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エピローグ
しおりを挟むヒンレックはスメーグを連れて、一度銀の都アマルガントに戻ることにした。
アウリンを持ったバスチアンの消息を知るためである。彼はオグラマール姫と別れる時、自分の愛馬ブリューゲルを彼女に貸していた。彼がアマルガントに近づくと、石化の呪いから元に戻った、姫の白馬バンターが、森の中でさまよっているのを見つけることができた。
これからはバンターが、勇士の冒険を助けることになる。
やがてヒンレックはヒクリオン、ヒスバルト、ヒドルンに再会し、勇士の四人組が復活する。
彼らは、スメーグを守りながら旅を続けるのだ。
双子の女魔法使いが全員を小人にし、丸焼きにして食べようとしたり、魔女の誘惑をしりぞけたために、スメーグをさらわれたり、幸いの竜フッフールを見つけて、そのあとを追跡したりと…。
ヒンレックは数々の苦難の果てに、ようやくバスチアンの消息を知った。
勇士ヒンレックは、スメーグと共にアウリンの中へ飛び込み、かつてアトレーユという少年がしたように、人間の子供を救った。そして…
冒険を終えた勇士は、ラーホー村へ行き、彼を待っていたオグラマールとルンの国へ行き、彼女の夫となる。それからも彼は、勇士のままだ。オグラマールは新しいリュートを手に入れ、彼女のまま。
エイデルは宿屋の亭主になり、ミルペはその妻となり、千年間の疲れをいやしながら、いつまでも夫の物語に耳を傾ける。
ファンタージェンの正義は、いつまでも続くかに見えた。
* * *
いつの日か、〈エイデルの宿〉の扉を叩く者が現れる。
髭を生やした宿屋の主人が出ていくと、男の子と女の子を連れた勇士ヒンレックが立っている。金髪は元のままだが、彼もまた老いていた。
ヒンレックは言うだろう。
「エイデル! 君の魔法の靴はまだ残っているかね? 力を貸してほしい。大変なことが起きたんだ」
けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう。
勇士ヒンレックの冒険・完
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