【完結】狐と竜の怪異専門探偵事務所~千年前に構った竜の子に現世で再会、溺愛執着されています~

オジカヅキ・オボロ

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07 怪異に遭おう7

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「次は魚釣りでしたね!」

 嶋田の声が明るくなる。入会の時にアウトドアが好きだと言っていたから、魚釣りや山登りも好きなのだろう。

(そこでどうしてオカルトまで混ざってくるのかわかんないけど……)

 明るく元気な後輩は、三人に可愛がられていた。西山も似たようなタイプだが、こちらはもう少し無謀なところがある。
 そうそう、と嶋田の言葉に瀧が頷いた。

「魚釣り、ちょっと楽しみだったんだよな」
「今日は宿どこに取ったんですか? たくさん釣れたら宿で捌いてもらいましょうよ」

 瀧の提案に「いいな!」と盛り上がるのは西山と嶋田で、真岡はにやりと笑った。

「キャンプ」
「え?」

 笑顔で答えた真岡に、思わず聞き返した。だが真岡はまったく同じ口調で言葉を繰り返す。

「キャンプ」

 このフィールドワークが決まった当初、到着した日の夜は近隣の安宿に宿泊すると決まっていた気がするのだが、気のせいだろうか。

(……真岡先輩がこういう顔する時って、あんまり良くない時なんだよな……)

 去年一年付き合ってきたのだから、それくらいのことはわかる。

「……どちらのキャンプ場で?」
「ここから三十分ほど走ったとこにある、かつてキャンプ場だったキャンプ場」
「それは宿泊施設とは言わないんですよ……!」

 このあたりのキャンプ場といえば、瀧が知っているのはひとつしかない。『いわくつき』という形容が付く場所だ。

(どーりで……トランクの中が大荷物だったわけだよ……!)

 四人の荷物を詰め込む時にやけに邪魔な大きな荷物があったことを思い出し、がっくりと肩を落とした。

「仕方ないだろ、あんなことがあるなんて思わなかったから、度胸試しのつもりだったし。ま、大人しくしてればそんなに立て続いてあれこれ起こるわけがないから、かえって安全だと思って」

 真岡は悪びれず言い放つと車に乗り込む。その後を追って車に乗り込みながら、三人は口々に罵倒した。

「雑!!」
「無鉄砲!!」
「向こう見ず!!」

 心の底からの三人の罵倒に、真岡はにっこりと笑む。

「おまえら、置いて行くぞ」
「くっ……移動手段がある自分の立場が優位だと思って……」
「西山さん、諦めるしかないですよ」
「そうっすよ……こんな時の真岡先輩って最強じゃないですか……」

 嶋田は一年だから圧倒的に真岡との付き合いが短いはずなのに、数ヶ月の中でも彼のことを把握できているようだ。賢い後輩、と単純に評していいのかどうか。
 三者三様に吐いた溜息は、エンジンがかかった音に消されていった。
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