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第二章
第48話「隣の不穏」
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猫たちの訓練をしながら、のんきにまったり過ごしていた時のことだった。
馬車が家の前に来たと思ったら、アルフレッドが出てきた。
うしろには執事のじいを連れている。
今日はクレアは来ていないようだ。
伯爵様がじきじきに来たわけだけど、何かあったのだろうか……、ただ遊びに来ただけならいいんだけど。
◇
我が家のリビングで、アルフレッドは一息ついている。
向かい合うように、リルが座っていて、ミーナとライミーはリルの隣に座っている。
俺はリルの膝上だ。
「それにしても相変わらずお前たちには驚かされるな……」
アルフレッドがつい先ほどの光景を思い出すかのようにつぶやいた。
門からここに来るまでの間に、グリフォンたちがくつろいだり、猫と訓練をしているそばを通ってきたのだ。
終始緊張していたアルフレッドのことは責められない。
下手なサファリパークよりもスリルがあったことだろう。
「グリフォンたちのこと? 彼女たちは普通にしてれば安全だよ」
リルが伯爵のつぶやきに答えを返す。
グーリたちには余程の敵意を向けられないかぎり、人間には手を上げないように伝えてある。
グーリたちが彼女たちということは、今やリルも知るところだ。
「リルがそう言うならそうなんだろうけど、グリフォンはAランクの魔物だからなあ……。彼女?たちの戦力は、うちの騎士団をはるかにしのぐだろうからな」
アルフレッドの様子は驚きを通り越して、もはやあきれているようにも見える。
グリフ・ワルキューレの戦力的な評価は高い。
最近は猫たちも頑張ってるんだよ……。
「グリフォンたちの一番の戦力はあのモフモフだよ。気持ちいいんだからっ!」
グーリたちの羽毛のモフモフは、リルも絶賛している。
リルの料理はグリフォンたちにも大好評で、すでにリルのことを第二の主と仰いでいる。
料理を与え、モフらせてもらう。
それはギブアンドテイクであってwinwinの関係だ。
今後はグーリたちも狩りを手伝ってくれるし、とても幸せな関係ともいえる。
「そ、そうか……」
アルフレッドの顔が引きつっている。
グリフォンは俺と違い、見た目からして強者のたたずまいだからね。
ライオンがモフらせてくれると言われても、なかなかモフる勇気がある人は少ないだろう。
グーリたち、ライオンよりも強いしね。
見慣れると、グリフォンは愛嬌があって可愛いんだけどね。
「そういえばアルフレッドさん、今日は何か用事があったの? 言ってくれれば、リルたちが行ったのに」
アルフレッドには、この街で快適な暮らしをさせてもらってるから感謝している。
領地によっては、獣人や冒険者に厳しかったりするらしいからね。
アルフレッドの領地が快適すぎて、そのことを忘れそうになるくらいだ。
それにうちみたいにグリフォンを連れてると、その戦力を恐れて排除しようとする領主もいるかもしれない。
「そうだ。実はちょっとした報告があってな……。一応それを伝えにきたんだ」
「報告?」
「ああ、ここの隣の領地の新しい領主が決まってな。以前、俺たちが誘拐されて連れて行かれた領地のことだ」
おお……、あそこか。
アルフレッドとその娘のクレア、そしてリルが、傭兵団に誘拐されて一時的に連れて行かれたところだ。
俺が奪還するために襲撃したのが、アルフレッドたちがあの街に連れ込まれてすぐのタイミングだった。
傭兵団もその場にいた領主である侯爵も皆殺しにしてしまったんだった。
たしかその後、侯爵家断絶のため中央から新たな領主がやってくるだろうということだった。
この話ってミーナやライミーがいるところでしてもいいのかな。
アルフレッドが俺たちを信頼してくれているか、適当な性格をしているか判断が難しいところだ。
ほら、爺の顔が少し引きつっているよ。
「新しい領主が何か問題あるの?」
リルは、誘拐されたことはまるで気にしていない様子だ。
アルフレッドが報告しにきたくらいだから、何かあるのだろうか。
俺がやったことが一応のきっかけだから、一応報告してくれただけかもしれないけど。
「俺も新しい領主のことはよく知らないのだが、どうも中央の教会関係者らしくてな。金やコネで侯爵位を手に入れた人物とも噂されている。それに、どうもうちは教会からにらまれてるからな……。」
教会関係者か……。
あまり良い印象が無いやつらだ。
権力と結びついて、自分たちの都合の良いようにふるまうと聞いている。
獣人や他の神を信じる者たちを異端扱いするとも聞いている。
王都から距離があって自由な気風のこの伯爵領は、教会にとっては気に入らない部分もあるのだろう。
気に入らないと思われてるだけなら全然かまわない。
けど、こっちにちょっかいを出してくるのは勘弁してもらいたいものだ。
リルはあごに指をあてて何かを考えている様子だ。
「今度、狩りに行くついでに少し様子を見に行ってみようか?」
リルの問いかけは俺に対してのものだろう。
隣の領地の街や村を見て回るだけでも、何か変わったこととか分かるかもしれない。
新領主が実は案外良い奴で、杞憂に終わればそれにこしたことはないしね。
「クルニャーン!(そうだね。見に行ってみよう!)」
今のマッタリモフモフ生活をおびやかすことが起こらないことを切に願ったのだった。
馬車が家の前に来たと思ったら、アルフレッドが出てきた。
うしろには執事のじいを連れている。
今日はクレアは来ていないようだ。
伯爵様がじきじきに来たわけだけど、何かあったのだろうか……、ただ遊びに来ただけならいいんだけど。
◇
我が家のリビングで、アルフレッドは一息ついている。
向かい合うように、リルが座っていて、ミーナとライミーはリルの隣に座っている。
俺はリルの膝上だ。
「それにしても相変わらずお前たちには驚かされるな……」
アルフレッドがつい先ほどの光景を思い出すかのようにつぶやいた。
門からここに来るまでの間に、グリフォンたちがくつろいだり、猫と訓練をしているそばを通ってきたのだ。
終始緊張していたアルフレッドのことは責められない。
下手なサファリパークよりもスリルがあったことだろう。
「グリフォンたちのこと? 彼女たちは普通にしてれば安全だよ」
リルが伯爵のつぶやきに答えを返す。
グーリたちには余程の敵意を向けられないかぎり、人間には手を上げないように伝えてある。
グーリたちが彼女たちということは、今やリルも知るところだ。
「リルがそう言うならそうなんだろうけど、グリフォンはAランクの魔物だからなあ……。彼女?たちの戦力は、うちの騎士団をはるかにしのぐだろうからな」
アルフレッドの様子は驚きを通り越して、もはやあきれているようにも見える。
グリフ・ワルキューレの戦力的な評価は高い。
最近は猫たちも頑張ってるんだよ……。
「グリフォンたちの一番の戦力はあのモフモフだよ。気持ちいいんだからっ!」
グーリたちの羽毛のモフモフは、リルも絶賛している。
リルの料理はグリフォンたちにも大好評で、すでにリルのことを第二の主と仰いでいる。
料理を与え、モフらせてもらう。
それはギブアンドテイクであってwinwinの関係だ。
今後はグーリたちも狩りを手伝ってくれるし、とても幸せな関係ともいえる。
「そ、そうか……」
アルフレッドの顔が引きつっている。
グリフォンは俺と違い、見た目からして強者のたたずまいだからね。
ライオンがモフらせてくれると言われても、なかなかモフる勇気がある人は少ないだろう。
グーリたち、ライオンよりも強いしね。
見慣れると、グリフォンは愛嬌があって可愛いんだけどね。
「そういえばアルフレッドさん、今日は何か用事があったの? 言ってくれれば、リルたちが行ったのに」
アルフレッドには、この街で快適な暮らしをさせてもらってるから感謝している。
領地によっては、獣人や冒険者に厳しかったりするらしいからね。
アルフレッドの領地が快適すぎて、そのことを忘れそうになるくらいだ。
それにうちみたいにグリフォンを連れてると、その戦力を恐れて排除しようとする領主もいるかもしれない。
「そうだ。実はちょっとした報告があってな……。一応それを伝えにきたんだ」
「報告?」
「ああ、ここの隣の領地の新しい領主が決まってな。以前、俺たちが誘拐されて連れて行かれた領地のことだ」
おお……、あそこか。
アルフレッドとその娘のクレア、そしてリルが、傭兵団に誘拐されて一時的に連れて行かれたところだ。
俺が奪還するために襲撃したのが、アルフレッドたちがあの街に連れ込まれてすぐのタイミングだった。
傭兵団もその場にいた領主である侯爵も皆殺しにしてしまったんだった。
たしかその後、侯爵家断絶のため中央から新たな領主がやってくるだろうということだった。
この話ってミーナやライミーがいるところでしてもいいのかな。
アルフレッドが俺たちを信頼してくれているか、適当な性格をしているか判断が難しいところだ。
ほら、爺の顔が少し引きつっているよ。
「新しい領主が何か問題あるの?」
リルは、誘拐されたことはまるで気にしていない様子だ。
アルフレッドが報告しにきたくらいだから、何かあるのだろうか。
俺がやったことが一応のきっかけだから、一応報告してくれただけかもしれないけど。
「俺も新しい領主のことはよく知らないのだが、どうも中央の教会関係者らしくてな。金やコネで侯爵位を手に入れた人物とも噂されている。それに、どうもうちは教会からにらまれてるからな……。」
教会関係者か……。
あまり良い印象が無いやつらだ。
権力と結びついて、自分たちの都合の良いようにふるまうと聞いている。
獣人や他の神を信じる者たちを異端扱いするとも聞いている。
王都から距離があって自由な気風のこの伯爵領は、教会にとっては気に入らない部分もあるのだろう。
気に入らないと思われてるだけなら全然かまわない。
けど、こっちにちょっかいを出してくるのは勘弁してもらいたいものだ。
リルはあごに指をあてて何かを考えている様子だ。
「今度、狩りに行くついでに少し様子を見に行ってみようか?」
リルの問いかけは俺に対してのものだろう。
隣の領地の街や村を見て回るだけでも、何か変わったこととか分かるかもしれない。
新領主が実は案外良い奴で、杞憂に終わればそれにこしたことはないしね。
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