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第二章
第49話「猫科の御庭番と隠密部隊」
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隣の領地を見に行ってみよう。
というわけで、猫偵察隊を組むことにした。
身軽で手軽、機動力に富んだ隠密部隊だ。
サッと行って帰ってこれるからね。
見た目では、強さも分からず良いこと尽くしだ。
「クルニャーン(ミケ。気配を消すのが上手くて、そこそこ連携して戦える猫を、ミケふくめて五匹集めてくれ)」
以前遠出してたミケは、こういうのに向いてるだろう。
オークキングのところまで俺を追って来た実績がある。
「ニャン!(任せるっす! ボスとお出かけっすね)」
ミケが嬉しそうに猫たちのところに向かった。
その時、スッと俺の横に立つ気配が……。
日差しを遮られて、少し暗くなった。
「ガルルッ!(シュン様、私もぜひお側に!)」
グーリが連れて行って欲しそうに、こっちを見ていた。
グーリに乗って飛んで行けたら、楽なんだけどさ……。
「クルナー(グーリは留守中の我が家を守っていてくれ。頼りにしてるよ)」
グリフォンを連れて行ったら、完全にトラブルになるでしょ。
俺は二回迎撃されたことで学んだ。
見た目大事……。
今回はリルたちにも留守番してもらう隠密任務の予定だ。
初めは一緒に行こうかという話だったけど、獣人蔑視の街に行ったら何か因縁つけられそうだからね。
リルが絡まれたら、俺は我慢できる自信がない。
リルには猫たちをモフモフしながら待っててもらうことにした。
それに、グリフォンに家を警護してもらうことほど安心なことはないからね。
グリフォンたちが御庭番してるAランク冒険者の自宅……。
うん……、軍隊でも避けて通りそうだ。
「ガルゥゥ……(くっ……、任せてください)」
悔しそうだけど、一応納得してくれたみたいだ。
一緒に行きたいけど警護を任されては、といった感じだ。
これだけ懐かれると、なんだか可愛いよね。
しょうがない……。
「クルニャー(帰って来たら、今度どこかに出かけような)」
俺の言葉にグーリの顔がパァッと明るくなる。
「ガルガルッ!(必ずですよ! どこに行こうかな……。シュン様とだったら、一緒にクラーケンを狩りに行くとか……。ヒュドラの溶岩焼きも狙い目ね……)」
グーリが何やらつぶやいてるけど、そんな危なそうなところ行かないからな……。
溶岩焼きって響きは、美味しそうで少し惹かれるけどさ。
まあ、そういうわけで猫六匹だけで出かけることになった。
帰ってくる頃には、少しは俺の毛が伸びてるかな……。
ミーナが作ってくれたこの被り物も、気に入ってるんだけどね。
◇◇◇
まず、ベルーナの街から近い村から様子を見ていこうと思う。
その後、できれば新侯爵の拠点の街まで行きたい。
街道を歩く猫六匹。
馬車が来たら端に寄って道をゆずる。
どこから見ても、無害な集団だ。
ワイルドキャットは賞金もかからないから、冒険者に狙われる心配もないだろう。
さて、移動の時間を使って気配を消す練習だ。
対峙した時には、侮られることが多いから、俺を見て危険な魔物だと分かる人はいないだろう。
ただ侯爵の街には、伯爵の街みたいに監視の魔法が張られていると思った方がいいだろう。
聞いた話だと、Aランク以上の魔物が一定距離に近づくと分かるものらしい。
何やら魔道具を使って、魔法の展開を補助しているとのことだ。
使ってる側もいまいち仕組みが分からず使ってると言っていた。
探知するから、そういう風に使ってるといった具合だ。
「……クルゥ(俺は弱い……、弱い普通の猫だ……)」
自己暗示をかけるように念じる。
俺は猫だにゃあ……。
「ニャン?(ボス、何してるっすか?)」
「クルニャ?(どうだ、ミケ? 弱そうな普通の猫に見えてきただろ?)」
俺はか弱い猫だ……。
「ニャー(いつもと同じっすよ……)」
ミケが何やらあきれている気がする。
なんか悔しいぞ。
探知魔法の仕組みが分からない以上、できてるかどうか分からないんだよね。
ちょっと考えてみるか……。
何か魔力の膜みたいなものを張ってそれが破れて反応するなら、Aランク以上の魔物が通るたびに張りなおさないといけない。
そういう感じではないようだ。
魔力の波みたいなものの反射を利用している……とかだろうか。
強い魔力を持つ魔物だと、探知の魔力を強く弾いてしまう……とか。
レーダーっぽい感じでさ……。
うん、ありそうな気がしてきた。
もしそれなら、魔力コントロールで魔力を内側に抑え込めればいいことになる。
それなら頑張ればできる気がする。
「ニャン!(ボス!)」
俺の思考はミケの呼びかけで中断された。
「クルニャン?(どうした? あっ!?)」
ミケに問いかけながら、自分でも気づいた。
俺たちが向かってる先で問題が発生していることに。
「ニャー(獣人の娘が、追われてるっす)」
ミケの言葉通り俺たちの方に向かって、獣人の娘が走って向かって来ている。
見た感じは幼い狐獣人だろうか?
後ろを追いかけてくるのは、馬に乗った五人の騎士だ。
白銀色の高級そうな鎧を着こんでいる。
さて、どうしてくれようか……。
というわけで、猫偵察隊を組むことにした。
身軽で手軽、機動力に富んだ隠密部隊だ。
サッと行って帰ってこれるからね。
見た目では、強さも分からず良いこと尽くしだ。
「クルニャーン(ミケ。気配を消すのが上手くて、そこそこ連携して戦える猫を、ミケふくめて五匹集めてくれ)」
以前遠出してたミケは、こういうのに向いてるだろう。
オークキングのところまで俺を追って来た実績がある。
「ニャン!(任せるっす! ボスとお出かけっすね)」
ミケが嬉しそうに猫たちのところに向かった。
その時、スッと俺の横に立つ気配が……。
日差しを遮られて、少し暗くなった。
「ガルルッ!(シュン様、私もぜひお側に!)」
グーリが連れて行って欲しそうに、こっちを見ていた。
グーリに乗って飛んで行けたら、楽なんだけどさ……。
「クルナー(グーリは留守中の我が家を守っていてくれ。頼りにしてるよ)」
グリフォンを連れて行ったら、完全にトラブルになるでしょ。
俺は二回迎撃されたことで学んだ。
見た目大事……。
今回はリルたちにも留守番してもらう隠密任務の予定だ。
初めは一緒に行こうかという話だったけど、獣人蔑視の街に行ったら何か因縁つけられそうだからね。
リルが絡まれたら、俺は我慢できる自信がない。
リルには猫たちをモフモフしながら待っててもらうことにした。
それに、グリフォンに家を警護してもらうことほど安心なことはないからね。
グリフォンたちが御庭番してるAランク冒険者の自宅……。
うん……、軍隊でも避けて通りそうだ。
「ガルゥゥ……(くっ……、任せてください)」
悔しそうだけど、一応納得してくれたみたいだ。
一緒に行きたいけど警護を任されては、といった感じだ。
これだけ懐かれると、なんだか可愛いよね。
しょうがない……。
「クルニャー(帰って来たら、今度どこかに出かけような)」
俺の言葉にグーリの顔がパァッと明るくなる。
「ガルガルッ!(必ずですよ! どこに行こうかな……。シュン様とだったら、一緒にクラーケンを狩りに行くとか……。ヒュドラの溶岩焼きも狙い目ね……)」
グーリが何やらつぶやいてるけど、そんな危なそうなところ行かないからな……。
溶岩焼きって響きは、美味しそうで少し惹かれるけどさ。
まあ、そういうわけで猫六匹だけで出かけることになった。
帰ってくる頃には、少しは俺の毛が伸びてるかな……。
ミーナが作ってくれたこの被り物も、気に入ってるんだけどね。
◇◇◇
まず、ベルーナの街から近い村から様子を見ていこうと思う。
その後、できれば新侯爵の拠点の街まで行きたい。
街道を歩く猫六匹。
馬車が来たら端に寄って道をゆずる。
どこから見ても、無害な集団だ。
ワイルドキャットは賞金もかからないから、冒険者に狙われる心配もないだろう。
さて、移動の時間を使って気配を消す練習だ。
対峙した時には、侮られることが多いから、俺を見て危険な魔物だと分かる人はいないだろう。
ただ侯爵の街には、伯爵の街みたいに監視の魔法が張られていると思った方がいいだろう。
聞いた話だと、Aランク以上の魔物が一定距離に近づくと分かるものらしい。
何やら魔道具を使って、魔法の展開を補助しているとのことだ。
使ってる側もいまいち仕組みが分からず使ってると言っていた。
探知するから、そういう風に使ってるといった具合だ。
「……クルゥ(俺は弱い……、弱い普通の猫だ……)」
自己暗示をかけるように念じる。
俺は猫だにゃあ……。
「ニャン?(ボス、何してるっすか?)」
「クルニャ?(どうだ、ミケ? 弱そうな普通の猫に見えてきただろ?)」
俺はか弱い猫だ……。
「ニャー(いつもと同じっすよ……)」
ミケが何やらあきれている気がする。
なんか悔しいぞ。
探知魔法の仕組みが分からない以上、できてるかどうか分からないんだよね。
ちょっと考えてみるか……。
何か魔力の膜みたいなものを張ってそれが破れて反応するなら、Aランク以上の魔物が通るたびに張りなおさないといけない。
そういう感じではないようだ。
魔力の波みたいなものの反射を利用している……とかだろうか。
強い魔力を持つ魔物だと、探知の魔力を強く弾いてしまう……とか。
レーダーっぽい感じでさ……。
うん、ありそうな気がしてきた。
もしそれなら、魔力コントロールで魔力を内側に抑え込めればいいことになる。
それなら頑張ればできる気がする。
「ニャン!(ボス!)」
俺の思考はミケの呼びかけで中断された。
「クルニャン?(どうした? あっ!?)」
ミケに問いかけながら、自分でも気づいた。
俺たちが向かってる先で問題が発生していることに。
「ニャー(獣人の娘が、追われてるっす)」
ミケの言葉通り俺たちの方に向かって、獣人の娘が走って向かって来ている。
見た感じは幼い狐獣人だろうか?
後ろを追いかけてくるのは、馬に乗った五人の騎士だ。
白銀色の高級そうな鎧を着こんでいる。
さて、どうしてくれようか……。
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