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47 手がかりを求めて1
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学内だから、と思うことにして、西山とまず表門の守衛室へ向かう。
「タキさ、体もう大丈夫か?」
「え。大丈夫です」
「そか。黎サンも休んでたし、平日丸々だから一週間以上だろ? さすがに真岡も嶋田も心配してたからさー。インフルエンザだって?」
どうやって休みを誤魔化したのかと思ったが、たしかにインフルエンザなら一週間ほど休んでいても無理はない。季節外れではあるが。
嘘をつくのは心苦しいが、本当のことをすべて話しても、今は信じてもらえないだろう。だから話を合わせることにした。
「そうですね、しんどかったです」
「おれと嶋田はけっこうな悪夢見てさ。でも一晩だけだったし、後はなんもなし。真岡が二晩続けて悪夢見たって言ってたけど、おれらのほうはそれくらいかな。タキはインフルエンザのほうに行ったんだな……」
動画事件の後だったから、休んだ理由を都合良く解釈してくれているらしい。
本当のことを告げるとしても、彼らは瀧がプールで狐の姿になったことも覚えていないだろうから、変に混乱させてしまう可能性があった。それは避けたい。
「ってことは、黎サンが看病してくれたってことか?」
「まあ……そうなりますね」
それは事実だから頷いておく。
「……それは……大丈夫なのか……?」
梓玥の正体が大陸と倭国の神だとは伏せてあるが、大陸の竜神族関係者であることは皆察している。どのみち『そんな偉い方が自らヒトの世話を?』という疑問は抜けないし、大陸のほうに知られれば問題にもなりそうだ。
瀧はぎこちなく頷く。
「梓玥さんは……好きでやってることだからって言ってたので……」
「何があっても庇ってもらえよ……」
「はい……」
狐の時は寄る辺ない身だったが、今はただのヒトだ。神族から何か圧力がかかったら、陰陽師の家であっても家が潰れかねない。
(……そういえば、梓玥の周りの方たちってどうなってるんだろう)
神の一柱をほいほい出歩かせていていいのだろうか。とはいえ、どんな護衛よりも本人が一番強そうだとは思うが。このことはいずれ聞いてみよう。
正門の守衛室は、外来の客の案内も請け負う。八人ほどいる正門の守衛は、交代で番をしていた。
基本的にセンサーがあるのでヒト以外が入ってくることはないしヒトかそれ以外かを見分ける程度のセンサーでも充分に用を為す。が、梓玥のようにセンサーすら騙せる相手の場合はどうしようもない。
そういう手合いが関わっていないといいのだが。
「この二ヶ月くらい? そうだなあ、おれぁ変なのは見なかったが……安っさんはどうだい?」
「おれも見てねえな。ああ、でも信さんがちょっと引っかかること言ってた気がするなぁ」
「どんなこと言ってたんです?」
「センサーが跳ねただとかなんとか……」
「センサーが? ヒトじゃない者が校内に入ったってこと?」
「そこまではわかんねえなあ。信さんに直接訊くといい」
「その信さんは今どこに?」
「今の時間なら警邏に回ってるかな。時間的に五分か十分で戻ってくると思うが」
それくらいの時間なら待たせてもらおうと、守衛室の外に出る。守衛室は五人も入れば一杯で、中にいるのは体格の良いふたりだったから、手狭だったせいだ。
「センサーって、なんでついてるんだっけ」
「獣人以上の方がヒトの大学に何の用事があるのかって話になるじゃないですか」
「もてなしをそれなりにしなきゃいけないとか?」
「それもあると思いますけど、ヒトが神族や獣人の方たちと問題起こして逃げてきた場合とか、めちゃくちゃ問題あるじゃないですか」
「ああー……」
ごたごたするだろうことが想像できたのだろう、西山は「なるほどな」と頷く。
「タキさ、体もう大丈夫か?」
「え。大丈夫です」
「そか。黎サンも休んでたし、平日丸々だから一週間以上だろ? さすがに真岡も嶋田も心配してたからさー。インフルエンザだって?」
どうやって休みを誤魔化したのかと思ったが、たしかにインフルエンザなら一週間ほど休んでいても無理はない。季節外れではあるが。
嘘をつくのは心苦しいが、本当のことをすべて話しても、今は信じてもらえないだろう。だから話を合わせることにした。
「そうですね、しんどかったです」
「おれと嶋田はけっこうな悪夢見てさ。でも一晩だけだったし、後はなんもなし。真岡が二晩続けて悪夢見たって言ってたけど、おれらのほうはそれくらいかな。タキはインフルエンザのほうに行ったんだな……」
動画事件の後だったから、休んだ理由を都合良く解釈してくれているらしい。
本当のことを告げるとしても、彼らは瀧がプールで狐の姿になったことも覚えていないだろうから、変に混乱させてしまう可能性があった。それは避けたい。
「ってことは、黎サンが看病してくれたってことか?」
「まあ……そうなりますね」
それは事実だから頷いておく。
「……それは……大丈夫なのか……?」
梓玥の正体が大陸と倭国の神だとは伏せてあるが、大陸の竜神族関係者であることは皆察している。どのみち『そんな偉い方が自らヒトの世話を?』という疑問は抜けないし、大陸のほうに知られれば問題にもなりそうだ。
瀧はぎこちなく頷く。
「梓玥さんは……好きでやってることだからって言ってたので……」
「何があっても庇ってもらえよ……」
「はい……」
狐の時は寄る辺ない身だったが、今はただのヒトだ。神族から何か圧力がかかったら、陰陽師の家であっても家が潰れかねない。
(……そういえば、梓玥の周りの方たちってどうなってるんだろう)
神の一柱をほいほい出歩かせていていいのだろうか。とはいえ、どんな護衛よりも本人が一番強そうだとは思うが。このことはいずれ聞いてみよう。
正門の守衛室は、外来の客の案内も請け負う。八人ほどいる正門の守衛は、交代で番をしていた。
基本的にセンサーがあるのでヒト以外が入ってくることはないしヒトかそれ以外かを見分ける程度のセンサーでも充分に用を為す。が、梓玥のようにセンサーすら騙せる相手の場合はどうしようもない。
そういう手合いが関わっていないといいのだが。
「この二ヶ月くらい? そうだなあ、おれぁ変なのは見なかったが……安っさんはどうだい?」
「おれも見てねえな。ああ、でも信さんがちょっと引っかかること言ってた気がするなぁ」
「どんなこと言ってたんです?」
「センサーが跳ねただとかなんとか……」
「センサーが? ヒトじゃない者が校内に入ったってこと?」
「そこまではわかんねえなあ。信さんに直接訊くといい」
「その信さんは今どこに?」
「今の時間なら警邏に回ってるかな。時間的に五分か十分で戻ってくると思うが」
それくらいの時間なら待たせてもらおうと、守衛室の外に出る。守衛室は五人も入れば一杯で、中にいるのは体格の良いふたりだったから、手狭だったせいだ。
「センサーって、なんでついてるんだっけ」
「獣人以上の方がヒトの大学に何の用事があるのかって話になるじゃないですか」
「もてなしをそれなりにしなきゃいけないとか?」
「それもあると思いますけど、ヒトが神族や獣人の方たちと問題起こして逃げてきた場合とか、めちゃくちゃ問題あるじゃないですか」
「ああー……」
ごたごたするだろうことが想像できたのだろう、西山は「なるほどな」と頷く。
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