目付きの悪い俺が黒猫に振り回されてます。

海野(サブ)

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中編

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「の、飲み過ぎたぁ……」

 飲み会が終わり、灰島さんと銀原君と別れた後。深夜の公園で、俺はベンチでうなだれていた。まだアルコールが抜けていない。少し離れた街灯だけが俺達を照らしていた。

「ほらシロウ、水買ってきたよ。」

「あ、ありがとう…」

 そう言ってクロはペットボトルを差し出してきた。俺は感謝してペットボトルを受け取り、それを飲んだ。無味無臭ではあるが身に沁みる。

「ふう、生き返った…」

「シロウったら飲み過ぎだよ。普段そんなに飲まないのに。」

「いやぁ……2人のペース、というより灰島さんのペースがすごくて、つい…」

 灰島さん。次から次へとお酒を飲み続けて、気づけば俺達も巻き込まれていつもより飲んでしまった。銀原君また吐かないか心配だな。
 けど、2人で帰っていったからおそらくそのままどちらかの家に行くのか、もしくは…まぁ、他人が詮索することではない。

「というかクロ。今更だけどお前、お酒飲んでなかったよな…?」

 会話に夢中になっていたが、クロはお酒を飲んでおらずジュースばかり飲んでいた気がする。

「いやだって、僕まで酔ったらシロウのこと守れないでしょ?」

「いやいや……こんな目付き悪い俺に危害加えようとするやついないだろ。」

 俺は自虐する感じで乾いた笑いをした。
 喧嘩売られることは度々あったが、大半は俺にびびって逃げていくので、それに関しては悪い顔で良かったとは思う。

「そうじゃなくて、こんな風に…」

 そのままクロはベンチの上で俺を押し倒してきた。そして服の下に指を入れて、スーッと腹部辺りを軽く撫でてきた。

「誰かに押し倒されて、誘惑されて、そのままパクって……ね?」

「お、襲うってそっち……?そっちでも俺のこと襲うやついないだろ……」

 お前以外は、とまで口に出そうになったがそれは我慢した。

「いーや、シロウの中身知れば手を出すやつだっているよ?あの2人は恋人同士になったばかりだったから良かったけど、もしかしたらあの2人のどっちか、いや、どっちにも襲われてたかもだし…」

「そんなことする人じゃないしいつまで疑ってるんだお前は…ひゃっ!」

 指が上の方まで侵入して、乳首に触れて俺は思わず情けない声を出した。

「だ、だめ……こ、こえ我慢できなくなるから…せ、せめてい、家に帰ってからに…」

 いくら深夜で人が居ないとはいえ、こんな場所でおっ始めたら通報されたりして最悪警察行きになっちまう。触られるだけで喘ぎ声出そうなのに我慢出来るわけない。

「……そーいうとこ、そういうとこー!!」

「お、おま…いま夜中…」

 しかし何故かクロは思いっきり叫んだ。

「シラフの時のシロウはぜぇーたい!『馬鹿野郎!ここ外だぞ!や、やめろ!せめて家に帰ってからにしろっ。』って止めるじゃん!そんな寛容じゃないじゃん!!」

「そ、それは…」

 いやだって、クロに誘惑されたら拒むなんてことできないし、ヤるならせめて家に帰ってからじゃないと俺が我慢出来ないと思ったからで…

「もー、本当に危なっかしいなぁシロウは…」

「……心配、してくれてるのか…?」

「……まぁね。けど、シロウが思っているような心配じゃないよ。僕のただのわがままなだけ。もちろん、シロウが傷ついてほしくないって気持ちもちゃんとあるけどね。」

 クロは俺の身体に触れていた手を離した。どうやら本気でヤるつもりはなかったらしい。
 
 俺は身体を起こして、そしてそのままクロに抱きついた。

「わっ!ちょ、もー酔っ払ってる時は大胆になるんだからー。」

「た、たとえ他の奴らに誘惑されたり押し倒されたりしても…あんな風なこと言うつもりもないし、行動も取らない…クロにしか…しない…」

 まぁクロに会う前にもの代わりの奴がそんなことしてきたら人の温もりに飢えていた俺は受け入れたかもしれない。
 けど、今はクロだけだ。クロだから受け入れたい。

「……とりあえず、もう今日は家に帰ろっか♪これ以上は僕の方が持たない気がするから。」

「あ、あぁ……ところで、家に帰ったら…ヤ、ヤるのか…?」

 今日もクロは人間状態でいたから、妖力が減っているのかもしれない。

「もー!だからそういうとこだってー!早く酔い覚ましてよー!」

 と文句を言っていたが、クロの表情は複雑そうで、けど面白いのか笑っていた。
 
 やっぱり、クロは笑っている方がいい。ずっとその方が魅力的だ。
 酔ってる今なら、俺の本音を言えばクロは流してくれるだろうか。流されたら流されたで落ち込むが。

「…クロ……俺…」

 口を開いたその瞬間、突如後頭部に強い衝撃が加わった。
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