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53 解決編3
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「利用の目的は嫌がらせ。嫌がらせの対象は、主に真岡を含めた土御門と瀧と私に対して。……瀧に対しては、嫌がらせではない意味のほうが多大だ」
「オレまで?」
「俺もですか?」
「そう。真岡は……とばっちりと言えなくもない。事件を大きくすることで土御門本家がどう動くか、どう対処をとるか見たかったんだろう。結果としては、動画の削除と末端の土御門家による被害者たちの錯乱の解除などで済んだと思う」
「その通りです」
真岡が頷く。西山は腑に落ちない顔で腕を組み、じっと梓玥を見つめた。彼自身も何か考えているが、答えが見付からないという感じだ。
「真岡に対してが土御門本家に対する嫌がらせだっていうのはわかったけど、タキちゃんに対してっていうのは?」
「そういえばそっちが残ってましたね、よく覚えてましたね西山センパイ」
「おれは興味があることには色々な欲と記憶は貪欲なんだ」
胸を張って言うことだろうか。だがこの同好会には必要なことかもしれない。
(好奇心旺盛ってことだもんな。……時々危ないことになったけど……)
梓玥との出会いの発端となった事件ふたつとも、西山がきっかけで危なくなった。真岡と瀧の力があったとしても、どこまで防げたかはわからないし――防ぎきれなかったから現在に至るのだろう。
「動画を別の目的に使った犯人の目的が、瀧と私」
「別の目的……って?」
「基本的には瀧に対し、正体の現状の確認。また、瀧の傍にいる私に対する詮索や様子見」
「……なんか、さらっとすごいこと聞いた気がするけど」
「そこはスルーしてください」
真岡にこそりと耳打ちする。
「黎さんに喧嘩売るのも詮索も確認もすごく嫌な感じがする言葉ですけど、もしかしなくてもこっちでも神族が関わっていたりします……?」
「正解」
「うわー、当たってほしくなかったぁ」
椅子の背もたれにどっかりと凭れた西山が上体を仰け反らせて天を仰ぐ。
(オレも同じ気持ちですよ……)
おそらく皆同じ気持ちで、目がどこか遠くを見ている。梓玥以外の神族との接点がないせいもあるし、一般的に神族には関わらないほうがいいという風潮のせいもある。
気を取り直したのは真岡が早かった。
「水落鬼のほうも動画のほうも、神族が関わってる……同じ神族か?」
「手口はちょっと違う気がするけど……」
水落鬼は水落鬼自体の手配は陰陽師にやらせた。動画のほうは既存の動画を上書きして多くの人を巻き添えにしている。ふたつを並べた時に、目的が同じだとは思えない。
(水落鬼を何のためにプールに放ったのか、梓玥さんは言ってないけど……それも目的がオレなら、違うようで同じ目的ってことか)
狙うなら他人を巻き込まないようにしてほしい。そこについては怒っている。
「それにしても黎さんに喧嘩売るって……竜神族に喧嘩を売るって、相当じゃないですか?」
真岡がおそるおそるながらもしっかり梓玥を見ているのは、彼にだいぶ慣れたということだろうか。
竜神族は神族の序列でもトップ。温厚な一族ではあるが、『竜の逆鱗』の言葉があるように、一度怒らせると何が起こるかわからない。竜の能力によっては酷い天災を引き起こすこともあるという記述は史書にある。かつてのその時は、竜神国を壊滅に追い込みかけたとか。
「相手は、私が瀧の傍にいることを知らなかった」
「えっ?」
「……あ、姿や素性を隠してたからってことですか?」
気付いたのは真岡が早かった。他の者たちより術と馴染みが深いからだろう。ハッとした顔で全員が梓玥を見る。「そう」と梓玥が頷いた。
「今この瞬間も、彼らには私が知覚できていない」
「オレまで?」
「俺もですか?」
「そう。真岡は……とばっちりと言えなくもない。事件を大きくすることで土御門本家がどう動くか、どう対処をとるか見たかったんだろう。結果としては、動画の削除と末端の土御門家による被害者たちの錯乱の解除などで済んだと思う」
「その通りです」
真岡が頷く。西山は腑に落ちない顔で腕を組み、じっと梓玥を見つめた。彼自身も何か考えているが、答えが見付からないという感じだ。
「真岡に対してが土御門本家に対する嫌がらせだっていうのはわかったけど、タキちゃんに対してっていうのは?」
「そういえばそっちが残ってましたね、よく覚えてましたね西山センパイ」
「おれは興味があることには色々な欲と記憶は貪欲なんだ」
胸を張って言うことだろうか。だがこの同好会には必要なことかもしれない。
(好奇心旺盛ってことだもんな。……時々危ないことになったけど……)
梓玥との出会いの発端となった事件ふたつとも、西山がきっかけで危なくなった。真岡と瀧の力があったとしても、どこまで防げたかはわからないし――防ぎきれなかったから現在に至るのだろう。
「動画を別の目的に使った犯人の目的が、瀧と私」
「別の目的……って?」
「基本的には瀧に対し、正体の現状の確認。また、瀧の傍にいる私に対する詮索や様子見」
「……なんか、さらっとすごいこと聞いた気がするけど」
「そこはスルーしてください」
真岡にこそりと耳打ちする。
「黎さんに喧嘩売るのも詮索も確認もすごく嫌な感じがする言葉ですけど、もしかしなくてもこっちでも神族が関わっていたりします……?」
「正解」
「うわー、当たってほしくなかったぁ」
椅子の背もたれにどっかりと凭れた西山が上体を仰け反らせて天を仰ぐ。
(オレも同じ気持ちですよ……)
おそらく皆同じ気持ちで、目がどこか遠くを見ている。梓玥以外の神族との接点がないせいもあるし、一般的に神族には関わらないほうがいいという風潮のせいもある。
気を取り直したのは真岡が早かった。
「水落鬼のほうも動画のほうも、神族が関わってる……同じ神族か?」
「手口はちょっと違う気がするけど……」
水落鬼は水落鬼自体の手配は陰陽師にやらせた。動画のほうは既存の動画を上書きして多くの人を巻き添えにしている。ふたつを並べた時に、目的が同じだとは思えない。
(水落鬼を何のためにプールに放ったのか、梓玥さんは言ってないけど……それも目的がオレなら、違うようで同じ目的ってことか)
狙うなら他人を巻き込まないようにしてほしい。そこについては怒っている。
「それにしても黎さんに喧嘩売るって……竜神族に喧嘩を売るって、相当じゃないですか?」
真岡がおそるおそるながらもしっかり梓玥を見ているのは、彼にだいぶ慣れたということだろうか。
竜神族は神族の序列でもトップ。温厚な一族ではあるが、『竜の逆鱗』の言葉があるように、一度怒らせると何が起こるかわからない。竜の能力によっては酷い天災を引き起こすこともあるという記述は史書にある。かつてのその時は、竜神国を壊滅に追い込みかけたとか。
「相手は、私が瀧の傍にいることを知らなかった」
「えっ?」
「……あ、姿や素性を隠してたからってことですか?」
気付いたのは真岡が早かった。他の者たちより術と馴染みが深いからだろう。ハッとした顔で全員が梓玥を見る。「そう」と梓玥が頷いた。
「今この瞬間も、彼らには私が知覚できていない」
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