【完結】狐と竜の怪異専門探偵事務所~千年前に構った竜の子に現世で再会、溺愛執着されています~

オジカヅキ・オボロ

文字の大きさ
68 / 68

番外編 3(情事3)*終

しおりを挟む
 身を捩るのはくすぐったいのか、感じてくれているのか。できれば後者であってほしい。
 浅くから深くまで抽挿を繰り返すうち、瀧の感じるところを見つけたいからついつい凝視してしまう。けれどそれも、彼のほうから腰を揺すってくれるようになるまでのことだ。
 すぐに余裕がなくなってしまう。
 彼の腰を抱く手の指も力が入り、深くまで繋がりたいから奥を突き、捏ねてしまうのは止められない。

「あ、っあ、しげ、つ……そんな、奥、ばっか……!」
「すまない……たえられ、ない」

 好きな人を好きにしていいなんて、理性も何もかもの歯止めなんて吹っ飛ぶ。

「ろう……ッ」

 果てる時もナカから出すなんてことは思いもよらず、熱のすべてを瀧へ注いでしまう。

「あ……ッぁ……」

 しがみついてくれる瀧も、精を放ったようで、荒い呼吸を繰り返している。
 貪るという言葉がぴったりの情交は、一度で終わることは稀だ。けれど今日はここで止めておいて、瀧を抱きしめることにした。あまり求めすぎて、体ばかりと思われるのも困るから。

「ンッ、……? どうした?」
「……抱きしめて」

 簡潔にねだると、瀧は優しく微笑んでくれる。瀧耀の頃と変わらない。

「体は大きくなったのに、甘えん坊な竜だな……よしよし」

 体を離した後、梓玥は瀧の隣に寝そべると、早速瀧が腕を伸ばして抱きしめてくれる。彼の胸に耳を付けるようにして抱きしめられた。

「図体はオレより大きくなっても、かわいいのは昔と変わらないな……」

 頭の上でくすくすと笑う気配。
 反論したかったが、瀧が楽しそうなところに水を差したくはない。となると、甘んじて頭を撫でる手も受け入れなければならなかった。

「いつからこんな風にオレのこと好きになってたんだ」

 オレはてっきり近所のお兄さんに懐いてるのと変わりないと思ってたぞ、と言われて少しだけ考える。

「わからない」
「わからない?」
「最初からずっと気になっていたし、感情の種類を理解して思い返せば、ずっと好きだったんだと思う」
「…………じゃあ、抱きたいって思ったのは?」
「…………」
「なんで黙るんだよ」

 それはそうだ、おいそれと口を割れる話ではない。
 少なくとも幼い頃は別だったはずで――だとすると、長じてからずっとということになってしまうが。

「……まあ……何百年かの分を溜め込んでたのか、再会してからなのかはわかんないけど。よく諦めなかったな」
「諦められていたら、今こうしてはいない」
「それはそう……」

 よしよし、と頭を撫でられるのは嫌いではない。甘やかされているのか、あやされているのか、紙一重だとは思うが。
 ふあ、と瀧が欠伸した気配。もう随分遅い時間だ。

「寝よう……ねむい」
「ん。明日は三限からだから、少し遅く起こすから」
「うん……よろしく……」

 語尾が溶けていく。呼吸が寝息に変わったのを感じると、毛布をかけた。梓玥も目を閉じる。
 好きな人の腕の中で眠るのが、こんなに温かく甘く安心するものだと、初めて知ったと思う。だから絶対に手放さないし、邪魔をする者があれば排除する。それが同じ神であろうとも。
 決意を新たにすると、瀧の心音を聞きながら目を閉じ、穏やかな眠りについた。













 *******

読了ありがとうございました!
票がもし余っていれば投票してくださると嬉しいです!!!
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...