黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女

愛憎少女

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4章 Contract and a twin

#41 突然の客

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同時刻。
セリーヌの居る書斎には、1人の「客」が訪れていた。

『_____ご無沙汰しております。偉大なる長様。突然のご無礼をお許し下さい。私、エルマー・Yヤップ・ベイリー。ご報告したい事があり、崇高なる貴方様の元へ参りました。』

壁一面にある、様々な本が入れられた本棚。
真ん中には木製のデスクが置かれ、デスクと同じ素材で造られたアンティークチェアに腰かけるセリーヌと、その横で佇むジャンヌ。

女性___エルマーの後ろには、ウィルが壁に寄りかかりながら立ち、彼女達を眺めていた。

そんなエルマーは、黒と赤を基調としたドレスを両手で僅かに持ち、椅子に座っているセリーヌに向かって、深々とカーテシーをしながら挨拶をする。


吸血鬼の長であるセリーヌ。
否___セリーヌ含むカーディナル家は、代々吸血鬼の長となる家系。
そんな彼女の屋敷では時折、他の吸血鬼が集まり定例会が開かれるのだが____今日はその日ではなく、セリーヌは急に訪れたエルマーを見据えていた。



「____それで。貴方がわざわざ此処に来た理由は何かしら?定例会はまだ先の事でしょう。」

セリーヌは肘掛けに手を置き、足を組みながら、何時もと___否、何時もより低い声でエルマーに問いかける。
その姿は普段ルリアに見せる姿とは違い、威厳に満ち溢れているのだった。

『申し訳、ございません...』

まるで背筋が凍りそうな程、冷ややかな口調にエルマーは勿論、隣にいるジャンヌでさえ恐怖を感じ、エルマーは頭を下げたまま、思わず震えた声で謝罪の言葉を零す。

その言葉を聴きセリーヌはため息をつくと、組んでいた足を戻し、身を乗り出した。


「謝罪をするくらいなら、早く話をしてほしいのだけれど。」

『も、申し訳ございません…。______その、先日、新たに2人、同族が殺されてしまいました。』

同族。
その言葉にセリーヌは一瞬だが悲しそうな顔をするのだが____すぐに眉を顰める。

「…それは、吸血鬼殺しヴァンパイアハンターの仕業ではなくて?」

吸血鬼は生きる為と言っても、人間の血肉を喰らう人外。
故に、それを恨む人間は吸血鬼殺しヴァンパイアハンターを作り、時折吸血鬼を殺しているのだが____

自身の言葉に狼狽えるエルマーから、彼女は吸血鬼殺しの仕業ではないのだと悟るのだった。

「…吸血鬼殺しではないなら、誰が同族を殺したと言うの?」

エルマーは、ひしひしとセリーヌから感じる重圧を逃れようとするかの様に息を吐くと。
ゆっくりと、重い口を開く。


『_____どうやら、同じ同族・・に、殺されてしまったそうです。』


___吸血鬼殺しではなく、同族・・と。
すなわち、同じ仲間である吸血鬼・・・に殺されてしまったのだと言う情報を聞き、セリーヌの背筋は凍り、後ろで聞いていたウィルも目を見開く。

「………嘘、でしょ。…同族は、私しか殺せない・・・・・・・…はずよ。を、破ったとでもいうの…?」

動揺を隠しきれないセリーヌは立ち上がり、事の詳細を聞こうとしたのだが。
突如として部屋の扉が開き、皆一斉に扉の方に視線を移すのであった。
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