いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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311:お土産

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「トックスさん!聞いたよ!宿屋の内装も手掛けたって!
さすがだね。お店も繁盛してるって!」
「奥さん!元気そうだ。一度、やってみたいとは思っていたんだ。
ま、なかなかの出来だと思うよ?ぜひ見てくれよ。」
「うん!それでね、トックスさんにお土産があるんだよ。あとで渡すね。
まずは、イリアスまでの旅で食べたおいしいもの!食べていってね。」

ルグとドーガーを待っている間に見せてもらったものは
本当に良い商品だ。
トックスさんもすぐに来てくれた。

タオル製品、ゴム、スリッパ、これはゴムとタオル地。
ガラスもきれいにできていた。
マーブル状に色がついたのは偶然らしい。きれいだ。

しかし何といってタオルのローブ。
軽い。肌触りもいい。ガーゼのもっとしっかりとした、密なもの。
輪の大きさを変えて研究したそうだ。さすが本職。
意匠はトックスさん。コットワッツのトックスはもうブランド名だ。
もし、記憶が飛ぶとなったらこれらのことは忘れるのだろうか?
違うな、都合よくどこかで落としどころを見つけるのだろう。
そして、疑問に思わない。


「これは売れるね。これだけ気持ちいいと赤ちゃんのおくるみにもいいね。」
「ああ、それは気付かなかった。赤子の物ね。いいな。」
「作るんだったら、お母さんたちの意見を聞けばいいよ。
よくあるよ、ちょっとお茶やお菓子を出してね。
なんでもいいからお話ししてくださいって。
そこから商品を開発していくんだ。」
「なるほどね。」
「あとね、これのもっと大判で、寝床に敷いたり、掛けたりね。
暑いときはそれ一枚でね。」
「ああ、姉さん!あとでゆっくり聞かせてください。」
「うん。」



そんな話をしているうちに先にルグが戻ってきた。
呼び寄せで樹石を取ってきている。

「奥方様、お久しぶりです。」
「うん、ルグ。お疲れ様。奥さんの調子はどう?
おなか大きくなってきた?」
「乾季にはいってすぐですから、まだですよ。しかし、見る間に大きくなりますね。」
「つわりとかはないの?」
「?ツワリとは?」
「あ、無いんだね。食べ物は?特定のものをほしがったりするの?」
「特定というのはないですが、量はいままでの2倍は食べますね。いや、3倍か。」
「そうか、赤ちゃんが育つんだものね。なにが欲しいか聞いてくれた?」
「あ、いえ。祝って、そう思っていただけるだけで十分だと。
あと、あの紅ですか、喜んでいました。」
「そう、それはよかった。じゃ、お祝いの品はこっちで考えるね。」
「ありがとうございます。」

ドーガーもそのあと戻ってきた。

宿に戻り緊急会議をしたようだ。
マティスとセサミンの姉さんたちは、息子の為に出張ってきたが、
結果が出ずに沈んでいたそうだ。
息子たちは、何としてもコットワッツから金を引き出したいと、
樹石の価値をあれやこれやと勝手につけだしているようだ。


「どうしても2万リングがいるのか?」
「それなんですが、当主になるためと母親たちには言っていますが、
できるだけ金を都合つけて2人で出奔するつもりのようです。
兄弟は多いようで、元から当主争いなぞ無理なようですね。
ほぼ次期当主も決まっている話です。」
「領主よりも豪族の方が妻も子も多いというのはどこも同じだな。」
「母親側の支援がないので、肩身は狭いようですね。」
「支援も何も、あの2人は一度もこちらに戻ってこないんだ。
つながり何ぞ自ら消しているようなものだろ?
その二人の母君も故人だ。仕方あるまい。
嫁いだ先で事業は起こさなかったのだろ?自業自得だ。」
「そうでしょうね。そこに今回の銃のですよ。
母親たちだけが乗り気のようです。」
「姉さん?本当に買うのですか?」
「うん。値切らなくていいから、適正価格で。」
「わかりました。」
「良し!とりあえずご飯にしよう。どこでしようかな。」
「俺の家でどうだ?あまり台所は使ってないがな。」
「いい?じゃ、行きましょうか?
セサミンたちは一緒には?月が昇るころに来れる?」
「ええ、もちろん。」
「じゃ、待ってるね。トックスさん案内よろしく。」





領主館からすぐのところにトックスさんの家があった。
領主館で働く者の家だったらしいが、人数が減り、
空き家が何軒かある。街で違う仕事につくか、
館の中で生活するからだ。

「いいね。ここの。マティス?ここらへんの家を買おうか?」
「そうか?気に入ったか?ここならセサミナの管轄だろう。
話しておこう。」

楽しみだ。

トックスさんの店は、街中にある。人を雇って任せてあるそうだ。
ここは住居兼作業場。

マティスは奥の台所に入っていく。

「台所はマティスが勝手に使ってもいいの?」
「ああ、ほとんど使っていない。街で食べるからな。」
「そうなんだね。ここはどう?ここの食事はおいしい?」
「まず、臭いがない。これが大きいな。食事は魚がないのがさみしいかな?
だが、臭いがないからどれもこれもうまい。
魚ももうすぐここでも食べれるようになると領主さんは言ってたぜ?」
「そうか。今日はお魚もあるよ。お肉もね。
あ、お土産あるんだ。綿をいれた服ってあるでしょ?
あれの代わりになる羽毛とメイガの羽根。」
「メイガ!取ってきたのか?」
「うん。2人でなんとかね。きれいに取れたよ。それで、みて、花飾り。」
「おいおい、これはなんというか、なるほどな。」
「お世話になった人に何個か作ってあげるの。のこりはトックスさんのお土産ね。」
「いいのか?金は?」
「ん?お土産だから。それで、これがアヒルの羽毛。ふわふわしてる奴ね。
これでドテラとお布団作ったの。」
「アヒルってあれだろ?赤い大きい奴。」
「知ってる?ここら辺は見ないね。」
「そうだな、ここらでは駱駝馬を使うからな。
で?その羽根?羽毛?これをどうしたんだ?」
「綿の代わりに布団とか、服にね。軽いよ。獣臭くないし。
こう、寄らないように、小さく部屋にしてね。
ここももうすぐしたら寒いでしょ。おこた出そうか?」
「オコタ?」
「そう、おこた。炬燵ね。」


毛布を引き、低いテーブルだし、樹石を入れる。
そこに羽毛布団、薄い毛布、天板と重ねていく。

「ん?」
「靴脱いでどうぞ?」
「中に脚をいれるのか?座る?」
「そうそう。掘りごたつもいいけどね。足伸ばせるこっちが好きなの。
で、このドテラ。どうぞ?」
「でかいな。」
「これはいいのよ。ささ、ちょっと入ろう。」









「愛しい人?あとは並べるだけだ。?」

トックスの家の台所をこちらが使いやすいように改造して。
むにえる、焼き魚、豚の煮込みと作っていく。
後は仔ボットの一番うまい肉だ。大蒜で。
おうどんは次回だな。
昆布締めは切るだけだし、このわた、なまこ酢は出すだけだ。
さらご飯と、豚の煮込みはパンも出しておこう。
甘味はあのリンゴの器にアイスクリームを入れたものだ。
リンゴ酒で煮込んだリンゴは上に飾るだけだ。


土産の品を広げているだろう部屋に行くと、
ドテラも着込んであの恐ろしいオコタを出して2人で入っている。

「お、旦那。いい匂いがしてるな。あー、だめだ。
しょんべんいってこよう。あ、寒い!あー!!」

トックスはどたどたと奥に行った。

「マティスはここ。わたしの後ろ。」
彼女はどてらを脱ぎ、私に着せてから、後ろに回るようにいう。
彼女に言われるまま、彼女を抱え込むように座った。

「マティスからおいしい匂いがする。」
「ああ、暖かいな。トックスとなにをしていたんだ?」

テーブルの上には紙が広がり、花の絵がたくさん描いてある。

「これ、もっとかっこよくできないかなって。
色がきれいでしょ?だから、あのモモ色のドレスに付けた花みたいに
なかに紅玉を付けるとか、そういうの?
小さいのをこう、しずくみたいに付けるとか?
そういうの考えてた。」
「ほう、きれいだな。私はこれをつなぎ合わせて、ドレスを作りたいと思たんだが。」
「そりゃ、旦那、羽根が2000枚はいるぜ?4枚無傷でとれるとしても500匹だ。」

戻ってきたトックスがオコタに入りながら、すぐに絵を書いていく。

「500匹か。無理な数ではない。雨の日までに大量に発生する。
それをカエルが食べるからな。
カエルに食べられる前に狩るとしよう。」
「ほんとかよ?そのドレス、俺に作らせてくれるのか?」
「もちろん。あのドレスもよかった。
愛しい人が着たところを見せられなくて残念だがな。」
「あー、あれね。奥さんよ、あんたの旦那はほんといい趣味してるな。」
「あははは。トックスさんの良心であのドレスはできたと思うよ。
次回もよろしく。」
「次はま、人前にでてもいいようにしよう。な?旦那?次はいいだろ?」
「そうだな。次はな。」
「あとこのドテラ。これはいいな。綿と違って軽い。このオコタも。
もっと寒くなれば暖炉を付けるが、そこまで行かないときはこれで暖がとれる。
ただ、出れない。」
「これは恐ろしいものだ。」
「ここでね、鍋するといいよ。お酒は熱燗。」
「おお!いいな!」
「今日の飯は違うぞ?そろそろ月が昇る。ここでは皆が座れんぞ?」
「うー、そうだね。仕方がない。ちょっと片付けて大きめのテーブル出すよ。」
「片付けるのか?」
「ん?置いときましょうか?この中にある樹石は2日はもちますよ。
出るときは、消えろって。この中で寝ちゃうのは風邪ひきますし、
やけどしないようにだけ気を付けてください。」
「樹石か。北の燃料だろ?ここら辺にはないんじゃないか?」
「いくつか置いときますよ。じゃ。これ、端っこに置いておこう。」

そういいながらも、だれも動かない。

「ダメだね。これ。」
「そうだな。」
「手の先が温まるのがいいんだよな。」
「ああ。温石ってあるでしょ?それが樹石でできますよ。
それで、温度維持の時間は長い。」
「いいな、それ。」
「懐炉って呼んでます。」
「へー。今ある?」
「うん。これ。」
「ああ、いいな。樹石な。どうするかな。」
「うん、その話もセサミンが来たら話をするよ。たぶん調達は大丈夫。
あ、樹石をいれるなんか袋?つくってもらえますか?」
「ああ、わかった。あー、出るぞ!出ないといけない!出るんだ!」
「「おー!!」」

トックスの気合でなんとか抜け出し、端に寄せ、
大きなテーブルと椅子を出し、今日の飯を並べていく。

「愛しい人、来たようだ。テンたちに乗ってるぞ。」
「ほんと?テンにリンゴを食べてもらおう。
赤いからね、喜ぶと思うんだ。」

愛しい人はリンゴの根のほうを3本持って出迎えに走る。

「旦那?例のドレスはどうだったんだ?
見れないんだから感想だけ聞かせてくれ。奥さんがきれいだったというのは
わかるから、そこは省いていい。ドレスだけに要点を置いて、な?」

トックスは服装飾に対する緑の目だとおもう。
それにしか興味がない。なので、彼女と2人にしても問題はない。

「そのドレスを着て、舞を舞ってもらった。」
「?奥さん舞うのか?あのドレスで?ちょっとまて!んー、、想像できん。
どんな?どんな舞だ?」
「初めて見る舞だ。どんなというわれれば美しいとしか。」
「それはわかってる!もっと具体的に!!」
「こう、長い紐をくるくるまわして、
その動きとドレスの裾が、同じようにくるりと回ってな。
光を石が反射して、彼女も高く飛ぶんだ。うん、きれいだった。」
「ますますわからん。裾が廻る?んー?」
「裾が長いだろう?彼女が飛び上がり、脚を広げるんだ。
すると、裾が広がる。」
「・・・旦那、説明がへただと言われたことはないか?
絵にかいてくれ!」
「いや、彼女の美しさは私の腕では表現できん。いつかは絵にしたいがな。
まだ駄目だ。」
「ドレスの動きだけでいいから!」
「ダメだ。もはや愛しい人と一体にっているからドレスだけ書くことはできない。」
「なんだよ、そのこだわりは!」







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