俺は女性が苦手だ

しょうこう

文字の大きさ
9 / 16

一体なんの冗談だ?

しおりを挟む
 俺は女性が苦手だ。
 できる限り関わりたくはない。




 やばーい、遅刻遅刻~。
 なんていうシーンは、恋愛漫画でお約束のシーンだが、俺は目覚まし通りに起き、朝ごはんを食べて、余裕をもって家を出る。
 大学に入学してからは、奨学金を貰いつつ、バイトをしながら、優雅に独り暮らしをしている。
 一人は楽だ。誰に気を遣うわけでもなく、遅くなるからと連絡を入れる必要もない。
 もちろん彼女もいないので、家に誰かが来ることもほとんどない。
 THE・一人だ。
 さて、少々自分について語ってきたが、これはある種の現実逃避であって、目の前の現実が変わることはない。

「……………むにゃ」

 さっきも言ったが、俺は大学に行くために家を出た。つまり外にいるわけで、絶賛、道を歩行中なのだ。
 なんで、道に女性が横たわっているんだ??
 しかも家を出た矢先。
 なんなら家のすぐ目の前。
 茶色の髪をゆわっと巻いていたようで、今もしっかり残っている。すげぇ。
 しかも「むにゃ」って。
 泥酔して寝てしまったらしい。
 なんでわかるかって?酒臭いからだよ。わかれ。
 なんだか見て見ぬふりして素通りするのも気が引けて、立ち止まったはいいものの、どうしたらいいかわからない。
 さっきから道行く人みんなに、好奇の視線を投げかけられている。
 みなさん誤解しないでください。この人は断じて俺の知り合いではありません。
 なんて心の中で叫んだところで、どうにもならないわけだが。
 この女性をどうするかと悩んだところで、時間が解決してくれるわけでもなく、葛藤すればするほど、大学に行くのが遅れてしまう。
 やれやれ。
 俺は一つ溜め息をつき、女性の上体を起こし、座らせる。
 失礼だとはわかっているが、意識のない人というのは、なんとも重い。あぁ、腰が。
 (一応言っておくが、おっぱいには触れぬように気をつけたぞ。)
 最後に、俺は持っていた未開封の水を女性の脇に置いて、大学へと向かった。




 そして大学が終わり、今日はバイトもないので、18時ごろに家に帰ってきた。
 さすがにもう、朝の女性の姿はなくなっていた。
 変な人に連れていかれてなきゃ良いけどな。
 まぁそんなのはフィクションの中ぐらいか。
 俺は鍵を取り出し、家の鍵を開ける。
 そして中に入ろうとしたとき、


ガチャ


隣のドアが空き、

「あ」

朝のあの女性が出てきた?

「もしかしてお隣さん?」
 イイエ違イマス。
「いやいや、今鍵開けてたよね」

 ジーザス。
 おい、ゴッド。なんの冗談だ。
 なんでこんな意味のわからんイベントを発生させるんだ。
 誰か助けてくれ。
 俺は女性が苦手なんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜

小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。 でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。 就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。 そこには玲央がいる。 それなのに、私は玲央に選ばれない…… そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。 瀬川真冬 25歳 一ノ瀬玲央 25歳 ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。 表紙は簡単表紙メーカーにて作成。 アルファポリス公開日 2024/10/21 作品の無断転載はご遠慮ください。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...