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グランド・アーク
絶体絶命
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氷の宮殿。
その外はやけに静かだ。極寒の地なので、鳥のさえずりさえ聞こえない。だが、そんな場所に1人の妖艶な美女がやって来た。
大魔王ワレスの第二のしもべ、アイナムだ。
「ワレス様の頼みだから来たけど何なのこのダッサい建物、趣味じゃないわね。ゾーン、出世頭だからって調子に乗らないで欲しくってよ」
そうやってぶつくさ文句を垂れながら、アイナムは氷の宮殿に入ろうとした。
すると、ダランたちをワープさせた目が光った。
「えっ?嘘でしょ、何これ、何、何、何」
気が付くと、氷の小部屋に来ていたアイナム。そしてその外は何やら騒がしそうだ。
「ゾーン。―――ははぁん、分かったわ。そうやってアタシをカッコ悪く登場させて、敵前で恥をかかせるわけね。最ッ低な野郎ですこと」
そう言いながら、アイナムはとことこと部屋の外に出ようとした。
「えっ?えっ、えっ、いや何、何、なむぐぐ」
ゾーンの攻撃を受けたスプスーが、ちょうどアイナムに勢いよく飛んできて顔面にヒットしたのだ。
「はな、離れなさい。何しがみついてるの」
アイナムはスプスーを引き剥がし、投げ捨てた。
しかし、スフィアたちとゾーンとの戦いは既に熾烈を極めている。要するに、登場するタイミングが微妙なのだ。
「あ、こんにちは。ゾーンの仲間でーす。アイナムって言います」
そして、まずはゾーンに高速飛び蹴りをお見舞いしたのだ。
「てめェ、空気読んどけよコラ。アタシだってそろそろお前なんかの接待やめようと思ってたんだよォ」
アイナムは普段は妖艶だが、プライドを傷付ける相手にはたとえ仲間でも容赦はしない。
そしてなぜか、ゾーンとアイナムの戦いがはじまった。
ドロップキック、かかと落とし、ニーキック。アイナムは蹴り技のオンパレードを繰り出してゾーンを追い詰めてゆく。
【ま、待てアイナム。私はお前が来るなど聞いてない】
「おいおいおい新参者、分かってねェな。アタシが来たって事はワレス様がそう言うかもな、くらい分かっとけ、って事だろォ」
アイナムは追撃を緩めない。今度は足に炎を宿し、熱が加わった蹴り技を幾度も、幾種類も放っていく。
「クールぶりやがって。お前なんかお前なんか、本当に冷静で聡明なワレス様の足元には到底、及ばねえぞォ」
スフィアたちでは手も足も出ないゾーンを、アイナムは圧倒していく。しかし、気付くとアイナムの脚はゾーンの右手に掴まれ、アイナムは逆さまになっていた。
【我、氷の魔神に覚醒せり。その力の一部、お前にも見せよう】
そう言うや否や、ゾーンの右手は氷に包まれた。氷のゴーレムを彷彿とさせる、巨大な手だ。
「ちッ、なんでよー。ワレス様って本当、最近コイツばっかり優遇するんだ」
負けじと蹴りでなんとか応戦しようとするが、氷の力は凄まじい。一瞬にしてアイナムの左脚は、巨大な氷で固まってしまったのだ。
【ふははは、生意気なアイナム。だが許そう。私はあいにく、機嫌が良い】
そう言ったきり、ゾーンはふっと姿を消した。転移魔法でスフィアたちの目の前から姿を消したのだ。
「げっ、おい。冗談でしょ?この凍った足は―――くそっ、もういい。これはコイツらには良いハンデだ」
アイナムは凍った足の、凍ったなりの扱い方を素早く確かめた。
「あ、そうそう。では改めて。アタシの名はアイナム。大魔王ワレス様の第二のしもべ。アンタたち、死になさい」
そして、満身創痍の一行と凍った足のアイナムとの戦いへと移り変わっていく。
「アイナム、聞いた事があるぞ。私はダラン=リーグイースト。ワレスの手下よ、覚悟せよ」
ダランが動き出した。そして翼竜槍を躊躇なくアイナムに向け電磁竜閃を浴びせたのだ。
「ぎゃばあああがん」
相手はゾーンと同等。よって出方を伺う余裕などないというダランの瞬時の判断だったが、かなり敵には効いたようだ。
「がはっ。やるじゃん、ダラン=リーグイースト。アンタは一応、覚えてやる」
が、次の瞬間、ダランの顔の前にはアイナムの右足が炎を纏っていた。
「なーんちゃって、クソじじい」
避ける暇などない。全ての動作が人間には認識出来ない速さだ。そんな高速の蹴りがダランの顔面に直撃し、そして壁際にいたために頭を中心に、ダランは氷の壁にめり込んだ。
「ぐぬ、はあ、は、けはっ」
凍った足など、アイナムにとっては実際、大したハンデにはならなかった。それほどスフィアたちは、動きからして遅いのだ。
「そらそら、そらよォ」
「次つぎと殺してやるわァ」
「はいはいはい、サンドバッグ代わりィ」
戦いというより、アイナムの独壇場だ。ゾーンより実力で一歩劣るとしてもアイナムは強い。ただそれだけが刻々と証明されていく。
「ふふ、キレイなお姉さんに殺されて幸せ?」
ゾーンの猛攻で、既に意識が朦朧としているワルガーの前に、アイナムは来た。
「いや、女はいらん」
「ホモかよおォ」
非情な蹴りが、ワルガーの胸に刺さった。
その外はやけに静かだ。極寒の地なので、鳥のさえずりさえ聞こえない。だが、そんな場所に1人の妖艶な美女がやって来た。
大魔王ワレスの第二のしもべ、アイナムだ。
「ワレス様の頼みだから来たけど何なのこのダッサい建物、趣味じゃないわね。ゾーン、出世頭だからって調子に乗らないで欲しくってよ」
そうやってぶつくさ文句を垂れながら、アイナムは氷の宮殿に入ろうとした。
すると、ダランたちをワープさせた目が光った。
「えっ?嘘でしょ、何これ、何、何、何」
気が付くと、氷の小部屋に来ていたアイナム。そしてその外は何やら騒がしそうだ。
「ゾーン。―――ははぁん、分かったわ。そうやってアタシをカッコ悪く登場させて、敵前で恥をかかせるわけね。最ッ低な野郎ですこと」
そう言いながら、アイナムはとことこと部屋の外に出ようとした。
「えっ?えっ、えっ、いや何、何、なむぐぐ」
ゾーンの攻撃を受けたスプスーが、ちょうどアイナムに勢いよく飛んできて顔面にヒットしたのだ。
「はな、離れなさい。何しがみついてるの」
アイナムはスプスーを引き剥がし、投げ捨てた。
しかし、スフィアたちとゾーンとの戦いは既に熾烈を極めている。要するに、登場するタイミングが微妙なのだ。
「あ、こんにちは。ゾーンの仲間でーす。アイナムって言います」
そして、まずはゾーンに高速飛び蹴りをお見舞いしたのだ。
「てめェ、空気読んどけよコラ。アタシだってそろそろお前なんかの接待やめようと思ってたんだよォ」
アイナムは普段は妖艶だが、プライドを傷付ける相手にはたとえ仲間でも容赦はしない。
そしてなぜか、ゾーンとアイナムの戦いがはじまった。
ドロップキック、かかと落とし、ニーキック。アイナムは蹴り技のオンパレードを繰り出してゾーンを追い詰めてゆく。
【ま、待てアイナム。私はお前が来るなど聞いてない】
「おいおいおい新参者、分かってねェな。アタシが来たって事はワレス様がそう言うかもな、くらい分かっとけ、って事だろォ」
アイナムは追撃を緩めない。今度は足に炎を宿し、熱が加わった蹴り技を幾度も、幾種類も放っていく。
「クールぶりやがって。お前なんかお前なんか、本当に冷静で聡明なワレス様の足元には到底、及ばねえぞォ」
スフィアたちでは手も足も出ないゾーンを、アイナムは圧倒していく。しかし、気付くとアイナムの脚はゾーンの右手に掴まれ、アイナムは逆さまになっていた。
【我、氷の魔神に覚醒せり。その力の一部、お前にも見せよう】
そう言うや否や、ゾーンの右手は氷に包まれた。氷のゴーレムを彷彿とさせる、巨大な手だ。
「ちッ、なんでよー。ワレス様って本当、最近コイツばっかり優遇するんだ」
負けじと蹴りでなんとか応戦しようとするが、氷の力は凄まじい。一瞬にしてアイナムの左脚は、巨大な氷で固まってしまったのだ。
【ふははは、生意気なアイナム。だが許そう。私はあいにく、機嫌が良い】
そう言ったきり、ゾーンはふっと姿を消した。転移魔法でスフィアたちの目の前から姿を消したのだ。
「げっ、おい。冗談でしょ?この凍った足は―――くそっ、もういい。これはコイツらには良いハンデだ」
アイナムは凍った足の、凍ったなりの扱い方を素早く確かめた。
「あ、そうそう。では改めて。アタシの名はアイナム。大魔王ワレス様の第二のしもべ。アンタたち、死になさい」
そして、満身創痍の一行と凍った足のアイナムとの戦いへと移り変わっていく。
「アイナム、聞いた事があるぞ。私はダラン=リーグイースト。ワレスの手下よ、覚悟せよ」
ダランが動き出した。そして翼竜槍を躊躇なくアイナムに向け電磁竜閃を浴びせたのだ。
「ぎゃばあああがん」
相手はゾーンと同等。よって出方を伺う余裕などないというダランの瞬時の判断だったが、かなり敵には効いたようだ。
「がはっ。やるじゃん、ダラン=リーグイースト。アンタは一応、覚えてやる」
が、次の瞬間、ダランの顔の前にはアイナムの右足が炎を纏っていた。
「なーんちゃって、クソじじい」
避ける暇などない。全ての動作が人間には認識出来ない速さだ。そんな高速の蹴りがダランの顔面に直撃し、そして壁際にいたために頭を中心に、ダランは氷の壁にめり込んだ。
「ぐぬ、はあ、は、けはっ」
凍った足など、アイナムにとっては実際、大したハンデにはならなかった。それほどスフィアたちは、動きからして遅いのだ。
「そらそら、そらよォ」
「次つぎと殺してやるわァ」
「はいはいはい、サンドバッグ代わりィ」
戦いというより、アイナムの独壇場だ。ゾーンより実力で一歩劣るとしてもアイナムは強い。ただそれだけが刻々と証明されていく。
「ふふ、キレイなお姉さんに殺されて幸せ?」
ゾーンの猛攻で、既に意識が朦朧としているワルガーの前に、アイナムは来た。
「いや、女はいらん」
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非情な蹴りが、ワルガーの胸に刺さった。
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