44 / 97
第1章
44話 第2の悪魔
しおりを挟む
44話
あの後、俺は王様に今の状況を説明してもらった。今この王国に戻っているのは榊達をはじめとした10人ほどらしく沙知も含めタジール隊長もまだ戻ってきていなかった。
「鏡じゃないかよく無事だったな」
話しかけてきたのは榊だった。その後ろには葛西と田口もいた。
「鏡が無事に帰ってくるなんてよっぽど運が良かったんだな」
「まぁ、でも無事で良かったわ」
この3人はなぜこんなに上から目線なのだろうか。
「あぁ、榊達も無事で良かったよ。それより榊達は今何やってるんだ?」
「俺達は今、正式にこの国の騎士になってなアルベイトというやつからこの国を守ってるだ」
「そうか...楽しそうだな」
この時、アルベイトの存在を知っている俺は榊達が下に見えた。
「楽しそうだと?アルベイトのせいで殺された奴も大勢いるんだぞ」
「やめなよ榊、鏡は自分が戦えないから強がっているだけよ」
怒りに染まった榊を止めた葛西は俺のことを哀れんだ目で見た。そんなことは気にしないのだが一つだけ気になることがあった。本当にアルベイトは殺しをしたのかということだ。しかし、その答えはすぐ知ることになった。
ゴーンゴーンゴーン
大きな鐘の音がした。
「また、きたわね」
「田口と葛西は戦える奴を集めて門まで行ってくれ!俺はすぐに門に向かう」
「おう」
「わかったわ」
どうやらこの鐘の音は敵がきた合図らしい。
「鏡あなたも来なさい。この戦いが楽しそうなんて言えなくなるから」
田口と葛西とその仲間達に連れられて俺は門の前まで来た。途中タリアとナノの姿が見えたが楽しそうに買い物をしていたのでほっておくことにした。門の前に行くと先に行った榊がボロボロになっていた。
「みんな!来るな!こいつは今までの奴とは違う」
ボロボロの鏡の前にはダンジョンで会った悪魔と似たような奴がいた。
「これはこれは、王国の皆様こんにちは。私は序列7位のアモンと申します。今まで私のモンスターの相手をしてくださってありがとうございました」
「序列?私のモンスターだと?何を言ってやがる」
一緒にいた田口は訳がわからずアモンに叫んでいた。他のみんなも同じだった。
「アモンと言ったな。お前もアルベイトの手下か?」
「ほっほっほ、アルベイト....そうですよ。今までの命令は全てあの方のものです」
「やはりな、絶対許さないぞアルベイト」
後ろの方で聞いていた俺は話しがわかってきた。悪魔は自分達のボスがアルベイトだと言って王国の戦力をアルベイトに向けようとしているんだと。そうすれば一番の脅威であるアルベイトが動きづらくなる。以外と悪魔は策士なのかもしれない。
「私は今日、戦いに来た訳ではありません。と言ってもボロボロの勇者様と戦いましたがね。私は宣戦布告しに来たのです。1ヶ月後の今日、この国を襲います」
「なぜそんなことをわざわざ教える?」
「深い意味はありませんよ。今この国を攻めてしまえば簡単に滅ぼせます。それじゃ面白くないじゃないですか」
「くっ、なめるなー」
ボロボロの榊は両手で剣を持ちアモンに振りかざした。
しかし、アモンは軽やかに交わし榊の腹部に強烈な蹴りを放った。
「がはっ」
「今のあなた達じゃ私にすら勝てませんよ。それでわ」
アモンが後ろを向いて帰ろうとした。
「おいまてよ、アモン」
「?なんです?まだ、挑んできますか?」
俺はアモンに質問した。
「いや俺は、戦えないんでな。一つ教えてほしい。序列ってのは強さで決まるのか?」
「ほぼ強さと言っていいでしょう。まぁ、例外はいますが」
「例外?適当に聞いてみるが序列3位の奴はその例外か?」
「3位?確かヴァッサゴさんですね。あの方は例外ではなく確かに強いですよ。何かあなた引っかかりますね」
「何、適当に聞いただけだ流してくれ」
「そうですか、それではまた1ヶ月後。会いましょう。戦えない騎士様」
アモンはそのまま歩いて消えていった。
続く
あの後、俺は王様に今の状況を説明してもらった。今この王国に戻っているのは榊達をはじめとした10人ほどらしく沙知も含めタジール隊長もまだ戻ってきていなかった。
「鏡じゃないかよく無事だったな」
話しかけてきたのは榊だった。その後ろには葛西と田口もいた。
「鏡が無事に帰ってくるなんてよっぽど運が良かったんだな」
「まぁ、でも無事で良かったわ」
この3人はなぜこんなに上から目線なのだろうか。
「あぁ、榊達も無事で良かったよ。それより榊達は今何やってるんだ?」
「俺達は今、正式にこの国の騎士になってなアルベイトというやつからこの国を守ってるだ」
「そうか...楽しそうだな」
この時、アルベイトの存在を知っている俺は榊達が下に見えた。
「楽しそうだと?アルベイトのせいで殺された奴も大勢いるんだぞ」
「やめなよ榊、鏡は自分が戦えないから強がっているだけよ」
怒りに染まった榊を止めた葛西は俺のことを哀れんだ目で見た。そんなことは気にしないのだが一つだけ気になることがあった。本当にアルベイトは殺しをしたのかということだ。しかし、その答えはすぐ知ることになった。
ゴーンゴーンゴーン
大きな鐘の音がした。
「また、きたわね」
「田口と葛西は戦える奴を集めて門まで行ってくれ!俺はすぐに門に向かう」
「おう」
「わかったわ」
どうやらこの鐘の音は敵がきた合図らしい。
「鏡あなたも来なさい。この戦いが楽しそうなんて言えなくなるから」
田口と葛西とその仲間達に連れられて俺は門の前まで来た。途中タリアとナノの姿が見えたが楽しそうに買い物をしていたのでほっておくことにした。門の前に行くと先に行った榊がボロボロになっていた。
「みんな!来るな!こいつは今までの奴とは違う」
ボロボロの鏡の前にはダンジョンで会った悪魔と似たような奴がいた。
「これはこれは、王国の皆様こんにちは。私は序列7位のアモンと申します。今まで私のモンスターの相手をしてくださってありがとうございました」
「序列?私のモンスターだと?何を言ってやがる」
一緒にいた田口は訳がわからずアモンに叫んでいた。他のみんなも同じだった。
「アモンと言ったな。お前もアルベイトの手下か?」
「ほっほっほ、アルベイト....そうですよ。今までの命令は全てあの方のものです」
「やはりな、絶対許さないぞアルベイト」
後ろの方で聞いていた俺は話しがわかってきた。悪魔は自分達のボスがアルベイトだと言って王国の戦力をアルベイトに向けようとしているんだと。そうすれば一番の脅威であるアルベイトが動きづらくなる。以外と悪魔は策士なのかもしれない。
「私は今日、戦いに来た訳ではありません。と言ってもボロボロの勇者様と戦いましたがね。私は宣戦布告しに来たのです。1ヶ月後の今日、この国を襲います」
「なぜそんなことをわざわざ教える?」
「深い意味はありませんよ。今この国を攻めてしまえば簡単に滅ぼせます。それじゃ面白くないじゃないですか」
「くっ、なめるなー」
ボロボロの榊は両手で剣を持ちアモンに振りかざした。
しかし、アモンは軽やかに交わし榊の腹部に強烈な蹴りを放った。
「がはっ」
「今のあなた達じゃ私にすら勝てませんよ。それでわ」
アモンが後ろを向いて帰ろうとした。
「おいまてよ、アモン」
「?なんです?まだ、挑んできますか?」
俺はアモンに質問した。
「いや俺は、戦えないんでな。一つ教えてほしい。序列ってのは強さで決まるのか?」
「ほぼ強さと言っていいでしょう。まぁ、例外はいますが」
「例外?適当に聞いてみるが序列3位の奴はその例外か?」
「3位?確かヴァッサゴさんですね。あの方は例外ではなく確かに強いですよ。何かあなた引っかかりますね」
「何、適当に聞いただけだ流してくれ」
「そうですか、それではまた1ヶ月後。会いましょう。戦えない騎士様」
アモンはそのまま歩いて消えていった。
続く
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛
タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。
しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。
前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。
魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる