お姉様と離れるなんて無理ですの!

ぺんたごん

文字の大きさ
12 / 20

9

しおりを挟む
生徒が使う椅子や机は、希望があれば生徒個人が持ち込んでも良い事になっている。

学園側が用意する物も、そこそこ良い品質で使いやすく好評なのは確かだが、自慢のために無断で持ち込んだり、平民と同じものは嫌だと駄々をこねた馬鹿が多かったから、学園側が譲歩した形が先ほど述べた決まりである。

もちろん、私はそれを大いに歓迎し、最大限利用した。その結果が…

「ねぇ、クリス。ひとつお聞きしてもよろしいかしら?」


「なんですか?やぶからぼうに。」


「なぜ、わたくしたちの教室に、ベッドソファがありますの?」


「もちろん、お姉様の為に用意した物ですわ。」


「でしょうね!」


そう。
教室の最前列の窓際という好立地な場所に、教室には不釣り合いな濃紺のベッドソファとお揃いのテーブル。
ソファはいつも使っているものと同じ職人に特注で作らせて、テーブルにはサービスで私の為だと引き出しまでつけてくれた完全オーダーメイド。

オプションとして、ティーセットも合わせて注文しておいたので、空き時間はそのまま軽くお茶をすることもできる。


「ねえ、クリス。貴女まさかこれで授業を受けようとか思ってらっしゃらないでしょうね?」


「ん?何か問題でもございますの?」


「大有りよ!!わたくし、絶対集中できませんわ!隣が完全に別空間ですもの!」


「あら、教室でもお隣同士ですのね。」


「休み時間はわたくしも混ぜてくださいませ!」


ステフ…誘惑に負けてますわよ。




まあそれはともかく、

この教室は貴族は貴族でも爵位が高かったり、平民でも優れた成績を納めているものしか居ないエリートクラス…らしい(ステフ力説)。

だから、このクラスの平民はどこかしらの貴族が後見人になり、資金援助を行なっているようで、
学園の備品はほぼ無く、皆それぞれ机と椅子は自前。

つまりこの教室にはまるでお店か何かのように高級品ばかりがズラリと並んでいる。…流石にベッドソファは一つだけだが。


良いじゃありませんか。学園への申請は通っているのだから、問題はどこにも無い。


ちなみに、ステフの机は薔薇の意匠を凝らした素晴らしい一品もの。











クラスの全員が着席してから少し。教室に担任の先生が入ってきた。


「全員揃ってるk……コホン。揃ってるな。」


「俺がお前らの担任だ。名前はエド。これでも魔法師団副団長だ。舐めてかかると痛い目に遭わすから、せいぜい気をつけてくれ。」


「今日はクラスの顔合わせだ。時間割はここに置いとくから、あとは好きにやってくれ。じゃあ解散。」



それだけ言うと、スタスタと教室から出て行くエド先生。

チラリと隣を見ると、これはこれはお怒りのご様子。

「ちょ、なんなのあの教師は!なってませんわ!」


「わたくしは楽で良いですが…?」


「いや、これからどうしろっていうのです?」


「別に、好きに各々動いて良いと言うことでは?」


「ここには吸血鬼も人間も居るのですよ!?」


「……」


チラリと周り…主に背後側を流し見してみると、不安そうな顔、不服そうな顔、困惑気味な顔…などなど、あまり良い感情を持っていない方々が多い様子。一言で言えば、途方に暮れている状態。


「じゃあ、ステフ。そんなに言うのであれば、貴女が仕切りなさいな。」


「…そう言うと思ったわよ。次は貴女の番ですからね?覚えてなさい。」


忘れているかもしれませんわ。


「では…時間割を取りに来るついでに、名前と一言を言って帰ると言うことで如何かしら?……反対は無さそうですわね。さ、右の方から順番に前から一人ずついらっしゃいな」




そう言って、ステフがクラスを仕切り始めた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...