【完結】狐と竜の怪異専門探偵事務所~千年前に構った竜の子に現世で再会、溺愛執着されています~

オジカヅキ・オボロ

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06 怪異に遭おう6

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「あの……もしかして、今俺たちを助けてくれたのは、あなたですか」

 メンバーのうち一名はまだ喋るどころではないしもうひとりは介抱中、残るは部長とヒラとくれば、代表して喋るのは部長の真岡になる。

「……狐がやってきた。怪異に襲われているから助けて欲しいと」
「シロの言葉がわかるんですか?」

 思わず言うと、彼は瀧を見た。

「その狐は君の狐か」
「あ……はい」
「何故、黒い狐を?」

 真っ正面から美形に見つめられると逃げたくなるんだな、とわかりたくもなかったことを理解しつつ、瀧は答える。

「式神を呼び出す儀式で呼び出せたのがシロだけだったから、です」
「式神……? 君は陰陽師か?」
「いえ、家はそうですけど、オレは才能がなくて……ただの大学生です」
「そうか」

 何かを納得したのか、絶世の美形はひとつ頷くと瀧や真岡、西山、嶋田を順に一瞥した。

「……すぐに下山して家へ帰りなさい。無事でいたいのであれば」
「ええ?」
「忠告はした。行きなさい。あのふたつの木を過ぎれば車がある」
「あ……は、はい」

 静かに威圧する空気に圧され、四人は今度こそ真岡の車まで戻ってくる。

「な、なんだったんだ……」
「あの雰囲気、けっこう上位神族なんじゃ……」

 西山の呟きに、真岡が頭を振る。

「やめろやめろ、考えたくない。……だいたい、上位神族だったら人間なんか助けるわけないだろ。それに神族の特徴も出てなかったし……」
「まあ、それもそうだけど……気まぐれとかあるじゃん」
「助けてくれたわけだから感謝はするけど……特に嶋田、めちゃくちゃ深く感謝しておけよ」
「もちろんです……」

 はぁ、と溜息を吐いた嶋田は、まだすっかりいつも通りというわけではなさそうだ。

「なんだったんすかね、アレ」
「怪異だろうけど……なんの怪異だろう」
「山で定番なのは、声を返したら攫うとか、吊すとか、引き込むとかが定番だけど」
「山姥も定番ですね」
「追いかけてくる系の定番だな、山姥。前回は追いかけてくる系だったけど……」
「今回は……引き込む系?」
「かもな」

 すっかり囲まれて、追い込まれた感があった。あのままだと逃げられなかった可能性が高い。奥の手としてシロに攻撃を委ねる方法があったが、それでも無事でいられたかは五分というところだろう。

「とりあえず、記録して移動するか……皆、迂闊な行動はするなよ」
「スマホにメモっときます」

 早速メモアプリで今の出来事のメモを忘れないように取っていく。後でそれぞれがレポートを書くための材料だ。
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