48 / 50
4章 Contract and a twin
#41 突然の客
しおりを挟む
同時刻。
セリーヌの居る書斎には、1人の「客」が訪れていた。
『_____ご無沙汰しております。偉大なる長様。突然のご無礼をお許し下さい。私、エルマー・Y・ベイリー。ご報告したい事があり、崇高なる貴方様の元へ参りました。』
壁一面にある、様々な本が入れられた本棚。
真ん中には木製のデスクが置かれ、デスクと同じ素材で造られたアンティークチェアに腰かけるセリーヌと、その横で佇むジャンヌ。
女性___エルマーの後ろには、ウィルが壁に寄りかかりながら立ち、彼女達を眺めていた。
そんなエルマーは、黒と赤を基調としたドレスを両手で僅かに持ち、椅子に座っているセリーヌに向かって、深々とカーテシーをしながら挨拶をする。
吸血鬼の長であるセリーヌ。
否___セリーヌ含むカーディナル家は、代々吸血鬼の長となる家系。
そんな彼女の屋敷では時折、他の吸血鬼が集まり定例会が開かれるのだが____今日はその日ではなく、セリーヌは急に訪れたエルマーを見据えていた。
「____それで。貴方がわざわざ此処に来た理由は何かしら?定例会はまだ先の事でしょう。」
セリーヌは肘掛けに手を置き、足を組みながら、何時もと___否、何時もより低い声でエルマーに問いかける。
その姿は普段ルリアに見せる姿とは違い、威厳に満ち溢れているのだった。
『申し訳、ございません...』
まるで背筋が凍りそうな程、冷ややかな口調にエルマーは勿論、隣にいるジャンヌでさえ恐怖を感じ、エルマーは頭を下げたまま、思わず震えた声で謝罪の言葉を零す。
その言葉を聴きセリーヌはため息をつくと、組んでいた足を戻し、身を乗り出した。
「謝罪をするくらいなら、早く話をしてほしいのだけれど。」
『も、申し訳ございません…。______その、先日、新たに2人、同族が殺されてしまいました。』
同族。
その言葉にセリーヌは一瞬だが悲しそうな顔をするのだが____すぐに眉を顰める。
「…それは、吸血鬼殺しの仕業ではなくて?」
吸血鬼は生きる為と言っても、人間の血肉を喰らう人外。
故に、それを恨む人間は吸血鬼殺しを作り、時折吸血鬼を殺しているのだが____
自身の言葉に狼狽えるエルマーから、彼女は吸血鬼殺しの仕業ではないのだと悟るのだった。
「…吸血鬼殺しではないなら、誰が同族を殺したと言うの?」
エルマーは、ひしひしとセリーヌから感じる重圧を逃れようとするかの様に息を吐くと。
ゆっくりと、重い口を開く。
『_____どうやら、同じ同族に、殺されてしまったそうです。』
___吸血鬼殺しではなく、同族と。
すなわち、同じ仲間である吸血鬼に殺されてしまったのだと言う情報を聞き、セリーヌの背筋は凍り、後ろで聞いていたウィルも目を見開く。
「………嘘、でしょ。…同族は、私しか殺せない…はずよ。掟を、破ったとでもいうの…?」
動揺を隠しきれないセリーヌは立ち上がり、事の詳細を聞こうとしたのだが。
突如として部屋の扉が開き、皆一斉に扉の方に視線を移すのであった。
セリーヌの居る書斎には、1人の「客」が訪れていた。
『_____ご無沙汰しております。偉大なる長様。突然のご無礼をお許し下さい。私、エルマー・Y・ベイリー。ご報告したい事があり、崇高なる貴方様の元へ参りました。』
壁一面にある、様々な本が入れられた本棚。
真ん中には木製のデスクが置かれ、デスクと同じ素材で造られたアンティークチェアに腰かけるセリーヌと、その横で佇むジャンヌ。
女性___エルマーの後ろには、ウィルが壁に寄りかかりながら立ち、彼女達を眺めていた。
そんなエルマーは、黒と赤を基調としたドレスを両手で僅かに持ち、椅子に座っているセリーヌに向かって、深々とカーテシーをしながら挨拶をする。
吸血鬼の長であるセリーヌ。
否___セリーヌ含むカーディナル家は、代々吸血鬼の長となる家系。
そんな彼女の屋敷では時折、他の吸血鬼が集まり定例会が開かれるのだが____今日はその日ではなく、セリーヌは急に訪れたエルマーを見据えていた。
「____それで。貴方がわざわざ此処に来た理由は何かしら?定例会はまだ先の事でしょう。」
セリーヌは肘掛けに手を置き、足を組みながら、何時もと___否、何時もより低い声でエルマーに問いかける。
その姿は普段ルリアに見せる姿とは違い、威厳に満ち溢れているのだった。
『申し訳、ございません...』
まるで背筋が凍りそうな程、冷ややかな口調にエルマーは勿論、隣にいるジャンヌでさえ恐怖を感じ、エルマーは頭を下げたまま、思わず震えた声で謝罪の言葉を零す。
その言葉を聴きセリーヌはため息をつくと、組んでいた足を戻し、身を乗り出した。
「謝罪をするくらいなら、早く話をしてほしいのだけれど。」
『も、申し訳ございません…。______その、先日、新たに2人、同族が殺されてしまいました。』
同族。
その言葉にセリーヌは一瞬だが悲しそうな顔をするのだが____すぐに眉を顰める。
「…それは、吸血鬼殺しの仕業ではなくて?」
吸血鬼は生きる為と言っても、人間の血肉を喰らう人外。
故に、それを恨む人間は吸血鬼殺しを作り、時折吸血鬼を殺しているのだが____
自身の言葉に狼狽えるエルマーから、彼女は吸血鬼殺しの仕業ではないのだと悟るのだった。
「…吸血鬼殺しではないなら、誰が同族を殺したと言うの?」
エルマーは、ひしひしとセリーヌから感じる重圧を逃れようとするかの様に息を吐くと。
ゆっくりと、重い口を開く。
『_____どうやら、同じ同族に、殺されてしまったそうです。』
___吸血鬼殺しではなく、同族と。
すなわち、同じ仲間である吸血鬼に殺されてしまったのだと言う情報を聞き、セリーヌの背筋は凍り、後ろで聞いていたウィルも目を見開く。
「………嘘、でしょ。…同族は、私しか殺せない…はずよ。掟を、破ったとでもいうの…?」
動揺を隠しきれないセリーヌは立ち上がり、事の詳細を聞こうとしたのだが。
突如として部屋の扉が開き、皆一斉に扉の方に視線を移すのであった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる