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学院と言う地獄
穴の先
しおりを挟む闇、闇、闇、どこもかしこも闇で覆い尽くされたその空間を、落ちているのだか、登っているのだか、余りの暗闇さ加減のせいで感覚が麻痺している。
ほぼ、タイミングをずらさず飛び込んだ相方と主達が見えないのはこの闇のせいか?
考えてもこの状態ではどうしようもない。
そう思考していた日光は唐突に視界が開けた事に安堵した。
其処は校舎内だった。
見渡すと、上の世界の校舎と同じなのが知れる。
嫌、少し違うな……。
と思案する日光は、総てが上の世界と左右対象に成っている事に気付いた。
そして、
「案の定、皆とはぐれた…… 」
そう言って息を吐いた。
その頃、月光は途方に暮れていた。
「マジか~っ。こんなんじゃぁ、職員室行かれへんやん。どこよ、ここ…… 」
日光は、未来予知でも出来るのか!?
日光の言葉通り、月光は職員室に行けずにいた。
3-Aのプレートの掛かる教室から廊下の端まで歩き、階段を降りる。
そして教室のプレートを見ると、3-Aだった。
「階段でループしちょるんやろうなぁ……。あぁ~、このパターンまた、日光ちゃんに嫌味言われる奴やん……。原因突き止めて早よぅ職員室行かな 」
そう呟いて、月光は3-Aの教室の引き戸を引こうと手を掛けた。
「う~ん、困ったわ。薬師様に抱えられていた筈なのにね。彼と引き離されるなんて、あってはいけない事だわ」
凪は口元に指先を当てると、考え込んだ。
ちらっと右手を見ると3-Aとプレートに書いてある。
凪がふと、顔をしかめた。
誰かが横を通り過ぎて立ち止まる。
凪に取ってそれは良く知る人物。
相手も何かに気付き振り返った。
けれどその人は凪に気付かない。
不思議そうに首を傾げるだけだ。
「成る程ね。少しだけ次元がズレて居るのね。其れならば……、六合、騰虵、貴人、来て」
と、声をかけると瞬く間に二人の男と一人の女が現れた。
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