魔力を感じたってこと?」
「王城と違って、鐘楼に数種類の魔力を流し込む必要があったけど、王城のものと全く同じだった。大魔法使いウエンズデーの弟子の名前がメロウだった時点で、メロウズにもリアースにとって大事な何かがあると考えるべきだったんだ。王都と同じくらい魔力に満たされている土地なんて、そうあるものじゃない」
「確かにそうかもしんないけど、アテナばあちゃんしか知らない神木への入口を、希少なエルフとはいえ、学園の長に残していくのもちょっと違和感じゃね? 王様に比べてパンチが弱いっていうか」
「重盛は、大事なものを預けるなら誰に預ける?」
「真紘ちゃん」
「僕って君の何?」
「ハニー」
「その通り、家族だよね」
ポカンと口を開けた重盛は、一拍置いて「マジで⁉」と叫んだ。
「ホリツェット学園長の結界。ルノ君のネックレスに吸収された謎の女性の魔力残滓。性別は違えど、とてもよく似ている。魔力残滓を比べてみて理解したよ。この二人は、おそらく家族。そして大魔法使いウエンズデーの弟子、メロウの家族だ」
メロウがエルフだった記録は、見たことがない。天才と呼ばれるウエンズデーの弟子で、獣人と人間の大戦が終わったあとの数年間、この世界に教会を建てて神木の枝を祀り、この魔法学校を設立した。
事実は記録されているのに、容姿や性格等の備考は不自然なほどない、ということがヒントでもあった。希少であるが故に、エルフだということを隠し、変装して生活していたのだろう。
忽然と姿を消したメロウは、大戦の終結と共に消えたウエンズデーを追いかけて異世界に旅立った――という絵本は、この世界で最も有名なものだ。これは、フィクションではなく、事実なのではないかと真紘は思う。
時の神と交渉し、異世界の魔力をリアースに引き入れるために、ウエンズデーは地球へ。そして大戦でボロボロになったリアースを復興させたあと、師を追いかけて地球へ渡ったメロウ。その壮大な人生に巻き込まれたのが、リアースに召喚された救世主たちだ。
神木の光に包まれた真紘の中に、リアースの歴史が染み渡るように流れ込んで来る。
重盛も同じ体験をしているようで、全身の毛を膨らませて目をパチパチとさせていた。
最後に捜索する場所が大本命だと判明したため、妙な緊張感がある。
円柱のような形をしている塔。入ってみると中は意外と広い。壁に沿って螺旋状に階段が付いており、時折割れた窓からビュウっと風が吹き込んで来る。
「うげぇ~、一階部分なんてほとんど外と同じじゃん。草生えてるし、なんでこんな土まみれなわけ? 虫が出る~……」
「ここは校舎や寮に比べて土地が低いから、雨水が扉の隙間から流れ込むんじゃないかな? 滑ると危ないから、浮かせるね」
重盛を後ろから抱える真紘は、浮きながら最上階を目指す。
すべてのフロアを見て回ったが、どの階も人が立ち寄った痕跡はなく、古そうな椅子や机の上には、どっさりと埃をかぶっていた。
階段をすべて登りきると、屋上へ続く鉄扉を発見した。
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三度目ともなれば手慣れたもので、真紘は落ち着いてドアをこっそり直しておいた。
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「これがキンコンカンコーンの鐘か」
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「たはっ、それ俺も思った。俺が学園長だったら絶対もっと面白い音にするのになー。てか、絶対、地下に続く秘密の階段とか扉があると思ったのに、なんもないのかよ」
「そうだね。階段と鐘以外は埃をかぶっていたし、古くて危険だから立ち入らないでほしいっていうのは、本当だったみたいだ。この建物は、鐘楼としての役割しかないのかもしれない」
「だけど鐘を鳴らすだけなら、何もこんなボロい塔じゃなくて、新しい鐘楼立てた方が良くね? 学園長は、真紘ちゃんみたいに飛べるわけでもないし、ご長寿の元気なじーさんとはいえ、毎回階段上るのもキツいだろ。鐘楼だけ低い建物に移し替えちゃえば、それこそマイ・サンの活動で鐘の掃除とかもお願いできそうじゃん」
「うーん、言われてみればそうだね。やっぱり学園長先生は、この実験塔に何か別の目的があって来ている……? この鐘の魔力残滓は学園長先生のものでいっぱい……いや、待てよ? 多すぎるくらいだ」
真紘は、鐘や床にペタペタと触って確かめる。
重盛は真紘の邪魔をしないように微動だにしない。
「これは掃除しただけじゃない。つい最近まで、この建物全体に何か魔法をかけていたのかも。それが今は消えている」
「危ないから誰も入れないように結界を張ってたんじゃね? この学園自体もアテナばあちゃんの城みたいに外壁に沿って薄っすら結界張ってあったし」
重盛に言う通り、結界を張っていたとみて間違いないが、魔力残滓の散らばり方を踏まえると、自らの意志で解除したというよりは、内部から破裂して解除されたような感じがする。
あと一歩というところで、感覚で魔法を使っている真紘は確信を持って断言できない。他人の魔法に触れたところで、なんとなくこうではないか、と思うだけ。与えられた才能に全振りしているといっても過言ではないのだ。師であるノエルのようにもっと魔法に対する知識があれば、こんなに遠回りせず、今頃事件の真相にたどり着くことができていたのではないだろうか――。
王城でリアースについて学んでいる時、ノエルから、魔法が衰退しつつあるこの世界の魔法の常識を真紘に教えることは、真紘の想像力の幅を狭めることになる可能性があるためお勧めしない、と助言された。真紘も納得したので、あえて基礎を飛ばして応用編のみ学んできたのだ。その助言に間違いはなかったが、魔法に対する感覚が普通の人と大きくずれていることが最近の悩みの種でもある。
「えっ、これって……」
懐かしい感覚が指先から伝わる。
魔力の粒が真紘の形の良い爪の上を滑って、くるくると回って手首へと到達する。それはまるで、早くこちらに来いと腕を引かれているような気がした。
「なんか見つけた?」
「見当違いかもしれないよ……?」
「ははっ、大歓迎、いいよ! この世界で自分が魔法使った痕跡を追いかけたり他人の魔力残滓を調べたりできるのは真紘ちゃんしかいないんだから、見当しようとするだけで、超すげーことなんだよ。そんな真紘ちゃんが色々考えて調べても、ジャンの居場所がわかんねーなら、もう力技で行こうぜ。俺が風寮のエントランスホールにドデカい穴掘ってやる!」
少しばかり眉間に皺を寄せただけなのに、重盛にはお見通しのようで、ちょっぴりだけ年上の顔を覗かせる。それは真紘にとって、悔しくもあり、嬉しくもあった。
誰よりも味方になってくれるパートナーがいる安心感は、どんな魔法よりも心強い。
「ふふっ、最終的にパワープレイか、それも僕たちっぽいかもしれないね」
「恥ずかしくて逃走した時も王城の天辺まで逃げたこともあるし、花火打ち上げて死にそうな顔して告白して来たこともあるもんな」
「うっ……。そんなこともあったね……。これから行くところも初心に帰るには最適な場所だと思うので、己の行動を見つめ直そうと思います」
「初心に帰る場所?」
「そう。さあ、重盛。離れないように僕を抱きしめて」
鐘の下で秘密を共有するように身を寄せ合う二人。
真紘が鐘に魔力を流し込むと、足元に見覚えのある魔方陣が展開され、二人は約一年ぶりとなる神木がある空間へと放り出された。
魔方陣で神木の元へと飛ばされる瞬間、女性の甲高い声のような音が鳴り響いた。
これが噂になっていた不自然な金切り声の正体でもあったが、今はそれどころではない。
目の前の光景に真紘の瞳はキラキラと揺らめいた。
「いつ見ても、圧巻だ……」
王城の迷路のような地下道の先から転移魔法で神木の元へと魔力補填をしに出向いたのは、今から一年以上前のこと。神木は、一度味わった魔力を吸収することはないため、もう二度と訪れることはないと思っていた。それがこんな形で戻って来ることになるとは――。
幾億もの光の粒が空を舞う幻想的な世界の中心に鎮座する大きな神木は、何度見ても圧倒される。
「初心って神木かよ! まーじか、王城の地下以外にも入口があったんだな……」
「王様しか知らない複雑な道の先にあったけど、王城によく似たこの学園にも出入り口があったんだね。おそらく知っているのは、ホリツェット学園長のみだと思う。古い実験塔は、取り壊せなかったんじゃなくて、神木へのゲートになっている鐘の本来の機能を隠すための口実だったんだ」
真紘は重盛を抱き上げたまま神木の上空を飛び、森が広がる先を目指す。
浮遊するだけで精一杯だったあの頃とは全然違う。今の真紘にとっては、それくらい魔法が身近なものになっていた。
「王城の転移魔法と同じ魔力を感じたってこと?」
「王城と違って、鐘楼に数種類の魔力を流し込む必要があったけど、王城のものと全く同じだった。大魔法使いウエンズデーの弟子の名前がメロウだった時点で、メロウズにもリアースにとって大事な何かがあると考えるべきだったんだ。王都と同じくらい魔力に満たされている土地なんて、そうあるものじゃない」
「確かにそうかもしんないけど、アテナばあちゃんしか知らない神木への入口を、希少なエルフとはいえ、学園の長に残していくのもちょっと違和感じゃね? 王様に比べてパンチが弱いっていうか」
「重盛は、大事なものを預けるなら誰に預ける?」
「真紘ちゃん」
「僕って君の何?」
「ハニー」
「その通り、家族だよね」
ポカンと口を開けた重盛は、一拍置いて「マジで⁉」と叫んだ。
「ホリツェット学園長の結界。ルノ君のネックレスに吸収された謎の女性の魔力残滓。性別は違えど、とてもよく似ている。魔力残滓を比べてみて理解したよ。この二人は、おそらく家族。そして大魔法使いウエンズデーの弟子、メロウの家族だ」
メロウがエルフだった記録は、見たことがない。天才と呼ばれるウエンズデーの弟子で、獣人と人間の大戦が終わったあとの数年間、この世界に教会を建てて神木の枝を祀り、この魔法学校を設立した。
事実は記録されているのに、容姿や性格等の備考は不自然なほどない、ということがヒントでもあった。希少であるが故に、エルフだということを隠し、変装して生活していたのだろう。
忽然と姿を消したメロウは、大戦の終結と共に消えたウエンズデーを追いかけて異世界に旅立った――という絵本は、この世界で最も有名なものだ。これは、フィクションではなく、事実なのではないかと真紘は思う。
時の神と交渉し、異世界の魔力をリアースに引き入れるために、ウエンズデーは地球へ。そして大戦でボロボロになったリアースを復興させたあと、師を追いかけて地球へ渡ったメロウ。その壮大な人生に巻き込まれたのが、リアースに召喚された救世主たちだ。
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