11 / 21
第10話 ※原作でもここら辺作るのに己の品性を疑いました
しおりを挟む
関節技を完全に極められ、激痛に喘ぐ中――――ヒロシの脳裏に光明が走った。
「金だッ!! 金目のモンをアンタにくれてやる! 大粒の宝石……ッ! だから頼む!!」
「……!!」
ヒロシはほんの数分前に貰ったばかりの宝石を取引に使った! ソロルの力が僅かに弱まる。
「……本当に? この関節技から逃れたくて、嘘言ってるんじゃあないでしょうね?」
「うぐぐ、本当だって! 嘘だと思うなら……俺のジャケットの右の胸ポケットに包んであるッ! だ、だから……ッ!!」
「…………」
ソロルは訝りながら……毒々しい色彩の頭髪の蛇を一匹、ヒロシの胸ポケットに這わせる。
冷たくヌメった蛇がヒロシの首筋を撫ぜる。爬虫類が好きな人には堪らない感覚らしいが、この窮地に立たされたヒロシには当然そんな感触を楽しむ余裕もない。怖気を催しながらも懸命に耐える……。
「――これかしら?」
蛇が綺麗な包装袋を抜き取る。そして、他の頭髪の蛇も使って器用に中身を確認する。
「……まあ! こんな物を!?」
ソロルは袋の中身に驚愕し、すぐに技を解いた。ヒロシは慌てて距離を取り、呼吸を整える。
「ぐはっ!! ぜえーっ、ぜえーっ、ひゅー……ひゅー……」
(危ないトコだったぜ……あと数秒締めあげられてたら脚の骨を砕かれていたぜ……いや、脚が動かなくなったら次は腕……背中……最悪、首を…………)
何とか関節技から逃れたものの、判断が遅れた場合のことを想像し、ヒロシは改めて戦慄し、顔が真っ青になった。
「こんな高価な物を頂いていいの!? 当分食いっぱぐれないどころか、ひと財産よ!?」
ソロルは素早く変身を解き、元の若き女性の姿に戻った。殺気を解き、ヒロシに駆け寄り、しゃがんで声をかける。
「ゲッホ……ヴェエッホッ! ……い、いいってことよ……アンタに勝てない喧嘩売った……俺が甘かったんだ……それで、見逃してくれ…………」
「う、う~ん……でも、こんな大粒の宝石……本当に? いいの?」
先ほどまでの容赦のない態度だったソロルは一転して痛めつけた相手を心配する素振りを見せる。
「ね……姉さ~ん……」
「え? マーくんどうしたの?」
「そ、その人も心配だけど……お、おしっこ……もう限界ィ……!」
「あ、ああ。ごめんごめん! そこの壁に――――」
その時、ヒロシは右手を素早くソロルの眼前に差し出した。
「……さっき長旅で飲み終えたばかりの2リットルペットボトルだ……口は大きいやつだからな。足りるはずだ」
「ヒェッ! 尿瓶代わり!? ……な、なんかそれはそれで嫌だあーっ! 排泄物なんて用を足した時点で過去形にしたいじゃん! 形が目に見えて残るなんて嫌だあーっ! 恥ずかしいよーっ!!」
思わぬ妥協案に難色を示すマーくん。
だが、ソロルは何やらじっとりニヤリと微笑んで言う。
「こらこら、マーくん! 折角どこの誰とも知れない人だけれど、トイレを用意してくださったのよ? 今すぐ姉さんの前で――――いやいや……このお兄さんに用を足してもらいなさい?」
「そんなあ!?」
「大丈夫、大丈夫! 姉さん向こう向いててあげるから! この人なら男同士よ。なら恥ずかしくないでしょ?」
「う、ううーん……」
困惑していたマーくんだが、すぐに壁の方を向いて告げる。
「ぐすっ……わかったよお…………」
「ハイ、取り敢えず貴方、弟を頼むわね」
「お、おう……」
<<
その後、ヒロシは立ち上がってマーくんが用を足すのを手伝ってあげた。そして、明後日の方を向いているとはいえソロルが自分やマーくんに何か不埒なことをしないか見張った。
「……零すなよ。飛沫が飛ぶとバッチイからな」
「う、うん……」
<<
<<
<<
そしてヒロシは、傾奇アイテム『マーくんの聖水』を手に入れたっ!! チャチャチャチャーン!!(ファンファーレの鳴る音)
「聖水って何!? それ僕のおしっこだよ、汚いよ! 全然聖水じゃあないよ!!」
あまりの扱いに狼狽するマーくん。
「何言ってるの、マーくん! ふるーくから伝わるお話にね、マーくんぐらいの男の子が、その聖水を振り撒いてあまりの清さに火事の火元が消えて引っ込んだってのがあるんだから! 炎の精霊がドン引きするレベルでね? 汚いだなんてとんでもない」
「えっ……ええ~っ……そんな高尚なのと同じにされても……」
ペットボトルの中には、栄養やら何やらが豊かそうな聖水がタプタプと小さく波打っている。
「……ねえ、お兄さん」
「……な、なんだ? もうアンタと戦う気は――――」
「そんなことはもうどうでもいいわ。その聖水は……マーくんの物――――というか、マーくんの身体の一部だったものなの……返して……もらえないかしら?」
「…………」
ヒロシは考えた。
手元にあるのはただの聖水だ。
だが、何とかこの傾奇アイテムを活かす状況が無いだろうかと。
世の中には尿療法など奇特な健康法を嗜む者もいる。もっと奇特なのは他人の身体の一部を収集することに悦楽を覚えるような人体収集家なども存在する。
これだけ傾奇者が闊歩する混沌の街・カオスシティ。
そんな人物がいても、もはや何の不思議もない。利用する術は有り得る。
だが――――聖水を見るソロルの目つきが鋭い……この戦闘でも完敗を喫したわけだし、断れば再び地獄のような激痛を伴う関節技を極められるかもしれない。
ヒロシは冷や汗を垂らしながら妥協した。
「……わかったよ。この聖水はアンタたちのもんだ」
聖水を渡すと、ソロルは大事そうに懐に抱えた。
「ありがとうございます……うっ、うへっ、うへへへへぇ~…………」
ソロルは不気味な笑みを浮かべ、欲情に近い声を漏らす。
(うわ……やっぱこの姉さん、やっべえ)
戦慄し、同時に判断を誤らなかったことにヒロシは安堵した。
「ね、姉さん! それ捨ててよね!? 汚いし……は、恥ずかしいから……!」
ひとまず尿意を解消したマーくんは、ソロルの服の裾を引っ張り訴える。顔は真っ赤である。
しかし、ソロルはそんな弟の訴えも軽く見て、聖水入りのペットボトルを片手で空中に軽く放ってお手玉する始末……。
(うおっ! 汚ねえ……マジかよこの女)
「うわあ! 姉さんやめてって! それおしっこなんだよ!? 中身漏れたらどうすんの!!」
ソロルは恍惚に近い表情を浮かべ、お手玉する聖水を見つめている。
「な~に言ってるの。マーくんの大切なにょ――――聖水だもの……汚くなんかない。じっくりコトコト煮詰めて、煎じ詰めて、魔法をかけて…………立派な魔法道具に錬成してあげるに決まってるじゃあないの……マーくんの大切な聖水だもの……きっと優秀な錬成素材よお? ぷぷっ、ぐぐぐククククク…………」
「どういう意味で優秀なそざ――――うわあ…………」
マーくんは自分の体液(しかも排泄物)を欲情しながら錬成の優秀な素材として愛でる姉の表情やその妄執を想像し、紅潮した顔は一気に真っ青になった。
「……あっ、いけない! 忘れるところだったわ……ねえ、貴方?」
「うっ、な、なんだよ……」
ヒロシは身構える。単なる戦闘力だけでなく、性癖を含め危険な精神性を十分に感じ取れた以上、出来ればお近付きになりたくないのが心情だった。
「そんなに構えないで。さっき、苦し紛れとはいえ、こんな立派な宝石を頂いちゃったんですもの! 凄く嬉しいけど……ちょっと金銭的には貰いすぎだわ」
ソロルは聖水を持っている鞄に仕舞い、宝石の包みも服のポケットに入れてからヒロシに向き直る。
「――だから、是非お礼をさせてください! ウチの魔法屋で出来る最高のサービスをさせてもらうわ!」
「……えっ!? い、いいのか? でも……」
思わぬ申し出にヒロシは動揺した。ソロルはさっきまでの凶悪な笑みではなく、快活に微笑んで続ける。
「あら、意外だった? これでも分相応に生きているつもりよ。身の丈に合わない臨時収入は良くないし、それ相応の感謝の気持ちは示さなきゃ!」
「そ、そうか……ありがとよ……」
少し呆気に取られて、ヒロシは生返事をした。
だが、ソロルはにこやかな笑顔の裏に黒い念のようなものを含んだ顔つきでこうも続ける。
「それに……成り行きとはいえ、マーくんの聖水を採取するのを手伝ってもらえたしねえ~……貴方には別の意味でも感謝しなくっちゃ。うふふふふふふふ」
(アカン)
そう思ったヒロシとマーくんは共に顔を見合わせ、苦虫を噛み潰したような渋顔をした。お互い災難だね、と言った感じに。
私たちの店はすぐそこよ。損はさせないし、時間も大して取らせないわ。貴方が良かったらの話だけど、来て来て!
「……わかったぜ。そ、それじゃあ……邪魔するぜ」
「うむ。素直でよろしい! さあ、こっちよ!」
ソロルとマーくんは路地裏から離れて、魔法屋とやらに向かった。
――――ソロルは、宝石の『サファイアを一粒だけ』満足そうにポケット越しに撫でながら歩く。
(……宝石を別々に分けて持っておいて正解だったぜ……後ろめたくて言えねえが……まだ金目のモンを失っちまうのは惜しいからな。『分相応に生きている』とやらを利用させてもらうぜ)
そして、#俄__にわか_#にヒロシの胸元の傾奇メーターが輝く……土壇場の機転と、マーくんを助けたことに対してだろうか……。
傾奇ポイントを三十五ポイント手に入れた!!
――――現在ヒロシの傾奇ポイント百八十五ポイント。予選終了まで三時間二十分。予選通過に必要な傾奇ポイント百十五ポイント――――
「金だッ!! 金目のモンをアンタにくれてやる! 大粒の宝石……ッ! だから頼む!!」
「……!!」
ヒロシはほんの数分前に貰ったばかりの宝石を取引に使った! ソロルの力が僅かに弱まる。
「……本当に? この関節技から逃れたくて、嘘言ってるんじゃあないでしょうね?」
「うぐぐ、本当だって! 嘘だと思うなら……俺のジャケットの右の胸ポケットに包んであるッ! だ、だから……ッ!!」
「…………」
ソロルは訝りながら……毒々しい色彩の頭髪の蛇を一匹、ヒロシの胸ポケットに這わせる。
冷たくヌメった蛇がヒロシの首筋を撫ぜる。爬虫類が好きな人には堪らない感覚らしいが、この窮地に立たされたヒロシには当然そんな感触を楽しむ余裕もない。怖気を催しながらも懸命に耐える……。
「――これかしら?」
蛇が綺麗な包装袋を抜き取る。そして、他の頭髪の蛇も使って器用に中身を確認する。
「……まあ! こんな物を!?」
ソロルは袋の中身に驚愕し、すぐに技を解いた。ヒロシは慌てて距離を取り、呼吸を整える。
「ぐはっ!! ぜえーっ、ぜえーっ、ひゅー……ひゅー……」
(危ないトコだったぜ……あと数秒締めあげられてたら脚の骨を砕かれていたぜ……いや、脚が動かなくなったら次は腕……背中……最悪、首を…………)
何とか関節技から逃れたものの、判断が遅れた場合のことを想像し、ヒロシは改めて戦慄し、顔が真っ青になった。
「こんな高価な物を頂いていいの!? 当分食いっぱぐれないどころか、ひと財産よ!?」
ソロルは素早く変身を解き、元の若き女性の姿に戻った。殺気を解き、ヒロシに駆け寄り、しゃがんで声をかける。
「ゲッホ……ヴェエッホッ! ……い、いいってことよ……アンタに勝てない喧嘩売った……俺が甘かったんだ……それで、見逃してくれ…………」
「う、う~ん……でも、こんな大粒の宝石……本当に? いいの?」
先ほどまでの容赦のない態度だったソロルは一転して痛めつけた相手を心配する素振りを見せる。
「ね……姉さ~ん……」
「え? マーくんどうしたの?」
「そ、その人も心配だけど……お、おしっこ……もう限界ィ……!」
「あ、ああ。ごめんごめん! そこの壁に――――」
その時、ヒロシは右手を素早くソロルの眼前に差し出した。
「……さっき長旅で飲み終えたばかりの2リットルペットボトルだ……口は大きいやつだからな。足りるはずだ」
「ヒェッ! 尿瓶代わり!? ……な、なんかそれはそれで嫌だあーっ! 排泄物なんて用を足した時点で過去形にしたいじゃん! 形が目に見えて残るなんて嫌だあーっ! 恥ずかしいよーっ!!」
思わぬ妥協案に難色を示すマーくん。
だが、ソロルは何やらじっとりニヤリと微笑んで言う。
「こらこら、マーくん! 折角どこの誰とも知れない人だけれど、トイレを用意してくださったのよ? 今すぐ姉さんの前で――――いやいや……このお兄さんに用を足してもらいなさい?」
「そんなあ!?」
「大丈夫、大丈夫! 姉さん向こう向いててあげるから! この人なら男同士よ。なら恥ずかしくないでしょ?」
「う、ううーん……」
困惑していたマーくんだが、すぐに壁の方を向いて告げる。
「ぐすっ……わかったよお…………」
「ハイ、取り敢えず貴方、弟を頼むわね」
「お、おう……」
<<
その後、ヒロシは立ち上がってマーくんが用を足すのを手伝ってあげた。そして、明後日の方を向いているとはいえソロルが自分やマーくんに何か不埒なことをしないか見張った。
「……零すなよ。飛沫が飛ぶとバッチイからな」
「う、うん……」
<<
<<
<<
そしてヒロシは、傾奇アイテム『マーくんの聖水』を手に入れたっ!! チャチャチャチャーン!!(ファンファーレの鳴る音)
「聖水って何!? それ僕のおしっこだよ、汚いよ! 全然聖水じゃあないよ!!」
あまりの扱いに狼狽するマーくん。
「何言ってるの、マーくん! ふるーくから伝わるお話にね、マーくんぐらいの男の子が、その聖水を振り撒いてあまりの清さに火事の火元が消えて引っ込んだってのがあるんだから! 炎の精霊がドン引きするレベルでね? 汚いだなんてとんでもない」
「えっ……ええ~っ……そんな高尚なのと同じにされても……」
ペットボトルの中には、栄養やら何やらが豊かそうな聖水がタプタプと小さく波打っている。
「……ねえ、お兄さん」
「……な、なんだ? もうアンタと戦う気は――――」
「そんなことはもうどうでもいいわ。その聖水は……マーくんの物――――というか、マーくんの身体の一部だったものなの……返して……もらえないかしら?」
「…………」
ヒロシは考えた。
手元にあるのはただの聖水だ。
だが、何とかこの傾奇アイテムを活かす状況が無いだろうかと。
世の中には尿療法など奇特な健康法を嗜む者もいる。もっと奇特なのは他人の身体の一部を収集することに悦楽を覚えるような人体収集家なども存在する。
これだけ傾奇者が闊歩する混沌の街・カオスシティ。
そんな人物がいても、もはや何の不思議もない。利用する術は有り得る。
だが――――聖水を見るソロルの目つきが鋭い……この戦闘でも完敗を喫したわけだし、断れば再び地獄のような激痛を伴う関節技を極められるかもしれない。
ヒロシは冷や汗を垂らしながら妥協した。
「……わかったよ。この聖水はアンタたちのもんだ」
聖水を渡すと、ソロルは大事そうに懐に抱えた。
「ありがとうございます……うっ、うへっ、うへへへへぇ~…………」
ソロルは不気味な笑みを浮かべ、欲情に近い声を漏らす。
(うわ……やっぱこの姉さん、やっべえ)
戦慄し、同時に判断を誤らなかったことにヒロシは安堵した。
「ね、姉さん! それ捨ててよね!? 汚いし……は、恥ずかしいから……!」
ひとまず尿意を解消したマーくんは、ソロルの服の裾を引っ張り訴える。顔は真っ赤である。
しかし、ソロルはそんな弟の訴えも軽く見て、聖水入りのペットボトルを片手で空中に軽く放ってお手玉する始末……。
(うおっ! 汚ねえ……マジかよこの女)
「うわあ! 姉さんやめてって! それおしっこなんだよ!? 中身漏れたらどうすんの!!」
ソロルは恍惚に近い表情を浮かべ、お手玉する聖水を見つめている。
「な~に言ってるの。マーくんの大切なにょ――――聖水だもの……汚くなんかない。じっくりコトコト煮詰めて、煎じ詰めて、魔法をかけて…………立派な魔法道具に錬成してあげるに決まってるじゃあないの……マーくんの大切な聖水だもの……きっと優秀な錬成素材よお? ぷぷっ、ぐぐぐククククク…………」
「どういう意味で優秀なそざ――――うわあ…………」
マーくんは自分の体液(しかも排泄物)を欲情しながら錬成の優秀な素材として愛でる姉の表情やその妄執を想像し、紅潮した顔は一気に真っ青になった。
「……あっ、いけない! 忘れるところだったわ……ねえ、貴方?」
「うっ、な、なんだよ……」
ヒロシは身構える。単なる戦闘力だけでなく、性癖を含め危険な精神性を十分に感じ取れた以上、出来ればお近付きになりたくないのが心情だった。
「そんなに構えないで。さっき、苦し紛れとはいえ、こんな立派な宝石を頂いちゃったんですもの! 凄く嬉しいけど……ちょっと金銭的には貰いすぎだわ」
ソロルは聖水を持っている鞄に仕舞い、宝石の包みも服のポケットに入れてからヒロシに向き直る。
「――だから、是非お礼をさせてください! ウチの魔法屋で出来る最高のサービスをさせてもらうわ!」
「……えっ!? い、いいのか? でも……」
思わぬ申し出にヒロシは動揺した。ソロルはさっきまでの凶悪な笑みではなく、快活に微笑んで続ける。
「あら、意外だった? これでも分相応に生きているつもりよ。身の丈に合わない臨時収入は良くないし、それ相応の感謝の気持ちは示さなきゃ!」
「そ、そうか……ありがとよ……」
少し呆気に取られて、ヒロシは生返事をした。
だが、ソロルはにこやかな笑顔の裏に黒い念のようなものを含んだ顔つきでこうも続ける。
「それに……成り行きとはいえ、マーくんの聖水を採取するのを手伝ってもらえたしねえ~……貴方には別の意味でも感謝しなくっちゃ。うふふふふふふふ」
(アカン)
そう思ったヒロシとマーくんは共に顔を見合わせ、苦虫を噛み潰したような渋顔をした。お互い災難だね、と言った感じに。
私たちの店はすぐそこよ。損はさせないし、時間も大して取らせないわ。貴方が良かったらの話だけど、来て来て!
「……わかったぜ。そ、それじゃあ……邪魔するぜ」
「うむ。素直でよろしい! さあ、こっちよ!」
ソロルとマーくんは路地裏から離れて、魔法屋とやらに向かった。
――――ソロルは、宝石の『サファイアを一粒だけ』満足そうにポケット越しに撫でながら歩く。
(……宝石を別々に分けて持っておいて正解だったぜ……後ろめたくて言えねえが……まだ金目のモンを失っちまうのは惜しいからな。『分相応に生きている』とやらを利用させてもらうぜ)
そして、#俄__にわか_#にヒロシの胸元の傾奇メーターが輝く……土壇場の機転と、マーくんを助けたことに対してだろうか……。
傾奇ポイントを三十五ポイント手に入れた!!
――――現在ヒロシの傾奇ポイント百八十五ポイント。予選終了まで三時間二十分。予選通過に必要な傾奇ポイント百十五ポイント――――
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる