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「おれはビビりだからホラーとか苦手でその手のやつ観なかったけど、まあだいたいそんな感じだったろ。……でも、ブログとか配信のまとめとか、情報サイトは読んでてさ。最近その中で何人か『例の動画の大本を見つけたからこれから観てくる!』って書き込んで、その後は音沙汰ないってパターンが何件かあって」
「えっ」
「もちろんその後、報告を忘れてたとか面倒でやらなかったとか、ID変えた愉快犯とか色々あるかもしれないけど。でも、ちょっとしてから、それっぽい人が変死したとか失踪したって話を聞いたりしたんだよ。だからあの動画、大半は偽物でも本物があるんじゃないかって思ってて」
「…………」
「そしたらイトコから昨日連絡来てさ。『お兄ちゃんがいなくなった』って、半泣きで。話聞いたら例の動画観たって」
兄ひとり妹ひとりの兄妹で、仲は悪くなかったらしい。失踪する前も家族間の喧嘩や諍い、友人関係も特に問題はなかったという。
「さすがに三日も連絡取れなかったら心配するよな。おれだって兄妹じゃなくてもおまえらの誰かがいなくなったら心配するし」
「西山センパイ、ちょいちょい感動させてくるの止めてもらっていいですか」
「なんでだよ。感動するならしとけよ。……で、おれがオカルト研究会に入ってるってこと知ってたから、何かわかることがあるんじゃないか……ってさ」
「兄思いのいい妹だな……」
「おれもそんな妹か姉ちゃんほしかったっす……」
嶋田は姉と妹に挟まれた長男だ。本人曰く小さな頃から姉には虐げられ、長じてからは妹のワガママに振り回されているらしい。
優秀な兄ふたりに対する引け目を感じている瀧にしてみれば、兄妹仲が良いのも羨ましい。
「それで、その兄貴の行方を捜せって?」
「いや、そっちは警察と陰陽師に頼ってるらしいんですけど」
「……金持ちか……」
一般人が陰陽師に事件解決を依頼することはできる。
陰陽師は警察同様の公僕だが、組織としては陰陽寮として政治からは独立している。民間の陰陽師もいるにはいるが、腕前はピンキリだ。
公僕の陰陽師はたとえば瀧の実家の壬司家、陰陽師家としては最大の土御門家がある。いずれも名門だが、しかるべき手続きを踏めば、料金はかかるが事件解決率は高い。
料金はおおよそ能力や腕前に比例していると言われている。
「どんな陰陽師かまでは聞いてないけど」
「肝心の兄貴のほうは俺たちには関係ないってことだな? じゃあ結局、俺たちにはどうしてほしいんだ?」
真岡の問いに、西山は難しい顔をしつつ右手で顎のあたりを撫でた。
「その動画を見つけて、消してほしいって」
想定外の依頼内容に、瀧・真岡・嶋田の三人は顔を見合わせた。
「動画って投稿サイトにアップされてるなら、そっちに連絡すれば一発じゃねえの?」
「おれもイトコから言われた時に軽く調べたんだけど、どうも大本は個人サイトっぽいんだよ。プロバイダが絞れなかったってことは、個人サーバーなのかもしれない。投稿サイトのほうは、転載された端から削除されてるっぽいけど。けっこう大手の動画配信サービスでも、配信動画は削除されたみたいで……だからそっちのほうは考えなくていい」
およそ動画をアップできるあらゆるサービスにアップされていたようだが、徹底的な削除のお陰で最初にアップされてから一年以上経った今では動画にまつわる噂も下火だ。すっかり都市伝説になっている。
「えっ」
「もちろんその後、報告を忘れてたとか面倒でやらなかったとか、ID変えた愉快犯とか色々あるかもしれないけど。でも、ちょっとしてから、それっぽい人が変死したとか失踪したって話を聞いたりしたんだよ。だからあの動画、大半は偽物でも本物があるんじゃないかって思ってて」
「…………」
「そしたらイトコから昨日連絡来てさ。『お兄ちゃんがいなくなった』って、半泣きで。話聞いたら例の動画観たって」
兄ひとり妹ひとりの兄妹で、仲は悪くなかったらしい。失踪する前も家族間の喧嘩や諍い、友人関係も特に問題はなかったという。
「さすがに三日も連絡取れなかったら心配するよな。おれだって兄妹じゃなくてもおまえらの誰かがいなくなったら心配するし」
「西山センパイ、ちょいちょい感動させてくるの止めてもらっていいですか」
「なんでだよ。感動するならしとけよ。……で、おれがオカルト研究会に入ってるってこと知ってたから、何かわかることがあるんじゃないか……ってさ」
「兄思いのいい妹だな……」
「おれもそんな妹か姉ちゃんほしかったっす……」
嶋田は姉と妹に挟まれた長男だ。本人曰く小さな頃から姉には虐げられ、長じてからは妹のワガママに振り回されているらしい。
優秀な兄ふたりに対する引け目を感じている瀧にしてみれば、兄妹仲が良いのも羨ましい。
「それで、その兄貴の行方を捜せって?」
「いや、そっちは警察と陰陽師に頼ってるらしいんですけど」
「……金持ちか……」
一般人が陰陽師に事件解決を依頼することはできる。
陰陽師は警察同様の公僕だが、組織としては陰陽寮として政治からは独立している。民間の陰陽師もいるにはいるが、腕前はピンキリだ。
公僕の陰陽師はたとえば瀧の実家の壬司家、陰陽師家としては最大の土御門家がある。いずれも名門だが、しかるべき手続きを踏めば、料金はかかるが事件解決率は高い。
料金はおおよそ能力や腕前に比例していると言われている。
「どんな陰陽師かまでは聞いてないけど」
「肝心の兄貴のほうは俺たちには関係ないってことだな? じゃあ結局、俺たちにはどうしてほしいんだ?」
真岡の問いに、西山は難しい顔をしつつ右手で顎のあたりを撫でた。
「その動画を見つけて、消してほしいって」
想定外の依頼内容に、瀧・真岡・嶋田の三人は顔を見合わせた。
「動画って投稿サイトにアップされてるなら、そっちに連絡すれば一発じゃねえの?」
「おれもイトコから言われた時に軽く調べたんだけど、どうも大本は個人サイトっぽいんだよ。プロバイダが絞れなかったってことは、個人サーバーなのかもしれない。投稿サイトのほうは、転載された端から削除されてるっぽいけど。けっこう大手の動画配信サービスでも、配信動画は削除されたみたいで……だからそっちのほうは考えなくていい」
およそ動画をアップできるあらゆるサービスにアップされていたようだが、徹底的な削除のお陰で最初にアップされてから一年以上経った今では動画にまつわる噂も下火だ。すっかり都市伝説になっている。
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