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8(クリスside)
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(やはり、皆さまお姉様の魅力がお分かりの様ですわ!)
と、思わず抱きしめる腕の力が強くなりそうになる。
なぜなら、講堂に入った瞬間、吸血鬼も人間も、種族関係なくお姉様を見ているから。
きっと、この可愛らしいお姉様に魅了されているに違いない!
…と、まあ煩悩はそれくらいにして、ステフも隣で引き攣り乾いた笑い声を出しているので、席に着くことにする。
「さ、お姉様。そろそろ席に着きましょう。」
「うん。」
「お二人はわたくしのお隣でしてよ。」
「あら、ならば最前列ですわね。」
「…どっちの?」
「わたくし達は左側ですわ。」
「ふーん」
お姉様の疑問にステフが答える。初めて来た大きな講堂に、お姉様は興味津々だ。
そして、しばらくした後、入学式が始まった。
学園の入学式は、学園長と現生徒会長、そして新入生代表の挨拶のみだ。その後は事前に連絡されていたクラスに分かれて、自己紹介をして今日は解散という流れだ。
王立魔法学園という名の通り、王家が運営する魔法学園なので、学園長は王国の軍に所属する現役の魔法師団長その人である。名前は確か…ハインリヒ?とかだったような…。
「ようこそ、王立魔法学園へ。君たちがこの学び舎に入学できること、心よりお祝いしたい。この学園は今日で52回目の入学式を迎えた。つまり、君たちは52回目の新入生ということである。これまで君たちの先輩たちが築いてきたさまざまなことを知り、己のものとして、ここから巣立つとき、より広い視野を持って羽ばたけるよう、我々教員一同サポートしていこうと思っている。勉学のみに関わらず、疑問や悩みがある時、つまずいてしまった時は、我々に聞いて欲しい。先人として、出来うる限りのアドバイスをしよう。では、諸君らのこれからの4年間が有意義なものであるように願っている。以上だ。」
彼は吸血鬼と人間の混血で、今年で70と少し?だったかしら。当代の国王陛下の従兄弟に当たるらしい。私は会ったことないが、陛下とは顔がとてもよく似ているらしい。
ちなみに王家に近い血筋や家柄の者は大抵混血児らしい。
学園長が降壇すると、司会の声と共に若い男が壇上に登る。
「初めまして、新入生の皆様。僕はこの学園の生徒会長のベルトラン・ディア・デリーノ。今日この日、君たちに出会えて、こうして挨拶ができることに感謝する。君たちは、全員がこの学園に選ばれた特別な存在で有ると知ってほしい。この国で、魔力が有り、魔法が使える者はその殆どが貴族。だが、この学園に入学した者の中には平民も居るし、今まで、貴族よりも平民の彼らの方が優秀であったことの方が多い。プライドは大切だ。だが、そのプライドにしがみついて、学ぶということを疎かにしないでほしい。これからの学園生活で、君たちが種族も貧富も関係なく、手を取り合い一丸となって勉学や行事に取り組んでくれることを期待している。」
…彼の言う通り、確かに貴族と平民、吸血鬼と人間の関係性の溝は深い。特に貴族出身の者は刷り込みがあらかた終わっていることが多いのに、彼はこの場であえて言及する。そういう性格なのは知っているけれど、果たして、彼の願いは叶うのだろうか…。
生徒会長の話が終わり、心ここに在らずのステフの名が呼ばれる。…彼女は大丈夫だろうか…。
彼女が元気良く挨拶を終えた頃、お姉様は船を漕ぎ始めていた。よく保った方だろう。
私はお姉様の体勢を横抱きに変えて、ステフと共に教室へ歩いていく。
ステフが教室の扉へ手をかけた頃には、お姉様はスヤスヤと可愛らしい寝顔で私の胸にすり寄っていた。
と、思わず抱きしめる腕の力が強くなりそうになる。
なぜなら、講堂に入った瞬間、吸血鬼も人間も、種族関係なくお姉様を見ているから。
きっと、この可愛らしいお姉様に魅了されているに違いない!
…と、まあ煩悩はそれくらいにして、ステフも隣で引き攣り乾いた笑い声を出しているので、席に着くことにする。
「さ、お姉様。そろそろ席に着きましょう。」
「うん。」
「お二人はわたくしのお隣でしてよ。」
「あら、ならば最前列ですわね。」
「…どっちの?」
「わたくし達は左側ですわ。」
「ふーん」
お姉様の疑問にステフが答える。初めて来た大きな講堂に、お姉様は興味津々だ。
そして、しばらくした後、入学式が始まった。
学園の入学式は、学園長と現生徒会長、そして新入生代表の挨拶のみだ。その後は事前に連絡されていたクラスに分かれて、自己紹介をして今日は解散という流れだ。
王立魔法学園という名の通り、王家が運営する魔法学園なので、学園長は王国の軍に所属する現役の魔法師団長その人である。名前は確か…ハインリヒ?とかだったような…。
「ようこそ、王立魔法学園へ。君たちがこの学び舎に入学できること、心よりお祝いしたい。この学園は今日で52回目の入学式を迎えた。つまり、君たちは52回目の新入生ということである。これまで君たちの先輩たちが築いてきたさまざまなことを知り、己のものとして、ここから巣立つとき、より広い視野を持って羽ばたけるよう、我々教員一同サポートしていこうと思っている。勉学のみに関わらず、疑問や悩みがある時、つまずいてしまった時は、我々に聞いて欲しい。先人として、出来うる限りのアドバイスをしよう。では、諸君らのこれからの4年間が有意義なものであるように願っている。以上だ。」
彼は吸血鬼と人間の混血で、今年で70と少し?だったかしら。当代の国王陛下の従兄弟に当たるらしい。私は会ったことないが、陛下とは顔がとてもよく似ているらしい。
ちなみに王家に近い血筋や家柄の者は大抵混血児らしい。
学園長が降壇すると、司会の声と共に若い男が壇上に登る。
「初めまして、新入生の皆様。僕はこの学園の生徒会長のベルトラン・ディア・デリーノ。今日この日、君たちに出会えて、こうして挨拶ができることに感謝する。君たちは、全員がこの学園に選ばれた特別な存在で有ると知ってほしい。この国で、魔力が有り、魔法が使える者はその殆どが貴族。だが、この学園に入学した者の中には平民も居るし、今まで、貴族よりも平民の彼らの方が優秀であったことの方が多い。プライドは大切だ。だが、そのプライドにしがみついて、学ぶということを疎かにしないでほしい。これからの学園生活で、君たちが種族も貧富も関係なく、手を取り合い一丸となって勉学や行事に取り組んでくれることを期待している。」
…彼の言う通り、確かに貴族と平民、吸血鬼と人間の関係性の溝は深い。特に貴族出身の者は刷り込みがあらかた終わっていることが多いのに、彼はこの場であえて言及する。そういう性格なのは知っているけれど、果たして、彼の願いは叶うのだろうか…。
生徒会長の話が終わり、心ここに在らずのステフの名が呼ばれる。…彼女は大丈夫だろうか…。
彼女が元気良く挨拶を終えた頃、お姉様は船を漕ぎ始めていた。よく保った方だろう。
私はお姉様の体勢を横抱きに変えて、ステフと共に教室へ歩いていく。
ステフが教室の扉へ手をかけた頃には、お姉様はスヤスヤと可愛らしい寝顔で私の胸にすり寄っていた。
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