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「……逆に、徹底的すぎて気になるな」
噂のあった動画だけでなく、配信・実況動画まで削除するのはやりすぎの印象も受ける。それに『誰が』削除させたのかも気になるところだ。
権限がありそうな陰陽師なり陰陽寮なりが動いているなら、かえって動画の噂に信憑性があるのではないか。
「普通に通報しただけで関連動画の投稿が消されるっていうのも、不自然な感じがするよな」
「アレじゃないですか、当局の権限ってやつ」
「それならそれで、どうして当局が関連動画まで消してるか、不思議だろ。配信者が何か言ってたりしないのかって疑問もあるし」
瀧の突っ込みに、嶋田はさらに頭を捻る。
「当局のお偉いさんの身内が本物に当たったから……とか?」
「ありえるな、それ」
意外にも真岡が頷く。
「それで西山のイトコが行方不明になった原因が本当にその動画だっていうなら、警察なり陰陽師なりは、まだ本物の動画を突き止められていないってわけだ。少なくとも西山のイトコが行方不明になった時点では」
「……なんとなく納得できますね」
「説得力あるっす」
「さすが言いくるめの真岡」
「嫌な二つ名を付けるな」
西山の肩を叩くが、顔は笑っている。
「それで……そういう動画がマジで存在するとして、警察や陰陽師を出し抜いて俺たちが見つけるまではもしかしたらできるかもしれないが、削除できるかは……また別の話になるな……」
「とりあえず、見つけるだけ見つけてみて、見つけたら警察に通報したら陰陽寮に連絡が行くんじゃないですか?」
「それが一番か」
いい感じにやれることがわかった、と一堂が納得しかけた時だ。
「……で、見つけた動画が本物か偽物かって、どうやって判別つけるんです?」
嶋田の素朴かつ一番重要な問いに、場の全員が黙った。
「…………」
「…………」
「…………」
判断してくれる存在に、心当たりがないわけではない。
瀧が、自分の前の席に座る梓玥へ視線をやる。その視線を受け、梓玥はかすかに微笑んだように見えた。
「君たちが私と約束をしてくれるなら、私が判別しよう」
「約束?」
「そう。……捜索は全員が揃った場でのみ、ひとりや家ではしないこと。それらしい動画を見つけたらすぐに申告すること」
梓玥の条件は難しいものではない。この場でのみ捜索するということだけ守れば、なんとかなりそうだ。
「わかりました」
「そうします」
「了解です!」
「わかった」
四人それぞれが頷く。
「よろしい」
梓玥は横に置いていた本革の薄いサコッシュの中から、四台のタブレット端末を取り出す。
「この場にいる時は、これを使って。ノートパソコンもあるから、そちらがよければそちらでも。そして、毎回解散の時に返して」
西山がタブレットとサコッシュを交互に見る。
「……えっ、ちょっと待って、サコッシュにタブレット四つも入る余裕あった?」
「デカいけど薄いタブレットだからいけるんじゃないかな……」
「えっ、でもサコッシュのほうが小さくない!?」
「世の中は怪異で溢れてるってことだろ、きっと」
西山の思わず素が出た当然の問いを、真岡が半笑いで流す。深く考えてはいけないことは、たしかにこの世の中たくさんありそうだ。特に梓玥のことに関しては。
そうしてサコッシュの中からは、タブレットばかりかモバイルバッテリーもコードもそれぞれ四つ出てきたし、最後には梓玥本人の私物らしいノートパソコンまで出てきた。何か言おうとした西山の口を真岡が手で塞ぐ。それが正解だ。
タブレットのセットアップから始まる。どうやら梓玥のノートパソコン以外は全部新品だとわかった。以前から用意したものではないと思うが、そうならずいぶん用意周到としか言いようがない。
(バッグの中身がどうなっているのか、いつか見せてもらおう)
密かに決意するとセットアップを終了させた。
その日は収穫がなく、一度タブレットを黎如に返却した。
それから毎日昼と講義後に集まり、五人で動画を探し始めて二週間が過ぎた、ある日。
噂のあった動画だけでなく、配信・実況動画まで削除するのはやりすぎの印象も受ける。それに『誰が』削除させたのかも気になるところだ。
権限がありそうな陰陽師なり陰陽寮なりが動いているなら、かえって動画の噂に信憑性があるのではないか。
「普通に通報しただけで関連動画の投稿が消されるっていうのも、不自然な感じがするよな」
「アレじゃないですか、当局の権限ってやつ」
「それならそれで、どうして当局が関連動画まで消してるか、不思議だろ。配信者が何か言ってたりしないのかって疑問もあるし」
瀧の突っ込みに、嶋田はさらに頭を捻る。
「当局のお偉いさんの身内が本物に当たったから……とか?」
「ありえるな、それ」
意外にも真岡が頷く。
「それで西山のイトコが行方不明になった原因が本当にその動画だっていうなら、警察なり陰陽師なりは、まだ本物の動画を突き止められていないってわけだ。少なくとも西山のイトコが行方不明になった時点では」
「……なんとなく納得できますね」
「説得力あるっす」
「さすが言いくるめの真岡」
「嫌な二つ名を付けるな」
西山の肩を叩くが、顔は笑っている。
「それで……そういう動画がマジで存在するとして、警察や陰陽師を出し抜いて俺たちが見つけるまではもしかしたらできるかもしれないが、削除できるかは……また別の話になるな……」
「とりあえず、見つけるだけ見つけてみて、見つけたら警察に通報したら陰陽寮に連絡が行くんじゃないですか?」
「それが一番か」
いい感じにやれることがわかった、と一堂が納得しかけた時だ。
「……で、見つけた動画が本物か偽物かって、どうやって判別つけるんです?」
嶋田の素朴かつ一番重要な問いに、場の全員が黙った。
「…………」
「…………」
「…………」
判断してくれる存在に、心当たりがないわけではない。
瀧が、自分の前の席に座る梓玥へ視線をやる。その視線を受け、梓玥はかすかに微笑んだように見えた。
「君たちが私と約束をしてくれるなら、私が判別しよう」
「約束?」
「そう。……捜索は全員が揃った場でのみ、ひとりや家ではしないこと。それらしい動画を見つけたらすぐに申告すること」
梓玥の条件は難しいものではない。この場でのみ捜索するということだけ守れば、なんとかなりそうだ。
「わかりました」
「そうします」
「了解です!」
「わかった」
四人それぞれが頷く。
「よろしい」
梓玥は横に置いていた本革の薄いサコッシュの中から、四台のタブレット端末を取り出す。
「この場にいる時は、これを使って。ノートパソコンもあるから、そちらがよければそちらでも。そして、毎回解散の時に返して」
西山がタブレットとサコッシュを交互に見る。
「……えっ、ちょっと待って、サコッシュにタブレット四つも入る余裕あった?」
「デカいけど薄いタブレットだからいけるんじゃないかな……」
「えっ、でもサコッシュのほうが小さくない!?」
「世の中は怪異で溢れてるってことだろ、きっと」
西山の思わず素が出た当然の問いを、真岡が半笑いで流す。深く考えてはいけないことは、たしかにこの世の中たくさんありそうだ。特に梓玥のことに関しては。
そうしてサコッシュの中からは、タブレットばかりかモバイルバッテリーもコードもそれぞれ四つ出てきたし、最後には梓玥本人の私物らしいノートパソコンまで出てきた。何か言おうとした西山の口を真岡が手で塞ぐ。それが正解だ。
タブレットのセットアップから始まる。どうやら梓玥のノートパソコン以外は全部新品だとわかった。以前から用意したものではないと思うが、そうならずいぶん用意周到としか言いようがない。
(バッグの中身がどうなっているのか、いつか見せてもらおう)
密かに決意するとセットアップを終了させた。
その日は収穫がなく、一度タブレットを黎如に返却した。
それから毎日昼と講義後に集まり、五人で動画を探し始めて二週間が過ぎた、ある日。
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