覚えた魔法は異世界召喚魔法!?

もぐら

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第1章

81話 救世主の存在

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81話

 手負いのバエルを追うのは簡単だった。しかし、逃げるにしても分かりやすい1本道を通っている。どこかに向かう場所があるかのように。
 しばらく走った後、バエルは黒い繭の前で足を止めた。

「諦めろバエル」

「諦めるのはお前ら人間共だ!」

 バエルは黒い繭に腕を突っ込み中身を掘り出し始めた。

「止めるぞ夢ちゃん」

「はい!」

 しかし、夢ちゃんの攻撃はバエルに受け止められ戸村さんの攻撃は何かに弾かれた。

「まずい...」

 戸村さんの顔はさらに不安な顔になった。よくバエルの回りを見てみると数本の剣が浮遊しているさっき戸村さんの攻撃を弾いたのはこの剣だとすぐに分かった。

「何がまずいんですか戸村さん?」

「あの剣があるということは奴だ」

「奴?」

「ルシファーだ」

「それって...」

「あぁ、俺が探していた敵だ」

 私たちが衝撃を受けている間に繭の中から一体の悪魔が出てきた。

「あぁ、ルシファー様。やっとやっと、お目覚めに」

 ルシファーの見た目は悪魔、背の高い女の悪魔だ。

「よくぞやったバエル。アルベイトに倒されて数年ようやく復活することができた」

「あぁ、いつ見てもお美しいルシファー様」

「ん?人間の存在は分かっていたが浮遊剣士、貴様だったとはな。まだ、仲間のことを根に持っているのか?」

「くっ、忘れるわけないだろ。お前が取ったその剣返して貰うぞ」

「渡すわけなかろう。この剣は私のおかげでさらなる強さになったんだ」

「コピーして増やしただけだろうが」

 珍しく戸村さんが感情的になっている。

「夢ちゃんと宮田ちゃんは下がっていてくれ。あいつだけはこの手で倒す」

「待ってください師匠!」

 戸村さんは1人でルシファーに向かっていった。2本の剣を上手く使いルシファーの剣を弾き飛ばしルシファーに切りかかった。
 が、バエルが盾となり攻撃が遅くされ復帰したルシファーの剣で吹き飛ばされた。

「でかしたぞバエル、おかげで奴の剣もコピーすることができた」

 ルシファーの剣は初めは4本だった。しかし、今は10本もある。オリジナル1本+コピーは3本までということだろう。戸村さんの剣もコピーされ3本+3本で10本になったのだろう。

「宮田さん、私に魔法で付与を」

「分かった」

 倒れている戸村さんを庇うように夢ちゃんが戦闘の間に入った。

「娘よ、死にたくなければそこをどけ」

「どきません師匠には指一本触れさせません」

 ルシファーはため息を吐くと同時に10本の剣で攻撃した。夢ちゃんは咄嗟の判断で背中の大剣でガードしたが後ろに大きく吹き飛んだ。

「すまない夢ちゃん、俺にもっと力があれば」

「師匠...私はまだ...戦え...ます」

「君はもうボロボロだ。俺が時間を稼ぐから2人で逃げてくれ」

「師匠を...置いてなんていけません..」

「私も戸村さんを見捨てるなんてできません」

「しかし、これだとどのみちみんな助からない」

 死、この言葉が頭をよぎった。まだ、一夜くんとも会えてないし、やりたいことだっていっぱいあった、もっと青春ぽいことだってこの想いを一夜くんに伝えすらいない。けど、戸村さんを見殺しにすることなんてできない。

「覚悟はできたな人間共、情けで苦しまずに殺してやる」

 ルシファーが10本の剣の先をこちらに向けた。

 もう助からない......


ドガーン


 この空間の壁が壊され1体のモンスターが入ってきた。ルシファー達も驚いた様子だった。

「職持ちのベヒモスか、ちゃんと管理をしておけバエル」

「いえ、そんな。今、職持ちのモンスターは全て地上のはずここにいるはずがありません」

「現にここにいるではないか」

 ルシファー達が困惑している。けど、モンスターも現れてさらに絶望的になった。
 しかし、モンスターの後ろから人の話し声が聞こえてきた。

「おい!ナノやり過ぎだ。ダンジョンが崩れちゃうだろ!」

「でも、崩れなかったなの!」

「見てください鏡さん、ナノちゃん悪魔がいますよ」

「まじか、マリウスのおかげで減ったから会うこともないと思ったんだが」

「倒すしかなさそうですね」

「また、友達にするなの!」

「よし、戦闘開始だ!」

続く
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