LIVE FOR HUMAN外伝~生きとし生けるものたち~

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第1章

第1章ウルリカ編『嫁修行頑張りますっ!!』

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 キャラクター紹介
 ウルリカ……『憎悪のなみだ』の一件があるまでは冒険者を生業としていた女性。腕っ節が強くやや粗野だが、一般人の女らしい平凡な生き方に憧れを持ち、今はブラックの下で花嫁修業の真っ最中。難しく考えるのは苦手だが女性らしい細やかな一面も。抜群のプロポーションを持つ峰不○子体型の二十歳。

 ブラック……法外な治療費をふっかけ、非合法なやり方も厭わぬ闇医者の男。やや尊大な立ち振る舞いだが根っからの悪人ではなく、金持ちから搾り取った大金は恵まれない人々に寄付したり、自然環境の保護に充てたりするなど慈善活動に使用している。その行動原理は軍医だった若かりし頃の凄惨な戦争体験に基づいている。四十歳。

 ラルフ……ウルリカとブラックが同行した『憎悪の泪』奪還一行のリーダーで、この世界で『最後の勇者』となった青年。憎悪の泪から蘇った魔王を仲間と共に打ち倒し、世界を救った後、行方不明に。二十歳。


 第一章 嫁修行頑張りますっ!


 あたしはウルリカ。つい最近までは冒険者として、危険と隣り合わせの職を生業にして世界中を流れていた。

 別に冒険者になりたくてなったわけじゃあない。物心付いた頃から親兄弟は皆冒険者で、それで生計を立てる以外は生きる術が思いつかなかっただけ。

 そんな一家――いや、家族なんて無かったようなモノ。あたしたちは皆危険な仕事から仕事へと綱渡りするような毎日だった。あたしも十三歳の時にはそれなりに武芸や世渡り方を身に付けて、あちこち流れていった。

 そんなだから、親の顔も覚えちゃいないし、兄弟が何人いるかすら知らない。

 もちろん、今生きているのかも。

 ところが、ある時意識するようになっちゃった。

 何をって?

 ……『女』であること。

 どこかの街や村に定住して、野良仕事をしたり、園芸を楽しんだり、好きな人のために美味しい料理を振舞ったり、時にはおめかししてデートしたり……いずれ結婚して子供を産んで――あっ、想像したらちょっと恥ずかしいや……頬が熱い。

 そんなあたしが思い描く理想の『女』らしい生き方。危険で野蛮で不潔な冒険者稼業なんかじゃあなくて、単なる民間人の女。
 そういう人生もアリだって最近気付いて、今は――

「ふんふ~ん♪今夜はカレー、カレー♪まずは野菜を洗って、切って……」

『ある人』の下で花嫁修業中ってわけ! これまでは冒険者として荒れた生活しかして来なかったから、毎日充実してるわ。

 でも――――

「いてっ! ……あー、また指切っちゃった。絆創膏、絆創膏……」


 はは、そんな生活、いきなり始めてもすぐに馴染めるわけじゃあないよね。料理だって初心者だし。力仕事は得意な方だけど、家事もまだまだアラが目立っちゃう。


 ただ、新生活にひとつ問題が……。


「おいおい。ジャガイモをそんなにデカく切って、君は河馬かばか何かか? 食べにくいだろう……あーあ。また指を怪我したか」


 ……そう。その『ある人』。いちいち陰険な言い方であたしをおちょくってくる、このおっさん。

 名前はブラック。

 つっても偽名なんだろうけど……医者の癖に、あちこち出向いては

「お前が医者に掛れ!」

って罵りたくなるほど偉そうに、横柄な態度でふんぞり返りながら患者を診て回る。

 大きな声で言えないけど、法に触れるギリギリのやり方で患者を治療して大金をふんだくってる。

 初めてある王国で出会った時も、いきなり『脳に酸素が通ってない』だの、『男性的になれるホルモン剤をくれてやる』だの散々言ってきて……しかも、しかもよ? 医者だからってフツー、人のスリーサイズをいきなりバラそうとする!? 

 あああ、思い出したら腹立ってきた。まったく、このセクハラヤブ医者オヤジが……!





「診せろ」

「えっ?」

「切った所を診せろと言ったんだ。……ふむ。今回はまた存外に深く切ったものだな」

「い、いいって、これぐらい……冒険者稼業してた頃にはこんなの傷のうちには――」
「ほう? まだ冒険者に未練があったとはな。もうギブアップするのか? 花嫁修業中のウルリカ君」

「ちょっ、ちが――」
「だったらおとなしく診せろ。『花嫁』に傷や感染症でも付いたら酷だからな。その『花』を傷物にするわけにはいくまい?」

「う、い、ちょっと…………はい…………」


 ……ま、まあ……仮にも人の命を救おうとする医者だし? ……たま~に……優しいトコもあるんだけどさ。なんか、そういう正反対な二面性があるからこっちの調子が狂うのよね……。

 ブラックは、闇医者だけれどあたしの倍近くは生きてる大人の男で、たまにこういう包容力があって、落ち着いてて、むかつくぐらい超然としてるけどたまにユーモアもあって、どうせ胡散臭い健康法と美容外科手術のせいなんだろうけど、顔も綺麗で整ってて……背も高いわよね。



 あっ、最近ちょっと髪切ったんだっけ。よく似合ってるしカッコいい。


 それに声も低くて渋い、ダンディな美声で、でもたまに見せる表情に、何ていうの、儚さとか切なさとかがあってその度にキュンと来ちゃってさ! 


 へへ、よく考えれば闇医者っつっても赤ひげだと思って目をつぶれば、そこそこ稼いでるわけだし、家計もマシよね。

 なんか怪我や病気したらこうして診てくれるし! 

 クールで、知的で、落ち着いてる大人の男。

 もし、もしもよ? 結婚するんならこういう男がいいかな~……なんて。えへへへへ……。


「……何をにやついているんだ? 早くも雑菌がその脆弱な脳に達したのか? 弱ったものだ。医学の限界を改めて感じるよ、ウルリカ……」

「え? う……」
「それに、そのエプロン」

「はい?」

「その包丁でそうなったわけではなさそうだな。胸元が裂けているぞ? ……全く。『憎悪の泪』の一件の時を思い出すよ。そのデカい乳や尻の脂肪も、邪魔なようなら私に手術を依頼したまえ。そんなだから手元が見えなくて大怪我をするのだ。あの時はその乳には苦労した……余裕が無かったから切除しなかったものの、心臓マッサージや心拍を計るのに邪魔で邪魔で…………いや待てよ……皮下脂肪というものは代謝系を調節するだけでなく衝撃から身を守る緩衝材クッションとしての役割もあったな……安易に切除するのは早計か……いやしかし――――」






 …………前言撤回。超撤回。完全撤回! やっぱこのおっさん無茶苦茶だわ。デリカシーの欠片もナシ!




 うあああああああ、いっちばん思い出したくないことをグサグサとえぐるように言いやがって! 好きでこんな発育良好でいるわけじゃあないっての。

 あの時は、そりゃあ死にかけてたあたしを助けてくれたのは感謝してっけど……そう言えば、あの場で治療してたってことは当然こいつだけじゃあなくて、ラルフたちとか他の仲間たちも見てたわけよね? ね? ってことは気絶してる間あたしの身体をみんなに見られ――――ああああああ……!



「ふむ。やはり全切除は良くないか。ならば邪魔にならない程度に留めて、形の悪さや術後の痛みが無いように極力努めるべきだな……うん?」

「ブラック~……」


「どうした? 指の怪我ならもう手当ては済んだぞ? ……だが、顔が真っ赤だな……血行が良すぎる。……まさか、本当に切った指からウィルスが? いや、いくらなんでも症状が出るのが早すぎる……」

「そお~いやぁ…………あの時の借りを返してなかったわよねえ~……」

「あの時? なんだ、それは? まさか、既に心当たりがあるのか? 何故話さん? 重病だったらどうするつもりだ!?」

「この包丁で――いや、これは置いとこう……ここで刺したらあたしの負けよね……よくもあの時、皆の前であたしの胸を……!」

「まさか、その発育過多な乳が関係しているというのか!? なんということだ。先天的な病なのか? この事実には医学界にも新たな発見と激震が――」

「この破廉恥医者があああああーーーッ!!」

 ――――
 ――――――――
 ――――――――――――



 それからあたしは買い物に出かけた。人に手を上げて、そのまま居るのも気まずいでしょ?



 平手打ち? 引っ掻き? そんなモンじゃああたしの怒りは収まらない。あの涼しげな顔に全力のグーパンチを一発ぶつけてやったわ。あはははは。アザ出来た頬に自分で薬塗ってた。ブラックが自分で調合した塗り薬だから治るのに数日かからないでしょ。

 いいの、あのセクハラオヤジにはこれぐらいで。腫れた顔のままでも涼しげに新聞読みながらコーヒーブレイクをキメてたのは癪しゃくだったけど。

「ったく……えーっと、次は……コーヒーフィルターと、お風呂用洗剤……あっ、畑の肥料も切らしてたんだった。メモに書き足さないと……」

「ウルリカさん!」

「あっ! 大家さん……どうも~、いつもお世話になってます!」

 買い物中に出会ったのは、今ブラックとあたしが住んでる家を貸してもらっている大家さんだった。

 どこかに定住するのが目標とは言え、ブラックについて行く以上あちこち流れていくのには変わりないからね。土地から土地に移るのにも、ある程度、仮宿が必要なのよね。

 普通ならその土地その土地の宿屋に長期滞在するんだけど、今はありがたい事に、この大家さんが空き家をきちんと整備してからあたしたちに貸してくれてんの。

 大家さんは髪が真っ白で、顔もしわくちゃのお婆さんなんだけど、達者で明るくて、何より優しい人。この村の一番の恩人ってわけ。

 まあ、ブラックがちょっとした診療所みたいなのも開いてるからそれで持ち上げてくれてるんだろうけど。今日も穏やかで優しい笑顔を向けてくれる。あたしは恭しく頭を下げた。

「いいのよいいのよ。そんなにかしこまらなくても。……ここでの暮らしには、もう慣れた?」

「ええ、一応……元々根無し草だったもんで、家事ひとつするのにも相変わらずてんてこまいですけどね。えへへ」

「あらあら。まあ、お元気そうで何よりだわ……ブラック先生もお変わりなく?」

「えっ……まあ、たまに喧嘩もしますけど……いつも通りですよ。あたしの前では図々しくのさばってます、はは……」

 ご近所同士の付き合いって大事よね。こういう何気ない井戸端会議とか。相手は大家さんだし。

 ちょっと前まで酒場とか冒険者ギルドとかで下品な世間話ぐらいしかして来なかったから、あんま上手く話せるかわかんないけど……うん。頑張ろう。これも嫁修行、よね?

「いいのよ、そんなに固くならないで。ブラック先生と貴女にはこちらこそ世話になってるもの。……はい、これどうぞ」

「えっ? これは?」

「リンゴのおすそ分け。今年は数は多いんだけど小玉でねえ。でも蜜はしっかり詰まってるから、良かったら食べて? それから……よいしょっと」

「え、それはどうも……って、このでっかいのって……」


「畑の肥料。貴女のところを通りかかったら、残り少なそうだったから。ウチは当分あるから、受け取って?」

「え? そ、そんな。リンゴの上にさらにこんなに沢山肥料もなんて。なんか、申し訳ないです……」

「お節介と思ってもらっても構わないわ。私のためにも持っていって。重くて重くて私にはもう家まで運べないわ。貴女、力持ちでしょ? さっ、よいしょっと、遠慮なく持っていって」

「あの……ええ~っと……ありがとうございます…………」

 そう言いつつ、あたしは及び腰でリンゴの入った袋と肥料袋を受け取る。大家さんがしんどそうに運んできたそれは、あたしの腕なら確かに片手で軽々と持ち上げられるほど軽かった。

「やっぱり、若いわねえ。そんなに軽そうに持たれちゃあ、私もいよいよ先が長くないかもしれないわねえ」

「へっ? い、いえっ! そんな、とんでもないです! あたし、荒っぽいことしかして来なかったから、馬鹿力なだけで、その…………」


 きっと、ホントにそうなんだろう。


 普通の一般人の女なら、こんなに力が有り余ってやしない。

 ただそういう荒っぽいこと・・・・・・をすることに腕力が必要だったってだけ。

 あたしが居たところは、こういう細かい気遣いとか、村人らしいのんびりした会話とかちっとも無かった。

 下品で、不潔で、荒っぽい。そんな世界であたしは生まれて、二十何年もそうして生きて来た。大家さんみたいな、穏やかで物腰が柔らかい人になんか、程遠い。

 あたし、ホントにそんな女になれるのかな。


「……ウルリカさん? どうしたの、悲しそうな顔をして。何か、難儀なことでもあるの?」

「えっ? い、いえ! 何でもないです! つまんないことですからっ! あたしのことなんて……」

「そう? 何だって話していいのよ? 色々話してくれた方が、私も嬉しいんだけど……」

 そう言って、大家さんは踵を返して、帰ろうとした。

 ……いくらブラックが医者をやってるからって、何か、世話焼きすぎじゃあない? 

 どうしてなんだろう。どうして大家さんは、あたしなんかに……よそ者で、無骨で、馬鹿力なだけのあたしに親切にしてくれるんだろう?


「あ……あの!」

「ん? なあに?」

 つい大家さんを呼び止めちゃった。でも、なんて言えばいいんだろう。

 あたしは言葉に詰まった。

「その、えっと~……」
「?」

 ……いいや、もう言っちゃえ! 疑問に思ってること、正直に。


「……大家さんは、どうしてあたしやブラック……先生、に……そんなに親切にしてくれるんですか?」

「ああら。そんなこと?」


 あああ。訊いちゃったよ、訊いちゃったよ。あたしのこと、変な奴だと思われるかなあ。カタギでなかった時は、こんなこと気にもしなかったのに……。

「嬉しいからよ」

「……えっ?」

「確かに、私や、この村の人たちはブラック先生にお世話になっているわ。でもそれだけじゃあないの。貴女みたいに若くて、元気な女の人がこの村に居てくれること。それだけで嬉しいの」


 え? へ? どういうこと? あたし、何かした? そんな喜ばれるようなこと。

「私みたいな年寄りはね、貴女みたいに若い人と何かお話をする。それだけでとってもありがたいの。正直言ってね、年寄り同士で寄り合っても、ちっとも潤いのある話が出来なくて、つまんないのよ」

「は、はあ……そんなもん、なんですか」

「ウルリカさん。ブラック先生から聞いていますけれど、少し前まで冒険者をやっていたのよね」

「は……はい……ホントに、恥ずかしいことなんですけど」

「とんでもない! 若い女の人がこんな田舎まで来てくれて、しかも力持ちだなんて! こんなに頼りになることって無いのよ? 本当に」

「…………はあ」

「それにね……」

「……それに?」

「若い人は、みんな都会や違う国に行ってしまったから……それこそ、やりがいを求めて。こんな片田舎は年寄りごと置き去りにして、ね……足を止めてごめんね。ちょっとお話に付き合ってくれる?」

「あ、はい! 何でも、どうぞ!」

 なんだろう。確かにこの村に住んでる人って、お爺ちゃんお婆ちゃんが多いけど……そんなに深刻なことなのかな?

「……私の息子、ね。医者志望だったのよ。でも、勉強もそこそこに挫折してね? ある時行方不明になっちゃった。あの子の娘、つまり、私の孫を残してね」


「……はい……」

「その孫も、田舎暮らしに嫌気が差したらしくて、あたしは、もっと都会に行って大物になってやるんだ、そうしてろくでもない父さんを見返してやる、なんて言って出て行っちゃったの。ちょうど、ウルリカさん。貴女ぐらいの年頃だった……」

「え…………そんな」

「私、反対はしたけれど、止めきれなかった。もしかしたら、蒸発した父親に会いたいんじゃあないかと思うと、言葉が上手く出なくてね。今も、手紙ひとつ送ってくれやしないんだから。二人とも、今どこで何をしているのやら」


「…………」


 この穏やかで優しい大家さんに、そんなことがあったなんて。あたしなんか、親兄弟の顔も思い出せずにすまし顔のまま生きてきたのに…………。

「……だから、ブラック先生と貴女が二人で、この村に来てくれた時、私、つい嬉しくなっちゃってね。まるで、息子と孫が一度に帰ってきてくれたみたいでね」

「……そ、そんな大層な事、あたしたちは――」

「もちろん、解っているわ。貴方たちは飽くまで旅をしながら居場所を探している人。私の息子たちが帰ってきたわけじゃあない。……でも、情が移るのを、止められないのよ。勝手な思い入れをしてしまって、本当に申し訳ないと思っているわ」


「……そんなこと、ない!」

 あたしは、思わず声を荒げてしまった。少し落ち着かないと……でも続けて言った。


「あたし、普通の女になりたいんです! 冒険者でもない、何かの有名人でもない、ただの主婦に! でも、ここに来てからもあたしの女としての腕前は全然! 冒険者の時の癖が抜けなくて、てんで無茶苦茶。あたし、大家さんみたいに受け入れてくれる人がいて本当に嬉しい! 申し訳ないって思うのは、感謝したいのはこっちの方なんです!」


「……ウルリカさん…………」

 あたしは、ぎゅっと拳を握ったまま大家さんを見つめてた。大家さんはびっくりした顔をしてあたしの顔を見てる。

「……ふっ、ほっほっほっほ」

 でも、すぐに緊張がほぐれて、大家さんは笑い出した。

「……大家さん?」

 あたしもそれを見て少し緊張が解けた。どうして笑うんだろう、この人。凄く悲しくて、寂しい思いをしているはずなのに。

「なら、お互い願ったり叶ったりじゃあない? こちらこそ感謝するわ。ありがとう」

 そう言って、今度は大家さんがあたしに深く頭を下げた。

 あたしが、そんなのやめてください、と言うよりも早く、大家さんは話し出す。

「貴女のように、一生懸命、真剣に畑仕事や主婦をやりたいっていう人は本当にありがたいの。今どき珍しいのよ? 家事でわからないことや苦手なことがあったら何でも言ってちょうだい。覚えるまでしっかり教えるわ」

「大家さん…………」


 大家さんは笑ってる。笑ってるけど、目に涙を溜めてる。きっと心から嬉しいと思ってくれてるんだ。

 ブラックが医者だから助かるとかじゃあない。あたしが人一倍力持ちで便利だからでもない。

 本気であたしと、ブラックがこの村にいることに感謝してくれてるんだ…………。

「ほほほ。ウルリカさん。そんなに泣かないで。思い詰めた顔は貴女に似合わないわ」

「う……あはは! 大家さんこそ!」

 真昼間、日が射す狭い道の上、あたしと大家さんは泣きながら大笑いした。


 ひとしきり笑ったら、何かすっごいスッキリした。大家さんもそんな感じの顔してる。

「あはは……ねえ、大家さん」

「うふふ……なあに?」

「大家さんのこと、良かったらでいいんだけど、本当のおばあちゃんみたいに思ってて、いいですか?」

「はいはい、こちらこそ、どうぞよろしく! ……ああ、それから!」

「……何ですか?」


「貸しているあの家、良かったらでいいんだけど、これからもブラック先生と一緒に住んでいてくれないかしら?」


 えっ? お、大家さん!?

「そ、それはさすがにもらい過ぎですよ! 家一軒丸ごとなんて!」

「あら、あげるとは言ってないわよ? ひとつだけ条件を付けましょう。えーっと」

「……条件って?」

「……あの子たちが……私の息子や孫が帰ってくるまで、家を守ってちょうだい。元々あの子たちの家だから」




 ――――
 ――――――――
 ――――――――――――

 それからあたしは爽やかな気分で買い物を済ませた。村にあたしたちを迎えてくれた大家さんと、こんなに気持ちよく話が出来るなんて。

 ふふ。今日はいい日だよね。

 気が付けば夕方。あたしとブラックの――――ううん。大家さんの息子さんとお孫さんが帰ってくるまでの『長い仮宿』へ帰ってきた。

 今なら何だって許しちゃいそう。へへ、さっきブラックをぶん殴っちゃったけど、もう許そうかな。

 ……一応謝っとこう。一応。


 ん? 玄関のドアが開いてる。周りも何だが物が散乱して――って、これは――――


「来るな、ウルリカ! 強盗だ! 君は手を出すなッ!」
「騒ぐんじゃあねえッ!」


 遠目にもブラックが強盗の悪漢ともみ合っているのが見えた。

「ぐあっ…………!」
「ブラックッ!」

 ブラックが悪漢から腹に蹴りを喰らって倒れた、その瞬間、あたしは荷物を投げ捨てて、反射的に薪割り用の斧を――――冒険者をしていた時に最も扱い慣れた得物を手に取った。

「動くな、女ァ! さもないと、この亭主をぶっ殺すぞッ!」

「ぐっ……ウルリカ、この男の言うとおりにするんだ……君は手を出すな。手を出してはならん……」


 悪漢は目出し帽を被って、手には棍棒を持っている、絵に描いたような強盗だ。ブラックは既にこの強盗とやりあって、あたしがさっきぶん殴った頬のアザも目立たないほど傷だらけになってた。


「ブラック、待ってて! 今助ける! こんな男、あたしなら――――」
「駄目だ! 戦うな!」
「なんで!?」


「……君は、相手を殺さずに戦う術を身に付けているのか!?」
「!!」


 そうだ。あたしは敵と戦う場合、常に確実に殺すことを念頭に置いてきた。みね打ちなんて練習したことも無い。

 今手にしている斧も両刃だ。手斧をあつらえるのが面倒で、自分の愛用してきた得物をそのまま薪割りに使ってた。

 それが、こんな時に邪魔になるなんて…………!

 冒険者としての勘が鈍ってない今なら、突撃すれば一撃で強盗を殺せる。ブラックにこれ以上手傷を負わせるまでも無く。




 でも、それは許されないんだ。




 ブラックは医者よ。命に対しては等しく尊いと思っている。

 例え相手が極悪人であろうとも。殺してしまうのは何より許さない。あたしもブラックのそういう心がけに思うところがあったから彼について来た。

 それは、『民間人なら人を殺してはならない』ってこと。


 そりゃ、こっちが命の危機に晒されて、やむおえず相手を殺してしまうのは正当防衛。


 でも、殺してしまったら……それは例えただの民間人でも、まっとうには生きられなくなる。だからあたしも不殺ころさずを彼に誓った。

 それが、ブラックについていく最低限のルール。彼の信念に従うことであたしは『民間人の、ただの女』として生きることをあたし自身にも約束したんだ……。


「わかっているな、ウルリカ! 手を出すな。武器を捨てるんだ――貴様! 金目の物なら一切合財持っていけ! だから、彼女にだけは手を出さないでくれ!」

「くく……賢明な判断だぜ、ブラック先生よ……あんたの悪名は聞いている。相当稼いでいるはずだよな!?」


 そうだ。ブラックが正しい。

 彼はいつもその腕前で荒稼ぎしてるんだ。一度全財産を失ったってどうってことない。

 それで誰も死なないならそれでいいじゃん。

 あたしは斧を持つ手の力を緩めた――――


「……ん? ちっ!」
「くそっ!」

 その時、ブラックはコートに仕込んでいた麻酔剤入りの注射を刺そうとしたけど、すぐに悪漢は気付いて距離を取り、家の外に出た。瞬間――――

「……ウルリカさん? 何があったの? 斧なんか握りしめて――――」

「……大家さん!? なんで今――」
「はっはぁーッ!」

「! やめ――――」


 ――――しまった。



 あたしが一瞬、気を取られている隙に……強盗は素早く外に出て大家さんを羽交い絞めにした。よりにもよって、大家さんが!

「動くな、そこの二人! 今から俺の言うとおりにしろ……従わなかったら、このババアの頭、吹っ飛ばすぞッ!」

 強盗は懐からフリントロック銃を取り出し、大家さんのこめかみに突きつけた。

 ……くそっ! なんて抜け目の無い奴なんだ!

「そうだな……貴様ら、金目の物をまとめてここまで丸腰で持って来い! それから、俺の脱出に手を貸せ。このババアは人質として連れて行く!」

「う、ウルリカさん……ブラック先生……構わないで。この人を止めて……!」
「黙ってろ、ババアッ!」

 強盗は銃底で大家さんを乱暴に小突いて怒鳴り声を上げる。あたしは堪らず――


「やめろッ! 大家さんを離せ、さもないと――」
「駄目だ、ウルリカッ! ……ひとまず奴の言うとおりにするんだ。堪えろ……!」

「……くっ!」

 叫び、すぐにでも悪漢を叩きのめそうと逸るあたしを、ブラックが制止する。

 あたしは、すっかり冒険者をしていた頃の精神状態に戻ってしまっていた。


 このギリギリの緊張感。殺気が飛び交う修羅場。命の遣り取り。

 その感覚があたしを戦士に引き戻していた。






 ――――でも、駄目。






 今、ここで下手に動けば大家さんは殺される。

 だからって、奴の言うとおりにすれば、大家さんは連れ去られてしまう。

 じゃあどうすれば? どうしろっての!? 

 あたしは、ここで自分の殺意に従ってしまいたい想いと、民間人の女として生きる想いの狭間に立たされた。


「いいかウルリカ。くれぐれも堪えろ。奴が隙を見せるのを待つんだ」


 ――うるっせえよ、ヤブ医者。

 そう毒づきたかったけど、あたしは動揺で歯が震えて声も出ない。手の震えも止まらない。

「馬鹿が! こんな状態で隙なんか作るかよっ! さあ、さっさと金目の物を集めて、脱出する準備をしろ!」

 強盗が獰猛にほくそ笑む。

 どうしたらいいの? 今動けば大家さんが……こんなあたしを孫みたいに思ってくれる人が……でも、奴の言うとおりにしても、命の保証は…………。


 あたしは…………あたしは――――



 その時だった――――




「    」


「……は? ババア、お前、まさか――――」


 そして、夕暮れ空の下、木々に止まってた鳥たちが一斉に飛び立った。



 乾いた銃声が響き渡ると同時に。




 ――――
 ――――――――
 ――――――――――――


 強盗が大家さんの言葉に気を取られた隙に、ブラックが懐から取り出した麻酔弾入りの銃で奴を撃って、命中した。

 急所は外れたし、もちろんブラックのこと。殺傷能力は無い銃弾だった。

 あたしはすぐに大家さんを抱き寄せて、ブラックは奴に麻酔弾が効いて痺れてる間に、武器を全て取り上げ、ロープでふん縛った。


 強盗の目出し帽を取ると、中には冴えない男の顔があった。

 その表情は悲しさと切なさと虚栄心が綯い交ぜになった複雑な、そして決して知的とは程遠い面をしてた。

 大家さんはあたしに支えられながら、ゆっくり強盗に近づいて、そしてゆっくり唇を開いた。


「……やっぱり、あんただったのね。……ポルタ……」
「………………」


 大家さんがポルタと呼んだ男、黙りこくってる。あたしは声を荒げた。

「何とか言いなさいよ! さもないと――」

「止して、ウルリカさん。ようやく帰ってきた人と――――息子と静かに話がしたいわ」

 強盗は、大家さんの息子だった。


 そう。かつて医者を目指したけど上手くいかず、蒸発したポルタというこの男。大家さんがさっきの修羅場で名前を呼ぶまで、お互い気付きもしなかったみたい。


「こんな男が、この温厚な大家さんの息子とはな。それで医者志望だっただと? 散々狼藉を働いて、見下げ果てた息子――――いや、失礼…………」

 ブラックも怒ってるみたい。大家さんの手前、思わず失言を訂正しようとする。

「……こんなに荒れ果ててしまって……ああ、ポルタ……会いたい、会いたいとは思っていたけど……まさか、こんな……」

 大家さんは声を震わせ、涙を流して変わり切った息子を憐れんだ。




 かわいそうな大家さん……。

 それでも、あたしはどうしても訊きたい事がある。

「……あんた、娘はどうしているか、知らないの? 自分の……娘を……」

「……ッ! ……娘……俺の娘、は…………」


 確信があって訊いたわけじゃあなかった。


 何となく、あたしは直感で、この男――ポルタは自分の娘が今どうしているか知っているような気がした。

 そして、今の反応を見て疑惑が確信に変わった。


 この男は、こいつは娘の現在を知っている!

「知ってる? 知ってるでしょ! 教えなさいよ!」

「……い……言えねえ……」

「この――――」
「待て、ウルリカ。もし大家さんにとって大事だったならどうする。ここは大家さんには場所を変えてもらって――」

「……いいの。聞かせて、ポルタ……あの子は……メリアはどうなったの……?」

 大家さんは弱弱しくも、強い願いを込めて息子に、孫の現在を訊いた。ポルタはだんまりを決め込もうとしているみたい。

 それを見て、ブラックは家に置いてある薬品箱から薬を取り出し、ポルタににじり寄った。


「……話せ。この村の駐在に引き渡す前にな。さもなくば、自白剤を使う」

「………………」

 ポルタは観念したのか、すごくうしろめたそうな顔をして、大家さんから目を逸らしながらぼそっと答えた。


「……あ……ある街で出会ってからは……しばらく一緒に行動していた……」

「……それで?」


 あたしが詰め寄ると、ポルタはさらに陰鬱な顔をして、声を震わせながら――――


「……じょ……女郎として……売り飛ばした……金が無くて…………きっと……いや、絶対にもう、死んでる」


「!!……ああ…………!」


 ――――大家さん! っと、何とか抱きとめた……ある程度覚悟はしていたのかもしれない。

 でも息子が悪人に身を落としていただけで弱っていた大家さんは、その告白を聞くとたちまち気を失った。


「よろしい。ウルリカ、大家さんをベッドに寝かせて少し看ていてくれ。私は今すぐこの男を駐在に突き出してくる」



 ――――
 ――――――――
 ――――――――――――



 ブラックが戻ってくる頃には、辺りはすっかり夜になってた。大家さんはショックで顔色が悪いまま気を失ってるけど、とりあえず命に別状はなさそう。

 ……あたしはずっと大家さんが横になってるベッドの横の固い床で、顔を膝小僧に埋めて三角座りをしてた。

 そりゃそうよ。大家さんと昼間あんな話をした矢先に、こんなヒドイことになるなんて。

 あたし自身だって、もしも理性を失ってポルタに突撃していたら――――そう思うとしばらく立ち直れないかも…………。




 もし、あのまま人を殺していたら……あたしはまた冒険者に逆戻りだったのかな。




 ブラックに、「見損なったよ、今すぐここから出て行け」

 そう言われて、見捨てられたのかな。

「……ウルリカ。大家さんの容態はどうだ」

「………………ぐすっ」


「……泣いている場合か? 容態ぐらい教えろ」

「……大分顔色悪いけど、他は平気……みたい。まだ意識は戻らない」

「そうか。……ふむ。念のため、弱めの強心剤を打っておくか……」

 そう言って、いつも通り慣れた手つきで大家さんの細い腕を消毒して、ブラックは強心剤を注射した。

「……よし。血色がマシになってきたな。これならもう少しで意識も回復するだろう。問題は後々の精神面だな……」

「……そっか…………」

「……ふう……いい加減気をしっかり持ちたまえ。何なら君にも強心剤が必要か?」


「……うっさい。要らないわよそんなの。……カウンセリングでお願いします」


 ブラックのいつも通りのデリカシーが一ミリも無い言葉に、自然と気を許しちゃったみたい。頼るようなこと言っちゃった…………やば。あたしガチでヘコんでる。

 ブラックは、やれやれ、と小声でつぶやいてから、ゆっくりしゃがんであたしの肩をポンポン、と叩いてくれた。


「君はやれるだけのことを精一杯やった。こうして大家さんも看てくれている。何より、誰も死ななかった。冒険者としての勘が働いて、ポルタを殺すか、私との約束を守り切るかで葛藤したのだろう? ……よく耐え切った。頑張ったな。強盗に押し入られたのは、単なる私の過失だ」


 何よ。いつも散々偉そうに振舞ってるくせに、こんな時だけ優しいんだから。あたしの気持ち、全部見透かされてんじゃん。

 ますます気を許しちゃうじゃん…………。

「もし……」
「何だね?」


「もし、私がキレてさ。あいつを殺しちゃってたら、あたし二度と普通の女になれなかったよね? ……ブラックも、あたしのことなんて見捨てて、嫌いになってたよね?」

「……そうかもな」

 ほら、やっぱりそうじゃん。


 こんな調子じゃあ、あたしは普通の女になんか――――




「だが、そうはならないさ」

「……嘘。あんたなら容赦なく捨てそうじゃん」

「君が何も学習せず、意識改革を怠るような女ならな。だが君はそうじゃあない。そうなる前に、私が止めてみせる。どんな手を使ってもな」


 ブラック…………。


「君はいい女だ。経験の浅い民間人としての生活に努め、不殺を心がけ、大家さんのような身寄りの無い人を思い遣れる優しい子だよ。私の方も助けられている。……もし、君のような女性に何かあれば、私は……」

「う……そんなの、あたしの方だって! ブラックみたいな男がいなかったら……あ…………」

 あああ、恥ずかしい。なに言ってんだろ、あたし。これじゃあ、あたし、本気でブラックのことが――――


「う……ううん……ポル……タ……」
「むっ。気が付いたようだな」


 ああ良かった。大家さん…………気が付いた。

 おまけに、言葉に詰まったところを助けられちゃった。


 あたしはすぐ起き上がって、大家さんに声をかけた。

「大家さん! 大丈夫ですか!?」

「……ウルリカ……さん……あの子は……ポルタはどうなったの……」

「それは……」
「駐在の方に引き渡しました。今夜中には都に護送されるでしょう。私がやむを得ず撃った麻酔弾以外は大した外傷も無く、健常な状態ですよ」

 あたしが返答に困ってると、すかさずブラックが説明してくれた。

「そうですか…………ブラック先生、ウルリカさん……貴方たちには何とお礼を申し上げて良いか……」

「いいえ……」
「そんなの要らないです!」


 ブラックの小声に被せる形であたしは答えた。でも、そんなことより大家さんの気持ちが心配だった。

 あたしは見つからない言葉を探しながらも話そうとする。

「大家さん……その…………なんて言ってあげればいいか…………その……」

「……しかたないんです。あの子はそれだけの罪を犯した。親として、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。でも、裁きは受けるべきです……亡くなった孫のメリアのためにも……」

「大家さん…………」

 大家さんは悲しい顔で天井を眺めて、でも微笑みながら答えてくれた。

「ウルリカさん…………」

「……はい」

「昼間に……話しましたよね……ここの家のこと……やっぱり、貴方がたに譲るわ。もう……二人は戻らないのだから…………」


「……うん……」





 ――――決めた。大家さんと、約束しよう――――


「大家さん。もうひとつ……昼間に話しましたよね」

「……えっ?」




「……大家さんのこと、ホントのおばあちゃんみたいに思っていいですかって……」

「……あっ……」


 大家さんはハッとしたような表情をしてあたしの顔を見た。あたしは強く大家さんの手を握った。

「あたしたち、もうどこにも行きませんから。この村のこの家で、ずっと住みます。住んで、大家さんや村のみんなと生きます」

「ウルリカさん……」

「あっ……そりゃあ、ブラックはあちこち出かけなきゃいけないかも知れないけど……あたしはここに居ますから。死ぬまで、ずっと……」


 気が付いたら、あたし、泣いてた。



 涙の雫が大家さんの手に当たるのに今気付いて――――ああ、もう。そんなのどうでもいい。


「あたしも家族はいないの。だから、新しい家族だと思って、ね――――おばあちゃん」

 そう言うと大家さんも顔をくしゃっ、としわくちゃにして、泣きながら……でも笑って言ってくれた。




「……ええ……ええ、こちらこそお願いね。ありがとう――――ウルリカ……ちゃん。……ありがとう……」

 あたしは力強く大家さんを――――おばあちゃんを抱きしめた。

 だから、その場でぶつぶつブラックが言ってた小声の内容は後で知ることになった。

「……全く。これでは他国へ訪問する機会がうんと減るではないか……そうやって、人の悲しみや苦しみに慈愛をもって接することが出来る……それは、君のような女にしか出来ない……私などにはとても真似出来ん」


 ……後から何とか本人から聞き出した時、顔から火が出そうだったよ……。


「――――だから好きなんだ。ウルリカ。君のような女性が」


嫁修行頑張りますっ!――――END

後書き
「LIVE FOR HUMAN」外伝の第一章、いかがでしょうか?
ウルリカ編はおおむねハートフルな女性の日常を描いたつもりです。
彼女の人生はこれからですが、大事にしてくれる人や真心がきっと助けてくれるのでしょう。
次章はブラック編です。ブラック編では彼の若き日の悔恨を描きます。
この外伝シリーズは各編によってテイストは様々です。
ウルリカのようなラブコメのような展開のものもあれば、ハードな描写のものもあったり、はたまたハチャメチャギャグもあったりします。
是非お付き合いください。感想待ってます!
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