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prologue
女神の御使い②
しおりを挟む「いいよ、フォルトゥナ。俺があんたの手足に成ってやる。俺に彼女を助けられるか? 」
零の言葉に、フォルトゥナはパッと顔を上げた。
「勿論ですとも。貴方に『フォルトゥナの守護騎士』を貴方の師として付けましょう。彼ならあらゆる知識と力を与えてくれるでしょう。そして貴方に、私の御使いとしての力、『運命の歯車』を託します。私は、彼女と会わなければなりません。それも必ず生存した状態で。彼女を救い出し、連れてきて頂けませんか? 」
フォルトゥナが、決意を秘めた目で零を見た。
下界に降りることが出来ないフォルトゥナの為の御使い。
零は何か引っ掛かる物を感じたが、それが何か解らず、考える事を放棄した。
そして、フォルトゥナに言った。
「なるべく善処しよう。新しい人生か…… 」
せめて、ねえちゃんに誇れる人生にしたいなぁと零は心の中で誓って、嬉しそうに微笑むフォルトゥナを見やった。
決意を新たにした零に、フォルトゥナは意味あり気に微笑むと、彼に告げた。
「零、今から貴方の魂に力を刻みます。魂の輝きに準じた強さを、美しさを、武器を、知性を、そして総てを断ち切る刃を。筒井 零、貴方の女神、『運命の女神フォルトゥナ』の名代。御使いとなれ! 」
フォルトゥナの言質に今此処で、『女神の御使い』である筒井 零と言う御使いが、誕生した。
それは、彼の新たなる辛く険しい道のりになる人生だが、生きがいを見付ける人生でもあった。
── 貴方の女神になる筈の少女の人生なの、お願いだから助けてあげて。貴方の為にも、彼女を愛して欲しい ──
それは、女神の心からの願いだった。
そして……。
神々の中で最も強く美しく最強と呼ばれる神が、今此処に誕生した事を、フォルトゥナ以外まだ誰も知らなかった。
フォルトゥナの御使いと成った零は、日々努力を強いられた。
ハッキリ言おう。
チートなんて無い。総ては努力と根性の成せる業なのだ。
そして零はそれに慣れていた。
重度の社畜であった彼の生前の就職先は劣悪と言っていい生活環境で、フォルトゥナの元は実はそれに近かった。
相当に残念であった。
『フォルトゥナの御使い』となってから零は『白の騎士団』の団長の弟子となり、座学に体術、剣術、などの様々な事柄を身に付けて、騎士見習いになった。
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