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邂逅編
二人の魔女2
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「なぁ、その腰の銃がウォルタの魔導具か?」
ウォルタの横を並んで歩くフレイが尋ねた。
「そうよ。ちなみに私の魔法の属性は水」
ギルドに所属する魔女は皆、魔導具と呼ばれるものを所持している。
魔導具とは魔女たちの魔力を、より強力な物に変換することのできる武器のことである。
「へぇ、遠距離型か。ウチは剣で近距離型だから相性ばっちりだな」
フレイは剣を振り回すフリをした。
「あんた、まさか一緒に戦う気? 素手でどうにかなる相手じゃないわ」
「冗談だよ。でも一人でなんとかなるのか? その……なんて奴だっけ?」
「ポカツリー。巨大な樹木型の魔物よ。私の水属性とは相性が悪いけど、まあなんとか倒してみせるわ」
ウォルタは腰の魔法銃を強く握りしめた。
「残念。ウチの炎魔法なら一撃だったんだろうけど。あーあ剣さえあればなぁ」
フレイは首の後ろに腕を組んで空を見上げた。
「ねぇ、あなたその剣を探そうとは思わないの? 荷物はともかく魔導具は貴重品でしょうに」
荷物を盗まれたにも関わらず、呑気なフレイが気になり、ウォルタは尋ねた。
「そうしたいのは山々だけど、あてがないからね。寝てて取ったやつも見てないし」
「ふーん、そうなの……ん?」
ウォルタが突然、足を止めた。
「どうかしたのか?」
同じく足を止めたフレイが尋ねた。
「……そこの草むら、何かいるわ」
ウォルタは腰のホルスターから魔法銃を引き抜いて構えた。
それとほぼ同時に、ウォルタの目の前の草むらから灰色の体毛でおおわれた狼の姿をした魔物が飛び出し、ウォルタたちに向かって襲い掛かって来た。
その攻撃を二人はとっさにかわした。
「ポカウルフだわ。話に聞いていた通り、攻撃的ね!」
「あっ! あれは!」
フレイはポカウルフを指さして言った。
ポカウルフは口にカバンらしき物をくわえていた。
「私のカバンだ! 間違いない!」
「……返しに来てくれたみたいね、ご親切に」
「とてもそうにはみえないけどね……」
ポカウルフはカバンを振り捨てると、再び二人に襲い掛かった。
「フレイ! 私の後ろに!」
ウォルタはフレイの前に立つと、魔法銃を構え、それに自らの魔力を込めた。
そして銃に刻まれた魔法陣が発光し、ポカウルフ目掛けて青い弾丸が放たれた。
その弾丸は見事ポカウルフに命中し、ポカウルフはその場で光の粒子となって消えた。
「……すげー、流石はギルド所属の魔女だ」
「大したことないわ、これくらい。それよりカバンの中身は……無事とは思えないけど」
フレイはカバンに駆け寄ると、その空っぽの中身を見てその場に固まった。
「……まあ、荷物だけでよかったじゃない。こんなところで昼寝して命があっただけでもラッキーよ」
「……そうだな。今度から、昼寝は場所を考えてすることにするよ。それより……」
フレイはウォルタの方を振り返った。
「また助けられちまったな。ありがとな!」
「……別に構わないわ、魔物の一つや二つ」
二人は再び森の中を歩きだした。
ウォルタの横を並んで歩くフレイが尋ねた。
「そうよ。ちなみに私の魔法の属性は水」
ギルドに所属する魔女は皆、魔導具と呼ばれるものを所持している。
魔導具とは魔女たちの魔力を、より強力な物に変換することのできる武器のことである。
「へぇ、遠距離型か。ウチは剣で近距離型だから相性ばっちりだな」
フレイは剣を振り回すフリをした。
「あんた、まさか一緒に戦う気? 素手でどうにかなる相手じゃないわ」
「冗談だよ。でも一人でなんとかなるのか? その……なんて奴だっけ?」
「ポカツリー。巨大な樹木型の魔物よ。私の水属性とは相性が悪いけど、まあなんとか倒してみせるわ」
ウォルタは腰の魔法銃を強く握りしめた。
「残念。ウチの炎魔法なら一撃だったんだろうけど。あーあ剣さえあればなぁ」
フレイは首の後ろに腕を組んで空を見上げた。
「ねぇ、あなたその剣を探そうとは思わないの? 荷物はともかく魔導具は貴重品でしょうに」
荷物を盗まれたにも関わらず、呑気なフレイが気になり、ウォルタは尋ねた。
「そうしたいのは山々だけど、あてがないからね。寝てて取ったやつも見てないし」
「ふーん、そうなの……ん?」
ウォルタが突然、足を止めた。
「どうかしたのか?」
同じく足を止めたフレイが尋ねた。
「……そこの草むら、何かいるわ」
ウォルタは腰のホルスターから魔法銃を引き抜いて構えた。
それとほぼ同時に、ウォルタの目の前の草むらから灰色の体毛でおおわれた狼の姿をした魔物が飛び出し、ウォルタたちに向かって襲い掛かって来た。
その攻撃を二人はとっさにかわした。
「ポカウルフだわ。話に聞いていた通り、攻撃的ね!」
「あっ! あれは!」
フレイはポカウルフを指さして言った。
ポカウルフは口にカバンらしき物をくわえていた。
「私のカバンだ! 間違いない!」
「……返しに来てくれたみたいね、ご親切に」
「とてもそうにはみえないけどね……」
ポカウルフはカバンを振り捨てると、再び二人に襲い掛かった。
「フレイ! 私の後ろに!」
ウォルタはフレイの前に立つと、魔法銃を構え、それに自らの魔力を込めた。
そして銃に刻まれた魔法陣が発光し、ポカウルフ目掛けて青い弾丸が放たれた。
その弾丸は見事ポカウルフに命中し、ポカウルフはその場で光の粒子となって消えた。
「……すげー、流石はギルド所属の魔女だ」
「大したことないわ、これくらい。それよりカバンの中身は……無事とは思えないけど」
フレイはカバンに駆け寄ると、その空っぽの中身を見てその場に固まった。
「……まあ、荷物だけでよかったじゃない。こんなところで昼寝して命があっただけでもラッキーよ」
「……そうだな。今度から、昼寝は場所を考えてすることにするよ。それより……」
フレイはウォルタの方を振り返った。
「また助けられちまったな。ありがとな!」
「……別に構わないわ、魔物の一つや二つ」
二人は再び森の中を歩きだした。
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