黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女

愛憎少女

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3章 Dedicated to an angel

#29 メイド達の食事

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2人が地下に降りている際。
カミーユ、ジャンヌ、ジェシカ、フェイの4人は調理場の隣の部屋で食事をとっていた。


「___今日はお嬢様の食事はいいって、どういう事ですか?」

パンを1口大の大きさに千切りながらカミーユは、調理担当であるジェシカに理由を__彼女の担当であるルリアに食事を出さない理由を尋ねる。

『ん、……今日、ルリア様は血を飲む練習があるんだよ。だから食事は要らないってわけ。』

尋ねられたジェシカは口に含んでいたスープを飲み込むと、カミーユの問いに答える。

「それにルリア様達は、私達と違って夜しか動けないからあんまりお腹空かないんだよー?」

ジェシカの言葉に続けるかの様に、フェイはパンを片手に持ちながら座っている椅子を揺らし、明るい声で言うが、椅子から落ちかけたのか慌てて机を掴む。
その様子を見ながら、ジャンヌは黙々と食べ続けていた。

「……お嬢様もセリーヌ様と同じ吸血鬼ですよね…?…吸血鬼なのに、血を吸う練習をするんですか?」

カミーユは食事をする手を止め、2人の言葉を聞いていたが、ふと疑問を感じその事を尋ねる。
それもそのはずだろう。
吸血鬼は血を吸う人外だと言うのに、ルリアは何故か血を吸う練習・・・・・・・・・をしているのだから。

カミーユが感じている疑問に気付いたのか、一足先に食事をし終わったジャンヌは立ち上がり、使った皿を片付けながら口を開く。

『___ルリア様は、セリーヌ様のご命令で屋敷の外に出すことが出来ないわ。その為、本来の吸血して獲物を捕らえるという事が出来ない。いくら本能であってもそれが出来ないと、力は衰えてしまうでしょう。』

「__だから、衰えないように練習させている、という訳なんですね…」

ジャンヌの言葉を聞き、あまり腑に落ちない点がありつつも彼女は納得し、千切ったパンを口の中に放り込む。

そんな話や他愛のない話をしつつ、団欒していたのだが、隣の部屋__調理場からコツコツという足音がフェイの耳に入り、彼女は椅子から立ち上がる。

「戻ってきたみたいだよー?」

『じゃあ、行きましょう。』

フェイの言葉を聞き、ジャンヌは水で濡れた手をエプロンで拭きながら述べると、他の2人も立ち上がり調理場に向かった。




____調理場に入ると青年が少女を__ルリアを抱きかかえており、彼女は気を失っているらしく、彼の腕の中でぐったりとしていた。
その姿は明らかに何時もと様子が違い、カミーユ除く3人の表情からは、緊張している事が読み取れた。
カミーユはその緊迫している空気を感じ、自身も緊張する。


『__どうなされたんですか?』

静寂な、けれど重く、緊迫した空気が部屋に流れており、そんな空気をかき消そうとするかの様に、ジェシカは口を開き青年に理由を尋ねる。

『あぁ_____彼女が、ルリが、暴走してしまったんだ。』

青年はジェシカの問いを聞き少し息を吐くと、ゆっくりと先程の事を説明しだした。
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