45 / 50
4章 Contract and a twin
#38 瓜二つ
しおりを挟む
今にも泣きそうになっているルリアの頭を撫でながら、リリアは何処か悲しそうな笑みを浮かべる。
『___覚えてないのは当然だ。兄様に、たのんだんだ。闇がたまるまで、私のことをわすれてほしいって。…まあ、ちょっとしたイタズラだな。』
「ひどいわ……!…でも、これからは一緒にいられるの、よね…?」
兄様_____それはウィルの事であり、彼は「記憶を操る能力」を持っている。
その能力を使い、リリアに関しての記憶を消したのだろう。
悲しそうな笑みをやめ、無邪気な笑みを浮かべ答えるリリアを見、ルリアは頬を膨らますのだが____こてんと首を傾げ、そう尋ねる。
もう2度と忘れたくないと表す様に、リリアの手を握りしめながら。
指に伝わる温もりを感じながら、リリアは小さく笑みを浮かべながら頷くと、安心させる為にまたルリアの頭を撫でるのであった。
彼女の髪についているリボンが外れないように、優しく、やさしく。
「____あっ、リリィお洋服きてない…!寒いでしょ…?今持ってくるわ…!」
『私、闇からできてるから別に寒いとか大丈夫なんだが……』
頭を撫でられ彼女は、幸せそうに微笑んでいたのだった。__けれど、リリアが服を着ていない事に気付くと、慌ててベッドから降りる。
だが彼女は闇を具現化して生きている為、寒さ等の皮膚に伝わる感覚はあまり感じないらしく、それを伝えようとしたのだが____
靴も履かず裸足のまま、クローゼットに向かったルリアの優しさを無下には出来ず、その声は段々と小さくなるのであった。
「とりあえずたくさん持ってきたわ!私と同じだからぴったりなはずよ?」
『ありがとな。……じゃあ、これにする。ルリ、手伝ってくれないか?』「うん…!」
ペチペチという裸足の音を暗い部屋に響かせながら、彼女はリリアの居るベッドに戻る。そして、両手に溢れんばかりのドレスを広げると首を傾げる。
純白なベッドに置かれた、色とりどりのドレスの中から、リリアは青いドレスを手に取る。
『____っと、どうだ?』
「んしょ………ふふっ、おそろいね…!」『…あぁ、確かにな。』
青いドレスに袖を通し、腰についている淡い黄色のリボンを不器用ながらに結びながら、リリアはルリアに服が似合っているか尋ねる。
ルリアは、背中の方のリボンを結ぶのに苦戦していたのだが、ようやく出来たらしく、リリアの目の前に移動すると満面の笑みを浮かべながらそう述べた。
互いの瞳に映る、互いの姿。
どちらがどちらなのか分からなくなる程に、鏡の様に瓜二つな彼女達。
____違うのは、瞳の瞳孔の形。互いに浮かべる笑み。それだけだった。
「……なにか、足りないわ。私とリリィ、こんなにも同じなのに。」『んー……あ、頭のリボンじゃないか?』
しばらく互いは互いを見つめていたのだが、何かが足りないと呟くルリアに、リリアは自身の頭を指差す。
確かにリリアが指を差す部分に、ルリアはリボンを付けており、それが足りないからだと納得した彼女は自身の両手を握りしめるのだった。
『___覚えてないのは当然だ。兄様に、たのんだんだ。闇がたまるまで、私のことをわすれてほしいって。…まあ、ちょっとしたイタズラだな。』
「ひどいわ……!…でも、これからは一緒にいられるの、よね…?」
兄様_____それはウィルの事であり、彼は「記憶を操る能力」を持っている。
その能力を使い、リリアに関しての記憶を消したのだろう。
悲しそうな笑みをやめ、無邪気な笑みを浮かべ答えるリリアを見、ルリアは頬を膨らますのだが____こてんと首を傾げ、そう尋ねる。
もう2度と忘れたくないと表す様に、リリアの手を握りしめながら。
指に伝わる温もりを感じながら、リリアは小さく笑みを浮かべながら頷くと、安心させる為にまたルリアの頭を撫でるのであった。
彼女の髪についているリボンが外れないように、優しく、やさしく。
「____あっ、リリィお洋服きてない…!寒いでしょ…?今持ってくるわ…!」
『私、闇からできてるから別に寒いとか大丈夫なんだが……』
頭を撫でられ彼女は、幸せそうに微笑んでいたのだった。__けれど、リリアが服を着ていない事に気付くと、慌ててベッドから降りる。
だが彼女は闇を具現化して生きている為、寒さ等の皮膚に伝わる感覚はあまり感じないらしく、それを伝えようとしたのだが____
靴も履かず裸足のまま、クローゼットに向かったルリアの優しさを無下には出来ず、その声は段々と小さくなるのであった。
「とりあえずたくさん持ってきたわ!私と同じだからぴったりなはずよ?」
『ありがとな。……じゃあ、これにする。ルリ、手伝ってくれないか?』「うん…!」
ペチペチという裸足の音を暗い部屋に響かせながら、彼女はリリアの居るベッドに戻る。そして、両手に溢れんばかりのドレスを広げると首を傾げる。
純白なベッドに置かれた、色とりどりのドレスの中から、リリアは青いドレスを手に取る。
『____っと、どうだ?』
「んしょ………ふふっ、おそろいね…!」『…あぁ、確かにな。』
青いドレスに袖を通し、腰についている淡い黄色のリボンを不器用ながらに結びながら、リリアはルリアに服が似合っているか尋ねる。
ルリアは、背中の方のリボンを結ぶのに苦戦していたのだが、ようやく出来たらしく、リリアの目の前に移動すると満面の笑みを浮かべながらそう述べた。
互いの瞳に映る、互いの姿。
どちらがどちらなのか分からなくなる程に、鏡の様に瓜二つな彼女達。
____違うのは、瞳の瞳孔の形。互いに浮かべる笑み。それだけだった。
「……なにか、足りないわ。私とリリィ、こんなにも同じなのに。」『んー……あ、頭のリボンじゃないか?』
しばらく互いは互いを見つめていたのだが、何かが足りないと呟くルリアに、リリアは自身の頭を指差す。
確かにリリアが指を差す部分に、ルリアはリボンを付けており、それが足りないからだと納得した彼女は自身の両手を握りしめるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる