1 / 34
prologue
俺、死んだのか
しおりを挟む
彼の名前は、筒井 零。
都内にあるゲームソフト会社のプログラマーとして勤務している、社畜2年目の26歳であった。
今日も今日とて、完成させたゲームの動作環境と具合を見るため延々とプレイする事20時間、外が白んで来た為、朝飯とコーヒーを求めてコンビニを訪れたのが運の尽きだった。
良く有る話だが、居眠り運転から来る暴走トラックに側にいた小さな子供諸共壁に圧されて挟まれた。
その時はまだ2人とも生きていた。
だが、挟まれた場所が悪かった。
緩い下り坂、坂道。
何とか子供を引きずり出すと、必死に助けようとしてくれている通行人達に預けてホッとする。
かろうじて車止め替わりになっていた石を、トラックが徐々に乗り越えようとしているのを横目に、彼は至って冷静だった。
何故かレスキューより早くやってきたマスコミが朦朧とする彼にインタビューするこの世界の悍ましさ。
それに筒井 零は嘆息して……。
そして、気付けば真白な世界に立っていた。
「ふうん、どうやら死んだか、俺は。はぁ、ねーちゃん泣くだろうなぁ、唯一の肉親無くしたんだもんなぁ、はぁ、ねーちゃんごめん」
そう言う零は、眉を寄せて悲しみに浸る。
だが急に何かに気付き悲鳴のような叫びを発した。
「あああっ、全攻略後に出る隠しイベントの出現確認してねぇよ、俺。うっわ、マジか。締め切り今日だぞ!? って言ってもしゃーなしか。俺、死んでるもんなぁ…… 」
今一度嘆息して辺りを見回した零は、まるで漫画かアニメのような今の状況に思わず苦笑した。
「ははっ、何か、これって滅茶苦茶定番だよな。真っ白な世界って。此処で神様ってのが現れるんだよな、定番から言うと…… 」
「そうですね、まさしく貴方の言う通りです」
そう後ろから声がして、零は踵を返した。
其処には『絶世の美女』と言って良い程の女が立っていた。
うわっ、やな展開。
思わず頭を過った感想はひとまず横に置いといて、その女性は一目で女神と解った。
その美貌もさることながら、服装が如何にもって具合なのだが、零はあえてその事は口にしないで女に問い掛けた。
「で、俺は何で此処にいんの? 出来ればさっさと転生の列に放り出して欲しいんだけどな…… 」
「はい、逸れを今からご説明……、って違う~っ。貴方は転生なんてしません! 何でセオリー通りのセリフ吐いてくれないんですか、筒井 零さん。良いですか、貴方は事故でお亡くなりなられたのですが、色々と審査させて頂きました結果、おめでとう御座います、貴方にとあるお役目を授ける事になりました!輪廻転生による修行は修了したのです。私は、『運命の女神フォルトゥナ』。貴方には私の眷族になっていただきます! 」
女神の言葉に零は眉を潜めた。
都内にあるゲームソフト会社のプログラマーとして勤務している、社畜2年目の26歳であった。
今日も今日とて、完成させたゲームの動作環境と具合を見るため延々とプレイする事20時間、外が白んで来た為、朝飯とコーヒーを求めてコンビニを訪れたのが運の尽きだった。
良く有る話だが、居眠り運転から来る暴走トラックに側にいた小さな子供諸共壁に圧されて挟まれた。
その時はまだ2人とも生きていた。
だが、挟まれた場所が悪かった。
緩い下り坂、坂道。
何とか子供を引きずり出すと、必死に助けようとしてくれている通行人達に預けてホッとする。
かろうじて車止め替わりになっていた石を、トラックが徐々に乗り越えようとしているのを横目に、彼は至って冷静だった。
何故かレスキューより早くやってきたマスコミが朦朧とする彼にインタビューするこの世界の悍ましさ。
それに筒井 零は嘆息して……。
そして、気付けば真白な世界に立っていた。
「ふうん、どうやら死んだか、俺は。はぁ、ねーちゃん泣くだろうなぁ、唯一の肉親無くしたんだもんなぁ、はぁ、ねーちゃんごめん」
そう言う零は、眉を寄せて悲しみに浸る。
だが急に何かに気付き悲鳴のような叫びを発した。
「あああっ、全攻略後に出る隠しイベントの出現確認してねぇよ、俺。うっわ、マジか。締め切り今日だぞ!? って言ってもしゃーなしか。俺、死んでるもんなぁ…… 」
今一度嘆息して辺りを見回した零は、まるで漫画かアニメのような今の状況に思わず苦笑した。
「ははっ、何か、これって滅茶苦茶定番だよな。真っ白な世界って。此処で神様ってのが現れるんだよな、定番から言うと…… 」
「そうですね、まさしく貴方の言う通りです」
そう後ろから声がして、零は踵を返した。
其処には『絶世の美女』と言って良い程の女が立っていた。
うわっ、やな展開。
思わず頭を過った感想はひとまず横に置いといて、その女性は一目で女神と解った。
その美貌もさることながら、服装が如何にもって具合なのだが、零はあえてその事は口にしないで女に問い掛けた。
「で、俺は何で此処にいんの? 出来ればさっさと転生の列に放り出して欲しいんだけどな…… 」
「はい、逸れを今からご説明……、って違う~っ。貴方は転生なんてしません! 何でセオリー通りのセリフ吐いてくれないんですか、筒井 零さん。良いですか、貴方は事故でお亡くなりなられたのですが、色々と審査させて頂きました結果、おめでとう御座います、貴方にとあるお役目を授ける事になりました!輪廻転生による修行は修了したのです。私は、『運命の女神フォルトゥナ』。貴方には私の眷族になっていただきます! 」
女神の言葉に零は眉を潜めた。
1
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる